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Game*Sparkレビュー:『Call of Duty: Modern Warfare』

PS4/Xbox One/PC向けにリリースされた『Call of Duty: Modern Warfare』のレビューをお届けします。

家庭用ゲーム PS4
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Call of Duty: Modern Warfare(以下、CoD: MW)』は、2007年から2011年にかけて3部作が展開された「Modern Warfare」シリーズの「ソフトリブート」作品。同シリーズ三部作を手掛けたInfinity Wardが開発を担当しています(第三作はInfinity WardとSledgehammer Gamesの共同開発)。

本作では、過去作の登場人物や設定を部分的に引き継ぎながらも、全く異なる物語が展開。『Call of Duty』シリーズの特徴ともいえる、ドラマチックなキャンペーンモードとテンポの速いマルチプレイヤーモードのほか、4人協力PvEのCo-opモードを楽しめます。

Barry Sloane氏が熱演するプライス大尉は、シリーズ過去作の同名人物とは別人。

また、技術的な観点からいえば、『Call of Duty 2』(2005年)から長く使用され続けてきたゲームエンジン「IW engine」から脱却した初めてのシリーズ作品となります。本レビューでは、本作が搭載している3つのモードそれぞれについて解説・評価した上で総評をまとめていきます。なお、筆者はPS4版をプレイしています。

キャンペーンモード


●近年のトレンドを踏まえた、戦争の醜い側面も描くストーリー

敵の拠点でハードディスクなどの記録媒体の回収作業にあたっている味方部隊員。映画「ゼロ・ダーク・サーティ」のワンシーンを彷彿とさせます。

演出や舞台、ミッション内容などに様々な映画やドラマ、現実の出来事からの影響が見てとれるのも本作の特徴。筆者が気付いただけでも、「ハート・ロッカー」(2008年、キャスリン・ビグロー監督)や「ゼロ・ダーク・サーティ」(2012年、キャスリン・ビグロー監督)、「13時間 ベンガジの秘密の兵士」(2016年、マイケル・ベイ監督)、「トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン」(2018年)からの強い影響を感じ取れました。中には「オマージュ」というより、ほぼ元ネタそのままの場面も。

●善悪の線引きをするのは、プレイヤー自身

民家に潜んでいるテロリスト集団を排除しに向かうSAS。非戦闘員の存在が明らかになっているため、引き金を引く際には細心の注意が必要となります。

本作では、メインライターのTaylor Kurosaki氏が発売前から繰り返し述べていたように、戦争の醜く暗い側面が描かれます。その中には、子どもの目の前で母親をやむなく射殺したり、尋問のために非道な手段をとったりと、人によっては目をつむりたくなるほどの表現も。シリーズの過去作品でも「No Russian」(『MW2』)や「Davis Family Vacation」(『MW3』)でショッキングなシーンが存在しましたが、いずれも一時的な主人公の視点から描かれていました。

一方、本作『CoD: MW』で手を汚すのは、ストーリーを通じて操作するメインキャラクター達本人。「自分の身を守るためだった」「奴の罪は死に値する」など、自分自信を納得させるためにどうにかして折り合いをつける必要が生じるのです。

●説明不足感の拭えない主要登場人物たち

発売前より、Activision Games Blogにて主要登場人物たちの生い立ちや、これまでの経歴が細かく紹介されていました。しかしながらゲーム本編内では、敵・味方勢力ともにキャラクターが掘り下げられる場面は(カリム兄妹を除いて)ほぼありません。

随所に挟まれる短いムービーでは十分とは言えず、「当の登場人物は当然のように知っているが、プレイヤーは知らない」といった物事が多く、置いてけぼり感を覚えながらキャンペーンモードを進めていくことになります。

フェイシャルキャプチャーやモーションキャプチャーの技術進化で、俳優の迫真の演技を生き生きと描くことが可能になったにも関わらず、それらが活用される場面があまりにも少なく、どうしてももったいなさを感じてしまいます。

特に今作は「善悪の線引き」がテーマなので、その判断を下す人物に感情移入しきれないことは本当に惜しいです。Sledgehammer Gamesが手掛けたシリーズ過去作『CoD:WW2』ほどではないものの、説明不足感が拭えません。理解を深めるべく、前日譚や「一方その頃……」的な追加ミッション、シネマティックパートが欲しいところです。

●全体的なローカライズ品質は高いが、ミリタリー関連用語の訳に難ありか

左下部に「カイル・ギャリック巡査部長」とありますが、彼は軍人であり警察官ではありません。「カイル・ギャリック軍曹」が正しい表記と思われます。

筆者は英語音声・日本語字幕でキャンペーンモードを一通りプレイしましたが、ローカライズのクオリティは全体的に高いと感じました。主に軍事用語のあたりでプレイヤーの混乱を招き得る誤訳、表記揺れ(「軍曹(Sergeant)」→巡査部長、「装甲車両(Armor)」→アーマー、「マリーン・レイダース(Marine Raiders)」→海兵奇襲部隊、など)が見られるものの、概ね堅実に和訳されている印象です。

