世界の危機を救うのは、勇者じゃなくて翻訳者?!ローカライズをテーマにしたユニークな『Crazy Localization』試遊レポ&開発者インタビュー【BitSummit PUNCH】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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世界の危機を救うのは、勇者じゃなくて翻訳者?!ローカライズをテーマにしたユニークな『Crazy Localization』試遊レポ&開発者インタビュー【BitSummit PUNCH】

ゲームのローカライズを担当してくださる翻訳者に、心からの感謝を。

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世界の危機を救うのは、勇者じゃなくて翻訳者?!ローカライズをテーマにしたユニークな『Crazy Localization』試遊レポ&開発者インタビュー【BitSummit PUNCH】
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2026年5月22日(金)から24日(日)にかけて、京都のみやこメッセにて日本最大級のインディーゲームイベント「BitSummit PUNCH」が開催されました。

本記事では、個性が光るたくさんの出展タイトルの中から、『Crazy Localization』の試遊レポートと開発者インタビューをお届けします。

「ゲームローカライズ」をテーマにした、探索型インタラクティブ・ストーリーアドベンチャー!

Crazy Localization』というタイトルから察するとおり、本作は"ゲームのローカライズ”というユニークなテーマのゲームです!

本作の主人公はゲームローカライズ会社の翻訳者・ホナミ。業界歴3年、給料はギリ食べていける程度(作中のテキストより引用)。クライアントの無理難題や無慈悲な納期前倒しに振り回されながらも、ユーザーに他言語のゲームを届けるべく、翻訳作業に勤しむ日々を送っています。

そんなある日の金曜日、ホナミが携わっている異世界転生RPG『プロジェクトX』の納期が3週間も前倒しになり、週明けの月曜日に発売するというのだから、さあ大変!

48時間の残業をもってしても終わらず、「このままではクビになってしまうのでは……」と不安に駆られながらも意識朦朧とするホナミ。そんな限界翻訳者の前に、突如として倶雷闇斗 (クライアント)と名乗るお爺さんが現れます。そして彼はホナミに解雇通知を突きつけながら言うのです。「このままでは世界が崩壊してしまう。己のローカライズ知識を駆使して、この世界を救うのだ」と――

そんなこんなで倶雷闇斗 (クライアント)の力でプロジェクトXの世界に入り込んだホナミは、現実世界からPCを介してではなく、ゲームの内側からテキストの乱れを修正することに!納期と自分の社会的立場を守るため、勇者――ではなく、翻訳者・ホナミの大冒険が幕を開けます。

物語の導入、横スクロールで展開する"現実世界”では、チュートリアルとしていくつか翻訳の修正を体験できます。クライアントの無茶ぶりに無慈悲な納期の前倒しはもちろん、他社が手を付けた中途半端な翻訳の引継ぎや、デベロッパーのAI翻訳を直したりなど、翻訳者の苦労が次々と語られます。

「なんだか大変そう」ということだけはわかるローカライズ業務。その解像度が一気に跳ね上がるようなメッセージが、キャラクター同士の会話やゲームシステムに反映されていました。

例えば、「他社が手を付けた翻訳の引継ぎ」。素人からすると「リメイクするだけだから労力は少ないのでは?」と思ってしまうかもしれません。しかし、それがいかに大変かということを、ホナミの「失敗した料理を作り直すのと、イチから料理を作るのは全然違う!」という心の声がわかりやすく教えてくれます。

他にも、同じテキスト内で「HP」と「体力」というワードが混在していたり、キーボードの操作方法を説明するテキストにZRボタンという単語があったり、帝国兵士のセリフが「マジで無理~!」になっていたり……。単純に「文章を他の言語に訳す」といっても、キャラクターたちの個性や関係性、ローカライズを通じてゲームを届けたい国の文化的背景を考慮する必要があったりと、実に多岐にわたる知識とセンスを要する作業なのだということの片鱗を味わえる作品となっています。

