今回はRingzero Game Studioがデベロッパーを、Bigben Interactiveがパブリッシャーを担い、2023年10月12日に、Windows PC(Steam/ Epic Gamesストアは近日登場予定)および日本ではXbox Series X|S/Xbox One向けにリリースしたリゾートホテル経営シム『Hotel: A Resort Simulator』をご紹介したいと思います。
『Hotel: A Resort Simulator』とは?
本作は、とある架空地域に存在するリゾートホテルを経営していくシミュレーションゲーム。チャプターごとに設定された目標をこなすべく、「やることリスト」を地道に埋めていくのが主なゲームの流れになります。
ホテルの経営は大忙し。敷地内の様々な場所で発生する、これまた様々なタスクをやっつけるべく、今日も一人称視点で駆け回る操作キャラクターの姿が目撃されます。在庫の補充、部屋の清掃、レストランで調理に料理のサーブ、果ては機械の修理など、道具を駆使して何でもこなしていく我らが主人公。
たまに襲いかかる判定バグもあいまって、働きながら虚無を感じることもあり、なんだかこの時点で、かつての勤労時代を思い出し涙が込み上げてきます。早速紹介していきましょう。
操作・設定・言語
本作の操作は、キーボード&マウスおよびコントローラーに対応。どちらでプレイしても大きな差は感じられなかったので、お好みで選ぶと良いでしょう。
その他設定については、基本的な項目が並びますが、個人的にお仕事系シムは視点を忙しく動かすことになるので酔いやすい……可能であれば、FOV(視野)の設定が欲しかったところですね。
なお言語については日本語にもバッチリ対応済み。一部テキストが異常に小さい、またはキャラクターのセリフが、やや勇ましい蛮族(?)になりかけることもありますが、プレイをする上ではそこまで支障はない体感でした。
本編開始
さあ始まりました『Hotel: A Resort Simulator』。タイトル画面には「キャリア/ ストーリーモード」と「フリーモード」があり、後者はロケーションから初期資金の有無まで、ある程度カスタマイズしつつエンドレスにホテル経営を楽しめます。
個人的には、前者のモードのほうが、ミッションチャプター(?)ごとに細かく区切られており、遊びやすい印象でした。
今回はそんな「キャリアモード」を中心に触れてまいりましょう。こちらのモードでは、前述の通り、目標ごとにチャプターが切り分けられており、順番に進めていくことで徐々にゲームへ慣れていく丁寧なデザインとなっていますね。
ちなみにトップ画面からゲームを始めると、最初はキャラクター選択をする画面に移りますが、ほぼ一人称視点で進行するゲームなのであまり時間をかけて悩まずサクッと次へ進みます。
そんなキャリアモード1発目。Sandyさんと旦那のGeorgeさんの指示に従いながら、まずはホテル経営にあたる基礎基本を学んでいくことになります。ちなみに先程も少し触れましたが、翻訳の影響か、Sandyさんは時たま勇ましい口調になります。
でも経営者ってそういうもんですよね(?)
本作の面白いところは、ホテル敷地外のエリアもそこそこ作られている部分かもしれません。
うろうろ徘徊しているとちゃんとNPCもある程度のパターンで行動していることがわかります。
あ、そこのお姉さんすいません今お時間ありますか?簡単なアンケートにお答えいただければ当ホテルへの無料ご宿泊がでk……
あっあっあっ、ちょっとお話だけでも良いんです。お話だけでm
あっ、お兄さん。あちらのお姉さんのお友達でしょうか?それなら是非お二人で当ホテルへ……
あっあっあっすいませんナンパじゃないですすいません許してください。
どうやらこの世界のNPCは、筆者のことなど歯牙にもかけないようです。今もこうして「間に挟まりてぇ~」ムーブのこちらを無視して、手指を忍法な組み方にしたまま会話を続けています。
冗談はともあれ、まずはナビゲーションに従い駐車場から車を拾ってホテルまで移動しましょう。
自分で運転する必要があるので、ピーキーな操作感に翻弄され、珍事件を巻き起こしつつですが……。
鬱蒼と生い茂る山道(?)を爆走しながらようやく到着した我らがホテル。
この車での移動はチュートリアルでもあり、後々のチャプターでお客様を集合場所でピックアップする際、助けになりましょう。
ホテルでの基本的なお仕事
さあここからは実際に従業員として働いていきます。画面にはチュートリアルが表示されており、各チャプターは右上の「やることリスト」をこなしながら、左下の「目標」に並ぶ項目を中心に埋めていくことでクリアとなります。
経営シミュレーションということで、ソロバンを弾いてあれこれ管理するのかと思いきや本作はもっとカジュアル寄り。実際に手足を動かして現場に溢れる各タスクをこなしていきましょう。
まずは客室に向かい、ドリンクの補充を行います。ツールホイールから補充用のアイコンを選択、対象オブジェクトに向かってアクションを行えば、そのまま自動的に補充が行われます。
ツールによって手に持つ装備は様々で、今回はバスケットを片手にさげるスタイル。フルーツもどんどん補充しましょう。
続いてバスルームでタオル交換。お客様が部屋に到着してタオルが汚れたままだった……とか最悪にも程がある体験になりますからね。
なお筆者は中東で仕事をしていた時、宿泊したホテルの衛生環境がすごすぎて宿泊1日目にして高熱にうなされたことがあります。そういう色のタオルやシーツかと思ってたら全部カビだったとか今でもトラウマです。
続いてプール掃除です。画像のように落ち葉が大量に浮かんでおり、見た目的にも大変不衛生。さっそく清掃ツールに持ち替えて作業開始です。
こちらのことなどお構いなしにプールへ入っていくお客様。
あっお客様、只今の時間は清掃作業中ですので、大変恐れ入りますがまた後ほどご利用くださいませ……お客様?
