女の子とDRPG
「女の子+ダンジョンRPG」の組み合わせは古く、最古のゲームとしては『団地妻の誘惑』(1983)、古典的名作としては『カオスエンジェルズ』(1988)が挙げられます。
Sakura Dungeon
開発・販売:Winged Cloud
発売年:2016
百合+DRPG=大正義の法則
メイン原画を務めるスペインのWanaca氏をはじめ、海外スタッフ主体のデベロッパーWinged Cloudの『Sakura』シリーズはSteamでも早いうちから2次元美少女ゲームを展開したことで有名ですが、その中でも唯一のDRPGが『Sakura Dungeon』です。
紆余曲折あって、コンビを組むことになった女騎士のCeliと妖狐のYomi。この2人で、美少女モンスターだらけのダンジョンに挑むことになります。
襲い掛かってくる女の子モンスターはどの子も肌色要素がとても強く、しかもHPが減ると服が破れていきます。また特定の技でとどめを刺すことで捕獲が可能。
モンスターを捕獲して地上に戻ると、百合百合したイベントの末に仲間として参入してくれます。こうして仲間にした女の子モンスターたちとパーティを組み、ダンジョンの奥へ奥へと進んでいくことになります。モンスター捕獲時に限らず、ダンジョン内には濃厚な百合イベントが多く、とても眼福。DRPGとしての難易度も割と控えめで、Steamにおける百合DRPGの金字塔と言えるでしょう。
Undead Darlings ~no cure for love~
開発:Mr. Tired Media
販売:Sekai Project
発売年:2019
Kawaiiギャルゲー(?)とDRPGは両立する
Steamには「DRPG+ギャルゲー」は意外と多くの数があります。現状DLSiteなどで配信されている国産ゲームをSteamに持ってきたものも少なくないのですが、『Sakura Dungeon』の影響もあってか海外発の作品の数もかなり多く、比率で言うと若干海外産の方が多いと感じるほど。そういった海外発の「DRPG+ギャルゲー」の中でも、異彩を放つのが『Undead Darlings ~no cure for love~』です。
突然人々がゾンビ化してしまい、パニックと化したゾンビ映画のような世界。主人公はヒロインたちとともに、世界を元に戻すための手掛かりを探して廃病院やショッピングモールなど、ダンジョンと化した建造物を探索していきます。
本作のヒロインたちは「全員ゾンビ化進行中」というのが異彩を放つポイントです。幸い彼女たちは理性は失っておらず、協力して先に進むことになります。
ノベルパートの占める割合も多く、ヒロインの好感度が上下する選択肢やヒロイン同士の関係性を描くサブイベントも多数あります。ゾンビ娘とのギャルゲー要素にどれくらい需要があるのかは未知数ですが、作り込みは意外としっかりしているので変わったDRPGを遊んでみたい方におススメします。
異世界サキュバス搾精記
開発:桜万華鏡
販売:Eroge Japan
発売年:2022
TSサキュバスはDRPGの夢を見るか?
Steamの美少女ゲームには様々な性癖が詰まっていますが、本作『異世界サキュバス搾精記』はTS(Transsexual:性転換)を題材にしたDRPGです。
ある日、目覚めるとサキュバスの女の子になっていた主人公・輪夢。彼を目覚めさせてしまったサキュバス・エレナとアンジェとともに、サキュバス・リンネとして異世界のダンジョンを旅することになります。
本作を特徴付けるのは、自身がサキュバスであることを活かした「搾精」攻撃の存在。追い込んだ相手からHPを吸い取り、自分のHPを回復する……という、まさにサキュバス!と言える攻撃手段になっています。その他にも溜まったお色気のエネルギーで敵の行動を妨害したり、敵から得たエナジーを元に様々な属性スキルを作り出し、敵に有利な属性で戦ったりなど、本作の戦闘は意外と戦術性に満ちています。もちろんゲーム中はお色気シーンも満載。敵に合わせたスキルセットの切り替えが面倒などの欠点がないわけではないですが、際限なくスケールが大きくなっていくコメディ的なストーリーと合わせ、本作は手堅く仕上がった美少女DRPGと言えるでしょう。