また、日本語用テキストにおける英数字のフォントは非常に淡泊なもので、海外版のユーザーインターフェイスと比べるとどうしても見劣りします。シリーズ過去作でも同様に感じていましたが、今後の改善を期待したいところです。

●本職アドバイザーの監修を受けた、リアリティ溢れるミリタリー描写

ナイトビジョンゴーグルを使用中は、アイアンサイトや光学照準器ではなくレーザー照準器で狙いをつけるようになりました。

本作は米海軍特殊部隊ネイビーシールズやUSMC(合衆国海兵隊)が監修。更にグラフィック・音響表現の向上やモーションキャプチャーの活用によって、これまでにないレベルの軍事的リアリティ、説得力を実現しています。

屋内のクリアリング手順や隊員同士の情報伝達、負傷者発生時の迅速な援護など、これを眺めているだけで一日が過ぎてしまいそうな勢いです。銃器に関しても、モデリングはもちろん、アニメーションやサウンドエフェクトがその重厚感の演出に寄与しています。コントローラーの振動機能も相まって、内部の機関部分が立てる音や振動が体に伝わってくるようです。

薬室内の弾のカウントやマガジン毎の弾薬管理、銃器の故障、ランチャー類のバックブラストなどは流石に再現されていませんが、M4A1カービンの全弾撃ちきり後のリロードモーションでは「ボルトリリースレバーを叩く」アニメーションも再生されるなど、銃器の仕組みを忠実に再現しており(PKMでは全弾撃ち切る前のリロードでもチャージングハンドルを引くアニメーションが再生されたりと、銃器によっては不要な操作が行われることも)、「リアリティ」と「遊びやすさ」の塩梅はなかなか良いものでした。また、今作からレンズ付き照準器の中と外で倍率が異なって見えるようになったのも、細かい変化の一つです。

倍率スコープの内側と外側で、窓枠の位置がズレて見えているのが分かります。


M4A1カービンのタクティカルリロードと、全弾撃ち切り後のリロードのアニメーション比較。


Co-opモード


●4人で挑む、超難関PvE

本作のCo-opモードには、「Co-opミッション」「サバイバル」「スペシャルオプスクラシック」が収録されています。「Co-opミッション」は4人チームで複数の目標をこなしていくモードで、キャンペーンの続きの物語が描かれます。

広大なマップを車両や支援物資、役割ごとのアビリティを使用しながら戦い抜く感覚は、大規模マルチプレイヤーモードの「GROUND WAR」に近いものを感じます。シリーズ第二作、第三作に搭載されていた「Spec Ops」モードのようなものを想像しているとビックリするかもしれません。

●マルチプレイを十分に進めた人向けのエンドコンテンツ

Co-opモードはマルチプレイヤーと進行状況を共有しており、マルチプレイヤーで解除した武器をCo-opで使用したり、Co-opで解除した武器をマルチプレイヤーで使用したりできます。

しかしながら、Co-opモードは非常に難易度が高く、得られるXP・武器XPは雀の涙ほど。立ち位置としては「(XP稼ぎ効率の良い)マルチプレイヤーで十分に武器やPERKを解除したプレイヤー向けのエンドコンテンツ」といったところでしょうか。

場面によっては敵が全方位から無制限にスポーンするため(しかも非常に硬い)、適切なロードアウト、役割分担、連携が為されていないとクリアするのは至難の業です。敵の全方位無限スポーンや遮蔽物の少なさ、ジャガーノートの尋常でない硬さなど、歯応えのある難易度というには少々理不尽すぎるきらいも。

●助けるよりも見殺しにした方が良い……そんな本末転倒なケースが生じるゲームシステム

味方がダウンした付近は、敵の攻撃が集中しやすい場所であるケースが多いです。そのため、ダウンした味方を蘇生するには、その周辺の敵を一掃して安全を確保してから救助活動にあたる必要があります。では、あらゆる角度からの射線が通り、かつ敵が無限に湧いてくる時はどうしたらよいのでしょうか?

