密着・安田文彦―『仁王2』完成までの軌跡と『Bloodborne』山際眞晃対談 6ページ目 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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密着・安田文彦―『仁王2』完成までの軌跡と『Bloodborne』山際眞晃対談

クリエイターの悩み、それぞれが持つ仕事の関係性、『Bloodborne』山際氏との対談──。等身大の姿を映し出そうとするインタビュー現場の様子を、ライターの視点でお届けします。

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Team NINJAは「骨太な音」



コーエー出身の吉松は、Team NINJAを外から眺める立場を経ている。音作りひとつとってもチームのカラーは千差万別だが、それらは『仁王2』でどのように活かされてきたのだろうか。

吉松「Team NINJAの音作りは”骨太”だという言葉が使われてきました。私自身も当時からそのように感じていまして、どういった音作りなのかと言えば……”リアルな路線なんだけど、とてもデフォルメされており、過剰な演出”というものだと考えています。

過剰な演出をしようとすると、本当ならばダサく聞こえてしまうものなんですが、Team NINJAの音はそれでもクールに感じられ、海外にも通用しています。それまで私が仕事をしている中にはなかったサウンドデザインだなと感じていました」

そんなTeam NINJAのメンバーとして仕事を進めることとなった吉松は、『仁王2』の雰囲気作りで難しかった点に「ダーク」と「和風」を共存させることを挙げていた。

吉松「『戦国無双』の仕事を通して和風の音作りについては当時からやってきました。ただ、和風の音は個性が強く、和風は和風……ダークはダークと、馴染ませるのが難しいものだと感じています。

ダークな感じって西洋的な要素であれば出しやすかったりします。ですが、そこに和風を絡めようとするとコミカルになってしまったりするんです。そしてダーク感を出そうとすれば和風感が薄れてしまったりして、とても苦労しましたね。

そこで”海外の方が作る和風の音”を参考にしました。日本人がイメージする和風の音とは結構、違っていたりします。私にはそうした和風の音がクールに見えていまして、ダークさと絡めるときの指針になりましたね」

「安田さんは普段からよく電話をかけてくる」



タバコ休憩でよく顔を合わせる間柄の安田・金子とは異なり、物理的にも距離のある吉松はどのように関係性を築いていたのだろうか。そこからは、形は異なれど共通して浮かび上がる「信頼」の姿が見えてくる。

吉松「関係性としては今の所、非常に良好ですね。『仁王』ではじめて一緒に仕事をすることとなり、音楽性どうする?という話では互いの趣味が合っていて、一気に信頼関係が作れたのかなと思っています。

『仁王2』がはじまるまでには、サウンドについてはある程度”任せてもらっている”という状態になっていました。安田さんはディレクターですが、逐一何らかの許可を取って……といったこともする必要はありませんでした。むしろ、安田さんは普段から電話をよくかけてくる人なので、連絡不足といったこともなく最後まで仕事ができたのかなと」

視点を変えた時にこそ物事の本質が顔を覗かせることがある。安田の仕事に対するスタンスが、こうした細かいエピソードから伝わってくるようだ。やはり、統括する立場として自ら動き求めていくスタイルが安田の本来の持ち味であると言えよう。


《Trasque》

一般会社員 Trasque

会社員兼業ライターだけどもうすぐ無職になりそう

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