開発の切っ掛けは日本人の「聖地巡礼」ミームだった―インドネシア産ADV『A Space for the Unbound 心に咲く花』【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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開発の切っ掛けは日本人の「聖地巡礼」ミームだった―インドネシア産ADV『A Space for the Unbound 心に咲く花』【開発者インタビュー】

作品としては「ドニー・ダーコ」「トゥルーマン・ショー」「秒速5センチメートル」などの映画に影響を受けたとのこと。

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開発の切っ掛けは日本人の「聖地巡礼」ミームだった―インドネシア産ADV『A Space for the Unbound 心に咲く花』【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Mojiken開発、PC/PS5/PS4/XSX/Xbox One/スイッチ向けに1月19日にリリースされたインドネシア産アドベンチャー『A Space for the Unbound 心に咲く花』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、1990年代後半のインドネシアの地方都市が舞台のアドベンチャーゲーム。突然発生した超常現象による終末を目の前に、高校生の「アトマ」と「ラヤ」が様々な人の心の中に入り、謎を解いていきます。日本語にも対応済み。

『A Space for the Unbound 心に咲く花』は、2,300円で配信中


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Dimas Novan D.氏(以下Dimas)こんにちは、Dimas Novan D.です。Dimasと呼んでください。本作ではゲームディレクターとアートディレクターを担当しました。一本ゲームを選ぶというのは難しいですが、大好きなゲームの一つはStudio Pixel開発の『Kero Blaster』ですね。

――本作の開発はなぜ始まったのですか?

Dimas一番の理由は、私が生まれ育った場所や時代に敬意を表したいという長年の夢があったことです。以前、「聖地巡礼」という日本語の言葉を知り、多くのアニメやマンガが現実にある場所を舞台にしていることを知りました。現実世界とアニメの同じ場所を見比べ、私は現実世界もアニメの世界も、両方ともなんて美しいのだろうかと気付かされたのです。私は同じことをしたいと思い、私が生まれ育った場所や時代の絵を描いたり、それらにインスパイアされた物語を作りたいと思い始めました。

2015年の年末、私はアトマとラヤ(本作のメインキャラクターたち)の物語の執筆を開始しました。二人の冒険を通じ、懐かしさや、成長することに伴う困難を題材とした物語を書きたいと思ったのです。そしてこの題材を、私自身が影響を受けてきたインドネシアの街とくっつけてみたいと思い立ったのです。

――本作の特徴を教えてください。

Dimas1990年代後半や2000年代初頭のインドネシアを舞台に高校生としてプレイする、というものは現代のメディアではあまりありません。これが世界中のプレイヤーたちにとって新鮮なものに映ると嬉しいです。ゲーム内で、プレイヤーは人々の心の中に入ることができる超能力を持った少年アトマを操作します。この力を通じて、アトマは人々の不安や心配事、そして希望を見ることができるのです。アトマはこの力で街の人々と交流し、この街と恋人であるラヤを脅かす超常現象の真相を解明するのです。ゲーム内で、プレイヤーは街の探索、謎の解決、様々なキャラクターたちとの出会いなどを行いますが、何より大切なもののうち一つは、猫を撫でるということです。

――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?

Dimasファンタジーとリアリズムが混ざり合い、人生の一部を切り取ったようなゲームを楽しめる人に、本作はぴったりでしょう。懐かしさをテーマにしたアドベンチャーゲームやストーリー主導のゲームが好きな人にも、楽しんでいただけるのではないでしょうか。また、インドネシアに少し興味がある人や、またはまったくインドネシアのことを知らない人の目にも、本作がユニークで興味深いものに映るかもしれません。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Dimasはい、もちろんです。本作に大きな影響を与えた映画はいくつかあり、特筆すべきは「ドニー・ダーコ」「トゥルーマン・ショー」「秒速5センチメートル」などです。影響を与えた小説は「図書館奇譚」ですね。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

Dimas新型コロナ以前、オフィスで仕事をするのが私たちのやり方でした。同じオフィスに物理的にいるということこそ、コミュニケーションを楽にしましたし、お互いにアイデアを出し合うのに便利だったのです。ブレインストーミングでアイデアを出し、それをディスカッションし、承認するのもとても簡単でした。時には直接的なコミュニケーションからアイデアが生まれることもありましたし、オフィスでは様々な道具や装置に直接触れることも楽にできたのです。

新型コロナの感染が広がり、お互いにコミュニケーションを取ったりアイデアを出し合うのがとても大変になりました。開発メンバーの中には新型コロナに罹ってしまう者もおり、体調が悪い中での作業はとても大変だったのです。そのため、特に2021年と2022年の初頭は開発がかなり遅れてしまいましたね。それでも私たちは完成まで漕ぎ着けることができたので、幸運だったと思っています。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Dimasはい、配信もそれによる収益化もOKです。

――最後に日本の読者の皆さんにメッセージをお願いします。

Dimas日本のプレイヤーの皆さんには、私たちのゲームに興味を持っていただけると嬉しいですし、ぜひ遊んでいただいて素晴らしい時間を過ごしていただけると幸いです。本作をプレイし、何か一つでも心に残るものがあれば、これ以上嬉しいことはありません。

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。



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※UPDATE(2023/2/19 23:54):本文中の誤字を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。

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