
2002年、ゲームボーイカラー専用ソフトとして北米でリリースされた『シャンティ』。以降、多くの続編が生まれ、WayForward Technologiesを代表するタイトルに成長しました。
長らく初代『シャンティ』は日本国内でプレイする機会がありませんでしたが、この度ついに移植され、初めて日本語訳がつきました。
ベリーダンスによる変身や、ステージを跨いで進行するアクションパズルプラットフォーマーなど、シリーズが持つ特長はすでに盛り込まれています。ゲームボーイカラー後期に作り出されたビジュアルとサウンドをぜひとも堪能ください。

セクシーダンスが魅力のエキゾチックファンタジーがここに開幕!以降20年続く名作プラットフォーマーシリーズ
本作はシャンティというハーフジーニー(魔人と人間のハーフ)が主人公。スカットルタウンを守る者として町民たちから雇われています。
そんな町に、海賊のリスキィブーツが襲来。彼女はミミック博士の作り出した蒸気機関を奪いました。彼女の横暴を止めるため、シャンティは冒険に繰り出します。

というわけで早速スタート。今回の移植版には、「オリジナル版」と「強化版」の2種類が収録されています。ひとつは、ゲームボーイカラーで発売された当時の色合いを忠実に再現したバージョン。もうひとつは、ゲームボーイアドバンスでプレイした際に適用されたグラフィック強化仕様を再現したバージョンです。当時のプレイ環境による違いまで含めて楽しめる構成となっています。
まずはGBC版をプレイ。粒が荒く、全体的に油画のような印象のシャンティです。バックライトのないGBC実機ではもっと荒く見えていたでしょうが……。


続いて、GBA版。より微細なグラフィックにはなりましたが、ちょっと肌が白く見える感じもしますね。
本プレイレポではひとまずこちらで遊んでいきます。


ゲーム性としては、オーソドックスな2Dアクションプラットフォーマー。(Joy-Con基準で)Aボタンでポニーテールを振り回して攻撃、Aボタン長押しでダッシュ、Bボタンでジャンプです。
シャンティ自体には大した能力はありませんが、彼女には変身する力があります。ベリーダンスを踊っている最中に特定のコマンドをリズミカルに入れることで、シャンティがなまめかしいダンスを披露しながら、猿や象などの形態に変身します。ドット絵でもkawaii~。

たとえば、猿形態では攻撃ができなくなる代わりに、ジャンプ力が増して壁に張り付くことができるようになります。
これらの変身能力はゲーム進行とともに入手していき、行けなかったエリアに行けるようになるものが多いため、メトロイドヴァニアの味わいもあります。

2002年という発売時期を考えるとそこまで不思議ではないですが、一方でこれがゲームボーイカラーのアクションゲームであることを踏まえると、その品質はとても高いものだと言えるでしょう。
さまざまな街やステージを踏破し、話を聞いて次のフラグを進行させていくRPG的な作りであり、のちの『シャンティ』シリーズに比べるとバトルもフラグ管理もだいぶ歯応えがあります。
ステージ上には「ホタル」「ワープイカ」といった収集物が隠されており、それらを見つけるのはなかなか面白いです。
また、特定の街ではコンボ攻撃が購入できたるなど、ただの2Dプラットフォーマーでは終わらせないさまざまな工夫が見られます。
特に街に入った時に肩越し視点に切り替わるのはなかなか面白く、立体感があって好きです。

とはいえ、さすがに20年以上前のゲームということもあり、色々と不親切な点は目立ちます。特に、次の目的地がどこにあるのか、今できることの範囲でこのステージが突破できるのか、そういったことは教えてくれません。
それが味とも言えますが、のちの『シャンティ』シリーズがどんどん易化していった流れを考えると、本作はもっともハードコアな『シャンティ』と言えるかもしれません。一本道のアクションゲームで、久々にあちこちを彷徨い歩く体験をしました。

一方で、ビジュアルの完成度や、エキゾチックな雰囲気は流石の出来です。シャンティやリスキィブーツや敵キャラクターの可愛さはさることながら、中東近辺をモチーフにしつつデフォルメされたマップの空気感、ほどよく気の抜けたローカライズテキストまで、このゲームを丁寧に作ろうという気概が充分に伝わってきます。長寿シリーズになるのも納得ですね。

移植ものとしては、デジタル説明書がなかったり(ゲーム内チュートリアルもありません)巻き戻し機能も付いていなかったり(どこでもセーブ&ロードできる機能はあります)と、良くも悪くもそのまんまな印象です。セーブデータに関しても、オリジナル版と強化版で別々なのも残念な点でした。ミニアートギャラリーは嬉しいですが、もう少し気の利いた設計にしてくれたら、と思ってしまいました。

伝説の始まりを体験できたことは非常に嬉しく、すでに多くの要素が一作目から垣間見れるところはアツいですが、レトロゲームなりの大変さについては覚悟して遊ぶべきであり、移植についても、ローカライズの品質は高いものの、もう少し機能が欲しいと思いました。
とはいえ、この時代に発売した2Dアクションプラットフォーマーのなかでも、注目すべき一本なのは変わりません。歴史を追体験するつもりで、プレイしてみるのはいかがでしょうか。
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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)













