今やPC/コンソール/モバイルそれぞれのプラットフォームでサバイバルジャンルの作品は定着していて、多くのプレイヤーがさまざまな世界を舞台にサバイバルを楽しんでいます。
Game*Sparkでは【クラフトサバイバル名鑑】として、同ジャンルが好きな筆者が、定番作品を中心にクラフトサバイバルジャンルの作品の魅力を紹介・解説しています。今回紹介するのは、2026年8月6日に正式リリースを迎えた『Doloc Town』です。
終末世界の横スクロール農業ゲーム
『Doloc Town』は、中国のインディーゲーム開発スタジオRedSaw Games Studioが手がける作品。パブリッシャーはLogoi GamesとPathea Gamesが担当しています。RedSaw Games Studioは、過去にパーティーアクション『Extremely Powerful Capybaras』をSteamでリリースしています。
本作は2021年頃から開発をスタートし、2024年にはSteamストアページでの正式アナウンスと体験版の配信を行いました(現在体験版はプレイ不可)。同年5月にはSteam早期アクセス版をリリースし、高い評価を獲得。その後はアップデートを重ね、2026年8月6日に待望の正式版へと移行しています。
本作の舞台となるのは酸性雨や日照り、雷雨が次々と襲いかかるような終末世界。プレイヤーは、小さな集落ドロックタウンへと帰ってきた若き入植者として、過酷な環境の中で自分の農場を作り上げていきます。町には個性豊かな人々が住み、それぞれの立場で懸命に暮らしています。
ゲームとしては、可愛いピクセルアートで表現される横スクロールの世界が大きな特徴。農場は横に拡げるだけではなく、足場を積み上げることで縦方向に畑や生産施設を作り上げることができます。研究が進めば畜産や自動化、さらには作物の遺伝子改良までできるようになり、過酷な環境を利用して農業を効率化することも可能です。



正式リリース配信から2週間で8万本以上を売り上げ、ウィッシュリスト登録数は20万件を突破。不具合の修正を中心とするアップデートも続いていて、ゲームとしての安定性も増しています。



辿り着いたのは大いなる遺産が眠る(?)町
『Doloc Town』の舞台は、戦争によって過酷な環境と危険なマシンが残された、荒廃した世界。主人公は避難生活を送る中で、生まれ故郷であるドロックタウンへと戻る旅路から始まります。しかし、主人公は旅の途中にマシンに襲われて崖から落ちてしまいます。これがオープニングのカットになっているのは、細かい工夫が感じられます。

ゲーム本編は、倒れていた主人公を救ってくれた少女・カシアと出会うシーンから始まります。ここで主人公の名前を入力(デフォルトはプロティ)し、カシアから行く宛のない主人公に、今いる無人の農場を使うことを提案されます。まずは、カシアから受けたチュートリアルクエストをクリアしていきましょう。



チュートリアルでは、農業のはじめ方やアイテムのクラフト、収納、スペースの使い方などを学ぶことができます。ゲーム内では、さまざまな行動に合わせてポイントを獲得し、テックツリーで新たなレシピもアンロックできます。最初は使い捨ての植木鉢しか作れないので、まずは丈夫な「木の鉢」を入手することが目標になります。
また、町長への挨拶など、カシアとは別のクエストも進行していきます。住民の中には買い物ができる人、失われた植物を研究している人、農場の拡張ができる人などもいるので、まずは町をしっかりと巡っていきましょう。それぞれの住人はスケジュールがあるので、店の看板などをチェックすることも大切です。




こうして生まれ故郷へと帰ってきた主人公は、農場での仕事をしながら、幼い頃の記憶の中にある町の秘密にも向き合っていくことになります。




季節にあわせた野菜作りを
この世界には4つの季節があって、農場では季節ごとに育てられる植物も異なります。種は町にある種屋で入手するほか、マップの探索中に鳥が落とすこともあります。栽培は簡単で、鉢に種を入れて水を入れれば、あとは数日間で収穫できるようになります。
本作最大の特徴とも言える、縦方向の作業場づくりは「足場」が必要です。農場には高さ制限がありますが、足場を積み重ねれば鉢を大量に置くこともできます。増築や解体も簡単なので、どんどん積み重ねていけば作業スペースはどんどん拡がっていきます。



