気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Studio Doodal開発、PC向けに3月12日にリリースされたメトロイドヴァニアアクション『ソラテリア』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、美しい手描きアートとパリィ重視の戦闘が特徴のメトロイドヴァニアアクションゲーム。過去の記憶を失った小さな火の戦士として目覚めたプレイヤーは、「影の疫病」に覆われて滅亡の危機に瀕した太陽の地「ソラテリア」を救うべく、消えた王の行方を捜して強力な敵の待つ冒険の旅へと出発します。日本語にも対応済み。
『ソラテリア』は、2,300円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
ミンジョンこんにちは、キム・ミンジョンです。Studio Doodalの共同CEO兼ディレクターを務めており、本作ではコンセプト、シナリオ、ディレクションを担当しました。好きなゲームは、『Hearthstone』、『九日ナインソール』、『Undertale』です。
ギュウォンこんにちは、イ・ギュウォンです。Studio Doodalの共同CEO兼開発責任者を務めています。好きなゲームは、『Civilization VI』、『Slay the Spire』、『Hollow Knight』です。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
ミンジョン2年前に『ソラテリア』の開発を始めた当初、パリィ(弾き)を中心としたメトロイドヴァニアはまだ少なかったため、それをメインシステムにしたゲームを作りたいと考えました。本作はパリィと、その成功後に繰り出すカウンター攻撃を軸にデザインされており、手応えのあるボス戦とメトロイドヴァニアの要素を組み合わせています。
プレイヤーは進行に応じて、スタイリッシュで強力なアビリティを解放していき、パリィを中心としたダイナミックで爽快なバトルを楽しめるようになります。
世界観については、炎の王に仕える精霊たちの世界を描いています。火は、命を与える力と破壊する力…美しさと残酷さを併せ持つ存在です。この二面性をもとに、炎の戦士を主人公とした独自の世界観を構築しました。
ギュウォン私たちはデビュー作である『LAPIN』を作り終わると、今度は自分たちの強みをより活かせるゲームを作りたいと考えました。その強みとは、手描きのアートスタイル、広がりのあるフィールド構築、そしてプラットフォーマー開発の経験です。
これらの強みを最大限に活かせるジャンルを検討した結果、チーム全員が元々好きだったメトロイドヴァニアというジャンルに挑戦することを決めたのです。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
ミンジョンメトロイドヴァニアのファンとして、これまでプレイしてきた多くの作品が大きなインスピレーションとなりました。例えば、『Hollow Knight』、『オリとくらやみの森』、『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』といった作品に加え、本作の開発中には『九日ナインソール』や『Hollow Knight: Silksong』もプレイし、大いに楽しみました。
その中でも、ジャンルの金字塔とも言える初代『Hollow Knight』からは、特に大きな影響を受けています。私はメトロイドヴァニアにおいてマップの使いやすさを非常に重要視しているため、同作のマップシステムの便利な点を参考にしました。同時に、自分が不便だと感じた部分については、改善することを意識しました。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
ミンジョン『ソラテリア』には、心を揺さぶるような瞬間やストーリー性の高いカットシーンが数多く登場します。その中でも特に印象的なのは、ゲーム後半に登場する重要なエンディングのカットシーンです。
どのような感じにしたいかというビジョンは頭の中に明確にありましたが、非常に細かな演出と高い完成度が求められるため、本当に実現できるのか不安もありました。それでも、多少時間がかかってでも、自分が思い描いたクオリティをそのままプレイヤーに届けたいという思いがあったのです。
最終的には、そのエンディングシーンの制作だけに丸1か月を費やし、完成した時には本当に嬉しかったですね。自分自身と開発チームを信じたことでこれを実現でき、実際に多くのプレイヤーがレビューでこの部分を印象的で感動的なシーンだったと語ってくれています。
ギュウォン開発初期の段階から、ゲーム内で最も強いボスとしてデザインしていたボスがいました。「最初に一番難しいボスを作れば、その後の開発が楽になるはずだ」と考え、かなり早い段階から制作に取り組んでいたのです。
しかし、そのボスを完成させた後も他のボスやコンテンツを作り続ける中で、開発チームのアートや開発スキルが大きく向上していきました。そのたびに、最初に作ったボスのクオリティに物足りなさを感じるようになったのです。
結果として、その「最難関ボス」は3回も作り直すことになりました。多くの試行錯誤とやり直しを経ることになりましたが、このプロセスがあったからこそ、最終的に納得のいく仕上がりにたどり着けたと感じています。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
ミンジョンリリース直後、特に多く寄せられたのが本作の難易度に関するフィードバックでした。開発中は何度も繰り返しプレイを重ねていたため、バランスは適切だと思っていたのですが、実際には難しすぎたのです。
そのため、リリース後にプレイヤーの皆さんの意見を丁寧に分析し、細かい難易度調整を行いました。このプロセスを経て、最終的には本来意図していた挑戦と楽しさのバランスを実現することができたのです。これらのアップデート以降、レビュー評価は「非常に好評」を維持しています。
その後で特に印象に残っているフィードバックは、ストーリーやボス戦のデザインに対する高い評価です。中でも、「『ソラテリア』は名作メトロイドヴァニアと肩を並べる作品だ」というレビューを見たときは、本当に嬉しく感じました。
ギュウォン私にとって最も印象に残っているフィードバックの一つは、友人からのものでした。彼が2体目のボスと戦っている最中に、「最近はゲームに少し飽きていたけど、『ソラテリア』のおかげで再びゲームの楽しさを感じられた」と話してくれたのです。
開発者として、それはとても心に残る言葉であり、これからも忘れることはないでしょう。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
ミンジョンリリース後の最初の2週間で、私たちは約30回のアップデートを実施し、プレイヤーの皆さんからのフィードバックを積極的に反映させました。例えば、元々は祭壇と祭壇の間の移動は可能でしたが、フィールドからの即時帰還は「図書館」からしか行えない仕様だったのです。これを改善し、直前に訪れた祭壇へ直接戻れる機能を追加しました。
さらに、未回収のコレクションアイテムの場所をすべて表示するアイテム(100%達成をサポート)や、マップ上で未探索エリアを確認できる機能なども実装しています。
今後のアップデートとしては、ボスとの再戦モードやサウンドトラックDLCの配信も検討しています。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
ミンジョンはい、もちろんです。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
ミンジョンリリース以来、多くの日本のプレイヤーの皆さんが本作を楽しんでくださり、フィードバックを送ってくださり、Steamで好意的なレビューを残してくださっていることに、心から感謝しています。
『ソラテリア』の手応えあるボス戦や、パターンを見極めることで、最初は不可能に思えた壁を乗り越えて得られる達成感を評価していただけたことを、とても嬉しく思います。私たちはこれからも、本作をさらに良くしていけるよう、改善を続けてまいります。
ギュウォン本作を楽しんでくださっている日本のプレイヤーの皆さん、本当にありがとうございます。SteamやSNSでいただくメッセージは、どれも私たちにとって大きな励みになっています。これからも、『ソラテリア』での体験が心に残るものになるよう、引き続きゲームの改善に取り組んでいきます。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に900を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








