
日本HPは4月9日、ゲーミングブランド「HyperX」の新製品や取り組みについて発表する、メディア向けの事業戦略説明会を開催しました。
HyperXがゲーミング事業のマスターブランドとなった日本HPでは、PCだけでなくモニターや各種デバイスなどさまざまな新製品を投入していくほか、プロゲーミングチーム「FENNEL」とのパートナーシップ提携を発表し、新たなプロジェクトに取り組んでいくことも明かされました。
今回はメディア向けの説明会に招待いただいたので、新製品の情報とともにその様子をお届けします。
プラットフォームを超えた“一貫したゲーム体験”を目指す―日本HPの事業戦略

まず最初に登壇したのは、日本HPの松浦徹氏(執行役員、パーソナルシステムズ事業品部長)。日本HPでは、2025年に過去最高のビジネスモメンタムを記録した「OMEN MAX」シリーズの投入や、ゲーム設定を最適化する「OMEN AI」のリリース、TGS 2025の出展を通じたコミュニティとの交流などを行ってきました。


「We're All Gamers」のスローガンのもと、メインブランドとなった「HyperX」を活用し、さまざまなデバイスでプラットフォームの垣根を超えた「境界のない一貫した体験」を提供していく方針を打ち上げました。
こうしたゲーミング事業を推進する背景として、日本が世界でも有数のゲーム大国になりつつあることを松浦氏は言及。日本のゲームプレイヤー人口はおよそ5,400万人にものぼるといい、そのなかでもPCゲームのユーザーはおよそ1,452万人と、着実に成長を遂げているようです。

また、これまで「CLOUD」「ALLOY」「PULSEFIRE」シリーズなどのデバイスを展開してきたHyperXにサブブランドとして「OMEN」が加わることで、PC本体やディスプレイといった範囲もカバーできるようになり、単なる寄せ集めではない“一貫した体験”の実現に向けたラインナップとなっていきます。
さらに、OMEN AIやGaming Hubといったソフトウェアの機能を拡張していくことで、個々のプレイヤーにあわせた最適なプレイ環境を提供していくことも語られました。


そして、プロゲーミングチーム「FENNEL」とのパートナーシップ提携も発表。単なるデバイスの提供だけにとどまらず、次世代を担う子供たちのためのプロジェクト「For Future Project」を実施していくことも明らかになりました。

国内屈指のチーム「FENNEL」との提携と、次世代のプロゲーマーを育てる「For Future Project」
FENNELとのパートナーシップについての説明では、日本HPの柳澤真吾氏(マーケティング本部長)FENNEL創業者の堀田マキシム氏、同チームの『LoL』部門所属のraki選手、Bruce選手が登壇しました。
FENNELは2019年に設立されたeスポーツチームで、現在は10タイトルにわたって部門を展開中。『VALORANT』部門のVCJ(国内トーナメント)での輝かしい成績や、『Pokémon UNITE』部門が世界大会の優勝を果たすなど、国内最高水準の競技成績を誇るチームでもあります。



日本HPとFENNELのパートナーシップではマウスやキーボード、イヤホンとヘッドホン、マイクといった5つのカテゴリーのデバイスを提供することで選手の活動を支援するほか、プロモーション企画なども進行中のようです。
パートナーシップの締結に関して、堀田氏はかつて『荒野行動』の第一線で戦っていた頃に使用していたヘッドセットがHyperXの製品であったことなど繋がりのエピソードを披露。真剣に取り組んで感情が昂ぶるあまり、ヘッドセットをぶん投げて折ってしまった経験(翌日、新しいものを購入。)など、苦楽をともにした青春の1ページにいたブランドだったようです。
柳澤氏は、「昨年リリースした製品は耐久性も高く、同じことが起きても万が一大丈夫かなと思います。」との反応で会場に笑いを誘いました。

raki選手は14歳ごろからLoLを始め、当初は市販の一般的なマウスを使用していたものの、半年前後で壊れてしまうことが悩みの種だったようです。しかし、HyperXの製品は手頃な価格ながらもや耐久性や性能に優れており、プロとしてのキャリアを踏み出すのに大きく役立ったことを語りました。
一方のBruce選手は「HyperXといえば、有名な配信者が使っているマイク」という第一印象を語りつつ、幅広いデバイス展開をしていることに驚いたよう。今回のパートナーシップ締結を契機に、さまざまなデバイスに触れてみたいとの思いを明かしています。


そして、FENNELと日本HPが共同で実施する新たな試み、「For Future Project」についても詳細が明かされました。「For Future Project」はFENNELに所属する選手が公式戦で勝利するたびにカウンターのカウントが進み、100%に到達したタイミングでeスポーツに憧れる子供たちへのデバイス提供や、大会への招待といったことを行っていくプロジェクトです。
「ゲームチェンジャーで溢れる世界を作る」をミッションにしているFENNEL、そして世界のeスポーツを支えるHyperXの「eスポーツの未来を育てる」というビジョンの合致から生まれたこのパートナーシップやプロジェクトで、次世代のプレイヤーが一歩を踏み出すための環境を作っていくようです。
FENNELとしてもただ勝つだけのチームではなく、未来を作るためのきっかけとなるチームとして勝利を目指すほか、今後はさらにプロジェクトの規模を大きくしていきたい気持ちもあると堀田氏は語っています。


