迷宮に挑む乙女たち、百合の花咲く絆は君の心に!「キャラ同士の関係性妄想」3DダンジョンRPG『ウィッチ・アンド・リリィズ』インタビュー【TGS2022】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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迷宮に挑む乙女たち、百合の花咲く絆は君の心に!「キャラ同士の関係性妄想」3DダンジョンRPG『ウィッチ・アンド・リリィズ』インタビュー【TGS2022】

先日発表されたばかりの、百合+3DダンジョンRPG。同作が重視するキャラの「関係性」がどう作られていくのかにも注目です。

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千葉・幕張メッセのリアル会場と、オンラインプラットフォームのハイブリッド開催となった国内最大規模のゲーム展示会「東京ゲームショウ2022」。

多くのインディータイトルがTGS2022へと出展していましたが、そのなかで弊誌は、先日発表と同時にクラウドファンディングを開始、1日強で400万円近くを集めた、百合3DダンジョンRPG『ウィッチ・アンド・リリィズ』開発のストロマトソフトの代表取締役、藤田峻輔氏にお話を伺いました。

注目を浴びる本作のゲームとしての方向性や、意外な藤田氏の過去作などなど、紆余曲折を経て登場した本作について多くが語られたインタビューをお届けします。

2人の人物間だけで関係が完結しないゲームが作りたかった

――突然の登場であった本作について、注目と反してまだ知られていないことも多いのかなと思っています。まずは藤田氏のことから教えて頂けますでしょうか。

藤田峻輔(以下藤田)元々バンダイナムコに勤めていて『ナルティメットストーム4』や『ソードアート・オンライン フェイタル・バレット』などコンソール向けの作品のプロデューサーをやっていました。『ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチ』の企画も私だったのですが、ちょうど開発の途中で『フェイタル・バレット』に移ってしまったので、クレジット上は別の役職で入っていますね。

そして『フェイタル・バレット』が終わったぐらいで、他にやりたいことも見えてきたので転職し、様々なところで仕事をしつつ「百合ゲームを作りたい!」という一心でストロマトソフトを作りました。

――今までストロマトソフトはデジタルではないボードゲームを手掛けられていましたが、今回の発表は「より大規模なゲームを作るぞ!」という意志の表れなのでしょうか?

藤田というよりも、実は……ずっとこのタイトルを出すために仕込んでいました。本作を形にし、皆様にお披露目するまでにもだいぶ時間がかかってしまうことが予想されていたために、開発期間の短いボードゲームという媒体を用いて、先に「ストロマトソフトは(ちょっと趣向は偏っていますけど)百合ゲーメーカーです!」とご挨拶させていただいていた感じですね。そして、より皆様に我々を知っていただくためにこの東京ゲームショウという場に出展することになりました。

――なるほど。ちなみに本作のクラウドファンディングを実行する前には紆余曲折な経緯があったそうですが?

藤田本作のクラウドファンディングの前、何社かに本作の企画を持ち込みしていたんです。ただ、全て断られてしまって……。

ですので、このままずっとゲームを形にするのが厳しい状態であるぐらいなら「絶対に僕らが作りたいようなゲームを求めているユーザーの皆様がいる」という確信の下、一度企画を世に出してお客さんに訴えて反応を見たいという意味を込めて今回のクラウドファンディングの実施に至っています。

――企画が通りずらかったのは、ゲームジャンルやテーマが既存のパブリッシャーさんに理解されずらかったのもあるのでしょうか?

藤田どちらとも言えないかも知れません。ですが、3DダンジョンRPGというゲームジャンル自体は私的に勝算があると思っていました。なぜなら、固定ファンが存在し、アトラスさんや日本一ソフトウェアさんも既にジャンルで実績を作っているからですね。

――確かに、Steamで配信中のターン制戦闘の3DダンジョンRPGにおいて、ユーザーの評価数が極めて多いものに百合ゲーがありますし需要はありそうですよね。

藤田勝算は高くあると思っていますが、これを実際にパブリッシャーの方々に話すと「お前は何を言っているのか?」と言われ(笑)。「こんなにいけると思っているのに……!」と僕の中で長い間くすぶり続けていましたが、今回のクラウドファンディングが成功して「やっぱりいけたじゃん!」と納得できました。

――ゲームとしては「関係性」のアイデアが先に存在し、それを活かせるジャンルが3DダンジョンRPGだったのでしょうか?