収穫した作物はそのまま出荷してお金にしたり、加工したり、さまざまな用途で役立ちます。また、戦争で失われた植物のサンプルを見つけることで、町にある「植物研究所」を利用して新たな種類の植物の種を作り出すこともできます。植物のタイプごとに必要な鉢も異なるので、テックツリーを進めることも忘れないようにしましょう。
ゲームが進めば農場でやれることも増え、やがて畜産などもできるようになります。施設が増えれば新たなクラフトや料理、酒づくりなどもできるようになります。作物や魚などは加工すればより価値が高くなりますし、料理は回復アイテムやプレゼントとしても役立ちます。





世界を探索して町を盛り上げろ
本作は、町や周囲のマップを探索しながら素材を集めつつ、自分の農場を拡張していくことが大きな目標のひとつになります。斧やツルハシ、鎌などのツールは木や石、鉱石を集めるために使用しますが、アクションでスタミナが減っていきます。1日の時間はリアルタイムで進行し、夜遅くまで働けばペナルティもあるので注意が必要です。
メインクエストを進めていけば新たなエリアも解放され、主人公を襲う敵も登場し、対抗手段としてドローンも扱えるようになります。当然手強いマップになれば新たな素材も増えていきますし、素材を取得するためのツールのアップグレードも必要です。さらに、ゲームが進めば2段ジャンプやダッシュも使えるようになっています。




ドロックタウンでは、かつてのリーダーたちが残した研究や遺産が残されています。主人公は、それらを発見して修復することで、新たな技術や目的も得られます。一方で町長からの特別な依頼をクリアすれば、街の移動に便利な交通機関なども解放されます。
敵との戦いは基本的にドローン任せになり、攻撃にはバッテリーを消費します。後半のエリアになれば敵も強くなるので、充電池を用意したり、強力な武器を装備することも必要です。本作は基本的に、あらゆる要素を体験しなければならないので、しっかり準備することも大切です。





酸性雨、雷、過酷な環境で生きるために
終末世界での生活は簡単なものではなく、定期的に酸性雨や雷雨といった環境変化がプレイヤーを襲います。特に序盤の雨季に訪れる酸性雨は、植物を傷めたり、機械の動作をストップさせたりと、農場での作業に大きく関わってきます。
幸い過酷な環境に慣れている住人たちからは、この環境に耐えるためのアドバイスを貰えます。例えばビニールシートを植物にかぶせれば数日間は酸性雨から逃れられます。さらに、コンテナなどの施設があれば、天候変化に影響されずに屋内での作業ができるようになるでしょう。





もし酸性雨であっても、対策さえできれば植物を潤す恵みの雨にもなります。テックツリーを進めていけば、やがて作業の自動化や植物の遺伝子改良もできるようになります。機器の導入やツールの改良などにはお金を惜しまないようにしましょう。
最初は隔絶されていたような小さな集落だったドロックタウンですが、主人公が環境を改善していくことで、他の地域との交易もできるようになっていきます。ゲーム内のコンテンツはかなり多彩です。その分、作業自体も非常に多いので、しっかりと知識を学んでいきましょう。





正式版を迎えた『Doloc Town』は、農場経営と冒険、設備の開発やクラフトなど、さまざまなコンテンツをたっぷりと味わえます。キャラクターのピクセルアートも魅力的で、横スクロールアクションの操作性と、足場を積み重ねていく拠点づくりも好相性です。
早期アクセスからアップデートを重ね、ゲーム内のボリュームは驚くほど多めです。一方で、少しゲーム内で“やるべきこと、やれること”の説明が少なく、さらに、ほとんどのコンテンツを遊ぶ必要があるゲーム性のため、プレイスタイルによっては遠回りになってしまう部分もあります。


農場づくりや遺伝子改良など、こだわればこだわるほど面白みが増してくる本作。じっくりと遊びたい人にはおすすめの一本です。