HyperXブランドの新たなデバイスや、「OMEN」シリーズでも新製品が登場

また、説明会ではFENNELとのパートナーシップ締結や「For Future Project」だけでなく、HyperXブランドとOMENシリーズ新製品の紹介や、実機の展示なども行われました。森谷智行氏と宇野洋平氏(日本HPパーソナルシステムズ事業本部、コンシューマービジネス本部カテゴリーマネージャー)が登壇し、それぞれの新製品の特徴を語ります。


HyperX OMEN MAX 45L(Intel版)

2025年8月にAMD版が発売された「OMEN MAX 45L」のIntel版で、CPUには最新の「Core ultra 7 270K plus」を搭載。GPUにはNVIDIA GeForce RTX 5090を搭載し、最新テクノロジーによって従来製品よりも最大10%ものパフォーマンス向上がされているほか、ゲームだけでなくさまざまな用途で活用が可能です。
OMEN AIによる最適化で最大限のゲームパフォーマンスを発揮できるほか、特許も取得している冷却システム「OMEN CRYO CHAMBER」によって冷却性能が向上。これまでの製品よりも最大でCPU温度を10℃低下させることに成功しています。また、2種類のオーバークロックの設定や高いカスタマイズ性なども備えているフラッグシップモデルです。

HyperX OMEN MAX 16

ゲーミングノートPCである「HyperX OMEN MAX 16」もAMD版とIntel版の2パターンが展開され、AMD版とIntel版ではそれぞれ最新の「Ryzen AI」「Core Ultra」シリーズのプロセッサを搭載し、GPUはラップトップ用のGeForce RTX 50シリーズを選択が可能となっています。
ヒートパイプのルーティング最適化など冷却効率を追求したモデルになっているほか、キーボードには多くのゲーミングデバイスで搭載されつつある8Kのポーリングレートにも対応。入力遅延を軽減し、キーを押してからディスプレイに反映されるまでの遅延も短縮されたことで、一瞬の操作が勝敗を分けるシーンでも活躍が期待されます。
また、OLEDディスプレイは165Hzのリフレッシュレートに対応している点や、ファンを一定間隔で逆回転させることで埃の堆積を防ぐ機能が搭載されている点も大きな魅力です。
HyperX OMEN OLED 34 / HyperX OMEN OLED 27q

「HyperX OMEN OLED 34」はWQHD解像度の34インチQD-OLEDパネルを採用したディスプレイで、360Hzの高いリフレッシュレート、0.03msの応答速度などスムーズかつ高速、高輝度の迫力あるゲーム体験を実現します。
さらに、画面の焼付きを防止する機能や環境にあわせたカスタマイズ、テキストフリンジ(文字の滲み)の軽減など、ゲームだけでなく日常生活やクリエイティブな用途でも幅広い活躍が可能です。
「HyperX OMEN OLED 27q」は27インチのQHDに対応したモデルで、こちらもQD-OLEDパネルによる高輝度や、240Hzのリフレッシュレートに対応しています。OMEN Gaming Hubを使用することで、さまざまなカスタマイズをすることも可能となっています。

HyperX Clutch Tachi

「HyperX CLUTCH TACHI」はXbox公式ライセンスを取得しているレバーレスのアーケードコントローラーです。TMRセンサー搭載の磁気スイッチを採用し、高いレスポンス性や精密なコマンド入力が可能です。
また、角度調整が可能なスタンド機能やリストレスト、滑り止めなども備わっているので、デスクや膝置きなど、あらゆるスタイルのユーザーがベストなポジションで勝負に集中できるような設計になっています。
HyperX Origins 2 Pro 65

「HyperX Origins 2 Pro 65」はHyperX Origins 2シリーズの新たなモデルで、8Kのポーリングレートやラピッドトリガー機能など、近年のFPSやTPSでキーボードに求められる機能をバッチリ搭載しています。また、ソフトウェア「NGENUITY」を活用することで、アクチュエーションポイントやキーマッピングなども細かく設定が可能です。
従来の製品同様にOリングマウントを採用しているほか、磁気スイッチのコトコトとした心地よい打鍵音も特徴です。また、トップハウジングの3Dデータも公開されており、自分のオリジナルデザインのカスタマイズや、分解清掃も容易となっています。
HyperX Cloud Earbuds III / IIIS

「HyperX Cloud Earbuds III」は有線ゲーミングイヤホンの3代目となるモデル。シリーズ初のType-C接続が可能となり、低遅延や安定した高いパフォーマンスを実現しています。また、特許取得済みな「イントラコンカ(Intra-Concha)」設計と4種類のサイズのイヤーチップを採用しているので、負担を低減した快適なフィット感も特徴です。
さらに本体重量は30グラム以下と超軽量設計で、ハードシェルケースも付属。家だけでなく、あらゆる場所に持ち運べる便利さと性能を両立しています。


これらの新商品は2026年5月頃から順次発売となります。詳細は日本HP公式サイトなどもあわせてご確認ください。
今回はメディア向けに開催された日本HPとFENNELによる事業説明会の様子をお届けしてきました。『VALORANT』をはじめ、さまざまなタイトルで活躍するFENNEL。日本HPとの新たな取り組みである「For Future Project」をきっかけに、次世代を担うプロゲーマーが生まれてくることに期待が持てます。
また、HyperXブランドも多数の新製品を発表しており、PC本体からあらゆる周辺機器までを幅広くカバーしています。実際、筆者もHyperX QuadCastを数年愛用していますが、今回展示されていたキーボードやディスプレイもかなり興味が惹かれました。
HyperXの新製品情報、および日本HPとFENNELの取り組みなどについて、詳細は公式サイトや公式Xなども要チェックです!











