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オープンワールド宇宙RPG『Starpoint Gemini 3』プレイレポート!未経験者でも遊びやすいカジュアルでコミカルなスターシップシム

スターシップに搭乗して星間を駆け巡り、デブリのスカベンジや交易、賞金稼ぎなど、自由に宇宙ライフを満喫できるオープンワールドRPG『Starpoint Gemini 3』のプレイレポートをお届けします。

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オープンワールド宇宙RPG『Starpoint Gemini 3』プレイレポート!未経験者でも遊びやすいカジュアルでコミカルなスターシップシム
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スターシップに搭乗して星間を駆け巡り、デブリのスカベンジや交易、賞金稼ぎなど、自由に宇宙ライフを満喫できるオープンワールドRPG『Starpoint Gemini 3』のプレイレポートをお届けします。

本作はクロアチアのデベロッパーLittle Green Men Gamesによって、9月6日にSteamで早期アクセス版が配信されました。2010年に最初の作品である『Starpoint Gemini』(以下『SPG1』)が登場し、宇宙シムにしては取っ付きやすいカジュアルなゲーム性から人気を博していました(ちなみにSteamで配信されている『SPG1』の評価が悪いのはWindows 10での動作に問題があるためで、ゲーム自体は面白いです)。

2014年には続編である『Starpoint Gemini 2』(以下『SG2』)を配信。宇宙シムでありがちな操作やインターフェイスの煩雑さを排除し、その遊びやすさから幅広いユーザーに支持されました。Steamで無料配信されたこともあるので、プレイした方は多いかと思います。2017年には『SG2』のスピンオフ的作品『Starpoint Gemini Warlords』(以下『SGW』)も配信され、日本語サポートもされました。

『Starpoint Gemini 3』のトレイラー

「宇宙シム」と言えば、プレイしたことのないゲーマーからすると「なんだか難しそう」「雰囲気が重くて取っ付きにくそう」「遊び方を覚えるのが面倒臭そう」というイメージがあるかと思います。実際、『X』シリーズや『Elite Dangerous』など有名どころの宇宙シムは覚えることが多く、面白くなる前に脱落してしまうユーザーも少なくないかと。

その点、『SG』シリーズは「初心者にも優しいカジュアル宇宙シム」となっており、シリーズ第4作目となる本作では『SG2』をさらに遊びやすくした内容だとのことです。またストーリーは、マーベルのコミック作品を数多く手掛けたクロアチアの作家ダルコ・マッツァン氏が担当しています。いったいどんなゲームになっているのか。さっそくプレイしていきましょう。

コメディ映画のようなキャンペーンモード



本作ではストーリーのある「キャンペーンモード」と、自由にプレイできる「フリーロームモード」の2種類があります。今回ストーリーが面白いとのことなので、チュートリアルも兼ねているキャンペーンモードからプレイしていきましょう。


ゲームが始まり、登場したのは我らが主人公のキャプテン・ボールド。キャプテンと言っても乗員1人のガンシップですが。女好きで性格もやけに軽く、コメディ映画の主人公のようです。


そして相方はAIの「エイダ(A.D.A.H.)」。口調は丁寧なのですが、かなりの毒舌です。ボールドとの掛け合いが漫才のようで面白い。と言うか、完全にコメディのノリです。「スターウォーズ」を観に行ったら「スペースボール」だったみたいな感じでしょうか。これだったらSFが苦手な人でも取っ付きやすいかと思います。


ボールドがやってきたのは、海賊たちがたむろする「シー・オブ・ソロー」という場所。エイダがそのことを指摘しますが、ボールドは「その海賊に会いに来た」と言い出します。何でも酒場で知り合ったラヴェーナ・ブラックという美人女海賊とここで待ち合わせしているとのこと。そんな理由で危険地帯まで来るあたり、相当な女好きですね。


ここでスターシップの操作ができるようになりました。Xboxパッドでの操作方法ですが、左スティックを前に倒せば前進、押し込めばブースト、Rスティックでステアリングと極めて簡単で、直感的に動かせます。またLTでターゲットをロック、Rスティック長押しで自動航行できます。この手のシムは操作が複雑なものが多く、少なくとも加速・減速のボタンがあることが多いですが、そのあたりは遊びやすいように簡略化されています。


