荒廃した近未来日本で妖怪を狩るTPSアクションホラー『NIGHTMARE OPERATOR』。Game*Sparkでは「TGS2024」にて一度プレイレポートをお届けした本作ですが、5月22日より開催される「BitSummit PUNCH」への出展に合わせて、そちらへ展示するデモをメディア先行でプレイする機会を得られました。
パッと見のビジュアルこそ、初代PlayStationを彷彿させるローポリ3DCGのシューターですが、その根っこには“対戦格闘ゲームのイズム”が息づいている本作。一体どんなアップデートを遂げたのか、実際にプレイしたインプレッションを改めてお届けします。
妖怪蔓延るゲームの舞台は下北沢から“中野”へ

“妖怪”と呼ばれる謎めいた異形との戦いですっかり荒廃してしまった2036年の日本で、プレイヤーが操作するのは、臨時政府からの依頼をもとに「妖怪狩り」を生業としている公安オペレーターの「ミーシャ」。

彼女は「モジュラーガン」と呼ばれる、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」のドミネーターをアサルトライフル化したような銃を装備しており、後述する「クラッチシステム」を活用してモジュール(弾)を変えたり、近接格闘やパリィを駆使したりして、おぞましい姿をした妖怪たちを制圧していきます。


TGS2024時では“下北沢”でしたが、今回のビルドではゲーム中盤に登場する“中野”が舞台となっています。中野駅北口の象徴的なスポットである中野サンモールを入口に、そこから中野ブロードウェイにかけて、すっかり妖怪が跋扈する危険地帯と化しているようです。ミーシャはそこで、先の任務で消息不明になってしまった同業者を探すという任務に取り掛かります。


奇遇にも筆者は中野区在住なのですが、その再現度はもちろん、まず中野駅北口の“ステージとしてのポテンシャル”に驚かされました。「ここのモデルってあの店舗かな」と思わずニヤリとしてしまう面影を随所に残しつつも、ダンジョンとしてプレイし応えのあるチューニングが施されています。
実在のスポットをモデルとするダンジョン自体はなにも珍しくはありませんが、どうしても内部構造の面でフィクション感が濃くなってしまいがちです。しかし、ドラマ「孤独のグルメ」の井之頭五郎が迷子になってしまうほど、もともと上下にも左右にもカオスな構造をしている中野ブロードウェイは、ローポリのビジュアルともマッチしており、不気味ながらも先へ先へと歩を進めたくなるワクワク感に満ち満ちていました。

……とは記したものの本作のジャンルはホラー。ウキウキで探索しているとジャンプスケアといった恐怖演出が襲いかかってくることもあるので重々注意しましょう。美少女フィギュアやソフビ人形の聖地である中野ブロードウェイならではの恐ろしいギミックが散りばめられていました。
格ゲーのようなコマンド入力で銃を扱う「クラッチシステム」

さて、本作の戦闘における最大の特徴が「クラッチシステム」です。ミーシャが使用するモジュラーガンは、対戦格闘ゲームようなコマンド入力を行うことでモジュール(弾)の切り替えができます。各モジュールは「凍結」「スタン」「出血」といった属性を備えているほか、フルオート型か単発型かなどの違いがあるため、慣れればバリエーションに富んだ射撃をシームレスに繰り出すことができます。
モジュラーガンには弾数が存在せず、基本的にリロードを行う必要はありません。その代わりに撃ち続けるとオーバーヒートを起こしてしまい、その状態になってしまうとクールダウンを待つ必要があるのですが、クラッチシステムを活用することでその待機時間を短縮することもできます。いわゆる雑魚敵しか登場しなかった今回のビルドでは恩恵を感じづらかったのですが、より強力な妖怪と相対するような場面では、いかにコマンド入力を正確かつ素早く行えるかが攻略のカギとなりそうです。


また、様々なアクションに応用できる「ギアゲージ」も対戦格闘ゲームの精神を感じる要素です。このゲージは、敵を倒したときなどにドロップする「MAREの欠片」と呼ばれる赤いエネルギーを集めたり、敵の攻撃をタイミングよくガードして「パリィ」したりすることで溜めることができ、それを消費することで回復や緊急回避といったアクションを行うことができます。
回避操作は先述の緊急回避のほかに、ステップとローリングといったパターンを使い分けられるほか、3段階のコンボが繋がる近接攻撃は『ギルティギア』シリーズの「ロマンキャンセル」のような高度なテクニックも搭載。敵に攻撃を当てたときに現れるブロックノイズ演出と細やかなヒットストップにより、爽快感のある近接アクションも楽しめます。
以前のビルドには無かった要素としては、フラッシュバンや回復キットなどの消費アイテムの使用が可能に。ギアゲージに依存しない攻撃アプローチが増えることで、より戦術の幅が広がっていると言えるでしょう。一部の敵の攻撃演出にも変更が加わったようで、それによってパリィの難度も上昇しています。

コマンド入力で戦闘のバリエーションを広げる「クラッチシステム」を中心に、対戦格闘ゲームと現代的なシューター、そしてローポリで再現された日本らしいホラーが融合した『NIGHTMARE OPERATOR』ですが、とりわけ惹かれるポイントはビジュアルアートやステージデザインからなる“ゲームとしてのルックの良さ”だと筆者は考えます。
下北沢に続いて中野と、モデル地の美味しいエッセンスはしっかりと残しつつ、ホラゲのダンジョンとしての高い完成度を持ったステージたち。そしてローポリ3DCGを軸にしながらもスピード感が求められる戦闘システム。グリッチノイズを活用した演出の数々……それら細かな要素の積み重ねが、しっかりと個性あるゲーム体験を醸成させているのです。
5月22日から5月24日にかけて、京都市勧業館みやこめっせにて開催される「BitSummit PUNCH」のビルドでは、ボス戦も楽しめるそう。参加予定の人は、そんな本作を一足先に体験できる機会を見逃さないようにしましょう。




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