
国産アクションRPGの歴史を紐解く中で、決して避けては通れない金字塔があります。それは、日本ファルコムが手がけた『ザナドゥ』シリーズです。
ファミリーコンピュータがアーケードゲームの移植や『スーパーマリオブラザーズ』の発売で話題となっていた時代、PC向けにリリースされた『ザナドゥ』(1985年)もまた、大きな注目を集めました。
この『ザナドゥ』は、当時どのような存在だったのか。また、1作目の『ザナドゥ』から現代に至るまで、シリーズはいかなる歩みを辿ってきたのか。伝説的なシリーズが積み重ねてきた歴史を振り返ります。
■すべてはここから始まった――PCゲーマーが熱狂した伝説級のアクションRPG

シリーズの原点である『ザナドゥ』は、まず「X1」というPC向けに発売されました。現代の感覚では信じられませんが、当時のPCゲームは異なる機種間の互換性が基本的になく、ゲームは各機種向けにリリースされていたのです。
そのためPCを持っていても、『ザナドゥ』発売当初はX1ユーザーしか遊べませんでした。しかし、PC-8801にPC-9801、FM-7やFM77、さらにはMSXにMSX2と、『ザナドゥ』は幅広く展開していきます。
さまざまな機種のPCユーザーが、それぞれ自分が持つ機種で遊びたいと切望していましたが、その願いが叶う形となりました。

その結果『ザナドゥ』は、PCゲームながら40万本という異例の販売本数を達成。この数字自体も驚異的ですが、当時のPCは今よりも高嶺の花だったため、PCユーザーの人口も限られていました。
そうした状況下で叩き出した40万本というセールスは、伝説と呼ぶにふさわしい記録といえるでしょう。
■『ザナドゥ』に憧れたファミコン少年たちが注目した『ファザナドゥ』

『ザナドゥ』に熱い視線を送ったのは、PCユーザーだけではありません。その人気ぶりからゲーム系の雑誌で『ザナドゥ』が取り扱われたり、当時では重要な情報源だった口コミが回ったりで、その存在がファミコン少年たちの耳にも届きます。
そして、書店にある雑誌などで『ザナドゥ』のタイトル画面を目の当たりにしたとき、その鮮やかさに衝撃を受けたPCを持っていない人も少なくありませんでした。しかし、どれだけ惹かれても『ザナドゥ』はPCでしか遊べず、指をくわえるしかありません。
そんなファミコン少年たちを驚かせたのが、ファミコンソフト『ファザナドゥ』(1987年)の登場です。発売元はハドソンですが、ライセンスを受けており、本作も『ザナドゥ』シリーズに名を連ねる作品と言えます。そのため、『ファザナドゥ』に大きな期待が集まったのです。

しかし『ファザナドゥ』は、作中のアートワークや色使い、さらにはゲームシステムまで、『ザナドゥ』とは全く異なるものでした。
サイドビューの2DアクションRPGというジャンルこそ同じでしたが、ほぼ別物のオリジナルゲームと言ってもいいほどの違いに。そのため、『ザナドゥ』を期待していた人たちは、肩透かしを食らってしまいます。
ただし、『ファザナドゥ』は『ザナドゥ』らしさがないだけで、ゲームそのものに大きな問題があったわけではありません。『ザナドゥ』のイメージを払拭して遊べば、当時のアクションRPGとしては一定以上の水準に達していました。

ゲーム自体は悪くなかったのに、まったく『ザナドゥ』ではなかった『ファザナドゥ』。伝説のゲームに憧れた気持ちは、空回りに終わってしまいます。
ちなみに、PC向けの『ザナドゥ』関連の展開も、拡張シナリオの『ザナドゥ シナリオII』(1986年)が登場したのみ。こうした展開を経た後、『ザナドゥ』はしばし沈黙の期間に入ります。