そんな時は、無理に救助せずに放置することが良策です。死亡すると、1分間の観戦モードを経て上空からパラシュート降下でリスポーンできます。徒歩では到達できない高所にも展開できるため、チームのうち誰か一人はむしろ率先して死に戻りしてもらいたい、とさえ考えられてしまいます。

また、死に戻りした人は無理に敵の前に出ず、敵の攻撃が届かない高所で伏せて「スポーンポイント」化すると良いでしょう。こうすることで、チームの全滅を防ぐことができ、チームメンバーは何度でも上空からのリスポーンが可能になります。

まるで特殊部隊らしくない本末転倒な戦い方ではありますが、全滅判定やリスポーンの仕組みが変更されない限り、この戦法は有効な選択肢であり続けるでしょう。

マルチプレイヤーモード


※本レビューは、11月1日時点の状況を基に執筆しています。マルチプレイヤーモードについては、今後のアップデートやコンテンツ追加によるバランス調整や仕様変更が予想されます。

●キャンペーン世界観の延長線上で繰り広げられる、二勢力のぶつかり合い

筆者が愛用しているコアリション側オペレーター「ワイアット」。選択時に見せる笑顔が眩しいです。

本作のマルチプレイヤーは、キャンペーン世界観の延長線上で繰り広げられる対戦モードです。コアリション(Coalition)アリージャンス(Allegiance)と呼ばれる二陣営に分かれて戦います。それぞれの陣営で一名ずつ、操作するオペレーターを指定可能。見た目と声以外の違いはないので、好みで選択して問題ありません。なお今作では、夜戦バージョンの存在するマップもあります。

●モチベーション維持に繋がるアンロックシステム

プレイヤーと各武器にはそれぞれレベルが存在し、プレイヤーレベルを上げる(レベル55で一通りアンロック完了)ことで武器やリーサル・タクティカル装備、PERK、キルストリーク、フィールドアップグレード(一定時間毎に使用可能なアビリティ)の種類をアンロックすることができます。また、武器レベルを上げることで、アタッチメントや迷彩塗装をアンロック可能です。

「最初からすべて使用可能にしてほしい」という方もいらっしゃるとは思いますが、プレイ継続のモチベーション維持につながるので、筆者的には満足度が高いところです。

●過去作よりも比較的遅いゲーム進行ペース

本作では、目に見える情報だけでなく、味方キャラクターの接敵報告や敵のたてる環境音、ボイスチャットなど、生き残るために意識を向けるべき要素が過去作よりも増えています。その分、ゲームの進行ペースは過去作よりも遅くなったように感じました。

また、下手に動くリスクが大きい現状、隠密特化のPERK構成で籠ってしまうプレイヤーもしばしば見られます。裏を取り合ったり、撃ちあったりという楽しさは健在です。

大規模対戦を楽しめる「GROUND WAR」モード。勇ましい見た目の装甲車両ですが、すぐに乗員もろとも吹き飛ばされてしまいました。



ここまでのレビューをおさらいします。キャンペーンモードでは、過去作より洗練された演出や、実写と見紛いそうな質感のグラフィック、臨場感溢れる迫力のSE、Sarah Schachner氏の手掛けた勇ましくも不穏な雰囲気漂うサウンドトラック、様々な新システムが盛り込まれたゲームプレイを十二分に味わえました。その一方で、主要登場人物への感情移入のきっかけが少々不足しているように感じます。

Co-opモードは攻略自由度が高く、歯応えある協力プレイ体験を提供しつつも、敵の全方位無限スポーン、ジャガーノートの硬さなど、難易度が理不尽気味な面も。また、マルチプレイヤーモードでは、裏を取り合ったり撃ちあったりという根幹の楽しさは健在ながら、キャンプ気味のプレイヤーに対するカウンターが現状難しいのが気になるところです。

細かな疑問点はあるものの、『CoD: MW』は「現代戦」を望むシューターファンにぜひオススメしたい作品です。追加コンテンツ配信など、今後の展開にも期待が高まります。

白いインジケーター(赤い〇内)が表示されているとき、そこに銃を押し当てて依託射撃することが出来ます。動きに制限がかかる反面、正確な射撃が可能になります。

新しく取り入れられたゲームシステム(依託射撃、ドア開閉、ガンスミスなど)はいずれも存在感があり、シリーズ過去作とはまた一味異なる楽しさを提供してくれます。

総合評価: ★★★

良い点
・ミリタリー映画の追体験のようなキャンペーンモード
・本職の監修を受けたリアリティ溢れるミリタリー描写
・Barry Sloane氏(プライス大尉)らによる、キャラクターに命を吹き込む迫真の演技
・銃器の迫力あるアニメーション、サウンド、発砲感
・世界観共有による各モードのストーリー性


悪い点
・そのまま過ぎる映画・史実オマージュ
・説明不足で感情移入しきれない主要登場人物たち
・ミリタリー関連用語の訳に難あり
・身体欠損などの表現規制
・「Co-op」モードで得られるプレイヤー/武器経験値が非常に少ない


《S. Eto》

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