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【ゲームで英語漬け:Game*Spark的学習術】第3回『ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアックエイジ』

第3回は英語吹き替えが話題となった『ファイナルファンタジーXII ゾディアックエイジ』をフィーチャー。方言の採用で加わった新たな魅力を紹介します。

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「ゲームで英語漬け:Game*Spark的学習術」第3回は『ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアックエイジ』(以下、『FF12』)を取り上げます。音声付きの『FF』として2作目に当たりますが、海外版音声を吹き替えるに当たって、多様な英語の方言を採用して多民族が行き交うイヴァリースの新しい表現が生まれました。

練習問題の解説



前回の『仁王』編で紹介したイェイツ「死」は、輪廻転生の思想が強く反映されたものとして有名です。押さえておきたいポイントは、最初の1~2行「死にゆく獣は恐れも希望も抱きはしない」と最後の「死とは人間が作ったもの」です。転生があるならば、自然の理において「死は次の生への入り口」であって、キリスト教的な永久の死は、人間が作り出した概念に過ぎないのだ、と言うのがこの詩の本意なのです。この詩の一節“Many times he died~”はケリーの台詞として引用されています。

もうひとつ“I am the hollow man”はT.S.エリオットの「The hollow men」からの引用。ここでは単数形ですが……原詩を読むとケリーの存在に少し違う意味が現れるかもしれません。『仁王』にある英文学のエッセンスを感じていただけたでしょうか。

Let’s Play in English:RPGはやや難易度高め、文章をしっかり読もう



『FF12』はメニュー言語切り替えがゲーム内にありません。こういうときはゲーム機本体の言語設定を変えるとゲームでも反映されることが多いのです。日本先行など例外はありますが、グローバルローンチの場合はほぼこの機能があるので試してみてください。


今回はRPGということで、前2回のアクションゲームよりは難易度が上がります。街中での聞き込みや、バトル中の情報ログなど、ゲームの性質上表示される情報を読んで行動することが避けられないからです。アイテムアイコンもジャンル毎までで、新たに覚えなければならない言葉も飛躍的に増えます。特に『FF12』は膨大な数のガンビットがあるので、魔法やアイテムを余す所なく叩き込んでいきましょう。


街中の人とのやりとりもテキストのみ。選択肢もあるので、きちんと内容を理解した上で返答したいですね。

ローカライズを味わう:出自による話し方の違いを堪能しよう


ラバナスタだけでこれだけ種類がある

『FF12』で忘れてはいけないのが、英語吹き替えの魅力です。世界観を共有する「イヴァリースアライアンス」の中で最も古い時代とされる『FF12』。主人公ヴァンの住むダルマスカ王国にはモーグリやバンガ、ヴィエラなどの様々な民族が生活しています。海外版ではこの多民族の住む地方を表現するために、英語の方言を使ってそれぞれの出自を示す工夫が施されました。冒頭のラバナスタではその多様さがよく現れています。 

基本的にダルマスカ王国側がアメリカ英語、アルケイディス帝国側がイギリス英語を使っており、同じ英語でもかなり印象が違いますね。さらにアメリカ英語でもヴァン、パンネロは若者らしいくだけた言い回し、ミゲロはテキサス風というように、国の中でも民族の違いがより明確に出されています。

この「喋り方で出自を示す」表現によって、日本語にはない新たな解釈もできます。ラバナスタにいる一般の帝国兵は「コックニー」と呼ばれるイギリス英語を使っています。これはロンドンの下町に住む労働者階級の人々が使う方言で、日本の江戸っ子言葉に近いもの。ラバナスタで威張っているような帝国兵は、実はヴァン達とそう変わらない庶民層の出身ということが示してあるのです。帝国兵でもエリート層は上流階級のRP英語(標準語に相当する)を話しているので、そのあたりから帝国の格差社会が垣間見えますね。後半に登場するアルシドも濃いキャラらしく、なかなか強烈な方言を使います。ゲーム中で是非確かめてみてください。

方言から見るイギリス移民の歴史


(C)Martin Abegglen

映画「マイ・フェア・レディ」では、言語学者ヒギンスが下町の女性イライザの言葉を矯正して、上流階級の淑女に偽る実験をしていましたが、言葉遣いで出身がバレるのはどこも同じ。その応用で、世界に広まった英語の特徴を調べることで国のルーツを遡ることができるのです。

