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『サイバーパンク2077』が待ちきれない?なら遊んでみよう、テーブルトークRPG「Cyberpunk RED」!【行動ルール解説篇】

『サイバーパンク2077』と同じ世界観を共有する、新作テーブルトークRPG「Cyberpunk RED」を遊ぶのに必要な情報をいち早く日本語でお届けします。

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「Cyberpunk RED」表紙
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  • H. Armstrong Roberts/ClassicStock/Archive Photos/ゲッティイメージズ

戦闘ルール

戦闘はイニシアティブ・キューの順番にしたがいターン単位で進行します。戦闘ルールは多岐にわたりますが、ここでは概略のみをご紹介します。

共通ルール

キャラクターは1ターンに移動アクションを1回、その他のアクションを1回実行できます。この際、移動アクションの途中で別のアクションを行い、その後で移動を再開しても構いません。例えば、1ターンに2回攻撃できる武器を持っている場合は、移動・攻撃・移動・攻撃・移動といった行動もできます。

頭、脚、手に持っている物など特定の部位を狙った攻撃が可能です。この場合、判定にはマイナス8のペナルティが課されます。

武器を抜いたり、捨てたりするのにアクションは消費しません。ただし、武器をしまったり、弾丸をリロードするにはアクションを必要とします。

射撃戦(Ranged Combat)

射撃戦の命中判定は次の値同士の比較によって行います。判定に成功した場合、攻撃側は防御側にダメージを与えますが、そのダメージは防御側の防具により軽減されます。

攻撃側のREF + 関連する武器スキル + 1d10
  vs
防御側のDEX + 回避スキル + 1d10
または、標的までの距離と武器によって決まる難易度(DV)

射撃戦には次のような特殊ルールがあります。

  • 連射(Autofire)
  • 制圧射撃(Suppressive Fire)
  • 散弾(Shotgun Shell)
  • 爆発物(Explosive)

接近戦(Melee Combat)

接近戦の命中判定は次の値同士の比較によって行います。判定に成功した場合、攻撃側は防御側にダメージを与えますが、そのダメージは防御側の防具により軽減されます。接近戦による攻撃は防具の軽減効果を半分無視します。

攻撃側のDEX + 関連する接近戦スキル + 1d10
  vs
防御側のDEX + 回避スキル + 1d10

接近戦には次のような特殊ルールがあります。

  • つかみ(Grab)
  • 首絞め(Choke)
  • 投げ(Throw)
  • 格闘技(合気道、空手、柔道、テコンドー)

遮蔽物(Cover)

弾丸を止めることができるものの後ろにいる場合は、遮蔽物に隠れているとみなされます。ただし、相手から自分まで射線が通っている場合は、遮蔽物に隠れているとはみなされません。遮蔽物はあるかないかのどちらかで、部分的な遮蔽物という概念はありません。遮蔽物にはヒットポイントがあり、攻撃を受けてヒットポイントが0になれば破壊されます。

盾(Shield)

盾は持ち運び可能な遮蔽物です。ヒットポイントの残っている盾を装備している間、キャラクターは遮蔽物に隠れているとみなされます。盾を装備したり捨てたりするには、1回分のアクションが必要です。格闘中につかんでいる相手を“人間の盾”として使うこともできます。

防具(Armor)

防具は頭と体の2箇所に装備します。防具にはストッピングパワー(Stopping Power、SP)という数値があり、命中したダメージをその値に応じて軽減します。重い防具はREF、DEX、MOVEにペナルティを与える場合があります。同じ部位に複数の防具を装備してもSPは累積しません。

ダメージ

ダメージの適用は以下の手順で行います。防具を無視するダメージもあります。

  1. 攻撃側がダイスを振ってダメージを決定します。
  2. ダメージから命中部位の防具のSPを引き、残りのダメージを防御側のHPに適用します。
  3. ダメージを受けた場合、命中部位の防具が弱体化(ablate)し、修理されるまでSPが1減少します。

負傷

ダメージがHPの一定割合を超えるごとに傷の重さに応じたペナルティが課されます。

接近戦あるいは射撃戦のダメージを決めるためにダイスを2個以上振る場合は、6が出ると重傷(Critical Injury)を与えたことになります。ダイスを振り、命中部位ごとの表に当てはめて重傷の内容(腕や脚の損傷など)を決め、さらに追加ダメージを与えます。

