
838sManiacsがオリジナルを手掛け、クリーク・アンド・リバー社(以下、C&R社)が運営するC&R Creative Studiosがニンテンドースイッチ/PlayStation 5/PlayStation 4向けの開発とパブリッシングを行う、3人称視点の3Dスプラッター・ホラー『CRUELTY(クルーエルティ)』。事故をきっかけに迷い込んでしまった謎の世界で展開する恐怖を描く同作は、直接的な戦闘がなく、謎解きと、迫りくる脅威を恐れながら逃げ隠れしての進行が特徴的な、1プレイ60分ほどの短編ホラーADVです。
本稿では、「コンシューマでも限界ギリギリ」に挑戦したという過激な残虐表現も魅力的な同作について、開発者と、パブリッシャーの担当者へのミニインタビューをお届けします。
『CRUELTY』は1,280円で、ニンテンドースイッチ/PlayStation 5/PlayStation 4向けに1,280円で販売中です。Steamでも配信されています。
『CRUELTY』公式サイト
――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
藤井:クリエイピア株式会社代表取締役、ゲームクリエイターの838sManiacsとして活動しております藤井優と申します。
大学在学中にホラーゲーム開発を始め、卒業後は大手ゲーム会社でUE5エンジニアとスタートアップ投資の仕事をしていました。2年半ほど働いた半年前に独立し、現在は後継者不在の企業に対して事業承継を行うクリエイピア株式会社を経営しています。一番好きなゲームは『OUTLAST』です。
鬼頭:C&R Creative Studiosでゲーム開発に携わっております、鬼頭亮と申します。
普段はゲームエンジニアとして、Unityを用いたゲーム開発や、Web・サーバーサイド領域の開発、プロジェクトの技術支援などを担当しています。
また、個別の開発業務だけではなく、エンジニア組織の運営や育成、開発体制づくりにも関わっています。
C&R Creative Studiosのゲーム開発部門では、コンシューマ、モバイル、Web、サーバーサイドなど、幅広い領域の開発に取り組んでいます。
私自身も、開発者として手を動かすだけでなく、プロジェクトごとの技術課題の整理やメンバーのアサイン、開発チーム全体の体制づくりなど、組織として安定してものづくりを進めるための役割を担っています。
今回の『CRUELTY』では、コンシューマ版への移植開発を中心に、プロジェクト全体の進行や技術面の調整に関わらせていただきました。
PC版としてすでに完成していた作品の魅力をできる限り損なわず、各プラットフォームで安心して遊んでいただける形にすることを意識して開発を進めました。
具体的には、各プラットフォームへの対応、操作感や表示まわりの調整、動作確認、審査対応など、コンシューマ版としてリリースするために必要な部分を中心に対応しています。
藤井さんが作り上げた『CRUELTY』の空気感や尖った魅力を守りながら、より多くの方に届けられる形にできたことは、とても貴重な経験でした。
――今回『CRUELTY』のパブリッシングをC&R社で行うことになったきっかけはなんだったのでしょうか?
藤井:大手ゲーム会社に在職中、転職するか独立して起業するか悩んでいました。ゲーム業界でキャリアを続けるのか、投資事業のキャリアにするのかも迷っていた頃、ファミキャリというゲーム業界向けのキャリア相談サービスに登録し、C&R社のエージェントの方とお話しするようになりました。
転職か起業かで悩んでいることをお伝えすると、「今後もホラーゲームを副業で作られると嫌がるゲーム会社も多いと思うし、売上規模的にも事業レベルになっているので、起業も選択肢ではないか」と後押ししてくださいました。
元々、PC版がある程度売れたらマルチプラットフォーム展開を計画していましたので、『CRUELTY』のコンソール展開を皮切りに起業しようと決意しました。しかし、当時は大手ゲーム会社のフルタイム業務とPC版の開発・販売活動でヘトヘトになっており、体力的な余裕がなく、移植は外部に依頼しようと考えました。大手ゲーム会社でM&Aの業務を担当していた経験から、『CRUELTY』も事業売却に近い形でパブリッシャーに移植を依頼できるのではと思いついたのです。
東京中のゲーム会社100社ほどに問い合わせましたが、反応があったのは10件、本格的な検討まで進んだのは3件でした。断られる理由のほとんどは「UE5の知見がないので移植に自信がない」「移植コストや人件費に見合わない」というものでした。
そうした状況の中、エージェントの方に移植の件を話すと「うちの会社はどうですか?」とご提案くださり、C&R社にプレゼンする機会をいただきました。見ず知らずの私に対しても真摯に向き合ってくださり、契約締結、プロジェクト化へと至りました。
実際にお付き合いしてみて、技術力と実行力が非常に高い企業だと感じました。プレゼン日程の調整から、契約締結、移植開発、審査、販売に至るまで、すべてのプロセスが非常に迅速でした。東証プライム上場企業に勤めていた経験があるのですが、上場企業・日本企業の課題としてスピードの遅さがよく挙げられます。しかし、同じプライム上場企業でありながら、これほどのスピード感を持った企業様は珍しいと感じました。
また、クリエイターを大切にする会社だとも強く感じました。見ず知らずの私に対してもクリエイターとして敬意を持って接してくださり、移植が実現しました。何より、携わってくださった方々が本当にゲームを愛しているのだと感じる場面が随所にありました。『CRUELTY』の公式ページのデザインやTGS2025へ出展したときのブース、トレーラー動画一つをとっても、作品の世界観に合ったデザインやレイアウトに仕上げてくださっていました。
TGS2025のブースでお話した際には、新卒の方々が設営や運営を担当されていたとのことで、新卒のうちからTGSという晴れ舞台で経験を積ませて頂ける環境に驚きました。また、今回の『CRUELTY』の移植開発のプロジェクトマネージャーである鬼頭さんのような若手の優秀な人材を積極的に抜擢するなど、年功序列のないクリエイターに優しい環境だと感じました。自分が新卒で入社するならC&R社様のような会社が良かったと後悔するほどです。

