Game*Sparkレビュー:『Blades of Fire』自作武器を携え世界を探索するのは楽しさに満ち溢れている | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

Game*Sparkレビュー:『Blades of Fire』自作武器を携え世界を探索するのは楽しさに満ち溢れている

民衆から鋼が失われた暗黒時代。女王を打ち倒し、世界の運命を切り拓け!

連載・特集 Game*Sparkレビュー

剣戟アクションゲームの醍醐味の1つに、いかに強力な武器で相手と戦えるかというものがあると思います。圧倒的な破壊力で薙ぎ倒したり、華麗な回避で相手を翻弄したり、その戦い方はさまざまです。そんな戦闘の要ともいえる武器を、自分の思い通りに作れたらどれだけ楽しいでしょうか。

505 Gamesは、スペインを拠点とするゲーム開発スタジオMercurySteamが手がける新作アクションアドベンチャー『Blades of Fire』を、PC(Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに2025年5月23日リリース予定です。

「フォージ(鍛治)」を大きな特徴とする本作では、さまざまな種類の武器の材質やパーツ、長さなどを調整したオリジナルの武器を作成可能。新たに戴冠した女王ネレアが引き起こした暗黒時代を舞台に、主人公のアランと相棒のアドソが、女王を殺すための戦いと冒険の旅へと挑みます。

本稿は、機体の新作『Blades of Fire』の先行プレイレビューをお届け。ゲームプレイおよびスクリーンショット撮影はEpic Gamesストア版を使用しています。

鋼が失われた時代に反逆せよ

本作の舞台は、女王ネレアの魔法によって民衆の持つ鋼がすべて石へと変えられてしまった時代。女王に仕える軍隊だけが特別な鋼で武装していることで、人々は誰も逆らうことができず、世界は荒れ果ててしまっています。

物語は、隠遁生活を送っていた主人公アランが、誰かの叫び声を聞いて助けに行くシーンから始まります。最初は攻撃や回避、ガードと言った戦闘や移動といった基本を学んでいきます。その後、馬車を襲う女王の部下と、木こりに使っていた斧で戦闘開始。無事に勝利するものの、馬車の主が殺されてしまいます。

殺されたのはアランの旧友で修道院長のドリン。お付きの少年アドソは、ドリンがアランを探していたこと、そしてアランに「とあるもの」を渡すための旅に同行していたようです。その渡したいものとは、かつてこの世界を作り上げた“伝説のハンマー”の1つでした。

ハンマーを手にしたアランは、女王によって失われた鋼の武器を作ることができる唯一の場「神々の鍛冶場」へと移動。ここで鍛冶に関するチュートリアルを受けて最初の武器を製造、なおも襲いかかる女王の部下を倒しながら、住んでいた小屋からアドソとともに旅へと出発します。

その旅の目的は「宮殿へとたどり着き女王を殺す」こと。アランとアドソは世界に関する知識をほとんど知らず、ゲーム内の目的は最初はほとんど明かされていません。世界を巡り、強敵と戦い、強力な武器を作りながら、女王を殺すという目的を果たしていかなければならないのです。

最強の武器を作り出せ!

本作の鍛冶場では剣やハンマー、斧といった、8つのカテゴリーの武器を作り出すことができます。ゲームを進行させることで、それぞれのカテゴリーごとで異なる種類の武器も作れるようになるので、驚くほど多彩な武器を自分好みに作り上げられます。

鍛冶では製作したい武器の選択後、剣であれば「刀身(長さ・形状)」「鍔」「柄頭」といった各パーツの種類や使用する鋼や木材を決定していきます。これらの要素によって攻撃力・耐久度・装備時のスタミナ・ガードやパリィ性能などが大きく変化していくのです。すべての項目を決定したらいよいよ鋳造です。

