最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は2022年3月17日に開発兼パブリッシャーtulevik.EUより、PC(Steam)にて早期アクセスが始まったTycoonシリーズスタイルのSLG『Office Management 101』の爆速プレイレポをお届けします。
tulevik.EUは、Peterson兄弟のRiho氏とRaimo氏の2人によって設立されたエストニアの会社です。2014年に会社を設立したのち様々なインディーゲームの委託を受ける傍らで本作を制作し、今回早期アクセスにてリリースとなりました。
『Office Management 101』とは
本作は家電分野の新興企業CEOとなり、マネージメントからオフィスの設計まで楽しめるシミュレーションゲームです。初めは1人で請負仕事をこなし、従業員を雇って会社を大きくしていきます。収入が増えたら独自の製品を作り、競合他社に差をつけて大企業を目指しましょう。
早期アクセスが始まった本作ですが、現状プレイできるシナリオは短いチュートリアルとアチーブメントが設定されたシナリオマップ1つ。それと、自由に設計が行える「sandbox」モードもあり、計4つのマップがプレイ可能です。なお、現状は2階から5階までのフロアが作れるのは「sandbox」モードの特定のマップのみとなっています。シナリオモードでも「エレベーター」を設置できますが、他のフロアを作ることはできません。
早期アクセス期間は約1年を予定しており、製品版ではわずかに価格が上がるとのこと。また、独自の商品開発や、競合他社との競争要素は早期アクセス版には含まれていません。製品版ではそれらに加えて、より多くの家具と建物、多くのキャラクター、職業、キャンペーンモードなどが追加される予定です。
『Office Management 101』の実内容に迫る!
早速チュートリアルをプレイしていきましょう!と思いましたが、起動直後に何故かウィンドウモードなりフルスクリーンに設定。筆者の環境では解像度を一番高い状態にしないと、フルスクリーンにならないようです。オプションを開けたついでに他の設定を見てみると、時間表示は12時間制と24時間制を選択可能。週の始まりは日曜か月曜かを設定できます。またキーコンフィグにショートカットの設定もありますが今は割愛してゲームを開始。
会社のオーナー「Clara」の雇われ社長としてチュートリアルがスタート。先ずは従業員が使うトイレの設置を指示されます。選択すべきメニューは、アイコンの周りが点滅するというシンプルな表示です。かつ詳しいコントロールの内容はメールボックスに届くこともあり、新入社員が指示書を読まされる感覚に似ています。
メールには「Tキー」を押すと壁の表示切替。アイテム設置時に「左Ctrlキー」を押しながら設置すると、同じ物を続けて設置できると記載されています。「左クリック」で選択、「右クリック」で視点移動。操作に慣れたら、オプションメニューから好きなキーに設定しなおすといいでしょう。
トイレの設置は、右下の「椅子」アイコンを左クリックし、上の「BLUEPRINTS」のタブから受け取った設計図を選択してトイレを設置します。トイレがないと従業員が床を汚してしまうことも……。またモチベーションとロイヤリティが下がります。次に扉を付け、同様にキッチンを設置。
資金が少ない内は自社製品の開発はできないため、まずは請負仕事で稼いでいきますが、執筆時点では自社製品の開発は未対応となっています。
環境が整ったらキャラクターをクリックし、「Look for new contract work」を選択して仕事を探します。するとキャラクターから仕事探し中の吹き出しが出るので、右上にある早送りボタンで時間を進めましょう。
なお、「スペース」でポーズ可能。仕事を探し終えると、プレイヤーに選択を求めている状態「疑問符」が表示されます。同様に、キャラクターを再度選択し「Assign to 仕事名」を選んで仕事を始めます。
仕事の詳しい内容は、右下の「ブリーフケース」アイコンから閲覧可能で、締め切りも決まっているため受け取った請負仕事は早めに仕上げましょう。仕事を終えると、キャラクターの吹き出しに「レ点の付いたブリーフケース」が表示されます。
完了させるには「Submit 仕事名 to client」を選び報酬を受け取りましょう。すると、仕事の出来に対する報酬と共に評価が下され、会社と担当した従業員に経験値が入ります。
会社の経験値は画面上の星マークで、10個溜まると設置できる家具レベルを上げられます。初めての仕事を完了させると、そこでチュートリアルが終了……。現状本作のチュートリアルは簡素なので、色々と試しながらシステムを覚えていきましょう。