藤田そうですね、女の子同士の関係性……相関図を描きたかったのです。パーティーの中での相関図を構築させることで、「限られた人数から誰を出すか?」という戦略に加えて、2人の人物間だけで関係が完結しないゲームが作りたかったんです。

加えて、私が好きな『世界樹の迷宮』や『ウィザードリィ』、3DダンジョンRPGにあるビルドを試行錯誤する要素がこのアイディアと凄く相性が良いという結論に至ったのがきっかけですね。ビルドと同様にキャラクター間の関係性も試行錯誤してくれれば嬉しい、と。

――パーティのキャラクターたちは、ユーザー自身がその名前や設定を作っていくことを想定されているのでしょうか。

藤田宣伝などでキャラ性をもった扱いをするかも知れませんが、基本的にはユーザーの皆さん自身が、各々のゲーム内で使っているキャラクターの設定を考えていってほしいです。

キャラ作成があるタイトルでは、みなさんきっとPCの片隅や心の中に「settei.txt」という、「私の中でこのキャラは~」みたいな設定帳をもっていると思うのですが(笑)、そのノリで自由に妄想していってほしいです。「あの子とこの子は幼馴染みで~」「あの子たちはここで出会ってこういう経緯で共に旅立った」みたいな感じですね。

こちらとしては材料をだすので、あとは皆さまに美味しく料理して食べてほしい、というスタンスです。だからこそ、その材料に関してはしっかりしたものを作り上げたいと考えています。

RPGとしては『世界樹の迷宮』シリーズ的な方向性を

――本作のゲーム性はどうでしょうか?例えばキャラメイクの外見の自由度はどうでしょうか?

藤田クラウドファンディングの調子がユーザーの皆様のお陰でいいので、『世界樹の迷宮X』のようなカラーパレット機能の搭載にはまだ厳しいでしょうが、 少なくともそれ以前の『世界樹の迷宮』シリーズのようなカラーパターン差分は作れる予定です。

――3DダンジョンRPGは難易度の幅がかなり上下に著しいですが、本作の難易度はどのようなラインに調整する予定でしょうか?

藤田なるべく歯ごたえあるものを作りたいですね。バランス感覚的なところでは、表のボスは普通のゲーマーがそれなり以上に苦労するぐらいですが、隠しボスは全滅必至、というものにしたいです。まあ、それが一般的なゲーマーにとっての適切な難易度かは分からないのですが(笑)。そういう意味では『世界樹の迷宮』に影響を受けていると言えますね。やはり、3DダンジョンRPGというジャンル的にはある程度以上の難易度がほしいなあと。

『世界樹』とは言いましたが、マッピングについてはハードなどの関係もあり、通常の、何度でもいつでも見られるようなオートマッピング式を採用しています。

――3DダンジョンRPGとして、トレジャーハンティングは単体のレア装備が多い調整か、手に入れるレアアイテムによって既存の装備の性能を強化していくタイプのいずれでしょうか?

藤田そこも比較的『世界樹』寄りの仕組みになると思います。レアアイテムを素材に新しい装備が手に入るぐらいで、手に入った装備を更に別のアイテムと組み合わせて強化していくような方向性ではありません。

――装備の性能にランダム性はあるのでしょうか。

藤田敵を倒した時の条件次第で、手に入るアイテムの性能に変化が起こるというのを入れようとは思っています。例えば、氷属性で倒せば氷属性の武器素材が手に入るなどです。

――ジャンルの中にはあっさりと永久にキャラが消滅してしまうタイトルもありますが、そのあたりはどうでしょうか?シナリオライターさんもあの方ですし。
(編注:本作のシナリオの祁答院慎氏は、登場キャラに容赦ない壮絶な描写での退場を度々用意することで知られている)

藤田キャラロストは用意しません。そういった、ユーザーが制御できない不可逆の関係性の変化を用意することでユーザーの妄想をゲーム側で遮ってしまうのは嫌ですし、ゲーム体験としても良くないという判断です。「あの子とこの子は永久にラブラブなんです!」と考えているところに水を差したくはないですしね。なので、プレイヤーパーティのキャラクターたちは、五体満足で幸せに生きていけます(笑)。

一方で、シナリオライターは祁答院氏ですからね(笑)。まだ詳細を明らかにしていない要素として、固有の外見や名称、設定などを持った、パーティに加わることもない「ライバルキャラ」を本作では用意しています。彼女たちについては「好きにやっていい自由演技枠」としてお願いしているので、酷い目にあってしまうんじゃないかなーと(笑)。

クラウドファンディングの祁答院氏の紹介にある「ライバルキャラならどんなひどい目にあわせてもいいよ権」というのはそういうことです(笑)。

尊い百合妄想を壁になって見守るためのツールでもある

――先程、「ユーザーが制御できない不可逆の関係性の変化」について触れられていましたが、ゲームの関係性を作るにあたっては、ある程度プレイヤーが制御できる形で関係性が変化してくるのでしょうか?

