【2025年発売予定のガチ期待作 5選】
◆『Rain98』
初めに言っておくと、この『Rain98』は筆者個人の性癖、思想、好みすべてにおいてド級に突き刺さる(現時点)超激推しの作品で、すでにもう自分の中では購入確定済のゲームであります。
さて本作は、サイコサスペンスとラブロマンスが融合したアドベンチャーゲームです。時は世紀末が目前に迫る、1998年の東京。プレイヤーは陰鬱で刹那的な雰囲気の漂うアパートの一室を舞台に、どこか不穏で危うい魅力を放つ謎の少女・雨原玲奈(CV:土屋李央)と共に、“世界滅亡のため”と嘯く奇妙な儀式を進めていくことに─。

本作品は、キャラクターを核にした新感覚インディーレーベル「C#4R4CT3R」が開発およびパブリッシングを担当しており、2025年4月13日に1st PVが発表され、その世界観の一部が御披露目となりました。

もうね、言いたいことは山ほどあるんですが、まずはとにかくPVを見て頂きたい。ブラウン管から證券会社の破綻を伝える不穏なニュースが流れた刹那、唐突に画面をグリッチノイズが覆います。直後、電車の停車音と共にあらわれた、こちらを睨むように見つめる謎の少女。そして、こんなテロップが流れます。
1998年。東京の片隅 静かな水槽の底で
一匹の魚が、長い夢を見ていた。
いやーマジで痺れる。この何かを予感させる詩的で、けれども世紀末的な高揚感も内包する掴みが超カッコいい。第一に、このテロップの立ち上がり方が90年代~00年代初頭まで見られた技法でクールだし、ノスタルジーで超エモい。この時点で一発食らいましたが、次に「雨」を連想させるダークブルーを基調とした世界観がメランコリックで不穏で、筆者の腹の底を深くエグります。そして最後は、アニメ調のキャラクター造形が素晴らしい。「玲奈」は、現行トレンド的なデザインを持つ一方で、過度にアニメアニメしてないリアリティがあり、加えて90年代後半の渋谷とかに「いそう」な、ルーズソックス、スカート丈などのいわゆる“コギャル的”着こなしも、より一層のリアル感を担保していました。


すみません、ついアツくなってしまいました。もう一つだけ言及したいのは、ストーリー設定です。プレイヤーは、稼いだお金で玲奈に食事を与えてたりして、「常に機嫌を損ねないよう」行動しないといけず、さもないと「世界が終わる=ゲームオーバー」となるシステムのようです。
この世界(ゲーム)が、プレイヤーと玲奈のたった二人に左右されるという構造は、まさしく「セカイ系」と呼ばれる文脈であり、色々と批判はあれど(宮台真司とか)、「エヴァ」や「最終兵器彼女」を愛でる筆者からすればご褒美であり、ゲームという媒体で体験できる日が待ち遠しくて堪りません。あと、長くなるので割愛しますが、元ネタであろう「serial experiments lain」の影響や、部屋に流れるローファイ・サウンドなども気になります。
★推しポイント★
世紀末の東京を舞台にしたラブロマンス&サスペンス
陰鬱でノスタルジーなエモさ
デザイン性の高いアニメ調のキャラクター造形
90年代後半のカルチャーをミニゲームなど体験できる
世界観を彩るローファイ・サウンド
◆『A Passing in the Night』
本作は、三人称視点のオカルティック・3Dホラーアドベンチャーゲームです。プレイヤーは、現実と悪夢が混ざり合う奇妙な夜の街を彷徨っていくことになります。


「心の痛みと希望」をテーマにサイコスリラーとオカルトチックな要素が絡む、ウォーキングシミュレーター寄りの「散歩」のようなゲームプレイが体験できるようです。
また、リゾグラフ印刷のようなレトロ感と夢の世界を表現した独特のアートスタイルも特徴的。ゲームのコンセプトやデザインも「ゆめにっき」にインスパイアされていると思われます。実際にプレイしたら、きっとその夢遊病じみたシュールな浮遊感がクセになること間違いないでしょうね。

