
2026年3月20日から22日にかけてホラーアートを展示するイベント「コワイモノ展ゾクゾク」が開催されました。ところは東京都千代田区飯田橋、廃校跡地の地下階で行われたイベントでは注目ホラータイトル『散歩 WALK』の最新デモが公開されました。
本記事では、『散歩 WALK』のプレイレポを中心としたイベントレポをお届けします。
大幅パワーアップを遂げた『散歩 WALK』最新デモ
オフィスビルが立ち並ぶ飯田橋、その一角にある、学校跡地の飯田橋でっかいレンタルスペース。かつて学校だった建物の地下へと足を踏み入れると、地上の静けさとは裏腹に予想外の人混み。ここが今回の「コワイモノ展」の舞台です。

主催の溶ける魚は、怪談、音楽、絵画、そしてゲームといった多角的な表現で恐怖を追求するエンターテインメントサークル。第3回となる今回は、総勢44組のクリエイターによる作品が並べられ、濃密な空間が形成されていました。
ゲーマーとしての目玉展示は、Kazumi Games studiosによるホラーゲーム『散歩 WALK』の展示です。

本作は、PS1時代のビジュアルを彷彿とさせるローポリゴンで描かれた日本を舞台に、小学生の少女が家を目指して進むステルスホラーです。昨今のローポリホラーブームの立役者であるローポリホラーコミュニティ、The Haunted PS1が2021年に公開したアンソロジー『Demo Disc 2021』の一作としてデモが初公開され大きな話題を呼び、2025年にはクラウドファンディング達成、今夏に何かがあると予告されている注目作です。

今回の展示スペース「散歩~歪んだ学校~」は、単なる試遊台の設置に留まりません。一室丸ごと専用のスペースとなっており、雰囲気たっぷりの照明、背景にはゲーム映像が流され観客も楽しめるインスタレーションとなっていました。試遊可能なステージも学校と、本イベントにあつらえたようにピッタリです。さらに、ゲームを開始すると展示室と同じレイアウト、照明の部屋からスタートするという演出も面白いものでした。


『散歩 WALK』は三人称視点のローポリホラーアドベンチャーで、小学生の少女を操作して進みます。時折、怪異が登場するため、その際は目を盗んで隠れ、逃げなければなりません。こうしたゲームプレイは2021年の旧デモと変わりありません。

一方で、ビジュアル面は大きな向上を感じました。旧デモではPS1の絵作りを参考にした荒い解像度、のっぺり貼り付けたテクスチャ、痛んだVHSのような画面が不気味な雰囲気を生み出していました。新デモでは、レトロなローポリ表現はそのままにややハイファイな画質に引き上げられ、とくに少女の顔はトゥーン調に描かれ、目の動きまで分かるようになっています。

旧デモからの大きな改善点が、少女のモーションです。たとえば、たまに少女が画面上部を見るように首を傾ける仕草があり、何か潜んでいるのではないかという恐怖をそそります。その他にもプレイヤーの操作とは別に場面場面で細かな挙動を見せ、動きも滑らかなため、独自の意思を持った少女を操っているような不気味さがありました。

また、本作は初期『バイオハザード』シリーズのように固定カメラなのですが、学校内では高い視点が多く、画質もあいまって監視カメラ越しに見ているような感覚があります。固定カメラとホラーの相性のよさといえば画角の外が見えないため、曲がり角を曲がるような恐怖を常に味わえる点でしょう。『散歩 WALK』も巧妙にこのトリックを駆使しており、予想だにしない場面もあれば、何かあると思えば何もない場面もあり、緩急織り交ぜて絶え間ない緊張感を与えてくれました。

今回の試遊は6分間と短いものでしたが、校内を探索しカギを見つけ脱出を目指すという一連のゲームプレイは味わえました。並外れたこだわりを感じるビジュアルに、死角がもたらす想像上の恐怖と、期待以上の仕上がりです。本作は現時点でリリース日は未定ですが、公式SNSでは今年夏に何かがあることが示唆されているため、ホラーファンならばチェックして損はないのではないでしょうか。

体で味わう濃密ホラー体験
会場内には、様々なホラー作品が待ち受けています。目で見て楽しむだけでなく、実際に体験できる展示もあり、貴重な場と言えるでしょう。


メイン展示室は様々なクリエイターによる作品が一堂に会しており、カワイイものもあれば呪物としか言いようのないものもあり、目を楽しませてくれます。購入できるものもあり、家に持ち帰れるのも素敵ですね。また、ホラーではお馴染みドローンミュージックも流れ、雰囲気を盛り上げてくれます。



ホラーコミック愛読者としては懐かしい漫画誌「サスペリア」「ホラーM」グッズが販売されているのも嬉しいところでした。テレカを何年ぶりに見たことか、思い出すことさえできません。

「ホラーM」といえば映画化もされた名作「ミスミソウ」ですが、その作者である押切蓮介氏による「伏魔殿」という一室丸ごと使った空間も見物でした。暗い部屋にところせましと怪物が描かれ、踏み入れた者を見つめてくれます。悪夢めいた様相ながら、どこか叙情的な氏の世界観を全身に浴びられる希有な機会でした。



一ヶ月後に呪われるそうなので、筆者も4月20日には危ないかもしれません。
さて、他にも撮影禁止エリアがいくつかあり、ここまで紹介してきたのは全体のおよそ半分と、大満足の展示会でした。これまで、コワイモノ展は2025年の春、秋、今回と年に二回ペースで開催されています。次回は未定ですが、ホラーファンならば足を運ぶのもよいのではないでしょうか。











