スクウェア・エニックスは、タクティカルRPG『タクティクスオウガ リボーン』をPS5/PS4/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)向けに2022年11月11日にリリースします(Steam版は11月12日)。
1995年にスーパーファミコンで発売された『タクティクスオウガ』は、タクティカルRPGの金字塔として今も高い人気を誇る作品。2010年にはオリジナルスタッフを核として、大幅なシナリオ加筆や新たな要素を組み込み再構築を図った『タクティクスオウガ 運命の輪』を発売しています。
『タクティクスオウガ リボーン』は、その『タクティクスオウガ 運命の輪』をベースにグラフィックやサウンドの向上はもちろん、ゲームデザインに踏み込んだことで、時代に即して発展した『タクティクスオウガ』として登場。新旧ユーザーが素晴らしい体験をできるような作品として生まれ変わっています。
本稿では、スクウェア・エニックス様のご厚意で事前にプレイする機会を得た『タクティクスオウガ リボーン』の発売前プレビューをお届けしていきます。
そもそも『タクティクスオウガ』とは?
力こそがすべてであり
鋼の教えと闇を司る魔が支配する
ゼテギネアと呼ばれる時代があった
『タクティクスオウガ』は、上の枕詞から始まる全8章の壮大な叙事詩が描かれるゲームシリーズ「オウガバトルサーガ」の第7章にあたる作品。サーガの正史となる作品では、他に1993年発売の『伝説のオウガバトル』(第5章)、1999年発売の『オウガバトル64 Person of Lordly Caliber』(第6章)があります。
『タクティクスオウガ』は紛争の絶えない「ヴァレリア島」を舞台に、主人公の青年“デニム”を中心とした重厚な物語が描かれる作品。ゲーム内ではプレイヤーの選択によって“デニム”だけでなく、国そのものの運命も大きく左右していきます。また、姉の“カチュア”や、友の“ヴァイス”をはじめとした仲間たちも数奇な運命に巻き込まれていきます。
高低差のあるマップ内での戦闘や、キャラクターごとに行動ターン順が決められる「WT(ウエイトターン)」システム、属性や天候などが密接に戦闘に関わるシステムは高い戦略性を持っているのが特徴です。人間やドラゴン、亜人といった多彩な種族とクラス、豊富な武器や魔法などを組み合わせて自分だけの部隊を作れるのも本作の魅力です。
再構築作品『タクティクスオウガ 運命の輪』ではスーパーファミコン版の基本を踏襲しつつ、クラスの調整やスキルの追加、戦闘の巻き戻し機能「C.H.A.R.I.O.T.」など、さまざまな要素を追加し、さらにやりこみ要素を向上しています。
ヴァレリア島を舞台に繰り広げられる、三民族による紛争とさまざまな陰謀と野望の物語、戦略性の高い戦闘、自由度の高い育成や編成と、非常にクオリティの高いゲームです。
『タクティクスオウガ リボーン』はより遊びやすく進化!
本作は、ワールドマップ内を移動しながら戦闘を行い、ストーリーを進めていく作品。戦闘では、地域ごとに作り込まれたマップ内で「目標の撃破」「敵の殲滅」などの勝利条件を満たせばクリアになります。ゲーム序盤からしばらくの間はチュートリアルを含めた戦闘で、基本的なテクニックは同行するNPCたちが教えてくれます。
戦闘で重要なのが「WT」で、ユニットのクラスや装備重量、前ターン時の行動量などで行動順が決定します。行動順は戦闘中の下部に表示されているため、相手の行動を予測しながら進軍させることが重要です。また、攻撃時には命中率などの行動予測も表示されるため、決定前に最適な行動を見つけ出せます。
また、自軍を勝利に導くためには、入念な部隊の準備が不可欠です。編成では、仲間の「クラス」「装備」「スキル」「アイテム」などを管理できます。クラスは近接職のナイト、魔法職のウィザード、遠距離職のアーチャーなどが存在し、それぞれ得意武器や魔法、スキルなどが異なります。
戦闘や編成などは覚えるべき要素が多く、一見複雑そうですが、丁寧なチュートリアルとゲーム内ヘルプ「ウォーレンレポート」のおかげで、プレイしていてもそこまで難しく感じることはないと思います。また、一定の手数を巻き戻せる「C.H.A.R.I.O.T.」システムのおかげで、ミスも体で覚えながら再び挑めるので安心です。
そして本作では戦闘だけではなく、プレイヤー自身に決断を迫る物語も魅力。ゲーム序盤から、プレイヤーにはいくつかの場面で物語への選択肢が登場します。この選択肢は、一見そこまで大切じゃなさそうなものから、物語の「運命」を決める大きなものまでさまざま。フルボイスでの会話を楽しみ、悩みながら自らの行く末を決めていきましょう。
このシステムはどうなってる?気になる部分を紹介!
