今やPC/コンソール/モバイルそれぞれのプラットフォームでサバイバルジャンルの作品は定着していて、多くのプレイヤーがさまざまな世界を舞台にサバイバルを楽しんでいます。
Game*Sparkでは【クラフトサバイバル名鑑】として、同ジャンルが好きな筆者が、定番作品を中心にクラフトサバイバルジャンルの作品の魅力を紹介・解説しています。今回紹介するのは、2023年6月23日にPC/PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ向けにリリースされた『Nova Lands』です。
惑星を開拓・発展・自動化
『Nova Lands』は、ブラジルを拠点とするインディーゲーム開発スタジオBEHEMUTTが手がける作品。パブリッシングはHypeTrain Digitalが担当しています。BEHEMUTTは2015年に設立されたスタジオで、2018年にアクションRPG『Mana Spark』をリリースしてSteamユーザーレビューで高評価を獲得しています。
ゲームが発表されたのは2020年6月のこと。当初はitch.ioにて最初の体験版を配信していました。Steamストアページが公開されたのが2021年8月で、そこからクローズドアルファテスト実施や「Steam Nextフェス」への参加などを経て、コミュニティからのフィードバックを集めてきました。
なお、本作は当初『Nova Islands』というタイトルでしたが、同じような名前のモバイルゲームとの重複を避けるため現在の『Nova Lands』へと変更。ゲームのプロローグ版(現在Steamではプレイ不可、itch.ioでは配信中)や体験版の配信などを経て、およそ3年間の開発をかけて正式リリースされた作品です。
本作でプレイヤーは、ほとんど手付かずの惑星で自由な開拓を進めることになります。素材を集めながらリサーチや調査を進めて行動範囲を増やし、やがて自動化や惑星外との取引なども行うようになります。アクション要素もありますが、ボスとは戦わずに回避する方法があるなど、平和主義的にも生きられます。



『Nova Islands』は現在ほぼアップデートを終了しており、BEHEMUTTは最新プロジェクト『Fourleaf Fields』の開発を進めています。小人の視点で普通サイズの“巨大な”野菜を育てて行くというユニークな作品で、噂によって物語が分岐する「ゴシップシステム」が特徴です。
最初はひとつの小さな島から
本作の物語は、プレイヤーが惑星の小さな島へと着陸するシーンから始まります。ゲーム内ではストーリーの説明はほとんどなく、まずはチュートリアル表示に従って近くの資源を採取していくことになります。少し周囲を探索していると、同じようにポッドで着陸したNPCがいますが、話しかけたらどこかに行ってしまいました。
プレイヤーはまず最低限の生活を確保するために、酸素供給装置や簡単なクラフト施設などを設置していきます。ゲーム内のサバイバル要素は体力と酸素で、酸素は供給装置に惑星で収穫できる水の実を入れることで作れます。体力が減ったらベリーの実を見付けて食べれば少しずつ回復しますが、最初はあまり使うことはありません。





探索で重要なのが「リサーチ」と「レーダー」の2つの項目です。研究施設では、特定のアイテムをリサーチすることで新しい施設やクラフトのレシピがアンロックされていきます。最初は鉱石を加工することができるようになり、そこから倉庫や作業台など、さまざまな施設が使えるようになっていきます。
レーダーをアンロックしてからが本格的なゲームの始まりです。レーダーは自分の周囲の島を発見するために必要で、こちらもアンロックには特定のアイテムが必要になります。最初は鉄でアンロックした島には、他の島のアンロックにも使う銅鉱石が見つかるといった形で、探検とクラフトの範囲はどんどん拡がっていきます。




3つ目の島は少し特殊で、出会ったNPCたちが生活する場所として使われています。ここにはプロローグ版での主人公・エミリアも生活していて、プレイヤーにさまざまなアドバイスを与えてくれます。NPCの願いを叶えることで、プレイヤーの基礎能力を上げるアイテムの入手やスキンの変更もできます。