――本作の開発はなぜ始まったのですか?
藤井:大学在学中にUnityで『愛莉澄』を制作し、なんとかゲームとして形にすることができました。しかし次作の『インファンティサイド』や『猟奇の日本』は品質が著しく低く、悔しい思いをしました。洒落にならないような怖いゲームを作りたいのに、どうしてもギャグっぽくなってしまう。特にグラフィック面に技術的な限界を感じ、挫折しそうになりました。
そこで出会ったのが、当時UE4からアップデートされたばかりのUE5でした。「これでやり直そう」と決意し、UE5の習得も兼ねて制作したのが本作『CRUELTY』です。
鬼頭:私たちが関わったコンシューマ版の移植は、藤井さんからご相談をいただいたことがきっかけです。
PC版の『CRUELTY』を拝見した際、ホラーゲームとしての方向性が明確で、短いプレイ時間の中でも強い印象を残す作品だと感じました。
インディーゲームならではの尖った表現や藤井さんのこだわりを、より多くの方に届ける価値があると考え、移植プロジェクトが始まりました。
コンシューマ版では、各プラットフォームへの対応や操作感の調整、動作確認、審査対応などが必要になります。
その中でも、オリジナル版の空気感や魅力を損なわないことを大切にして開発を進めました。

――本作の特徴を教えてください。
藤井:タイトルに違わない残虐表現が最大の特徴です。コンシューマ版ゲームの倫理表現規定の限界ギリギリに迫る描写に挑戦しています。コンシューマ版では修正が入っていますが、PC版では人体欠損など規制なしの描写があります。
また、PlayStation 2・3時代を彷彿させるノスタルジーな雰囲気も意識しました。タイトル画面を放置すると流れる怖いデモムービー、NPCが意味もなく残虐に殺されるムービーなど、昔のホラーゲームへのデジャヴを感じさせる作りにしています。
プレイ時間は比較的短めですが、要所要所に山場を設けた構成により、「1時間以上遊んだつもりが30分しか経っていなかった」という、密度の濃い体験を意識して作りました。

――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
藤井:老若男女問わず、ぜひ遊んでいただきたいです。難しいストーリーや前作の知識は一切不要で、「目の前の異形や殺人鬼から逃げるだけ」という単純な構造ですので、年齢・性別・国籍を問わず、恐怖を共有していただけると思います。
今後も『CRUELTY』シリーズでは、日本人が好む心霊的な怖さと、海外の方が好むスプラッター的な怖さ、この二つを融合した、全世界で共有できる恐怖を追求していきたいと考えています。
鬼頭:ホラーゲームが好きな方にはもちろん、短時間で強い体験ができるゲームを探している方にもぜひ遊んでいただきたいです。
『CRUELTY』は、長時間じっくり遊ぶというよりも、短い時間の中で一気に世界観へ引き込まれ、強い印象を残すタイプの作品だと思います。
そのため、インディーゲームならではの尖った表現や、作り手のこだわりが感じられる作品に興味がある方にも合うのではないかと思います。
今回コンシューマ版としてリリースされたことで、PC版に触れる機会がなかった方にも遊んでいただきやすくなりました。
これをきっかけに、より多くの方に『CRUELTY』という作品を知っていただけると嬉しいです。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
藤井:ゲームでは『サイコブレイク』『SILENT HILL』『OUTLAST』『Dead Space』『Manhunt』『Dead by Daylight』『SIREN: New Translation』『Left 4 Dead』を参考にしました。
映画では『Hostel』『Candyman』が好きで、これらも本作の制作に取り入れています。作品の雰囲気作りや即死攻撃シーンの演出において、大変参考になりました。

