今やPC/コンソール/モバイルそれぞれのプラットフォームでサバイバルジャンルの作品は定着していて、多くのプレイヤーがさまざまな世界を舞台にサバイバルを楽しんでいます。
Game*Sparkでは【クラフトサバイバル名鑑】として、同ジャンルが好きな筆者が、定番作品を中心にクラフトサバイバルジャンルの作品の魅力を紹介・解説しています。今回紹介するのは、2026年3月18日にSteam早期アクセスをスタートした『Everwind』です。
ボクセルベースの空島探索RPG
『Everwind』は、ポーランドを拠点とするゲーム開発スタジオEnjoy Studioが手がける作品で、パブリッシャーはBohemia Interactiveが務めています。Enjoy Studioは2024年に『The Witch of Fern Island』をリリースして、こちらはSteamユーザーレビューで“やや好評”を獲得しています。
本作は2024年8月に開催された「Gamescom 2024」にて『SkyVerse』というタイトルで発表されました。ゲームは発表約1ヶ月でSteamのウィッシュリスト5万件を達成。2025年4月にはゲームタイトルを『Everwind』に変更し、同年5月に開催したKickstarterキャンペーンでは、目標額の1.5倍の支援額を達成しています。
ゲームの舞台となるのは、さまざまな島々が空に浮いているボクセルグラフィックの世界。プレイヤーは空を冒険する飛空艇を作り出し、世界の謎を解き明かしていくのが目的です。飛空艇は移動手段だけでなく生産用の拠点にもなり、冒険をしていく中でさまざまな能力がアップグレード可能です。
プロシージャル生成される世界は広大で、ゲーム内に登場する多くのオブジェクトを破壊可能です。それぞれの島にある施設を攻略したり、ひたすら木や石などの素材を集めたり、重要なクラフト用のアイテムを探して世界の隅々まで探索したりと、さまざまな冒険が楽しめます。また、本作はオンラインマルチプレイにも対応しています。



Steam早期アクセスのリリース時点では、飛空艇の建設や浮島の冒険など、基本的なゲームのメカニズムは体験可能。早期アクセス期間はおよそ1年間の予定で、新たな島やアイテム、敵などのコンテンツ拡充や、農業関連の新機能などを追加していく予定です。



まずは飛空艇作り!いざ空の世界へ
ゲーム内ではまずキャラクターとワールドを制作します。セーブデータはワールドごとのワールドごとの管理となり、セーブデータではゲームのバージョンも書かれています。キャラメイクは髪や髭などの項目があり、色も自由に設定できるのでそれなりにバリエーションを作り出せます。
本編はまずプレイヤーが裸一貫で謎の塔を脱出することから始まります。ここは簡単なチュートリアルで、アイテム採集やクラフト、戦闘、修理といったゲームの基本を学んでいきます。本作は、シャベル・斧・ツルハシなどのツールがあり、対応したオブジェクトは大ダメージを与えられます。





無事に塔を脱出した後は、島に残されている破壊された飛空艇を調査します。船には気球やエンジンなどの残骸が残されていて、プレイヤーが持つコンパスをかざすことで、そのレシピを習得できます。序盤の目的は、学んだレシピを元に飛空艇を復旧させて空の世界へと出発することです。
飛空艇の基本的な構成要素は「コックピット」「エンジン」「気球」「エネルギー発生機」の4つで、これらのパーツをクラフトして「飛空艇のコア」が置かれている板に設置することで、自由な空の旅ができるようになるのです。船の移動は速度と高度を指定して舵取りする形式で、かなり直感的な操作ができます。





浮島を探って素材集めと船の強化を
『Everwind』には無数の島があり、その多くに砦や塔、家などの施設が配置されています。プレイヤーは島を探索しながら食料や装備品、素材を集めていかなくてはなりませんが、島や施設には野生生物やモンスターもいるので油断は禁物です。武器や鎧、回復用の料理などはしっかりと準備しましょう。
ゲーム内で重要なのが「レシピ」と「船のパーツ」集めです。レシピは敵のいる施設の宝箱などに隠されていて、入手することで新たな装備や料理などを作れるようになります。また、本作で重要なのがブロックのレシピで、これは“ゲーム内のブロックを壊す”ことで、その装飾ブロックを配置できるようになります。





