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ギャルゲー百人百景:第一景『恋愛講座 Real Age』成瀬麻美

季節は巡り、春、夏、秋、冬。季節の数だけ景色がある。そして景色の数だけ、ギャルゲーもまた存在する……この連載はギャルゲーのヒロインを百人攻略するという妄念に取り憑かれた男の飽くなき挑戦の記録である。

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季節はめぐり春、夏、秋、冬。季節の数だけ景色がある。そして景色の数だけ、ギャルゲーもまた存在するのだ。ギャルゲーの主役といえばなんと言っても多種多様なヒロイン達……。この連載はギャルゲーのヒロインを百人攻略するという妄念に取り憑かれた男の飽くなき挑戦の記録である。


ということでとうとう正式にスタートを切った「ギャルゲー百人百景」のコーナー。記念すべき最初の攻略ヒロインは『恋愛講座 Real Age』より「成瀬麻美」ちゃんである。外ハネの髪型が非常にキュートな彼女の人となりなどについて、すぐにでも書き出したいところではあるが、ともあれ、最初なので『恋愛講座 Real Age』というゲームの説明からせねばなるまい。



『恋愛講座 Real Age』は1999年にイマジニアから発売された恋愛シミュレーションゲームだ。キャラクターの原画はなんとあの江口寿史先生。ジャケットの裏をみたところによると「くどきゲー」とのことで、40万人のデータベースから真実の恋愛をシミュレートしてくれるリアル志向のゲームらしい。予告のときにも述べたが、ギャルゲー界の『Operation Flashpoint』と言っていいだろう。


もちろん中古で購入したものだが、内容物は結構ゴージャスである。プレイステーションのゲームの中では未だに人気も高い傑作アクションゲーム『BAROQUE』の広告がなぜか封入されていたが、メーカーは違うし今となっては理由が不明だ。ってかそんなことは全然どうでもよくて、注目すべきはこの「設定資料集」である。


その中身であるが、ものすごいテキスト量で圧倒される。キャラクターの設定や開発メモ、恋愛についてのうんちくがびっしりと書いてある。正直言って情報過多だ。「実際の恋愛に役立ててくださいね」という強い圧力を感じる。通常、この現実世界においては(『ビートマニア』がいくら上手くても実際のDJとあまり関係がないように)ギャルゲーがいくら上手くても、実際の恋愛とはあまり関係ない。しかしこのゲームが目指すところはどうやらそうではないようである。この時点でかなりの異色作といえるだろう。




タイトル画面の次になぜか「アナタ」がカタカナになっている文章が表示され、その後『ドラクエ3』みたいな感じで心理テストがはじまる。しかもその間ずっと謎のアシッドテクノみたいなBGMが流れているので悪夢感がめっちゃ強い。夢かな……。


長めの心理テストが終わるとゲームが開始し、いきなりヒロインと出会うシーンになる。どうやら心理テストで最初に出会うヒロインが決定しているようだ。この出会いシーンが結構すごくて……なんというか、地球にはあんまりない会話が繰り広げられる。冒頭からトップギアで畳み掛けるようなカマし具合だ。


そこからは怒涛としか言いようのない展開で、貼りたいスクショが山程ありすぎて困るほどになってしまった。私はゲーム発売当時子供だったため、当時の風俗から鑑みてこれがちゃんとオシャレなのかやっぱりちょっとダサいのかはよくわからないが、主人公がアナログを買いに行こうとするギャルゲーを初めてやったし、衝撃的なのは確かだ。主人公はレコードを買い、DJの友人と遊び、ファッション誌を読むという、我々とはほとんど関係ない人生を送っている人物らしい。


そんな中ふとしたきっかけで麻美と主人公は再開することになる。なんとDJをやっている友人の彼女の同級生だったのだ。湘南乃風の「純恋歌」みたいな関係性ですね。口笛というきっかけもありトントン拍子に打ち解け、エイジアーというクラブで行われるハッピー系のパーティーへ一緒にデートに行くことになった。ハッピー系ってなんだろう……ハッピーって『ビーマニ』にあったよね。


クラブでのデートも成功し、トントン拍子に距離を詰める私たち。前回の『エンジェルグラフティ』と比べると10倍ぐらいの進行スピードだ。どうやら麻美ちゃんはテクノやファッションが好きな女の子らしい。


ゲームを進めていくとわりとすぐにキスまでもっていける。なぜローマ字なのかはわからない。


そんなこんなで麻美ちゃんと親交を深めていくと、彼女にデザインの才能があり「自分で洋裁ができる」ということがわかってくる。周囲からもその才能を認められた彼女は、主人公の説得もあって、バイト先の上司の有名デザイナーに自分が作った洋服を見せにいくことになる。



しかしそんなに話がうまいこといくわけもなく、彼女は人生で初めて挫折を知ることになる。すっかり落ち込んで、自暴自棄になっている彼女に救いの手を差し伸べるのは……。


はい、私です。と、いうことで結ばれる二人……めでたしめでたし、と思いきやゲームはここまでで半分といったところ。現実の恋愛がどうだかはよくわからないのだが、関係性が深まっていく感じはたしかに他のギャルゲーよりは説得力がある気がする。これが『Operation Flashpoint』か……。


この頃にはすっかり私もこの娘の魅力に首ったけになっていた。麻美ちゃんはクラブやファッションが好きで人懐っこい感じの実在感のあるキャラとして描かれていて、なんだかんだ関心させられた。もちろんマンガっぽく誇張されてる部分もかなりあるが、理屈っぽくうるせー感じも伊達じゃないということだろうが。


その後、デザインの修行を積み、評判と実力を上げ、ちょっと増長して勢いで専門学校を辞めてもう一回挫折するくだりなんかもありながら(このくだりはゲラゲラ笑いながらも実際にありそうと思ってゾッとした)、話は終盤に向かっていく。ちょっと倦怠期みたいなところまで再現されてて面白い。そして……。



まあなんかデザインの賞みたいなのを無事受賞した麻美ちゃん。彼女の前途は明るい、といったエンディングを迎えた。正直ご都合主義だなとは思うが、学校を辞めた上にデザイナーとして失敗されても寝覚めが悪いしゲームとしてはこれぐらいがちょうどいいのだ。あと、クリエイションだのなんだの、わりと最後までやかましい。モヤモヤした気持ちと爆笑が交互にやってくる、とても不思議なゲーム体験をさせてもらえた。大満足です。


(まあわりあい好きだけど代表的な趣味のように言われると困る)

ということで成瀬麻美ちゃんの攻略に成功し、ようやく第1回を完成させることができた。無限にスクリーンショットが撮れてしまい、これでも泣く泣く削った場面が山程あるので、興味を持たれた方は今からでも探してみてはいかがだろうか。

ネタだけではなく、ゲームとしてもよく出来ていておもしろいし、なにせ1回のプレイ時間が非常に短い(2時間強程度)なので万人向けするギャルゲーになっている。次回は同作から他のヒロインを攻略していこうと思う。他のヒロインもなかなかアクが強そうなのでおそらく撮れ高には困らないだろう。お楽しみに!
《文章書く彦》
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