シナリオは、ある程度アチーブメントが設定されているので、先ずはそれらの達成を目指しながら好きにやっていってね!といった内容です。初めにCEOの名前・会社名・ロゴ・スキルとキャラクターをカスタマイズしてゲームをスタート。
どのマップも予め建物が設置済みとなっているので、それを生かしてオフィスをカスタムしていきます。サンドボックスモードであれば、資金を好きなだけ使えるため、1からオフィスを作ることも可能です。先ずはチュートリアルと同様に、請負仕事で資金を貯めていきます。毎週経営レポートと「CEO Weekly」が発行されゲームのヒントも載っています。
24時間と5日間休まず働く従業員を雇って役割分担
従業員の職業は「Tester」「Engineer」「Designer」「Manager」「Handy worker」「Janitor」があり、製品版ではさらに増える予定です。
請け負える仕事の種類は3つで、「Tester」「Engineer」「Designer」が担当可能。初めはこれらの職種の人を雇います。部屋が散らかってきたり機械が壊れたら、掃除業務は「Janitor」、機械の修理は「Handy worker」を雇って解決しましょう。
CEOは、初めから「Manager」スキルと請負い仕事ができるスキルを1つを習得しています。「Manager」を雇えば、仕事や人材探しを任せることも可能。仕事をこなして従業員のレベルが上がると、新しい職業スキルを覚えることも。担当できる仕事が増えていきます。
従業員のステータスには「Energy」「Motivation」「Work quality」「Loyalty」があり、他に特性Perks、人間関係Socialといった項目があります。
オフィスの家具レベルや観葉植物、綺麗さ、人間関係が仕事の質などに影響。嫌いな従業員が近くにいると能力がダウンしたり、退社することも……。また給料の値上げを要求してくることもあり、あまり放置し過ぎると退社してしまいます。
あれっ、従業員が居なくなってる!なんてこともしばしば……。従業員から提案がくると、従業員アイコンに通知が付くので見ておきましょう。仕事のアサインと報酬受取は自動で行われないため、従業員が増えてくると管理が大変になってきます。
そんな時は、右下のオプションから「Toggle projects window (Pキー)」を選択して監視できるようにすると、従業員の状態を把握しやすくなります。
トリッキーな建築要素
シナリオでは資金をかなり貯めない限り、新しい土地を買うことはできません。そのため従業員が増えてくると、既に用意されている建物の敷地ギリギリまでオフィスを広くするのが現実的です。所有している土地のエリアを確認するには、土地をクリックし「Show lot area」を選択すると所有地が青で表示されます。
既存の建物のサイズ変更は「Building」の項目の「Move/resize building」から変更可能……なはずが、敷地にはスペースがあるのに、何故か既存の建物が拡大できません。
色々と試した結果ついに原因が判明。外壁に設置された柱「Red brick pillar」がサイズ変更を邪魔していました。全ての柱を取り払うと拡大可能に!
しかし、またここで1つ問題が発生。敷地最大まで建物を広げてしまうと、何故か窓が設置できなくなります。原因は窓の設置に2マス使用するためでした。窓を設置したい壁側は、1マス敷地のスペースを空ける必要があります。
また、アクシデントでトイレの壁を取り払ってしまった際に気づいたのは、トイレの壁がなくともデメリットがない点です。公式Discordに確認したところ、これらの不具合は修正される予定とのことです。現状それを生かして、デスクの隣にトイレを設置するプレイヤーもいます。トイレは、面白要素としてそのままでもいいかも……。
ここまで紹介してきた『Office Management 101』ですが、現状早期アクセス期間ということもあり、オフィスビルの建設要素にはまだ不自由な部分もあります。しかしながら、自分好みに家具や部屋のレイアウトができるので、好きなプレイヤーはかなりハマれるのではないでしょうか。
執筆時点では、競合他社との競争要素がないため、ゲーム性としては単純です。遊べるマップとシナリオも少なく、クリアを目指すだけでは直ぐに終わってしまうことでしょう。それでも、クリエイティビティ次第では無限大に楽しめる可能性もアリ。TycoonSLG好きはチェックしてみてはいかがでしょうか。
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日: 2022年3月17日
記事執筆時の著者プレイ時間:4時間
価格:2,050円