デス・セーブ(Death Save)

ダメージを受けてHPが0以下になった場合、キャラクターは致命傷(Mortally Wounded)の状態になります。致命傷を負ったキャラクターは毎ターンの開始時にデス・セーブ(Death Save)と呼ばれる生死判定を行わなければなりません。一度でもデス・セーブに失敗するとキャラクターは死亡し、二度と生き返りません

デス・セーブは1d10の値がBODYより低ければ成功です。ただし、10の目は常に失敗となります。一度デス・セーブに成功しても、判定のたびにダイスに+1のペナルティが課されていくため、ターンを重ねるごとに生存の可能性は低下していきます。

評判(Reputation)

キャラクターにはどれだけ有名かを示す評判(Reputation)という指標があります。評判は1~10のレベルで表され、キャラクターの行動に基づいてGMの裁量で与えられます。誰かに初めて会った時、1d10が評判より低い値なら相手は自分のことを知っています。評判は善悪とは関係なく、悪名を馳せていても評判レベルは高くなります。

フェイスダウン(Facedown)

実際に戦闘が始まる前に、一方が怖気づいて引き下がることがあります。これをフェイスダウン(Facedown)と呼びます。GMは必要だと判断したときにはフェイスダウンの判定を求めることができます。判定は次の値同士を比較して行います。

COOL + 評判 + 1d10

同点の場合はなにも起きませんが、敗北した側は次のどちらかを選ばなければなりません。

  • 降参する。
  • 相手に対するすべてのアクションに-2のペナルティを受ける。

なぜ戦闘ルールの中に評判の項目があるのかと不思議に思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、フェイスダウンはもう一つの戦闘とも言えるほど大きな影響力を持っています。

サイバースペース

NETと呼ばれるサイバースペースは第四次企業戦争により大きなダメージを受けました。「Cyberpunk RED」のNETはそれまでの時代とは様変わりしています。

ルールブックにはNET全体を表すNETという言葉と、個々のローカルネットワークを表すNET Architecture(NETアーキテクチャ)という言葉が混在して登場しますが、以後の説明では読みやすさを優先してNET Architectureを単にNETと表記します。

NETの必需品

ネットランナーがNETにアクセスするにはいくつかの道具が必要です。

まず必要なのがプログラムとハードウェアをインストールするためのサイバーデッキ(Cyberdeck)と呼ばれる装置です。サイバーデッキには有限のスロット(Slot)があり、プログラムやハードウェアをインストールするたびにスロットを消費します。

その他にバーチャリティ・ゴーグル(Virtuality Goggle)と呼ばれるヘッドセットも必要です。この装備は現実世界の視界にサイバースペースのイメージを投影し、ネットランナーが現実世界とサイバースペースの両方を同時に把握できるようにします。

昔のネットランナーは安全な場所で視神経を直接NETにつないでいました。しかし、ネットワークが寸断された現在では、システムのある場所まで実際に移動しなければNETにアクセスできません。ネットランナーも最前線で危険に身を晒す時代なのです。なお、サイバースペースに対して現実世界のことをミートスペース(Meatspace)と呼びます。

NETでの行動

ネットランナーが実行できるアクションにはミートアクション(Meat Action)とNETアクション(NET Action)の2種類があります。ミートアクションはミートスペース(現実世界)で実行するアクションで、NETアクションはNETで実行するアクションです。

ネットランナーは1ターンにミートアクションを1回か、NETアクションをインターフェイス(ネットランナーのロールアビリティ)のレベルに応じた回数だけ実行できます。どちらのアクションを実行しても、それとは別に移動アクションを実行できます。

NETアクションには次のようなものがあります。

Jack In / Jack Out(ジャックイン、ジャックアウト)
NETへのアクセスを開始・終了する。

Interface Ability(インターフェイス・アビリティ)
ネットランナーが持つ基本能力を使用する。後述。

Activate / Deactivate(アクティベート、ディアクティベート)
プログラムを有効化・無効化する。

インターフェイス・アビリティ(Interface Ability)