今回の試遊で体験できたのは、冒頭の約10分程度。実際に展示されたものと同範囲が遊べるデモ版がインターネット上で公開されています。ブラウザはもちろんスマートフォンにも対応しているため、気になった方はぜひデモ版を遊びつつ、Steamのウィッシュリストに登録してお待ちください。

なお、ローカライズ業に携わっている方からの「ローカライズあるある」を募集中とのこと。心当たりのある翻訳者さんは、ぜひ開発陣へ経験談を寄せてみてはいかがでしょうか。

ローカライズの苦労や想いを知ってほしい!リアル翻訳者の魂の叫びが、コミカルでハッピーな物語に

ここからは、開発者のBoots氏へのインタビューをお届けします。

――自己紹介と、本作におけるポジションを教えてください。

Boots氏:こんにちは!『Crazy Localization』のプロデューサーを担当しております。Bootsと申します!

――ローカライズをテーマにしたゲームを作ろうと思ったきかっけや経緯は?

Boots氏:制作チームの3人は、実際のローカライズ現場を経験してきました。そんな中でよく話していたのが、近年はゲーム発売後にローカライズが批判されるケースが増えている気がする、ということでした。

ただ、実際には翻訳だけの問題ではなく、文化の違いや制作スケジュール、共有される情報量など、さまざまな要素が関わっています。翻訳者側に十分な情報がないまま作業せざるを得ないケースも少なくありません。その結果、理想的な仕上がりにならないこともあります。また、ゲーム開発がほぼ終わった段階で急にローカライズを依頼されることも多く、限られた時間で対応しなければならない現場もあります。だからこそ、このゲームを通して、ローカライズは単なる翻訳作業ではなく、さまざまな条件や背景が複雑に絡み合って成り立っているものなんだ、ということを伝えたいと思ったのが、本作を作ろうとしたきっかけでした。

――今回のデモ版だけでも、「知らなかった苦労」がたくさん描かれていて興味深かったです!デモ版をプレイしたユーザーのリアクションはいかがですか?

Boots氏:ローカライズに携わっている方から、すごく共感していただいていて。冒頭から「これ、わかるー!」みたいな感想をいただいていて、そこが印象深かったというか。ぜひぜひローカライズをされている方にも、こういうゲームを作ってほしいです。そして、世間に私たちの辛さを知らせてほしいです!(笑)

――辛さや大変さを知るとともに、改めて翻訳者さんへの有難みも湧く作品だと思います!完成版の予定が非常に楽しみなのですが、発売予定日などは決まっていますか?

Boots氏:ありがとうございます!このゲームは今年から作り始めたばかりで、今はまだデモ版しかない状態ですが、できれば2027年の完成を目指しています。

――最後に、本作に注目しているユーザーに向けてメッセージをお願いします。

Boots氏:たくさんの方にプレイしていただけて、本当に嬉しく思っています!本作は、私たち3人にとっても初めての挑戦だったのですが、皆さんの応援を糧にもっと頑張りたいという気持ちになれました。

また、ゲームに入れてほしいネタや面白い素材などがあれば、ぜひXを通じて送っていただけると嬉しいです。同業の皆さんからの“あるある”や現場ネタも大歓迎です。いただいたアイデアを、今後ゲームの中に取り入れていけたらと思っていますので、よろしくお願いします!

――ありがとうございました!


Crazy Localization』はPC向け(Steam)に発売予定。現在はブラウザ及びスマートフォンで遊べるデモ版が公開中。





ライター:難波,編集:Akira Horie》

ライター/ゲームと映画と小説と移動と格闘技と犬が好きな兼業ライター 難波

雪山のペンションで殺人事件に巻き込まれたり、きらめき高校で青春を謳歌したり、時を渡る翼で時代を駆け星の未来を救った経験を経て、現在はしがない会社員。主にRPGとADV、ホラゲーとギャルゲーが好きで、郷愁と可能性に満ちたドット絵のゲームに目がない。すてきなゲームを世に生み出してくれる作り手への感謝とリスペクトを原動力に文章を書いています。棺桶に入れてほしいゲームは『FF15』。

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Akira Horie

編集/『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam/Nintendo Switch好評発売中! Akira Horie

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