好調スタートのオープンワールド警官アクションシム『The Precinct』は多くの登場人物が織りなすストーリーも魅力【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

好調スタートのオープンワールド警官アクションシム『The Precinct』は多くの登場人物が織りなすストーリーも魅力【プレイレポ】

息子は父の残した道を進み、地方都市の治安を守るため奮闘します。

連載・特集 プレイレポート
好調スタートのオープンワールド警官アクションシム『The Precinct』は多くの登場人物が織りなすストーリーも魅力【プレイレポ】
  • 好調スタートのオープンワールド警官アクションシム『The Precinct』は多くの登場人物が織りなすストーリーも魅力【プレイレポ】
  • 好調スタートのオープンワールド警官アクションシム『The Precinct』は多くの登場人物が織りなすストーリーも魅力【プレイレポ】
  • 好調スタートのオープンワールド警官アクションシム『The Precinct』は多くの登場人物が織りなすストーリーも魅力【プレイレポ】
  • 好調スタートのオープンワールド警官アクションシム『The Precinct』は多くの登場人物が織りなすストーリーも魅力【プレイレポ】
  • 好調スタートのオープンワールド警官アクションシム『The Precinct』は多くの登場人物が織りなすストーリーも魅力【プレイレポ】
  • 好調スタートのオープンワールド警官アクションシム『The Precinct』は多くの登場人物が織りなすストーリーも魅力【プレイレポ】
  • 好調スタートのオープンワールド警官アクションシム『The Precinct』は多くの登場人物が織りなすストーリーも魅力【プレイレポ】
  • 好調スタートのオープンワールド警官アクションシム『The Precinct』は多くの登場人物が織りなすストーリーも魅力【プレイレポ】

突然ですが、みなさんは「警察官」と聞くと何を連想をするでしょうか?

秩序を守る法の番人?あるいは悪を挫く正義の味方?追う追われるの天敵……なんて人はさすがにレアケースかと思いますが。

筆者は単なる人畜無害な小市民、事件も事故も起こしたことなどありませんし、悪人としてお世話になったことは一度としてありません。強いて言うなら自宅で高齢の祖父が倒れた時、憔悴しきった家族に懇切丁寧に対応してくれていた姿が今でも印象的です。

前段が長くなりましたが、そんな警察を題材にしたアクションサンドボックス『The Precinct』が5月13日にリリースされました。Fallen Tree Gamesが開発し、Kwaleeがパブリッシングする本作は、現時点でSteamのレビューは2,500件を超えて“非常に好評”を維持しており、同時接続数も10,000に迫る好調なスタートを切っている注目作。本稿ではそのゲーム内容と魅力をたっぷりお届けします。


本作の舞台は1980年代のアメリカ、大都会ではないものの寂れ切った田舎町ほどでもない規模の地方都市「アヴェルノ・シティ」。この町の警察署に着任した主人公・新人警官ニック・コーデル・ジュニアを中心としたストーリーが描かれます。

ニックの父も警官、それも警察長(以降も作中の表記ママ)として敏腕を振るうも職務中に殉職。彼の同僚だったジャクソンがその遺志と立場を引き継ぎ、町の治安維持に全力を注いでいる真っ最中です。

多くの部下から慕われ敬われていた父の名は、警察学校を首席で卒業したといっても新人のニックにはとてつもない重荷でしたが、ニックはその重荷をも跳ね除けつつ職務に邁進するのでした。

ギャングがひしめき、落書きが街の壁中にあふれ、組織は腐敗している――。そんなお世辞にも“キレイな”町とはいえない「アヴェルノ・シティ」でのニックの警察人生が、今始まろうとしています。

赴任当日に銃撃戦、初日ながら銃社会の洗礼を!

ゲームを開始するとまずはカットシーンが始まります。本作の舞台となる「アヴェルノ・シティ」の様子と現状を語るナレーション、キレイとはいえない路面に猥雑な街並み、お世辞にも住みよい街ではなさそうです。

そんな町の治安を守る要、「アヴェルノシティ警察署(ACPD)」では主人公・ニックが同僚との顔合わせの最中です。ジャクソン警察長やコワルスキ警部をはじめ、なかなか濃いメンツが揃っています

前警察長は他ならぬニックの父で、部下からも慕われ敬われていた立派な存在でした。ところが職務中に殉職、同僚のジャクソンが警察長の立場を継ぐも、同僚の死に関して全容解明ができなかった己が無力さや組織体質をぼやくほどにはまだ悔いを残している様子です。

警察学校を首席で卒業したことなど、父の実績と名声の前には何の能力を示すものにもなりません。「その成績に50セント足せばコーヒーが1杯飲めそう」なんてアメリカンジョークで茶化されつつ、ケリー巡査部長に新人教育が任されることとなります。

初っ端の仕事は“栄養補給”、ということで街中のケリー行きつけのホットドッグ屋へ行くことに。「全部載せ」「ケチャップだけ」「全部載せ、ただしドッグ抜き」なんて3択からチョイス、ドッグ抜きを頼んだところケリーからは「ベジタリアンかなんかか?」なんてコメントがありました。

ケリーはニックの父の警察学校時代の同期で、ニックの父はどんな壁でもぶち破って進むような男だったとのこと。一方、ケリーは自分の人生を「水は低きに流れる、楽だがな」と評しています。

そんなやり取りをしていると突如通信機から緊急連絡が鳴り響きます。どうやら街中の銀行で強盗事件が発生した模様で、発砲も確認されるなど急を要する事態のようです。「本部、こちらユニット84。コード3に対応する」と昼行燈なケリーも警官らしい応答を返しつつ二人で現場へ急行することに。