ネットランナーはNETアクションとして次のインターフェイス・アビリティ(Interface Ability)を実行できます。

Backdoor(バックドア)
NET内のパスワードを破る。

Cloak(クローク)
仕掛けたウイルスや自分自身の痕跡を消す。

Control(コントロール)
NETに接続された機器の制御を奪う。

Eye-Dee(アイディー)
断片的なデータの価値を鑑定する。

Pathfinder(パスファインダー)
NET内のマップを部分的に明らかにする。

Slide(スライド)
Black ICEとの戦闘から離脱する。

Virus(ウイルス)
NETの最下層にウイルスを仕掛ける。

Zap(ザップ)
プログラムまたは他のネットランナーを攻撃する。

インターフェイス・アビリティの成功判定が必要な場合は、次の値同士を比較します。

インターフェイスレベル + 1d10
  vs
難易度(DV)

NETでの戦闘

NETで戦闘が発生した場合は、次の値同士を比較して命中判定を行います。成功した場合、対象はプログラムからの影響(ダメージなど)を受けます。

攻撃側のインターフェイスレベル + プログラムのATK + 1d10
または、Black ICEのATK + 1d10
  vs
防御側のインターフェイスレベル + 1d10
または、プログラム・Black ICEのDEF + 1d10

プログラムにはヒットポイントに相当するREZという値があり、REZが0以下になると機能を停止します。しかし、プログラムは完全に破壊されない限り、サイバーデッキやNETから削除されません。2回のNETアクションを使ってディアクティベートと再アクティベートを行えば、プログラムのREZを完全に回復できます。

プログラムにはBooster(ブースター)、Defender(ディフェンダー)、Attacker(アタッカー)の3種類があり、それぞれネットランナーの能力強化、防御、攻撃に用いられます。

Black ICE

Black ICE(Intrusion Countermeasures Electronics)は侵入者を撃退するための自律攻撃プログラムで、ネットランナーが使用する場合はサイバーデッキのスロットを2個消費します。

NETで待ち構えているBlack ICEに遭遇した場合、最初に奇襲攻撃を受けるかどうかの判定を行います。その後、Black ICEはイニシアティブ・キューの先頭に置かれ、毎ターン標的のネットランナーあるいはプログラムを攻撃します。Black ICEは機能を停止するか、インターフェイス・アビリティのSlideで戦闘から離脱しない限り、NETの中をどこまでも追いかけてきます。

プレイヤーもBlack ICEを使って攻撃できますが、その行動は単純でデジタル・ペットとして使役することはできません。ちなみに、Black ICEにはHellhound(ヘルハウンド)、Kraken(クラーケン)などファンタジーに登場するモンスターの名前がつけられています。

NETの構造

NETの構造はエレベーターに例えられます。NETの各階層はビルの各階のようなもので、エレベーターがそこに到着するたびに“ドア”が開き、そこで待ち構えているものと遭遇します。待ち構えているのはプログラムやBlack ICEかもしれませんし、他のネットランナーかもしれません。標的のファイルや機器の制御を奪うためのコントロール・ノード(Control Node)の場合もあるでしょう。

パスワードや他の障害に阻まれない限り、1ターンに好きなだけ階層を移動できます。ただし、途中の階層を飛ばすことはできません。もちろん、1ターンに使用できるNETアクションの数は限られています。いかに危険をくぐり抜け、目的を果たして脱出するか。ネットランナーとしての腕が試されます。

そして時代は2077へ……

行動の判定を中心に駆け足で「Cyberpunk RED」のルールをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。本記事がルールブックを読み進める手がかりや、『サイバーパンク2077』のシステムをイメージする参考になれば幸いです。

繰り返しになりますが、本記事の内容だけで実際にゲームをプレイすることはできません。「Cyberpunk RED」に興味がある方は、実際にルールブックを入手していただくことをお勧めします。

《FUN》

遊ぶより創る時間の方が長いかも FUN

元ゲームプログラマー。得意分野はストラテジーゲーム。ゲームライターとして活動する傍ら、Modの制作や有志日本語化に携わっています。代表作は『Crusader Kings III』の戦国Mod「Shogunate」。

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