
ゲラッパ!が手掛ける『三国志BOND』は、三国志の武将を率いて戦うデッキ構築型ローグライト軍勢バトルです。
本作では、ランダムに提示される武将から自軍へ加える人物を選んでコストの範囲内で部隊を編成。戦場への配置を終えると、その後の戦闘は自動で進行します。アクション操作や反射神経ではなく、敵の編成を読んで兵種相性や武将の能力を踏まえて布陣を考えます。
※本記事の執筆にあたってはゲラッパ!より提供されたSteamコードを使用しています。
兵種相性を考えながら武将を登用!
本作のおおまかな流れは、蜘蛛の巣のように道が張り巡らされたマップを進みながらランダムに提示されるアイコンを通過。通過したアイコンに対応した兵種を持つ武将を登用して軍勢を拡大していくというものです。
武将には、騎兵・弓兵・槍兵などの兵種に分かれており騎兵は弓兵に強く、弓兵は槍兵に強い……と三すくみの相性になっています。敵の編成を確認しつつ有利な兵種を持つ武将を登用し、敵の配置に合わせて自身も武将を配置することが重要です。


この兵種相性を見つつ武将を選んだり、配置する部分が非常に面白い!
単純に強い武将を集めるだけではなく、不足している兵種の武将をバランスよく集めたり、敵が配置してくる武将に対して強い兵種の武将を選ぶ必要があります。その武将単体では強そうでも、編成全体のバランスを見ると選ばない選択肢をとる必要がある場合も……。
武将を配置する段階ではなく登用する段階から戦略は始まっているのだ……と、動乱の三国志時代の恐ろしさを感じますね。
考えて配置した軍勢を見守るオートバトル
登用を終えたあとはマス目状の戦場へと武将を配置。敵の兵種や配置を確認し、前衛と後衛をどんなバランスで置くかを決定します。配置が完了すると戦闘が開始し、以降は武将たちが自動で行動、戦闘を行います。
自分が組み立てた軍勢たちが敵をなぎ倒していく様はとても爽快!想定通りに戦闘が行われると思わずニヤニヤしてしまいますね。
前述した騎兵・弓兵・槍兵の他にも敵の城へ大ダメージを与えられる攻城兵や、三すくみの外側にいる歩兵。接敵するまで姿が見えず奇襲で大ダメージを与える伏兵など、様々な兵種や特性が存在します。



武将を直接リアルタイムで操作するわけではないので戦闘中の忙しさもありません。オートバトラーとして正統派な面白さだと感じました。
しかし、筆者がプレイした早期アクセス版には倍速機能やスキップ機能はありません。戦況を眺めること自体が本作の見せ場ではありますが、勝敗が明らかに決まった時や敵部隊を全滅させて攻城だけが残ったような盤面でも等速で戦闘を見届ける必要があるのは、繰り返し同じ流れを遊ぶ作品であるだけに少しだけ待ち時間が気になるところです。
集めた武将は次の戦いへ
ステージを終えると登用画面で排出された武将の中からランダムで4キャラを恒久的に獲得できます。獲得した武将はその後も限定された初期コストの範囲内にはとどまるものの、各試合の初期編成へと組み込むことができます。
つまり、その場で提示された武将だけを選んで軍勢を作るランダム性の高いゲームではないというのが正直な感想です。強力な武将を手に入れてしまえば、以降の試合でも中心として使い続けられます。
これは、本作のメリットでもありデメリットであると感じました。


公式では「フルドラフトシステム」と題された、各試合ランダムで提示される武将へ対応してその場限りの編成を作るゲームとして本作が紹介されています。
確かに毎試合登用できるキャラクターはランダムであり、状況に応じた軍勢の拡張は必要です。しかし、実際はゼロから構築を考えるローグライトというよりは、恒久的に集めた初期編成の武将を土台にしてその試合で得たキャラクターで隙を埋めるといったゲームに感じました。
一方で、武将を集めることによって初期編成の選択肢が増えるため継続的な成長要素としては理解できますが、ローグライトに期待していた毎回異なる勝ち筋を狙う……といった即興性は控えめに感じました。
ただ、初期採用した武将の能力を発動させるために登用を工夫したり、あえて初期採用を無視して新たなビルドに挑戦したりと、ローグライトらしい面白さは担保されています。
ベースにある面白さで期待は大!しかし気になる点も
兵種相性を踏まえて武将を登用して構成を考える部分には戦略ゲームらしい素直な面白さがあります。一方で、実際に繰り返し遊んでいるといくつか気になる点もありました。
1試合は3段階の戦闘で構成されています。戦闘を進めるごとに敵側も新たな武将を登用し、プレイヤー側も追加した武将を含む新しい構成で次の戦闘へ臨みます。
双方の編成が一気に変化するため、敗北した際に何が悪かったのかを判断しにくいと感じました。登用の段階ですでに選択を誤っていたのか、配置が悪かったのか、それとも単純に敵が強くなったために負けたのかが分かりません。

敗因を振り返ろうにも、改善すべき点を特定できないことがしばしばあります。構成を考えている時間には戦略性を感じられるだけに、戦闘結果を基に次の戦略を練るのが難しい点は少し残念でした。
また、戦闘やクエスト報酬で入手できるキャラクターが重複した時の取得アイテムを確認できる場所が存在せず、どこへ消えているのかは不明でした。戦闘結果の振り返りにくさも含め、プレイヤーの判断や獲得物がその後のプレイにどう影響したのかわからない点もありました。
不満点もしばしばあれど、現在早期アクセス段階で正式リリースまでに半年から1年程度を見込んでいるとのことで今後のアップデートに期待大です。


100人以上の武将が登場し、三国志の世界観で自分だけの軍勢を作って天下を取りに行くといった題材とシステムの噛み合いも魅力的でした。
本作のベースとなる登用と編成の面白さは堅いもので、プレイヤーの判断と試行錯誤の結果が分かりやすくなり、戦闘のテンポ感や各種説明が改善されればより良い作品になるのではないでしょうか。
『三国志BOND』は2026年7月14日よりPC(Steam)向けに早期アクセスが開始されています。価格は760円です。