目的地にたどり着きましたが、ラヴェーナの船は見当たりません。するとラヴェーナ本人から通信が入り、一人で来たかどうかを聞いてきます。こちらを警戒しているようですね。ボールドは「もちろんさ。君との密会を独り占めするために」と答えました。するとラヴェーナは「あなたやっぱりバカな男ね」と言います。


隠れていた海賊船が姿を現しました。完全武装で、しかも3機もいます。いったいどういうことなのかとたずねると、「お金よ、ハニー。私はお金の方が大切なの」とラヴェーナが答えます。ボールドは「俺は金なんかないぞ」と言いますが、なんでもボールド自身に高額の懸賞金がかかっているとか。


エイダは「それは生死を問わずという意味ですか?」と聞くと、ラヴェーナは「残念ながら生け捕りよ。おとなしく捕まってくれる?」と言いました。「今すぐ投稿すべきです!勝ち目はありません!私のことも考えて!」とAIにもかかわらず保身第一のエイダ。

ラヴェーナの依頼主は「ローザ・スタマティナ」という女性。どうやらボールドの知り合いで結婚したがっているようですが、ボールドは「あいつの狙いは俺の血筋だろ」と嫌がっています。何やらボールドの祖父は影響力のある人物で、その血筋を狙っている者が大勢いるようです。


交渉が決裂し、戦闘開始。RTでブラスター、RBでミサイル発射と、戦闘の操作もわかりやすい。メーター表示も無駄を省いてシンプルにしており、画面右下のバーは上からミサイルの残段、ブラスターのエネルギー(自動回復)。左下のバーは上からブーストエネルギー、シールド、HPとなっています。

新しいガンシップを盗め!



海賊たちから逃げ、追手を撃退したボールド。「やったぜ!」と調子に乗っていますが、エイダから「シールドとエンジンは故障し、大切な物資もほとんど失ってしまいました」と文句を言われます。

エイダがなぜ懸賞金が掛けられているのか聞くと、ボールドは「あまり面白い話じゃないんだ」と話したがらない様子です。すると「このプロローグよりは面白いはずです」とメタ発言まで繰り出してくるエイダ。3になってから内容的にもかなり攻めてきています。「スパイダーマン」の続編が「デッドプール」になるようなものでしょうか。そういえばストーリーはマーベルコミックの作家が担当していましたね。


ボールドは事情をエイダに話します。ボールドの祖父は「ネクサス」という勢力のボス「トーマス・スコット」で、ボールドたちが今いるジェミニ系の最重要人物です。しかし彼の死によってネクサスの派閥争いが激化し、混乱状態に陥ってしまいました。

それぞれの派閥はその正統性を主張するためトーマスの孫たちを必死で探し出し、協力を拒むのであれば殺していました。ボールドが知る限りでは、すでに9人のいとこが殺されているようです。政治に興味のないボールドはこの争いから逃げるため、一人ガンシップに乗って宇宙をさまよっています。


修理や燃料補給が必要なので、近くにある「マルチオプス」という勢力のステーションに寄港することになりました。ステーション着陸は、一般の宇宙シムでは難所の一つです。筆者が『Elite Dangerous』をプレイしたときは船をぶつけまくってましたが、本作ではステーションをLTでロックして近づき、画面上に「Yボタン」の表示が出たときにボタンを押すだけで一瞬で着陸完了。交易など何度もステーションに立ち寄らなければならないときは、この方が便利ですね。


船はボロボロになっている上に、ボールドはお金がありません。そこでエイダがドローンになって、マルチオプスの船を盗むことを提案。すべてエイダがやるので、ボールドは酒場で待っていればいいとのことです。


本作ではエイダの搭載されたドローンを操って、敵艦内や基地内を探索できるようになりました。通れない扉などはハッキングを使って開けることもできます。ハッキングと言っても、ターゲットに近づいてYボタンを押すだけでので難しいことはありません。


新しい船を手に入れ、ボールドとともにマルチオプスのステーションから脱出するエイダ。エイダは新しい船を気に入ったようで、かなりハイテンションになっています。ロールを繰り返し、中にいるボールドは吐き気に襲われていました。


しかし船を盗んだことで、当然マルチオプスに追われることになります。「なぜどこかの賞金首ハンターの船ではなく、大勢力のマルチオプスの船を選んだのか」と聞けば、「立派な船だったからです」と答えるエイダ。完全に趣味で選んだようです。「つまり俺たちは最高にエレガントな船で旅をして、これから誰かに殺される運命だって?」と言っても、「おそらく今すぐ死ぬことはないでしょう」との答え。


