「シリーズ屈指の完成度を誇る甘いユートピアだ」海外レビューハイスコア『牧場物語 Let's！風のグランドバザール』

『牧場物語』は農家の実生活を正確に描いているわけではない。結局のところ、農業は最も高貴だが最も過酷な仕事の一つでもある。しかし、このシリーズが提供する甘いユートピアは純粋な現実逃避であり、『牧場物語 Let's！風のグランドバザール』はシリーズ屈指の秀逸なコンセプトと完成度を誇っている。このゲームは実に楽しい作品だ。

『牧場物語 Let's！風のグランドバザール』は革新的な作品ではないが、非常に堅実な農場ゲームであり、シリーズの中でも傑出した一作だ。ニンテンドースイッチ2において真価を発揮するが、初代ニンテンドースイッチでもまったく問題なく動作する。丸っこい牛が好きなら、本作はうってつけだ。

牧場暮らしに憧れ、市場に自分の露店を出すことをいつも夢見ていて、かわいい動物が大好きで、その上数時間の空き時間があるなら、絶対に『牧場物語 Let's！風のグランドバザール』をチェックすべきだ。本作は経済シミュレーション、建設ストラテジー、時間マネジメントの要素を見事に融合し、数多くのおまけ要素とともに可愛らしい冒険にまとめ上げた作品だ。

ビジュアルが改善され、初のフルボイスによるストーリーシーンが実装された『牧場物語 Let's！風のグランドバザール』は、技術的な面では現時点でのシリーズ最高傑作である。さらに、移動手段はよりダイナミックになり、明るく活気のある町を探索できるようになり、市場の露店というまったく新しいメカニズムが加わったことで、他の面でも最高の『牧場物語』作品となっている。

『牧場物語 Let's！風のグランドバザール』はまるで温かい抱擁のような作品だ。しかし、その一方で、同シリーズが自ら礎を築いたジャンルに遅れを取らないためには、適応と変化が必要なことを思い起こさせる作品でもある。

『牧場物語 Let's！風のグランドバザール』はどこかありきたりな印象が残った。本作の楽しみ方がわかっているプレイヤーならこの冒険に失望することはないだろうが、その日課に楽しみを見い出せない新牧場主は少し物足りなさを感じるかもしれない。本作での田舎暮らしは万人向けではないが、決して悪いものではない。