ボットの配置でらくらく自動化!
『Nova Lands』では、リサーチのかなり早い段階でプレイヤーの命令で作業をこなしてくれる「ボット」が使えるようになります。最初は指定した資源を集めてくれる「コレクターボット」が使用可能で、最初の島なら木や石、水、鉄鉱石などを自動的に集めてくれます。ただし、ボット1体につき1つのアイテムしか集められません。
研究が進めば新たに島のパトロールや生物の狩りができる「パトロールボット」、配送やリソース管理を行える「ロジスティクボット(原文ママ)」も使えるようになります。ロジスティクボットは非常に便利なもので、本作における自動化のキーアイテムとも言える存在です。




「酸素供給装置や発電機に原料を供給」「クラフト施設に素材を投入」「資材を倉庫に入れる」「農作物の植え付けや水やり」という作業が可能で、コレクターボットと組み合わせれば、簡単に生産自動化もできるようになります。扱う作業も指定できるので、余計な作業に時間がかかるのを防ぐこともできます。
ただし、一つの島におけるボットの数は限られているので注意が必要です。さらに研究が進んでいくと島の間で素材を輸送できるようになるので、生産拠点とクラフト拠点を分けることもできるようになります。ボットは簡単な作業の指定で行動を抑制できるので、導線や回路などを考える必要もありません!




なお、本作はさまざまな作業で主人公のレベルが上がり、スキルを解放できます。スキルは作業効率を上げるもの、より効率の良い作物を扱えるようになるものなどがあり、その中にはボットの作業速度を上げるものもあります。最終段階まで行くと残像を残して移動するくらい早くなるので、これは必見です。



広がる世界と「戦わない」という選択肢
本作の島の中にはイノシシやカニ、クラゲ、ハチなど、さまざまな野生生物が棲んでいます。彼らは独自の生態を持っていて、ハチならベリーを集めて栄養価の高い卵を生み出すなど、独自の資源を作り出します。プレイヤーはその生態系を人工的に作り出すことで、より効率のいい状態にすることもできます。
また、島の各地には強力なボスキャラクターも存在しています。プレイヤーは銃をアンロックして戦うこともできますが、特定のアイテムをプレゼントすることでボスとの戦闘を回避することもできます。どちらの方法でも入手できるアイテムや報酬は変わらないので、平和的なプレイスタイルにこだわることもできます。





『Nova Lands』は段階的にわかりやすくテクノロジーやマップが広がっていく作品です。必要な素材をどうやって集めたり生産するのかを考え、ボットに命令すれば基本的には放置しているだけでも問題ありません。NPCクエストをクリアしていくと、ボットのHP回復や生産施設の移動など便利な機能もアンロックされていきます。
最終的にはかなり高いテクノロジーを扱えるようになり、新たな場所で取引などもできるようになっていきます。また、スキルツリーを進めていくと“建築に特定の素材がいらなくなる”ようになり、他の島での作業もとてもスムースになっていきます。細かい点での機能改善が嬉しい作品でもあります。




『Nova Lands』は、作業効率化・自動化のできるゲームとしては非常にわかりやすい作品です。細かな回路や命令などの必要もなく、序盤から最低限の収穫や生産も自動化できるようになり、単純だからこそ応用も効くので、ジャンルの入門としてもいい作品だと思います。
マップ上にアイテムが多くなってもゲームが重くならないのも好印象。筆者は配達の指定を間違えて、放置している内に地面にあふれるほどのアイテムが捨てられている状態になっていましたが、まったくゲームが重くなりませんでした。ちなみに落ちているアイテムの自動回収もON/OFFにできるので、インベントリを圧迫することもありません。


テクノロジーやマップの拡張といったゲームの導線もわかりやすく、遊びやすさが魅力的な一本。少しだけ日本語翻訳でエラーが出ている部分もありますが、基本的には迷うことなくプレイできると思います!











