Off Black Creationsが手がける心理ホラー『MOLE』が、Steamユーザーレビュー1800件のうち97%が好評のレビューをつけて「圧倒的に好評」を獲得しています。
舞台となるのは、地下深くへと潜っていく巨大掘削機「MOLE」。プレイヤーはその総舵手として掘削機を動かし、沈黙した船内システムを復旧しながら、消えた乗組員、地下から聞こえる“声”、そして主人公自身の過去に向き合っていくことになります。

今回は本作を実際にプレイ。全実績解除まで遊んでみました。結論から言えば、Steamでここまで高く評価されているのも納得の一本でした!筆者が2026年上半期に遊んだホラーゲームの中でもかなり上位に入る作品です。

地下からの“声”に誘われて
本作の主人公は、地下から聞こえる謎の信号の正体を明かすために巨大採掘機へ乗り込み、地下深くへと掘り進んでいきます。
当初は任務として挑んでいるように見えるこの掘削ですが、次第に主人公の個人的な目的も混ざり、物語は静かに狂気を帯びていきます。

ゲームの流れとしては、船内の探索、採掘機の操縦、そして過去回想が中心です。ヒューズを動かして電気をつけたり、カセットテープ型の鍵を用いて船内を往復したりと、閉鎖空間の中で少しずつ行動範囲を広げていきます。


船の進路を決め、ドリルの回転数を調整する操縦パートは、この手のホラーゲームとしては珍しく作業感がありませんでした。複数回こなすうちに自然と操作に慣れていくこともあり、単純にゲームとして面白いと感じました。
ゲームプレイ中、プレイヤーは何度も同じような操作を行うことになりますが、後半ではその手順をしっかり覚えていることが重要になる場面も。単なる雰囲気作りや作業ではなく、船を自ら動かしているという感覚こそがそのまま物語への没入につながっているのだと思います。



『Mouthwashing』好きに刺さるが、同じ作品ではない
本作について語るうえで、Steam上でも両作を含むバンドルが用意されている『Mouthwashing』を思い出す人は多いはずです。
乗り物の中に閉じ込められ、外界から切り離された環境で登場人物の精神状態が少しずつ壊れていく……といった設定や舞台はよく似ています。不穏さやテーマの重さ、逃げ場のなさという点では『Mouthwashing』が面白かった人には刺さる部分もあるのではないでしょうか。
しかし、根底にある狂気の方向性は違うと感じました。

『Mouthwashing』が、もうどうにもならない状況に取り残された無力感をテーマにしたホラーだとすれば、『MOLE』は目的や信念のために進み続けるという狂気を扱ったホラーです。
本作で、主人公は単に孤立した閉鎖空間に被害者として巻き込まれているだけではありません。死んだはずの息子 地下からのシグナルに従い、自ら深く掘り進んでいきます。
そういった意味では、『MOLE』は『Mouthwashing』と同じ雰囲気をまといながらも、ゲームとして向いている方向性はかなり違うと感じます。似ているからこそ同列に語るべき作品というよりは、雰囲気が似ているものの違ったテーマを扱った作品だと思います。
高評価のワケは?
本作のプレイ時間は筆者の場合で2.5時間。こういったローポリホラーはあまり長くない作品が多いのもあり、納得できるくらいのボリューム感です。
探索やチェイス、ストーリーといった要素がテンポよく詰まっているため短さはあまり欠点には感じず、むしろ短時間に必要なものをギュッと詰め込んだ良作だと思います。


導線もとても親切で、ゲームに詳しくない層や普段探索型のホラゲなどに触れていない層でも大きく詰まらずに進めそうだと感じました。一部、日付入力の際に形式がわかりづらいという難点はありつつも、その他の箇所では一切違和感のない丁寧な日本語訳もいいポイントだと思いました
Steamで「圧倒的好評」を獲得している理由は単にホラーとして怖いからだけではなく、丁寧な作品作りで怖さや物語の伝えたいテーマがすっと入ってくることや、短いプレイ時間に濃縮された無駄のないストーリーこそが多くのプレイヤーから好評を得ている理由なのではないでしょうか。


2026年上半期屈指のホラゲ
筆者としては、2026年上半期に遊んだゲームの中でも3本の指に入るほど印象的な作品でした。『MouthWashing』が楽しめた方やローポリホラー好きなら必ずプレイするべき一作です。地下を採掘し、主人公の内面も掘り進めていく体験をぜひ味わってください。
『MOLE』はPC(Steam)で1,500円で発売中です。











