今回はNamaTakahash(生高橋 氏)と tiny cactus studio(はちのす 氏)そしてTsuyomi(つよみー 氏)が開発を手掛け、2025年08月08日にSteamにてWindows PC向けにリリースされた探索パズルADV『Öoo』をご紹介します。
ちなみにパズルゲーのプレイレポ記事なので、本稿で使用されているスクリーンショットは、場合によっては解法のヒントまたは解法そのものといったネタバレになり得る可能性があります。そのため事前情報無しにプレイを検討されている読者におかれましてはご注意ください。
リリースされてから間もなく「圧倒的好評」
本作はリリースされてから1週間も経たないうちにレビュー数が600を超えて「圧倒的好評」となっています(記事執筆時点において)。SNSでもじわじわと評価が広まり始め、非公式SteamデータベースサイトSteamDBでも、似たような時期(25年8月11日前後)からプレイヤー数がグンと上昇を見せています。
ちなみに本作の着想(?)について、「Q何食ったらそんなの思いつくの?」という質問に対する開発のNama Takahashi氏の答えは「Aこれ」。なんで……?
『Öoo』とは

本作は、ひょんなことから大型鳥類に捕食されてしまった「爆弾いもむし」である主人公が、腸内環境を破壊しながら脱出を目指す2D探索パズルゲーム。手持ちの爆弾を駆使して、上下左右へどこまでも続くマップを文字通り縦横無尽に移動していきましょう。
全体的にシンプルにまとまっていながら、マップ構造やギミックはひねりが効いており、起爆のタイミングや、隠し通路の気づき「あ!そういうことか!」と、パズルが解けたときの気持ちよさはひとしお。ただシンプルが故に一度躓くと「さっきはコレでうまくいったんだが!?」と解法にこだわって進退窮まることもしばしばでした。
とはいえ全体的な難易度はカジュアル寄り。じっくり考えて、あれこれ試せば答えにたどり着けるので「パズルゲーってことは難しいんじゃなあい?」と苦手意識を持つプレイヤーにとっても遊びやすいと思われます。貴様らが善玉菌を持ち出すなら、こちらは爆弾をぶちこんでやる(?)……ということでさっそくやってまいりましょう。
操作・設定・言語について

本作の操作系はキーボード&マウス、そしてコントローラーに対応しています。基本は移動と爆弾の設置・起爆というシンプルなものですが、爆弾の爆風を利用して精密な移動を行う場面が多いため、個人的にはミリ単位の調整がしやすいキーボードでのプレイがしっくりきました。もちろん、コントローラーでも全く問題なくプレイ可能ですので、ここは個人の好みで選んで良い部分だと思います。

設定項目については、オーソドックスなものが並びますが……ちょっとおもしろいのが、本作はタイトルとクレジット以外で文字情報が徹底的に排除されており、この設定項目でも、すべてアイコンのみで表示されています。おかげで「何をオンオフしたのか」が微妙にわかりづらい部分もあったりしますが、まあそこはご愛嬌。
本編開始

さあ始まりました『Öoo』。ゲームを起動すると開始すると、我らが主人公「爆弾いもむし」が寝ている様子が映し出され、画面中央には泡に包まれたアイコンが浮かんでいます。なんのこっちゃと思いながらとりあえずクリックするとマウスアイコンの泡が割れました。

「あ!そゆこと!?」と、この時点で小さな発見に筆者はテンションが高まります。そうなんです、このあとも触れますが、本作は「プレイヤーを自然と誘導して学ばせる」デザインがとても秀逸なんです。

ともあれそんなこんなで目を覚ました爆いも(たったいま命名)。家族写真が飾られたこじんまりとした部屋であくびひとつ、さあ朝ご飯を探しに外へ出ましょう。

おお早速ありましたね。

いただきm……

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タイトル回収は名作の証(?)