武装した強盗一味を待ち伏せ。殉職後にサイボーグ化して復活…という訳にはいかないようです

現場では既に警官2名が待機中で、合流したケリーとニック、あわせて4人で犯人一味を待ち伏せすることに。問答無用で発砲してきたのでこちらも応射、激しい銃撃戦となります。

操作はカバーキーで掩蔽しつつ敵弾を防御、エイミングキーで照準操作、そして射撃という流れで行います。モグラたたきの要領で迂闊にも掩蔽から顔を出した敵を狙い撃ち、敵は一人また一人と無力化されていくことに。

報道ヘリが怪しげな動きをキャッチ!仲間を囮に脱出するとは、なかなかの悪党です

……と、上空を飛ぶ報道機関の中継ヘリが裏口での妙な動きを捕捉。どうやら正面を囮に裏口からの脱出と突破を企図している様子です。脇を猛スピードですり抜けた一味のバンを追ってカーチェイスが始まります。

ゲージを貯めて支援を要請、時には回避されることもあるので過信は禁物です

本作では適切な追跡を行っているとゲージが溜まり、これを消費することで各種支援要請が可能です。追跡部隊へのパトカーの増援や上空からのヘリ支援、また対象のタイヤをパンクさせるトラップ「スパイクストリップ」の展開など、様々な形で展開を有利にすることが可能なので状況を見極めて活用していきましょう。

証拠係のユージーン氏、名前から判断するにギリシャ系でしょうか?

事態の収束後、証拠係のユージーンと会話をして本日のシフトは終了です。赴任初日から激しい銃撃戦とカーチェイスが繰り広げられ、これぞ銃社会の洗礼ともいうべき随分ハードな一日でしたが、無事生き残ることができました。

翌日も引き続きケリーとともに市内のパトロール。駐車車両の違反や落書きなどの器物損壊など、軽微な犯罪を中心に取り締まりを行います。

駐車チケット切れや位置の不備、声掛け後の反応などで対応できる手段は異なります。落書き犯相手に即発砲なんてのは言語同断、抵抗の有無や悪質度合いに応じて適切な対応が求められます。

選べる武器はこんな品ぞろえ、武器の攻撃属性には要注意です。

本作では殺傷・非殺傷などの区別が存在するうえ、武器も軍用アサルトライフルや狙撃銃、拳銃からテザーガンまでと非常に多彩。ただ、日常場面では前述のような柔軟な対応が求められるのでバランスの良い装備選択が重要です。

上空から犯人を追跡!障害物の多い地上に比べたら、空は随分快適です

時にはパトカーだけではなくヘリコプターを操作しての追跡を行う場面もあります。陸と空、両面から悪党を追い詰める警察官の活躍を楽しめるのも特徴です。

警官を主題としたサンドボックスの本作ですが、正直自由度はあまり高くはありません。市民への被害は多少の交通事故ぐらいは許容されるものの、意図的な発砲などの悪意ある行為は厳禁。グランド・セフト・オート』や『ポスタル』のようなやりたい放題の大暴れは不可能となっています。

偉大な父を持つ志ある新人警官として黙々と職務に励む――。多くの同僚や上司に囲まれて「○○警察24時」といったドキュメンタリー番組の新人警察官として、日々街を警邏したり時には凶悪な事件に対処したりするゲームといったらイメージがつきやすいかもしれません。

射撃や車両操作など、各種操作面は比較的シンプルでスムーズに楽しむことができます。タイヤ周りのグリップ力の弱さが原因なのか、車両の挙動がやや滑りがちにも思えますが、あくまで慣れでどうにかなる程度ではあります。

ただ、各種コントローラーでの操作に対応しているものの、スティックを用いた射撃操作のエイミングが少し不便に感じました。マウス・キーボードでの操作では問題なく楽しめたので、感度など設定周りを少し調整する必要があるかもしれません。

敵ギャングの拠点を強襲。幹部を猟犬の如く追い詰めます。

今回紹介した内容は、ストーリーとしてはまだ序盤ですが、各種イベントなどでの同僚たちのやり取りも「THE・アメリカン」のようなお洒落な言い回しが多く、評価したい点です。外国の警察モノが好きなファンなら、グイグイ引き込まれること間違いなし。

記事執筆の時点でユーザーレビューは“非常に好評”で、実際遊んでみてもこの評価は妥当だと思います。AIやNPCのリアクションなど多少作り込みの甘い部分はあるものの、全体的にはよくできている良作で価格分の価値はある1作ではないでしょうか。

『The Precinct』はPC(Steam, Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに現在配信中です。

スパくんのひとこと

銃社会アメリカの警察を描いた警察アクションサンドボックススパ!ほら、スパくんも実は白と青のポリスカラー、こう見えて世界の平和を守る正義の使者なのだスパ!え?武器を捨てて抵抗するな?このスパくんに命令するなんていい度胸スパ、目にもの見せてやるスパ!射撃開始スパ!!

タイトル:The Precinct

対応機種:PC(Steam, Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S

記事におけるプレイ機種:PC(Steam)

発売日:2025年5月13日

記事執筆時の著者プレイ時間:3時間

価格:3,980円


警察・スパイ組織 解剖図鑑 (書籍)
¥1,870
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:K.K.,編集:宮崎 紘輔

ライター/SFとオープンワールドとミリタリー系が主食です K.K.

1990年3月の京都府生まれ。ゲーム好きのパソコン好き。ついでに言えば動物も好き。心理学部卒ゆえに人の心がわかると豪語するも、他人の心にはわりと鈍感で、乙女心となるとからっきし。むしろ動物の気持ちのほうがよくわかるが、本人は「尻尾と耳がないからだ」と弁解中。 2022年から「ゲームスパーク」で執筆中。パソコン代の足しにと始めるも、賃金はほとんど課金ガチャに消えている模様。

+ 続きを読む

編集/タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top