
近未来のユートピアを舞台にした、オープンワールド探索ゲームが『アウトバウンド』です。
プレイヤーはキャンピングカーと自分の身だけで旅に出かけ、数々の自然や建物を巡り、自分のペースで素材を集め、道具を作り、時には行く手を阻む障害を突破し、やがては自分の車と共に、ひとつの旅路のゴールへとたどり着く。
それが『アウトバウンド』というゲームの流れです。

しかし、どんな旅をするのか。どんな車を使うのか。何を重視して、何を追いかけるのか。それはプレイヤーそれぞれに委ねられています。
ひたすら新たな世界へ駆け抜けていくだけでなく、相棒の車をとことんカスタマイズするのか、あるいは気に入った場所でただ夜空を眺めるのか……。
それらの選択肢に正解はなく、自分だけの旅を好きに組み立て、明日は明日で気ままに生きていく。そんなチルいひとときを過ごせます。

今回、Game*Sparkではそんな『アウトバウンド』を制作した、Square Glade Gamesの共同創設者であるトビアス・シュナッケンベルク氏(以下、トビアス氏)にインタビューを実施し、今後の展開やどのような気持ちで開発したのかなどを尋ねました。
『アウトバウンド』は、ドイツの家族を訪ねた帰り道で生まれた
――改めて質問にお答えいただく方のお名前と、本作における役職を教えてください。
トビアス氏:私の名前はトビアス・シュナッケンベルクです。Square Glade Gamesの共同創設者を務めています。
『アウトバウンド』では、ビジュアルディレクション、ゲームデザイン、プログラミング、そして作品全体のクリエイティブディレクションなど、さまざまな分野に携わっています。私たちは小規模なインディーチームなので、全員が複数の役割を兼任しており、私自身も開発のほとんどの部分に関わっています。

――『アウトバウンド』を制作しようと思ったきっかけを教えてください。
トビアス氏:『アウトバウンド』の最初期の着想のひとつは、ドイツの家族を訪ねた帰り道に生まれました。車を走らせていると、道路の両側に巨大な風力タービンが並ぶ地域を通ったのです。私は以前から、現代技術と自然が共存する光景に不思議な美しさを感じていました。
その時、「ゲームでは環境問題がディストピア的に描かれることが多い一方で、持続可能性が実現した未来を描く作品は少ない」と感じたのです。そこから、再生可能エネルギーや持続可能な暮らしを、前向きで楽観的な形で描くゲームを作りたいというアイデアが生まれました。
そのテーマが定まった後、私たちはプレイヤーが何を求めているのかを徹底的に調査しました。その結果、多くの人がオープンワールドゲームにおける“移動式拠点”というアイデアを好んでいることが分かったのです。
同時に、Marc(編注:Square Glade Gamesの共同創設者、Marc Volger氏)と私は昔からキャンピングカーで旅をすることに憧れを持っていました。現実では必ずしも実用的ではありませんが、その幻想に魅力を感じていたのです。そうした要素を組み合わせた結果、『アウトバウンド』の土台が生まれました。つまり、「技術と自然が調和した未来で、自分だけの移動式の家とともに世界を旅する自由」を描いたゲームです。

――本作の見どころはどちらですか?
トビアス氏:『アウトバウンド』最大の見どころは、プレイヤーに与えられる自由度と、“完全に移動可能な拠点”というユニークなコンセプトだと思います。
ひとつの場所に拠点を築くのではなく、家そのものがプレイヤーとともに移動し、探索と拠点作りが一体化しています。また、建築やカスタマイズ、成長要素を通じてプレイヤーの創造性を重視しつつ、全体としてはリラックスして遊べる、プレッシャーの少ない体験になるよう意識しています。

――“移動する拠点”だからこそ生まれる、普通の拠点建築ゲームにはない思い出や感情を、プレイヤーにどのように感じてほしいとお考えですか?
トビアス氏:私たちは、プレイヤーが自分の車両に愛着を持ってくれることを願っています。それは、長い時間をかけて建築・カスタマイズした家に愛着を持つ感覚に近いでしょう。
拠点がつねに一緒に移動するため、それはすべての冒険や新たな発見の一部になります。時間が経つにつれて、その拠点はプレイヤー自身の旅や選択を映し出す存在になっていきます。
固定型の拠点とは異なり、単なる“帰る場所”ではなく、世界を旅する中で常に寄り添う“相棒”のような存在になると考えています(もちろん、かわいい犬の相棒もいますが)。

――今後も魚釣りのような新コンテンツや制作物、新しいマップの追加はありますか? 特に新しいマップは増えてほしいなと思っています。
トビアス氏:『アウトバウンド』には今後もたくさんの計画があります。今年のロードマップには、最近追加された釣り要素があります。
釣った魚を装飾用の水槽に入れることができます。また、撮影や記録が可能な新しい野生動物、さらに住民NPCを追加する大規模アップデートも予定しています。プレイヤーは町の人々と出会い、さまざまな依頼を手伝えるようになります。
その先には、新マップや新地域の追加といった大型コンテンツも実現したいと思っています。最終的には、リリース後の展開はコミュニティの声や、プレイヤーが何を望んでいるかによって決まっていくでしょう。

――ファストトラベルで別マップに移動する機能は追加しないのでしょうか。結構前のマップの素材が必要な場合もあり、戻るということが手間になるため、あると非常に助かります。
トビアス氏:現時点では、従来型のファストトラベル機能を追加する予定はありません。『アウトバウンド』における核となる考え方のひとつが、“旅そのもの”だからです。
移動式の家とともに世界を旅すること自体が体験の中心であり、新しい場所を発見したり、過去に訪れた場所を再訪して見落としていたものを見つけたりする過程を楽しんでほしいと考えています。

――皆さんは『アウトバウンド』のようなキャンプはお好きでしょうか。キャンピングカーで実際にキャンプしたりしていますか。
トビアス氏:Marcと私は昔からキャンピングカーでの旅に憧れていましたが、実際に所有したことはありませんし、本格的なキャンプ経験も多くありません。
ただ、“家を持ったまま好きな場所へ行ける自由”には大きな魅力を感じています。一方で、現実は夢ほど華やかではないことも理解しています。
ある意味で『アウトバウンド』は、そうした理想化されたキャンピングカー生活を私たちなりに解釈した作品です。プレイヤーは、現実のキャンプに伴う煩わしさを気にすることなく、自由と冒険を楽しめるのです。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
トビアス氏:開発中、そしてリリース後もコミュニティから寄せられたサポートやフィードバックには本当に感謝しています。皆さんがこの旅に出る日を楽しみにしています!

――ゲームだからこそ、自由な冒険をユーザーに届けたいという想いがひしひしと伝わってくる回答の数々でした。ありがとうございました!
『アウトバウンド』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/Xbox Series X|S/PS5/ニンテンドースイッチ/ニンテンドースイッチ2にて発売中です。
Outbound ©2026 Square Glade Games. Published by Silver Lining Interactive. Developed by Square Glade Games.













