本稿では、Digital Realityが開発を、HandyGamesがパブリッシャーを担い、PC(Windows)/PS5/PS4/Xbox One/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ向け(PC版は記事公開時点で配信前)に、本日2021年07月29日にリリースされたアクションエアレース『Skydrift Infinity』をご紹介します。
ただし!今回のプレイレポはリリース日よりもだいぶ前の段階でプレイする機会を頂いて執筆したため、キャンペーンモードのみについて触れてまいります。またリリース後のバージョンとは、もしかすると細かいところで差異があるかもしれません。これらの点だけ、どうかご留意頂きますようお願い申し上げます。
『Skydrift Infinity』とは?
本作は、アクション要素たっぷりのエアレース。皆でわいわい楽しく遊ぶパーティゲームの味付けですが、シングルプレイでもガンガン遊べるのが良いバランス。根っこのジャンルは『マリオカート』と同系統ですが、こちらは空からのアプローチ。航空力学や空気力学に縛られない、自由な操作感覚はなかなか面白いものがありました。
ユーザーフレンドリーな作り
コースは7種類で、逆走を含めると合計14本。またレースは基本的に周回で1位になれば勝利。そこへさらに「パワー」「スピード」「サバイバー」という3種類のルールが割り当てられます(マルチのデスマッチ、チームデスマッチも含めると合計5種類)。
それぞれのルールのポイントは下記の通り。
パワー:コース上のパワーアップアイテムを取得し相手を邪魔することが鍵。
スピード:コース上の加速リングを通過し続け、最高速度を維持することが鍵。
サバイバー:一定時間経過ごとに最下位が失格。アイテムを駆使しつつトップを維持することが鍵。
ステージは、これらの組み合わせで構成されており、ゲーム全体で7ステージが用意されています。また使用できる機体は16機で、それぞれに4種類のカラーバリエーションがあります。ゲームモードは「キャンペーン」「マルチプレイヤー(最大8人対戦)」「ローカルマルチプレイヤー(画面分割対戦)」が用意されています。
キャンペーン
最初はチュートリアルとステージ1のみで、使用可能機体も数種類という状態から始まります。ここからしんどいアンロックの長旅が始まるのか……と思いきや、それは違いました。
上記画像のように、実際は1位でなくても指定のレースイベント数をクリアするだけでOKという、ものすごくユーザーフレンドリーな進行。これは繰り返しになりがちなレースゲームに対する、モチベーション維持の救済措置とも言えましょう。
難易度設定の妙
それでは全体的にぬるい難易度なのかというと、そうでもありません。レースゲームとしてはライト層向けかもしれませんが、そこへアイテムによる駆け引きや殺意の高いCPU、さらに3段階の難易度調整が加わることによって、幅広いプレイヤーが楽しめる作りになっていると思います。
コースレイアウトは、カーレースが平面上の挙動なのに対して、本作は空中なので立体的。途中いくつかルート分岐する作りになっており、さらには周回ごとに小規模ながら地形が変化するというアトラクション要素もあります。そのため、プレイヤーは縦横どちらの動きにも気を配る必要があります。
レースに勝つには、操作の腕前もそうですが、機体性能も大切。各機はそれぞれスピードや耐久性、操作性といったパラメータの設定がされていますが、どれかひとつでも突出していれば良いということはなく、自分好みの操作感を得られるかどうかが肝です。
うまくハマれば、映画「カウボーイビバップ 天国の扉」で、右に左にミサイルを躱したソードフィッシュみたいな動きもできたり。そんなところへ、CPUのライバル機たちの殺意が割と高いので、撃った撃たれたの殴り合いが非常に良い緊張感を与えてくれて、カジュアルでありながらも全体的に締まったプレイを楽しめます。
レースダイジェスト
ここからは各レースの様子を見てみましょう。画像は、録画したプレイ映像からなので、やや粗くなってしまうのはどうがご容赦くださいませ……!
パワーレース
3、2、1のカウントダウンと共にレース開始。こうして近くで見ると機体のディテールは非常に凝っています。モデルルームモードとかあれば是非、全体を嘗め回すように眺めたいところ。
さて、パワーレースで勝つためのコツは、ブーストを絶やさず、アイテムを積極的に取得することに限ります。ブーストは、地表すれすれを飛ぶなどのスタント、ライバルの撃墜(キル)、またはアイテムをエネルギーに変換することでチャージされます。そのためスタート直後から地表にダイブ、低空飛行を維持しつつ素早くゲージを溜め、ブーストを焚いて最速でアイテムを取得し、そのままラストまで飛びきることが、ひとつの理想的な攻略法と言えましょう。
とはいえ現実はそんなに甘くなく、割と後続からの猛追によって撃墜されがち。特に狭い空間を飛んでいる時は逃げ場がないうえに、無理をして回避すると壁に衝突して墜落……ということもしばしば。
泥沼の戦いはこのようにして起こります。
そんな状態でトップがコーナーごとに何度も入れ替わるような激しいレースの果てに、ゴール直前で撃墜に成功。土壇場で1位をもぎ取って優勝した時の爽快感たるや、筆舌に尽くしがたいものがあります。ただ速く飛ぶだけでも、頑丈なだけでもダメ。ブーストやアイテムも巧みに使った駆け引きで勝敗が決まるのです。
スピード
スピードはパワーレースと異なり、アイテム無しで、とにかく誰よりも速く飛ぶことが求められる純粋なウデマエ勝負のレースです。
勝つためのコツは、なるべく連続して加速リングを通過すること。ブーストは、リングとリングの距離が離れている際、速度を落とさないための補助として使用しましょう。
しかし調子に乗って飛ばし続けると、ご覧のように曲がりきれず激突してしまうことも。最速でぶっつけ上等チキチキマシンめいたパワーレースとは一転して、ここでは最速で繊細な飛び方が求められます。そのため複雑な地形を、綺麗なライン取りによって、一発で抜けた瞬間はアドレナリンどばどばの爽快感ですね!
サバイバー
最後は勝ち抜き戦のサバイバー。20秒ごとのカウントダウンで最後尾が脱落していくシンプルなレースです。
このルールは、プレイヤーのタスクが一番忙しいかもしれません。ゴール手前で一発逆転も可能なパワーレースとは異なり、いかなる場合においても、最下位だけは絶対に回避しなければなりません。そのため前方のライバルに攻撃を仕掛けつつ、後続には妨害を続けることが最後まで生き残るためのコツ。
あっ
…………。
撃墜・墜落によるタイムロスは可能な限り避けたいところ。数秒の遅れがホントに命取り。
20秒カウントが始まってから最下位になってしまうと、挽回するのは至難の業になります。
おわりに
簡単すぎず、かといって難しすぎず、遊ぶほどに機体の挙動が手に馴染んで操作しやすくなる、という本作の塩梅は素晴らしい部分だと思います。腕を試したい、少し変わったレースゲームを遊んでみたい、みんなでワイワイ遊んで大笑いしたい……そんな方は、是非本作で空をかっ飛ばしてみてください。