Game*Sparkレビュー:『プラグマタ』―5年間、待っていて良かった。丁寧に描かれる「人」と「アンドロイド」というテーマ、そしてハッキングを活かしたアクションは見逃せない | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

Game*Sparkレビュー:『プラグマタ』―5年間、待っていて良かった。丁寧に描かれる「人」と「アンドロイド」というテーマ、そしてハッキングを活かしたアクションは見逃せない

「ディアナ」の可愛さは、それだけで探索のモチベーションになる。

連載・特集 Game*Sparkレビュー
Game*Sparkレビュー:『プラグマタ』―5年間、待っていて良かった。丁寧に描かれる「人」と「アンドロイド」というテーマ、そしてハッキングを活かしたアクションは見逃せない
  • Game*Sparkレビュー:『プラグマタ』―5年間、待っていて良かった。丁寧に描かれる「人」と「アンドロイド」というテーマ、そしてハッキングを活かしたアクションは見逃せない
  • Game*Sparkレビュー:『プラグマタ』―5年間、待っていて良かった。丁寧に描かれる「人」と「アンドロイド」というテーマ、そしてハッキングを活かしたアクションは見逃せない
  • Game*Sparkレビュー:『プラグマタ』―5年間、待っていて良かった。丁寧に描かれる「人」と「アンドロイド」というテーマ、そしてハッキングを活かしたアクションは見逃せない
  • Game*Sparkレビュー:『プラグマタ』―5年間、待っていて良かった。丁寧に描かれる「人」と「アンドロイド」というテーマ、そしてハッキングを活かしたアクションは見逃せない
  • Game*Sparkレビュー:『プラグマタ』―5年間、待っていて良かった。丁寧に描かれる「人」と「アンドロイド」というテーマ、そしてハッキングを活かしたアクションは見逃せない
  • Game*Sparkレビュー:『プラグマタ』―5年間、待っていて良かった。丁寧に描かれる「人」と「アンドロイド」というテーマ、そしてハッキングを活かしたアクションは見逃せない
  • Game*Sparkレビュー:『プラグマタ』―5年間、待っていて良かった。丁寧に描かれる「人」と「アンドロイド」というテーマ、そしてハッキングを活かしたアクションは見逃せない
  • Game*Sparkレビュー:『プラグマタ』―5年間、待っていて良かった。丁寧に描かれる「人」と「アンドロイド」というテーマ、そしてハッキングを活かしたアクションは見逃せない

2026年4月17日、カプコンがおくる完全新作のSFアクションアドベンチャー『プラグマタ』が遂にリリースとなります。2020年の発表から発売延期を重ね、5年越しのリリースとなる本作。アンドロイドの少女「ディアナ」とともに、ハッキングを駆使しながらの探索や戦闘が特徴です。

本記事ではそんな『プラグマタ』のハッキングを活かした探索と戦闘、豊富なビルド要素やストーリーなどあらゆる要素に着目したレビューをお届け。なお、レビューにあたってはカプコンよりコードの提供を受けており、記事内のスクリーンショットおよびプレイ内容はSteam版のものとなります。

幾度の発売延期を乗り越え、遂にリリースされる『プラグマタ』

『プラグマタ』はカプコンが手掛ける、完全新作のハッキングSFアドベンチャー。ルナフィラメントと呼ばれる素材の発見により、あらゆるものが3Dプリントできるようになった近未来の月面研究施設を舞台に物語が展開していきます。

作品の本題に入る前に、『プラグマタ』はリリースされるまでに紆余曲折があったことも語らなければなりません。本作が初めて発表されたのは2020年の6月、PS5やXbox Series X|Sら次世代機にも対応した大型タイトルとして、『バイオハザード ヴィレッジ』と同時期に存在が明らかとなりました。


当初は2022年のリリースが予定されていたものの、度重なる発売延期により大幅に発売が遅れ、2026年に遂にリリースとなりました。実に5年の月日が経過してしまっていますが、ゴールド達成の報告を聞いたときや、リリース時期が前倒しになったニュースを聞いた時には「やっとリリースできるんだな、良かった」という率直な感想を抱きました。

そんな本作で、プレイヤーは月面施設を訪れた宇宙飛行士姿の主人公「ヒュー」を操作します。しかし、ヒューたちのチームが調査を進める最中、月では月震と呼ばれる災害が発生。調査チームはヒューのみが唯一の生き残りとなってしまうだけでなく、施設を管理していたAIのIDUSも暴走し、崩落に巻き込まれて深手を負ってしまいます。