イギリスが制海権を握った15世紀以降、主にアメリカ、オーストラリア、カナダなどへブリテン諸島から多くの移民が旅立ちました。その後各国独自の発展を進めたそれぞれの英語方言に、移民の出身地が持つ特徴が現れています。例えば英語のなまりで有名なのがいわゆるオージー、オーストラリア英語です。オーストラリアの移民は18世紀イギリスにおける産業革命において、失業した労働者階級が移住したことに始まりました。方言も前述の「コックニー」の特徴を多く受け継ぎ、「Today」を「トゥダイ」と発音するのが最早鉄板ネタにされていますね。

一方アメリカは「人種のるつぼ」と表現されるほどに、様々な地域から移住してきた人々が混ざり合って、地方ごとの方言も独自の発展を遂げました。それらは割愛して今回は「標準英語」としてのアメリカ英語とします。

アメリカ英語の原型はアイルランド系とも言われていますが、最近では300年前のイングランド英語の影響が強いとされます。つまり、分岐した当時の英語話法がそのまま残っていて、かつてはイングランドでも同じ喋り方だったかもしれないのです。

例えば音を伸ばすときの「r」の発音。学校で習うときに苦労するものの一つですが、これはイギリス英語では発音しなくなっています。上記の映像で確認できますが、演説シーンで帝国兵が「ソリドール」ではなく「ソリドー」に近い発音をしていますね。アメリカ英語と比較することで、その変化が後の時代に起こったものと分かる例もあります。

その後アメリカは独立し、同時にイギリス本国とは「違う喋り方」がより意識されるようになりました。宗教的、政治的に両国は対立しますが、こういうところでも反発心が現れていますね。


ゲームにおいて英語方言は出身の違いを表すのによく使われます。また、TOEICリスニング問題にも取り入れられているので、方言の違いを覚えておくと様々な場面で役に立つでしょう。

覚えておきたい英単語集:敬称のバリエーション


王侯貴族を中心に話が進むだけあって呼びかけの形もたくさん出てきます。いざというときに「お前はやめて」と言われないように、ひっそりと練習しておきましょう。
  • His Royal Majesty(H.R.M.):国王陛下(対面していないとき)
  • Your Highness:殿下など、主に王族に対する敬称
  • Your Grace:猊下など、宗教的権力者に対する敬称
  • Your Excellency:閣下など、政治的権力者に対する敬称
  • General:将軍
  • Dunno:Don’t knowの略語
  • Leading man:主役
  • Dungeon:地下牢
  • Nethicite:破魔石


今週のキーフレーズ:I play the leading man, who else?



主人公ヴァンを目の前にしてバルフレアが堂々と主役宣言するこの場面、英語版でもしっかり主張していますね。英語において主役は「Leading role」、助演・脇役は「Supporting role」と言います。

今回のポイントは最後の“who else?”の部分です。直訳すると「他に誰がいる?」となりますが、その意は「オレ以外いないだろ」という反語表現です。もし立候補を受け付ける場合は“anyone else?”になりますが、自分が世界の中心にいると自負するバルフレアには“who else?”のほうが彼らしいですね。「who」以外でも5Wなら同様用の形で反語表現が作れるので、文末に一言添えるだけでぐっと表現の幅が広がります。前回のキーフレーズも“How can~?”という「how」の反語表現なので合わせて覚えましょう。

練習問題:「例のアレ」の聞き取りをしなさい。


FF12と言えば「例のアレ」。ということで、こちらが海外吹き替え版です。


短いシーンでも登場人物それぞれが違う喋り方をしているので、一回で聞き取れたらかなり高いリスニング力ですね。この中で最もはっきり聞き取れるのは、やはりアーシェ。オフィシャルなアメリカ英語を使うので劇中でもとても明瞭に発音しています。難易度が高いのがフランと帝国兵で、方言をある程度知っていないと聞き取りにくいでしょう。いろいろな意味で本作を代表するシーンとなってしまいましたが、こうして吹き替えてみるとまた違った印象ですね。ディクテーションにぜひ挑戦してみてください。
《Skollfang》

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