お客様!お客様!!話を聞いてくださいお客様!!!
オラァッ!(殴打)
あっあっ他にもお客様が!困ります!まだ清掃中なんです!
あっあっあっ向こうからも気合の入った水着なお客様がっあっあっあっ
オラァッ!(殴打)
……プールはなんとかしたので次はランドリーです。どうやら乾燥機が故障しており、洗濯機には衣類がたまっている状態の様子。
そこで今度は工具ツールに持ち替えて修理作業を終えました。
そうこうしているうちに予約のお客様がご到着されるとのことでフロントへ。この時点でかなり疲れ果てていますが1日は終わりません。
チュートリアルの段階によっては制限がかけられていますが、タブレット端末は非常に便利で、やることリストを確認して現場へワープ移動したり、タイムスケジュールを確認して予約のお客様をお出迎えしたり、ショップで備品を売買したりと一通りのことが行なえます。
そんなこんなでご予約のお客様がご到着。ようこそおいでくださいました。
しかしここで判定バグか、どんなに予約ボードをクリックしてもまったく反応せず、お客様が動かなくなるという珍事が発生しました。
とりあえずお客様の頭にはモップをかけられることを確認。
さらにお客様の頭を修理できることも確認。
ついでにドリンクサービス(補充)。
その後、タブレットを使用したらようやく反応してくれました……。UIデザインによる一部やや不親切なボタン操作の工程もあいまって、こういったバグ挙動は本作のストレス部分かもしれません。
他にもあるぞホテルの仕事
ここからは怒涛の忙しさです。次々と発生する「やることリスト」を追いかけながらタスクをこなしているとふと気づきます。洗濯機と乾燥機の発生頻度の多さに……。
洗濯完了、乾燥完了……別室から洗濯物が出てきた……!はい完了、え、また別室の洗濯物ですって……!?
そんなところへぶち込まれる床清掃やお客様お出迎え、さらには調理とサーブと、忙しさはどんどん加速してきます。
タブレット端末によるワープ移動がなかったらおそらく気が狂って退職届を出していたことでしょう。
もちろん、そんな現場の苦労を知ってか、新しく従業員を雇ってワークロードを分散させることも可能。
しかし彼らはたまに棒立ちですし、こちらが先に作業したほうが早いこともあるので、個人的にはフロント業務と調理に専念してもらったほうが良いのかな……?と思ったり。
おわりに
チャプターを進めていくと、行える作業も徐々に増えていきますが、基本的には上記作業の繰り返しである本作。おそらく人によっては「単調で退屈な作業」と感じてしまうことも十分理解できます。
しかし筆者はこうした作業を黙々とこなしていくのが好きなせいか、結構楽しくプレイしていました。
ここからさらにゲームを進めると広大な土地を与えられ、そこに施設を建て、部屋の内装を椅子から壁紙、オブジェクトまで細かく配置・デザインするというカスタマイズ要素も展開されていく本作。
ホリデーシーズンもそろそろですし、ここらでひとつホテル経営(?)を体験して、繁忙期に現場で地獄を見ているであろうリアル従業員の皆様へ思いを馳せるのも良いかもしれません。
タイトル:『Hotel: A Resort Simulator』
対応機種:Windows PC(Steam/ Epic Gamesストアは近日登場予定))/ Xbox Series X|S/Xbox One
*海外PS5/ PS4でもリリースされています。なお発表時に記載のあったニンテンドースイッチについては、ストアが存在せず。記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)
発売日:2023年10月12日
著者プレイ時間:2.5時間
サブスク配信有無:記事執筆時点においては、無し
価格(Steam):2,300円(2023年10月20日まで2,070円のセール中)
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと
いやー……ホテル経営は本当にやることが多くて大変スパよ