今やPC/コンソール/モバイルそれぞれのプラットフォームでサバイバルジャンルの作品は定着していて、多くのプレイヤーがさまざまな世界を舞台にサバイバルを楽しんでいます。
Game*Sparkでは【クラフトサバイバル名鑑】として、同ジャンルが好きな筆者が、定番作品を中心にクラフトサバイバルジャンルの作品の魅力を紹介・解説しています。今回紹介するのは、2026年1月29日にリリースされたPC(Steam)向けサバイバルアドベンチャー『南極計画』です。
世界の命運をかけた1人の子供の南極サバイバル
パブリッシャーPARCO GAMESからリリースされた『南極計画』は、日本のRexLabo(Tokyo game creator team)が手がける作品。RexLaboは“プレイヤーの感情を揺さぶるストーリードリブンゲームを開発する独立系スタジオ”として紹介されており、現在は『南極計画』だけでなく新作サバイバルADV『No.6』も開発中です。
本作は2020年6月に開催された「INDIE Live Expo2020.06.06」にて紹介され、同年11月の「デジゲー博2020」にも出展。RexLaboは、2021年にマーベラスが主催するインディーゲーム支援プロジェクト「iGi indie Game incubator」の1期生に選出されるなど、さまざまなイベントやプログラムに参加しています。
本作の舞台となるのは、ウイルス蔓延や食糧不足、戦争などの影響で人類が激減し、荒廃した約900年後の未来。世界が壊滅的な状況に陥った状況で、突如として南極から世界各国に発信された謎のシグナルは、そこに豊富な資源の存在を示唆するものでした。人類はその信号に最後の望みを託し、1人の「子ども」を南極へと送り出します。
極度の環境汚染が進んだ南極点への旅では、急激な吹雪や低体温、放射能、危険なウイルスなどが次々と襲いかかります。生き延びるためには、荒廃前に人類達が残していった物資や技術を見つけ出し、過酷な環境に立ち向かう方法を見つけなければなりません。また、環境変化に適応した動物たちとの交流も行えます。



およそ5年間の開発を続けてきた『南極計画』は、2025年にパブリッシャーをMarvelous EuropeからPARCO GAMESへと変更。Steamではゲーム本編のほか、アーティストとして活動する布施琳太郎氏によるゲームの世界観を表現した14編の詩を含むオフィシャルビジュアルブック「あったかい?」をDLCとして配信中です。

過酷な環境を生き抜くために
『南極計画』の物語は、主人公である子どもがボートで南極に到着するシーンから始まります。最初はチュートリアルとして、ゲームの基本操作やクラフト、建築物のレシピを覚えるスキャン、ゲージ管理などの項目をステージを進みながら覚えていくことになります。
本作はステージ制を採用していて、氷原や居住地跡、洞窟など、さまざまなエリアでゴールを目指すことが大きな目的です。ただし、最終目的地である南極点は遠く、しかも“南極点に近づけば近づくほど物資は乏しく、環境は厳しくなる”というルールが序盤に提示されます。





ゲーム内では木材・石材・鉱石・油などの物資を集めていくことが重要です。ゲーム内では寒さに耐える「エネルギー」と「スタミナ」があり、アクションや時間経過で少しずつ減っていきます。これらのゲージは自然回復することがないため、適時アイテムをクラフトして使用しなければなりません。
また、ステージの中では吹雪や寒波といった自然の脅威が定期的に訪れます。エネルギーが尽きれば当然倒れてしまいますが、その他に注意しなければならないのが吹雪で、建物や遮蔽物に隠れなければ暴風に襲われ倒れてしまうのです。ゲームオーバーになれば、そのステージの最初からやり直しになってしまいます。





生き残るためにはゲージ管理を行いながら周囲を探索して物資を集め、自然の脅威に耐えられるアイテムや施設をクラフトしなければなりません。もちろん探索が長引けば物資を大量に消費してしまい、南極点到達は夢のまた夢です。




先人が残したものを活かそう
本作の特徴的なシステムが、ステージ内で発見した建築物やアイテムのレシピを覚えるスキャンです。主人公は初期状態ではほとんど物を作ることができません。チュートリアルを兼ねた最初のステージでは高い場所に登るための木箱、岩を採掘するツルハシ、各種回復アイテムなどをスキャン可能です。
ツルハシや斧、シャベルなどのツールが作れるようになれば木や岩、土溜まりなどから素材を入手できます。また、ツルハシは閉ざされた道を破壊する際にも使用可能です。これらのツールは3段階のアップグレードがあり、品質を上げれば消費スタミナを大幅に軽減できるという利点があります。





また、各地にはかつて住んでいた人々の名残が多く残されています。中には電気が生きている中継基地のような場所もありますが、扉を開けるために謎解きを行う必要も。ゲーム内で落ちている端末に触れると“人々の記録”がホログラムで表示され、その中に答えが隠されていることもあります。
『南極計画』は各ステージのゴールに到達するのが目的ですが、初期状態で進んでいくのは不可能に近いほど環境は過酷です。各ステージには多くの隠されたアイテムや施設があり、見つけることでインベントリやスーツエネルギーなどの拡張ができるので、少しでも余裕があれば探索することが重要です。





動物と共に南極の旅を
本作の南極大陸は、現代から約900年後の未来になったことで、驚くべき変化を遂げています。代表的なのが動物たちで、ゲーム内ではペンギンや猫、オオカミ、トラ、シカ、熊など多彩な生物が過酷な環境に適応し、それぞれの生活を送っているのです。ゲーム内では、これらの動物を発見して助けることができます。
動物を助けることで貴重なアイテムを獲得可能で、一部の動物は旅の仲間として同行してくれます。ペンギンは抱っこして体温を上げる、オオカミは騎乗して素早く移動できるなどの効果があり、過酷な旅を生き抜くための大きな助けとなります。なお、動物を救助するには特定のアイテムやイベントクリアが必要です。





動物たちの登場シーンや、各ステージの重要なエリアではカットシーンが流れます。ゲーム内では目的やヒントはテキストで表示されますが、基本的には会話のないゲームとして描かれます。厳しくもどこか美しい南極の旅は、プレイヤー自身がその意味や真実を見つけ出す必要もあるのです。
なお、本作は物語の分岐要素も用意されています。マップ内に隠された「特別なオブジェクト」にアクセスすることで物語は変化するのですが、そのアクセスキーは数が限られています。プレイヤーがどのような探索を行ったかが、物語を変化させていくのです。




『南極計画』はかなり難易度が高い作品です。過酷な環境を生き抜きながらゴール地点を目指すという目的があり、どの方角を目指せばいいかを確認する方法も用意されていますが、物資の運用やゲージ管理などを含めて“生き残るための最善の方法”を常に模索することになり、そのやりごたえが大きな魅力になっています。
なお、開発チームはリリースから約一月後に今後のアップデート計画を公開しています。難易度の調整や操作性の改善などのほか、ステージの最初からやり直すことなく、難所に再挑戦できるようになる“新たなセーブ機能の追加”も計画されており、今後さらなる遊びやすさを提供する予定のようです。
世界の命運を託された、1人の子どもの冒険はとても厳しいものです。ですが、旅の中でさまざまな動物や先人の記憶と出会うことで、その物語は決して孤独ではなく、大きな意味を持っていきます。さまざまな風景を見せてくれる、厳しくも美しい南極の姿は必見です!
