鋳造はミニゲーム形式で行われ、刀身に該当する部分をハンマーで叩きながら、目的の形に整えて行く必要があります。叩く角度や強さによって刀身の凸凹が変化し、目的に近づければ武器の星の数が増えていきます。星は武器の修理回数となるので、より高品質なものを使えば長持ちするのです。

細かなパーツ設定により、同じ武器でも特性は大きく変化できます。防御性能に優れた剣、リーチにこだわった長柄武器、斬る/突くことに特化した長剣など、プレイヤーの選択次第で可能性は無限大です。もちろん特徴的な武器を作るには貴重な素材も必要なので注意しましょう。

ゲーム内では敵を一定数倒すことで、武器の設計図「フォージスクロール」を獲得できます。また、特定の武器を持った状態で各地に置かれている像を調べると、新たな武器パーツを得られるため、ゲームを進めていくことで作れる武器の種類や特性がどんどん増えていくのです。

倒すべき敵も参照できます。

敵の特性を見極めて武器選択!

伝説のハンマーによって豊富な武器を作れる『Blades of Fire』ですが、同じ武器だけを使っていては決して女王の軍勢に太刀打ちできません。それぞれの武器にはだけきや斬撃、突きといった攻撃属性があり、敵の耐性によって使い分けなければなりません。

戦闘では、ボタンによって「左攻撃」「右攻撃」「頭攻撃」「胴体攻撃」の4種類の部位を攻撃できます。アランは敵をロックオンすることで、装備中の武器が敵に通じるかを色で識別可能で、敵によっては特定部位だけ攻撃が通じやすいことも。あまりに相性が悪い攻撃では弾かれてしまうので注意しましょう。

戦闘ではスタミナの管理も重要です。スタミナはガード体制に入れば、武器の力を吸収して回復できます。ただし、武器にはそれぞれガード値が定められているので、敵の攻撃を受け続けると守りを突破されてしまいます。回避行動を使いつつ、ガードでスタミナを回復させるなどのテクニックも必要です。

多くの敵は背中を狙えば大ダメージを与えられるため、ローリングを使って敵の攻撃を捌くこともできます。また、ジャストガードすれば一時的にスタミナが無限になるなど、防御テクニックを身に付ければ大勢の敵や強敵相手でも、十分に渡り合えるのです。

なお、筆者はジャストガードのタイミングを図るのが苦手なのですが「レンジの長い槍や剣を作って範囲外から攻撃する」といった消極的な戦術でも十分戦えます。もちろん強力な武器を作ればシンプルに戦いやすくなるので、世界の探索と鍛冶の上達を目指すことも大切ですね。

長さは正義!

探索することで世界は広がっていく

『Blades of Fire』は「女王を殺す」ことが目的ですが、そのストーリーの多くは序盤で明らかになりません。ゲーム内では色々な敵を倒し、世界に隠された秘密を解き明かし、ときにNPCとの出会いなどを通じ、少しずつ目的やストーリーを見つけていく形式が採用されています。

主人公アランは寡黙な男で、古代に関する知識はほとんどありません。相棒のアドソは好奇心旺盛で知識がある少年で、冒険中に明らかになったことや、アランが倒した敵の特徴などを伝えてくれます。会話したり、アドソのメモを見ていくことで、彼の目を通した世界の姿や情報が見えてくるのです。

また、各地にある「金床」を見つけることで、武器の製造や修理、休憩、ファストトラベルが行えます。本作はソウルライクに近いシステムで、金床で休憩することで回復アイテムを補充できる代わりに、各地の敵が復活してしまいます。金床を起点としつつ、世界を広げていくことを考えましょう。

探索はアランの強化にも大きく影響します。世界に隠されている宝箱からは、基礎ステータスを上げたり、ポーションの回復量や使用回数を増やすことができるアイテムを獲得できます。敵を倒すことで作れる武器も増えていきますし、素材も入手できるので、バランス良く探索と戦闘を積み重ねていくことが重要です。