――本作の動画配信やそれに伴う収益化について注意すべき点があれば教えてください。
藤井:実況・配信・収益化、すべて自由です。実況の際はXなどのSNSでお知らせいただけると大変ありがたいです。
鬼頭:補足ですが、配信は各プラットフォームのガイドラインもふまえて実施してくださるようお願いいたします。また、法人で配信・収益化でお困りのことがございましたら遠慮なく当社までご連絡いただけますとサポートをご案内させていただきます。
――最後に読者に向けたメッセージをお願いします。
藤井:現在、クリエイピア株式会社と個人事業の838sManiacs、両方で共同経営者を募集しています。会社の拡大に向けて一緒に働いてくれる方、ゲーム開発をお手伝いいただける方を探しています。年齢・性別・学歴不問で、やる気と熱意がある方であれば大歓迎です。また、ゲームクリエイターになりたい方に向けた師弟制度も行っています。現在弟子が1名おり、インディーゲーム開発における技術的・精神的なアドバイスを毎月行っています。
インディーゲーム開発がまだ普及していなかった5年以上前から活動を続けてきました。当時、海外ではsolo developerという概念が存在していたものの、日本ではチーム開発が当たり前という風潮が強く、新卒の就職活動中に個人でゲームを作っていることをお伝えしても、あまり良い顔をされないことが多々ありました。
しかし今では、市場環境の変化や生成AIの台頭によりインディーゲームが広く注目を集めるようになり、個人開発が推奨される時代になりました。この流れを5年以上前から信じて活動を続けてきた経験から申し上げると、ただ漠然とゲームを作るだけでなく、市場環境やトレンドを見極め、先を読んだ事業戦略を持って取り組むことが重要だと感じています。
ゲームクリエイターを目指している方、現状を変えたい方は、ぜひ私のSNSやメールアドレスまでご連絡ください。
連絡先
「838S MANIACS」
公式WEBサイト:https://lit.link/838smaniacs
Xアカウント:https://x.com/838sManiacs
メールアドレス:[email protected]
「クリエイピア株式会社」
公式WEBサイト:https://creapia.co.jp/
Xアカウント:https://x.com/creapia_jp
メールアドレス:[email protected]
鬼頭:『CRUELTY』は、藤井さんのこだわりや熱量が強く反映された、非常に個性のあるホラーゲームです。
今回、私たちはその作品をコンシューマ版として、より多くの方に届けるために移植開発に携わらせていただきました。
短時間の中で濃密な恐怖体験ができる作品ですので、ホラーゲームが好きな方はもちろん、インディーゲームならではの尖った作品に触れてみたい方にも、ぜひ遊んでいただきたいです。
また、プレイしていただいた感想や、実況・配信などを通じて、さらに多くの方に『CRUELTY』を知っていただけると嬉しいです。
C&R社としても、今後もクリエイターの方々が生み出す魅力的な作品を、より多くのユーザーに届けられるよう取り組んでいきたいと思います。
【C&R Creative Studiosとは】
ゲーム・映像・CG・Web・アニメ・広告・漫画・小説・建築・ファッション・XRなどの制作開発チームを包括し誕生したのが「C&R Creative Studios」。社員を中心としたクリエイターは約2,000名で、日本最大級の規模を誇る開発スタジオです。
日本はもちろん、海外市場も見据えた体制を築いており、進化を続けております。
今後も日本から世界を席巻するようなコンテンツ開発や新サービスの提供を行い、
世界中の優秀なプロフェッショナルのネットワークを構築し、多くの企業の価値向上を
実現させてまいります。
▼C&R Creative Studiosゲーム部門のWebサイト
――ありがとうございました。

タイトル:『CRUELTY』
ジャンル:3Dスプラッター・ホラー
開発元/発売元:838sManiacs/クリーク・アンド・リバー社
発売日:2026年4月23日
価格:1,280円
©838sManiacs ©CREEK & RIVER Co., Ltd.