『タクティクスオウガ 運命の輪』をベースにしている本作ですが、多くの部分で本作独自のシステムが採用されています。この部分はどうなっているの?と気になっている旧作ユーザーもいると思うので、いくつか紹介していきます。
◆レベルはクラスごとから個別ごとに!
『タクティクスオウガ リボーン』では、ユニットレベルはキャラクターごとの個別管理になっています。戦闘に参加して生き残ったユニットには、戦闘終了後に獲得できる総合経験値から均等に割り振られます。そのため「レベルが上がりづらいユニット」などの差はなく、それぞれの仕事をこなすことで参加ユニットは経験を積んでいけるのです。
また、今作ではオリジナル版『タクティクスオウガ』に存在していた「トレーニング」の代わりに「演習」という新たな経験値稼ぎが登場しています。「演習」は訓練用に用意された敵部隊と戦ういわゆる模擬戦。自軍ユニットの死亡はなく、安全に経験値を稼ぐことができます。代わりにワールドマップでのランダムエンカウントは撤廃されています。
なお、ユニットのレベルは部隊全体の「ユニオンレベル」が上限になります。「ユニオンレベル」は物語の進行とともに上がっていくため、ひたすらに自軍を強くするといったプレイは基本的にできなくなっています。
◆属性はユニットごとの個性!変化も可能!
ユニットにはそれぞれエレメント(属性)が決められています。属性は「風・土・雷・水・火・氷・光・闇」の8種類があり、それぞれに相性が存在します。ユニットと武器や魔法の属性が一致している場合、敵ユニットに有利な属性相性の場合は攻撃の威力が高くなるので上手く活用しましょう。
キャラクターの属性はあらかじめ決まっています(新規ユニットは設定可能)。しかし、戦闘などで獲得できる「チャーム」を使用することで属性を変えることもできます。「チャーム」には他の効果を持っているものもあります。
また、戦闘マップの地形にも属性は存在しています。地形の属性は魔法やスキルによって変化し、それぞれの効果に影響を及ぼします。装備や地形など、属性を効果的に活用することで、戦況を有利に動かすことができるのです。
個人的には、属性の組み合わせの復活で、オリジナル版で猛威を振るった「あのキャラたち」がどうなるか楽しみです。
◆消耗品は各自装備に!
本作の消耗品は、オリジナル版に近い「ユニットごとの装備アイテム」として登場します。消耗品は体力回復や状態異常回復、バフやデバフなど効果がさまざま。ユニットごとに4つまでしかアイテムが装備できないので、慎重に選びましょう。
ゲームオプションでは、決められたアイテムを自動補充する設定もあります。回復アイテム「キュアリーフ」などは、常に余裕を持てるようにショップで購入しておくことが重要です 。
「オウガバトルサーガ」の生みの親・松野泰己氏のTwitterでは、本作のゲームシステムをいくつかまとめて紹介しています。説得完了時に名前を変更できる機能や、部隊ユニット上限数についてなど、松野氏のこだわりが確認できるので、是非チェックしてみましょう。
ここまで紹介してきた『タクティクスオウガ リボーン』。今もなお愛される、タクティカルRPGの金字塔である『タクティクスオウガ』の物語性と戦略性の魅力をそのままに、遊びやすくなる工夫が随所に散りばめられています。
グラフィックやサウンド面の向上も世界観に没入させる好材料。見やすく臨場感のあるゲーム画面と、倍速モードも用意されている戦闘は、非常にテンポよく楽しく遊ぶことができます。
『タクティクスオウガ リボーン』は、PS5/PS4/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)向けに2022年11月11日(Steam版は11月12日)リリース予定。通常版のほか、サウンドトラックが付属する「デジタルプレミアムエディション」や、超豪華な特典付きの「コレクターズエディション(スクウェア・エニックス e-STORE限定)」も発売予定です。
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