★推しポイント★
サイコスリラーとオカルトチック要素が絡む3人称ホラーアドベンチャー
1時間の間に様々な出来事が起きる、「生きた」オープンワールド世界
奇妙な放浪者や亡霊との対話システム
プレイヤーの行動によって変化するイベントやエンディング
◆『ダレとカレも』
本作は、インタラクティブな短編ビジュアルノベルゲームです。眠たい目をこすりながら起き上がった少女は、いつもと異なる何かの違和感を感じながら、朝の支度を始めます。すると、そこにいたのは父親ではなく、見知らぬ男──。いったい何が起こっているのか、そして彼は誰なのか?プレイヤー自身が追体験していくことになります。

本作の特徴は、登場人物たちの視点を通して、人の認識の「歪み」を体験できる点にあります。また、全3章で約1時間とカジュアルなプレイとなるようです。
筆者が惹かれたのは、線数の少ないシンプルなイラストレーション。バンド・デシネにも通じるような洒落た色合いでありながら、その不穏なストーリーとのギャップがとても不気味だし、インタラクティブなゲーム性も気になる期待の作品です。

★推しポイント★
シンプルでお洒落なビジュアル
約1時間のカジュアルな短編
人の認識の「歪み」をテーマにした不穏なストーリー
インタラクティブ性のあるゲームプレイ
◆『BECROWNED』
本作は、三人称視点のサバイバルホラーアドベンチャーゲームです。プレイヤーは、冷血かつ理性的な主人公・リチャード・トーランスとなり、危険が潜む古代の遺跡を探索し、襲いかかるモンスターと戦い、狂気に満ちた世界を生き延びるのが目標です。


Steamストアではデモ版が配布されており、筆者は一通りプレイしてみました。そのうえで本作の特徴を述べますと、これは一分の隙もない完璧な『バイオハザード』+『サイレントヒル』クローンゲームだったな、と。もちろんプレイフィールとしてはメチャクチャ楽しめました。
昔ながらのタンク操作ではないものの、PS1時代のローポリグラフィック、動的な固定カメラ視点、奇妙で不条理な世界、アイテム収集型の探索システム、数字を見つけて当てはめるパズル、日記や資料から垣間見える物語の断片、気味の悪いクリーチャー、近接武器/銃器によるモッサリした戦闘、などなど……こんなに寄せて大丈夫?と思ったほどでした。

とはいえ、筆者も含め往年のホラーゲームファンは、「バイオやサイレントヒルの仕様で、ガワを少しだけ変えたホラーゲームが遊びたーい!」と常々思っているはずです(え、違う?)。まあとにかく、ここまで完成度の高いクローンゲームは、近年では技術不足や作者の「独創性を見せたい欲求」により、あまり見られなかったのが実態。
逆に言えば本作はホラーゲームとして、物凄いポテンシャルを秘めているという事になるので、正式リリースの日を期待しておきましょう。

★推しポイント★
『バイオ』や『サイレントヒル』など往年のホラーゲームを踏襲
探索しがいのある豊富なロケーション
自身の精神的な問題に立ち向い、内なる「幸福」を探し求める重厚なストーリー
プレイヤーの選択次第で分岐する複数のエンディング
◆『凶寓|Dread Flats』
『凶寓(きょうぐう)』は、一人称視点の中華風サイコホラーゲームです。プレイヤーは、地元で有名なスポット「凶楼」へ赴き、そこで待ち受ける危機的状況を切り抜けながら、大切な人物を見つけ出すため猟奇殺人事件の真相に迫ることに……。

本作は、約15分程度のデモがSteamで配布されており、筆者は一通り遊んでみました。プレイフィールとしては、オーソドックスな一人称ホラーゲームで、リアルなグラフィックに中国風の狭いアパートの雰囲気が良く、探索してるだけで十分雰囲気を味わえます。


本作で一番のハイライトは、ずっと追いかけてくる「謎の老婆」がとんでもなく怖いこと。おばあちゃんから逃げるため、残されたビデオカメラの映像を見て自身の安全を確保したり、ベッドの下に隠れたり、巧妙なステルスとチェイス戦の鬼ごっこが非常に楽しく、正式リリースを期待できるホラーゲームでした。

★推しポイント★
リアルなグラフィックの没入感
中国風のアパートの雰囲気が最高
追いかけてくる老婆のメチャクチャ怖い
さて、長々とお付き合い頂きありがとうございます。「筆者が選ぶガチ推しホラーゲーム」いかがだったでしょうか。読者の皆さんのオスメス作品も、ぜひコメント欄で教えて下さいね!では、またいつかお会いましょう。











