【ネタバレ注意】『新すばらしきこのせかい』時間を巻き戻すと何が起きる?リスタートの仕組みについて考える【ゲームで世界を観る#4】【UPDATE】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【ネタバレ注意】『新すばらしきこのせかい』時間を巻き戻すと何が起きる?リスタートの仕組みについて考える【ゲームで世界を観る#4】【UPDATE】

タイムトラベルは楽し♪

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【ネタバレ注意】『新すばらしきこのせかい』時間を巻き戻すと何が起きる?リスタートの仕組みについて考える【ゲームで世界を観る#4】【UPDATE】
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!注意!

本記事の内容には『すばらしきこのせかい』及び『新すばらしきこのせかい』の重大なネタバレが含まれます。両作品のクリアとやり込みを十分に済ませ「Twister」を空で口ずさめるほど聴いた方のみ先へお進みください。


皆さんがこの記事を見ているということは、無事にエンドレスな8月を脱出できたということですね。年末と並んで8月はなにかとタイムループ現象が発生しやすい時期ですから、どこかでデジャヴに遭遇しないように気をつけましょう。

新すばらしきこのせかい』では、主人公のリンドウが自分の意思でタイムリープを起こせる「リスタート」の力を手に入れ、渋谷崩壊の未来を変えるべく奔走します。四谷では無く本作と同じ渋谷を舞台にしたサウンドノベル『428』も、ある種のタイムリープと平行分岐の物語であり、スタイルは違えど通じるところがありますね。

「トラベル」「リープ」「スリップ」など、時間を行き来する現象にはいろいろな名称がありますが、英語ではほぼ「Time travel」でまとめられており、H・G・ウェルズの「タイム・マシン」の影響が大きいようです。それ以外の「タイム~」は和製英語であり、「タイムリープ」の初出は筒井康隆「時をかける少女」とのことです。

発動する状況で様々な呼び名がありますが、コールドスリープなどの擬似的なものを除き、時空を行き来するタイムトラベルは大まかに以下の要素に分類できます。

  • タイムトラベラーが生身で時空移動する

  • タイムトラベラーの意識だけ時空を移動する

  • タイムラインが一本線上である

  • タイムラインの分岐、パラレルワールドが保存されている

時間旅行者の状態とタイムラインの状態の組み合わせを見ると、きっと様々な作品が浮かんでくると思います。このうち、「タイムラインが一本線上」であると、過去に遡った際に「タイムパラドックス」が問題になります。介入が無い未来の自分が、過去にある自分を改変してしまった場合、未来の自分が消滅し、それが介入してくる過去もなくなり、タイムラインが結局改変されるのかされないのか、論理的な解決が不可能に陥るのです。ロジックが破綻しているために実際どうなるのか仮説も立てられません。

タイムマシンで破滅の未来を回避する物語だと、タイムパラドックスでうっかり自分の存在を消してしまうことも考えられます。意識だけのタイムトラベルだと、記憶や魂の領域はパラドックスの対象外として扱われることが多いですね。

このタイムパラドックスは、タイムラインが改変前と改変後の両方が同時に存在しうる「平行世界」であれば発生しません。タイムトラベラーがいた改変前の世界は残ったまま進み続け、当人は改変後のタイムラインに乗り続けます。選択や改変で生じる可能性はそれぞれの世界へ分岐し、常々無数の平行世界が生み出されていきます。場合によっては、『クロノ・クロス』『ファイナルファンタジーXIII-2』のようにこれらの平行世界を行き来します。

複数の可能性が同時に存在するパラレルワールドでは、可能性の一つに過ぎない特定の未来を回避することに意味が無いのでは無いか、という疑念もあるでしょう。これを物語上で解決するギミックが「観測者」の存在です。特定の未来を予言したり、上位次元から可能性の一つを選択したり、タイムトラベラー自身であったり、タイムラインの決定権を持つ登場人物を用意するのです。観測者と平行世界のアイディアは量子力学に関係があるのですが、長くなるのでここではカッツ・アイします。タイムトラベルの面白さに加えて、観測者を巡る争いも加わればシナリオがさらに盛り上がりますね。

『新すばせか』におけるリンドウの力は、意識だけが過去に戻ってタイムラインを改変します。『すばせか』の世界では平行世界、異なる時空が存在しており、その観測者になり得るのは死神のUGよりも上位次元にいるコンポーザー=天使です。リンドウのリスタートはその観測者の権限を一時的に手に入れたものであり、優柔不断な一介の高校生が持つにはあまりにも重すぎました。

『すばせか』シリーズでは個々の存在を構成する「ソウル」という概念があり、死神がソウルを使えるのはノイズ生成までで、それ以上の人格や記憶の操作となると時空観測と同様にコンポーザークラスしか扱えません。リンドウが行っているのは、未来の自分の「ソウル」を過去の自分に移植、統合しているものと思われます。

そして、「運命を確定する」とは分岐していく平行世界から1つを「観測」し、それ以外の平行世界を「消滅」させること。あり得たかもしれない世界をまるごとソウルに分解してしまうのですから、死神がやっている「消滅」とは比較にならないくらいのことを実行しているのです。その規模を推し量れば渋谷を崩壊させる原因になっても仕方がありませんね。南師氏がご執心になるのも納得です。

そんなヤバい代物をホイホイと使ってしまっていたリンドウも、世界の破滅を招いたのが自分、まさに「The World Ends With You」だと気がつきました。このまま世界を「終わらせる」か、再び過去に戻って救い出すか、御影から選択肢を与えられ、選ぶことの重責とリンドウは向き合います。御鍵さんが何者なのかは、ジャケットのエンブレムと「尊い」という言葉から察することができるでしょう。彼から再びバッジを渡された時、あなただったらどちらを選択しますか?

UPDATE(2021/09/06 10:30):南師様のお名前を「南本」と誤って表記した箇所を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございました。

《Skollfang》

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