藤田そうですね。その方向性の制御自体が本作におけるプレイヤーの役割のひとつです。本作においては、プレイヤーは戦闘に直接関わらない「ギルドを率いるリーダー」として設定されています。キャラクター間の好感度の変化は、パーティーがダンジョンから戻ってきたときにキャラクターに指示を出すことで、キャラ同士の仲を発展させたりイベントを発生させるなどで間接的に起こしていく形です。

――プレイヤーとパーティキャラクターの直接の絡みは考えていないのでしょうか?

藤田システム的には考えていないのですが、ユーザーへの妄想の余地を残せたら良いなとは思います。ただどちらかと言えば開発側で想定しているプレイヤーの立場は「壁になりたい」人ですね。

――本作の時間要素はどういった形で実装されるのでしょうか?人物間の関係の構築には、大抵「時間」というものが欠かせません。

藤田現時点では、ダンジョンでの冒険と街での休憩時間をあわせて、往復のたびにゲーム上の1日が経過するという仕組みです。キャラクターたちは、その1日のなか、街に戻ってきた後にデートをしたり、はたまた(意中のキャラ同士が)朝まで戻ってこなかったり(笑)などイベントを重ねながら関係性を深めていくことになります。

ダンジョン内の時間経過を用意するかは現在検討中ですね。また、時間経過のみを理由とした好感度変化は取り入れない予定です。なぜなら管理しきれないだけでなく、パーティー構成が固定されすぎてしまうことも問題だからです。

RPGとしては特定のクラスやパーティ構成が有利なボスなども用意する予定なのですが、そういったシーンにおいて戦闘での効率を重視すると、編成上出撃できないレギュラーキャラの好感度が減ることも体験を損なってしまうかなと。

一方で、意中のキャラクター同士が一緒に居なかった際に、片方が別のキャラクターと浮気していた、というような時間も関わる出来事については、具体的なゲームのシステムの一部ではなく、街でのイベント単位で実装していく予定です。

――ちなみに関係性の状態によって相手に刺されるなんてことはあるのですか?いままでのお話を聞いていると、少なくとも突然の刃傷沙汰、ということは避けられそうでひと安心ですが。

藤田キャラ同士によって殴り合ったりとかのイベントは考えていますが、取り返しのつかない刃傷沙汰になったりとかはないと思います。そういうイベントもあるならあるで楽しいとは思いますが(笑)

とはいえ、我々はその方向性においては、本作を「キャッキャウフフな百合妄想を楽しんでもらうツール」として位置づけているので、妄想のためとはいえ苦行をやってほしくはないですね(笑)。

領主(もに)の行く末は?

――ところで、本作のクラウドファンディングの開始直後に「ゲーム中の領主として登場できる」50万円コース(限定1名様)で支援された、個性の強いVTuberの方がいましたね。想定外の出来事だとは思いますが、ある程度知られた個性の強い方がゲーム中の領主として登場することで変化する部分はあるのでしょうか?

藤田もともと領主はシナリオには絡んでくるキャラクターの予定でしたが、支援してくださった方が誰であれ当初の予定通り世界観に沿ったかたちで登場させるつもりです。

一方で、クラウドファンディングでのコース説明通りに、領主のキャラ性については支援してくださった方と綿密に打ち合わせをさせていただきながら決めていく計画でしたので、場合によっては彼女のキャラ性が存分に出る結果になるかも知れませんね。


――最後にユーザーに向けてメッセージをお願いします。

藤田クラウドファンディングの目標は達成しましたが、正直まだ百合が売れることを示しきれていないと思っているので、もっと皆様のご支援をいただけると大変嬉しいです。

また、皆様からもさらに広くご意見をいただきたいと思っています。Twitterで先日「眼鏡いる?」とツイートしましたが、ああいった試みを発展させて、支援した方々と直接コミュニケーションできる場を作りたいと思っていますので、一緒に「私が考えた最強の百合ゲーを作る!」という感覚で、このお祭りに参加していただければと思います。

――ありがとうございました!

ウィッチ・アンド・リリィズ』はSteamにて2024年初頭に配信予定。クラウドファンディングはCAMPFIREにて2022年10月31日まで実施予定です。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《Arkblade》
Arkblade

関連業界のあちこちにいたりいなかったりしてる人 Arkblade

小さいころからPCゲームを遊び続けて(コンソールもやってるよ!)、あとは運と人の巡りで気がついたら、業界のあちこちにいたりいなかったりという感じの人に。この紹介が書かれた時点では、Game*Sparkに一応の軸足を置きつつも、肩書だけはあちこちで少しづつ増えていったりいかなかったり…。それはそれとしてG*Sが日本一宇宙SFゲームに強いメディアになったりしないかな。

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