そして船のパーツは、各島に残されている飛行船の残骸を壊して入手していきます。これはチュートリアルでもやることなのですが、船のパーツを作るには専用の素材が必要で、それは飛行船の残骸からしか入手できないので、必然的に世界に残された飛行船の残骸探しも重要になります。
さまざまな素材を集めることで、船のアップグレードもできます。船の強化は速度アップ・高度制限アップ・船サイズ拡張の3種類。より遠い場所に辿り着くためには移動や高度アップは欠かせませんし、どんどん厳しくなる冒険に耐えるには、船のサイズを拡張して生産施設などを置かなければなりません。



生産施設には基本の装備品だけでなく、料理や船用の装飾、錬金術なども用意されています。錬金術は各種素材の持つ効能を組み合わせてポーションを作ることが可能で、回復やクリティカル率アップ、お宝発見率強化などの効果があります。



探索は隅々まで観察しよう!
島の冒険は表面を探索するだけではお宝に辿り着くのは困難です。『Everwind』では、島の施設はもちろん、野原のちょっとした穴などにも隠し要素があることが多く、しっかりと観察することが重要です。
ダンジョンの牢屋の奥にある土を掘った先にあった囚人の死体が鍵を隠し持っている。不自然に崩れた壁の足元を掘ってみたら宝箱があった。貴重な石の設置台があるのに空っぽだったので、その島にいるエリートモンスターを倒したら隠し持っていた。他にも外壁から移動する隠し部屋など、実にさまざまな隠し要素があります。



これらの多くが「ストーリーを想像しやすい」物が多いのも評価したいポイント。部屋のちょっとしたヒントや、不自然に空いているエリアなど、違和感を見つけることで隠されたお宝を見つけられる場合もあるのです。もちろん勝手な想像で、その部屋の壁すべてを崩してもなにもないこともありますが……。

ただし、その際も木や石の装飾ブロックのレシピを学習できる可能性があります。素材集めだけでなくレシピのアンロックのためにも掘ること・破壊することに意味がある作品なので、新しい島を見つけたら隅々まで探索しましょう。出発前に木を全部切り倒せば、船の燃料もたっぷり確保できますね!




遊ぶほどに広がる世界
『Everwind』は初期から飛空艇が使用可能で、ツールも石のものでもある程度のものを壊せることで、序盤からそれなりの冒険ができます。ゲーム内では、重要なクラフトや遠方に行くためのアップグレードに必要なアイテムを探すことが中心となり、自然と世界中を冒険することになるのです。
遠い場所になれば敵も当然強くなりますが、より良い装備や素材を手に入れるチャンスでもあります。装備は同じものでもアップグレードすることで強化され、さらにランダム効果が付いているものもあり、ちょっとしたトレハン要素も楽しめるのです。修理で耐久値を簡単に戻せるのも嬉しい部分です。



戦闘でレベルが上がればスキルも習得可能です。スキルは戦闘・魔法・生活に関わるもので、素材の錬金術効果が見えるもの、パリィができるようになるもの、周囲の施設や生物がスキャンできるものなど、多彩な効果が用意されています。魔法や錬金術は準備が大変なので、生活の質を上げつつ船の設備を整えるのも大切です。
初期から基礎的な部分は体感できる一方で、世界を探索して要素をアンロックすることで『Everwind』の世界はどんどん拡がっていきます。飛空艇作りにこだわってもいいですし、スキルや装備のシナジーを探すのも面白いかも知れません。



ただ、現在のビルドだと一部の硬いオブジェクトを破壊するための「ドリル」が実装されておらず、せっかくの発見を破壊することができない場合があるのを惜しく感じます。今後のアップデートで実装されれば、さらなる世界の広がりが待っているので、こちらは楽しみにしておきましょう。



『Everwind』は、ボクセルベースのサンドボックスRPGとして遊びやすい要素が満載です。初期から多くのものを壊せる自由な探索感、そこまでルールが厳しくない飛空艇作りなど、ゲームのコアな要素をしっかり楽しめ、その上でプレイすることで世界の深まりを感じることができます。
特に探索は本作でとても楽しい部分で、敵や罠を乗り越えて、隠された道やお宝を発見したときの嬉しさは実に素晴らしいものです。崩れた壁の周囲の土を除去したら、大量の鉱石が埋蔵した洞窟に繋がっていた時は、マップの偶然かもしれませんが「見つけた!」という気分になれました。



公式では早期アクセスのロードマップを公開しています。また、2026年3月27日には多くの改善や調整を行うアップデートも配信されています。2027年の正式版に向けて、今後もよりよい作品になるのを楽しみにしたい一本です!