するとマルチオプスからの追手が襲ってきました。なんとか撃退しますが、現在は宇宙海賊、ネクサス、マルチオプスの3勢力から追われる身です。ジェミニ系から脱出しなければなりませんが、太陽系もマルチオプスの勢力下にあります。


そこでエイダは、マルチオプスやネクサスの影響力が弱いシリウス星系に逃げるよう提案します。しかしシリウス星系には「ドゴン」という種族が勢力を持っていて、ボールドは「気味の悪いエイリアン」だと言って行きたがりません。エイダに「種差別主義者」だと指摘され、結局シリウス星系へ行くことになりました。

ジェミニ系からの脱出



他の恒星系へ行くためには、ネクサスが管理するスターポイントを通過しなければなりません。船の盗難は、まだネクサスには伝わっていないはずなので、上手くごまかせば抜けられそうです。


ゲートキーパーに渡航目的を聞かれ、「輸送だ」と答えるボールド。しかし彼の乗っているのは輸送船ではなくガンシップです。「ガンシップで何を運ぶんだ?つまようじ?」と言われ、「『キボーナの塔』の新シーズンだ。司令官が大ファンでね」とボールドはとっさに答えます。「あの人気番組ドラマの?ストリーミングの方が楽じゃない?」と言われますが、「恒星間のストリーミングは案外高いから届けた方がお得」との返事。


「なるほど」と納得して通してくれるゲートキーパー。ネクサスはこんな人材にゲート管理を任せといて大丈夫なでしょうか。料金を払って通ろうとしたときに、女海賊ラヴェーナが登場。「賞金が欲しいからおとなしく捕まりなさい」と迫ってきます。


ボールドはラヴェーナから逃げるため、金を払わずにスターポイントを通過。これでネクサスからもこの船体がマークされてしまうことになりました。お金も無く、もはや無法者の立場になってしまっているため、金稼ぎの手段は限られてしまっています。そこでデブリのスカベンジをして、闇取引で売りさばくことにしました。


壊れた船体にドローンを送り込み、内部を探索。ここではウェイポイントが出てきますので、それを追って何カ所かでハッキングしていくだけです。すべて終えたら船に戻りましょう。


スカベンジしたものを闇取引で売りさばくため、パイレーツ・ハーバーへと向かうボールド。ここでは無法者たちが集まり、違法品などの取引が行われています。


パイレーツ・ハーバーの酒場で、ボールドはウィークビアードという男にトレードを持ち掛けます。ウィークビアードは元軍人のようで、逆にボールドに仕事を持ち掛けてきます。その内容とは「ドゴンの財宝を奪いに行く」こと。果たしてボールドはドゴンの財宝を手に入れることができるのか。この続きは自身の目で確かめてみてください。

遊びやすいカジュアル宇宙シム



本作は宇宙シムの煩雑さや分かりにくさを前作以上に徹底的に排除し、「誰にでも楽しめる宇宙シム」を目指して作られていると感じられました。特にコミカルなキャンペーンモードは、これまで「宇宙シムは難しそう」だと思っていたユーザーにも取っ付きやすい内容になっています。ただしまだ早期アクセスのため、「ドゴンの財宝」のミッションが終わったところでキャンペーンは終了になってしまいます。


フリーロームモードでは自由に宇宙を旅することができますが、現在のところは依頼をこなしたり、取引したり、船体を強化したりといったことができるぐらいです。マップや基地内部も未完成という印象でしたし、最適化不足でゲーム中に画面が止まったりすることもありました。

これらは今後のアップデートにより改善され、またクラフトシステムやボス級エネミーの追加、ギルドクエストなど、意欲的な新要素も追加されていくとのことです。本作を9月13日までに購入すると『SG2』を無料で手に入れることができますので(すでに持っている場合はフレンドにギフトとして送ることができる)、前作を遊びながらアップデートを待つのもいいかもしれません。日本語サポートもありますし、これまで宇宙シムに興味がなかった方はぜひとも本作からプレイすることをオススメします。

製品情報




■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国の歴史ものを書いている作家。母は台湾人。人生の大半を中国と台湾で過ごす。中国の国立大学で9年間講師を勤め、現在台湾在住。シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、ブログ「マイナーな戦略ゲーム研究所」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。Twitterはこちら
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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