本作の世界は沼や洞窟、不思議な生物が住むエリアなど、とてもバラエティ豊かです。その中で最初は理由もわからず探索し、やがて少しずつ「やるべきこと」が明らかになっていく構成はユニークで、うまくアランとアドソのキャラクター性を活かしている印象です。もちろんまったくノーヒントではなく、アランの独り言のような形式で次の目標はわかるようになっていますよ。


『Blades of Fire』はファンタジー世界を探索する楽しさに満ち溢れています。鋼の武器が封じられた世界で、唯一鋼を加工できる力を得た中年の主人公・アランは、旧友の残した相棒・アドソと共に女王の軍勢に挑むという絶望的な戦いに身を投じることになります。その冒険の先にはさまざまな出会いや古代の伝説にまつわる物語が隠されているのです。

特徴である鍛冶システムはとても魅力的なもの。耐久性やガード性能を無視して攻撃力を追求したり、取り回しに優れた武器で回避や機動力を重視したり、個性豊かな武器を制作できます。素材集めと武器のレシピアンロックも同時に行えますし、金床で休むことで敵を復活させることで簡単に稼げます。時間をかけてじっくり強い武器を作れば、アクションが苦手でも攻略しやすいのは嬉しいポイントです。

少し複雑で落ちれば即死してしまう地形が多く、戦闘で回避して落ちてしまうなど操作は少し難しい印象も。ロックオンも近くの敵を無視して見ている方の相手を狙ってしまったり、慣れない内は思わぬミスや事故で死んでしまうことも多いかも知れません。

自分好みにカスタマイズした武器で、さまざまな個性や特性を持つ強敵と戦えるアクションは緊張感と戦略性に優れています。戦闘を楽しみたいプレイヤーはもちろん、クラフト要素や収集要素が好きな人にもピッタリの作品ですね!

これはエレベーターでうっかり回避して落下死したアラン。

Game*Spark レビュー 『Blades of Fire』 PC(Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S 2025年5月23日

自分だけの武器を作り上げて敵に立ち向かえ!鍛冶にこだわった新感覚ACT

GOOD

  • 目玉である鍛冶が面白い!長さや材質、飾りで性能が大きく変わる
  • 素材やレシピなど敵と戦うことの意味が大きく、探索と戦闘の楽しさが両立できている

BAD

  • 慣れない内は操作や視点で事故が起こる可能性が高い


ライター:Mr.Katoh,編集:Akira Horie》

ライター/酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

Akira Horie

編集/『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam/Nintendo Switch好評発売中! Akira Horie

Game*Spark副編集長。平日日中のニュースデスクおよび料理連載や有志翻訳者連載の基本担当。 2021年版以降の『ウィザードリィ外伝 五つの試練』イード側のディレクターも兼務中。

【注目の記事】[PR]
コメント欄を非表示
※一度コメントを投稿した後は約120秒間投稿することができません
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください
  • スパくんのお友達 2025-05-21 12:19:02
    アクション部門なら今年の冠も狙える感じかな。武器振りの感触がアクションとして凄く良い手応えをしている。
    0 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2025-05-20 21:52:23
    体験版範囲でも武器作成が結構いじれるし、いじった結果も分かりやすく反映されてて面白かった
    6 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2025-05-20 20:23:11
    ハードで体験版やったけど適度な難易度で面白かった。 ただスタミナは他の死にゲーとは異なり時間回復の効果は薄く、ガードで急速回復する仕様だったけど、なぜこの仕様にしたのかわからない…
    3 Good
    返信
    他の返信を表示 返信を非表示
  • スパくんのお友達 2025-05-20 16:36:26
    メトロイドドレッドを開発したところだから期待してる
    6 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2025-05-20 15:06:16
    epic・・・epicかぁ・・・・
    29 Good
    返信
    他の返信を表示 返信を非表示

編集部おすすめの記事

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top
Game*Spark
ユーザー登録
ログイン
こんにちは、ゲストさん
Avatar
メディアメンバーシステム