のっけから大型鳥類に捕食されてしまった我らが主人公。あたりを見る限りどうやらここは先程の鳥類の体内のようです。


とりあえず道なりに進んでいくと、いろいろ足場だのギミックだのがチラ見せされつつ、その最奥、さきほど食べそこねたフルーツ(?)がありました。


丸呑みするとなんと、爆いもに「爆弾」を生み出す能力が与えられました。マウス左クリックで爆弾を一個出し、右クリックで起爆。本作における冒険がいまここに幕を開けます。

まずは試しに、足元に爆弾を一つ設置。

起爆すると、小気味の良い爆発音と共に画面が揺れ、主人公が爆風で真上に跳ね上がりました。これが本作の基本にして最も重要な移動方法、「ジャンプ」です。爆弾を置き、その上に乗って起爆することで垂直方向への移動を可能にしました。

序盤は、この爆弾によるジャンプを利用して段差を乗り越えていくだけですが、探索を進めるにつれて、より高度な技術が要求されるようになります。例えば「離れた足場への移動」には、進行方向と逆側に爆弾を置き、自身を吹き飛ばして通行する……など。さらに使用可能な爆弾数が増えるとさらに難度が上がります。
爆弾とギミックの組み合わせが面白い

本作の面白さは、この爆弾を使ったアクションと、練られたマップ構造が融合したパズルにありましょう。例えばあるエリアでは、ギミック攻略のため、破壊可能なブロックを爆破してその先にある小部屋を往復するのですが……ブロックが時間経過で復活してしまうので、その前に通り抜けなければならない。
最初はよくわからないまま律儀に爆弾を出してはすぐ爆破という感じで進もうとするものの、どうにもタイミングが合わない。……ああでもないこうでもないと試行錯誤するうちに「起爆は、画面外からでも行える」ということに気が付きます。そこで「あ!そういうことか!」と閃きを得て解法に至るのです。こういった攻略の糸口を掴んで答え合わせを進めていく瞬間は実に良いカタルシスを生み出してくれますね。
自然と学習して「気づき」を得る楽しさ

また話は前後してしまいますが、この他にもゲームを進めていくうちに「詰んだ……」と行き詰まる場所が出てきます。そんじゃあしゃあねえ別の道を進むとするか、と探索を続けると、ギミックを学習して用いる攻略に出くわします。
すると、「さっき意味わからんかったあの道は、今やったこの操作で行けるかもしれない」といった気づきを得られるのですが……ゲーム側に押し付けられること無く自然と学べて実践できるのがものすごく楽しい。

あと詰み回避として、直前のチェックポイントにリスポーンできるように、触れると死ぬトゲがところどころに用意されているのが非常にシュール。
マップは広大、でもワープ機能も充実

マップは非常に広大で、連続したいくつものエリアに分かれています。場所によって異なるギミックと雰囲気を楽しむことができ、一度訪れた場所でも、新しいアクションを覚えてから戻ってくると、以前は行けなかった隠し通路を発見できることがあるので、探索の楽しさは尽きません。

とはいえ来た道をまた戻るのは大変ですし、場合によっては一方通行の場所もあります。本作はそこらへんへのフォローもしっかりしており、「ワープ機能」によって特定のチェックポイント(?)への移動を自由に行えます。

ただしワープすると、それまでの攻略で破壊したブロックや行く手を阻むお邪魔キャラなどは復活してしまうので、その都度攻略し直さないといけないのですが……!

ともあれ本作は、「爆弾で移動する」という一つのユニークなアイデアを、奥深い探索パズルゲームへと昇華させた、非常に完成度の高いタイトルだと思いました。主人公や舞台設定の奇抜さとは裏腹に、そのゲームプレイは極めてシンプルかつロジカルで、プレイヤーの思考力と操作テクニックが試されます。
爆弾の設置場所、起爆のタイミング、自身の位置取り……最初は少し癖のある操作に戸惑うかもしれませんが、それに慣れた時、爆いもを意のままに操る楽しさの虜になっているはずです。
ひねりの効いた2Dパズルゲームや、メトロイドヴァニアのような探索要素のあるゲームが好きなプレイヤーには、間違いなくおすすめできる一本。ストアにはデモ版もあるので興味を持たれた読者の皆様におかれましては是非遊んでみてください。
タイトル:『Öoo』
対応機種:Windows PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)
発売日:2025年08月08日
著者プレイ時間:2時間(普通に迷いまくったため、プレイ時間の割に攻略進捗が……)
サブスク配信有無:無し
価格:1,200円(2025年9月14日まで960円のセール中)
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと
鳥さんの腸内はずたぼろスパよ
※UPDATE(2025/08/14 23:25):本文中の誤字を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございました。