そんななか、ヒューは施設に取り残されていたアンドロイドの少女「ディアナ」と出会い、彼女の手助けによって一命を取り留めることに。そこから二人は協力し、この施設から脱出して地球へ帰還することを目指します。

主人公のヒュー
アンドロイドのディアナ

月面上にはプレイヤーの拠点となるシェルターだけでなく、地球の大規模な都市を再現したエリアや、3Dプリンターによって生成された植物が生い茂るエリア、資源を採掘するエリアなどさまざまなステージが登場し、各地には人々の通信記録なども残されています。管理AI「IDUS」の暴走やディアナという存在、そして月に隠された秘密が次第に明らかになっていきます。

本作の大きな特徴は、ディアナの能力によるハッキング。施設内のシステムをハッキングすることでロックを解錠したり、オブジェクトを動かしたりとあらゆる場面でその力が必要になるほか、後述の戦闘でもハッキングは重要な要素です。

探索やストーリーで描かれるディアナとの「成長物語」は細かな描写にも注目

本作ではヒューとディアナ、二人が互いの力を合わせながら地球へ帰還する術を探すストーリーが展開されます。「大人と子供のバディ」や「管理AIの暴走による監視・支配」といったテーマはSFをはじめとしたあらゆる作品で見られる、一見すれば“ありがち”とも言えるテーマではありますが、本作ではカットシーンや会話の中などで細かな描写を敷き詰めることによって、作品のクオリティをありきたりなものから大きく押し上げていると言えるでしょう。

特に注目したいのは、ヒューとディアナの会話や掛け合い。拠点となるシェルターのなかでは、ディアナと会話を交わしたり、かくれんぼなどをして遊んだりとさまざまな交流が可能です。会話のバリエーションも多く、遭遇した敵やシチュエーションなど物語の進行度合いに応じた会話が用意されているのも嬉しいポイント。ディアナが絵を描いて渡してくれることもあります。

会話の中では、アンドロイドであるディアナと人間であるヒューとの間の、認識や価値観の違いが現れているような場面も。ヒューが時計を見つけ、“小腹が空く時間”と食事に関するに話題になった時に、ディアナは「人間は一日に何度も食事をとる必要があり、非効率的」との反応を示します。

しかし一方のヒューは、食事には栄養を摂る目的だけでなく、ともに食卓を囲む人との会話など、“心の栄養”になることをディアナに教えます。

誕生日の話題では“劣化することを祝う”ことに疑問を抱くディアナのアンドロイドならではの視点や、ニューヨークや遊園地など地球上に存在していた物や場所についての話題など、ディアナは知らないことだらけ。そんなディアナの些細な疑問にも、ひとつひとつ向き合ってさまざまなことを教えていくヒューとの関係性はまるで父と娘のようで、エモーショナルかつ微笑ましいものになっています。

これまでのインタビューでは、本作の物語のテーマとして「何を、どこまでを基準に“人間”と呼べるのか」という問いがあることが語られていました。実際に本作のストーリーでは、ヒューとディアナの会話や細かな描写などから、人間とアンドロイドという存在や、双方の認識と考え方の違いなどがしっかりと描かれています。


また、フィールド上にはアースメモリと呼ばれる、地球上のものを再現した収集物が各所に散りばめられています。アースメモリはシェルター内に展示することができ、一定の数を揃えることで部屋など一つの空間が完成します。クレヨンや風船など、アースメモリはディアナにプレゼントすることが可能で、「もっとディアナの喜ぶ反応が見たい……!」とマップをくまなく探索するモチベーションに繋がっているのも良い設計だと感じました。

そのほか、二人のやりとりで印象に残ったのはハイタッチをするシーン。体験版でも登場した最初のボス、セクターガードを見事に撃破した後、ヒューは「うまくいった時はこうするんだ」とディアナにハイタッチの仕方を教えますが、このハイタッチはその後のさまざまな場面でも登場します。

最初はヒューがディアナの手を引っ張るように合わせていましたが、二人は時間を共にするにつれ、ディアナの方からも手を合わせるようになるなど、信頼や絆が段々と深まっていったことが描写されています。ヒューとディアナの関係は「父が娘を守る」ように一方的なものではなく、お互いの関係は対等で、互いに必要としあっているのです。

探索面でもヒューとディアナが力を合わせる場面は数多く存在し、ヒューはスラスターを用いたジャンプやダッシュで高所や離れた場所への移動が可能なほか、ディアナはハッキングによって足場を動かしたり、ロックを解除したりとあらゆるサポートを行います。

前述のアースメモリをはじめ、研究施設で働いていた職員が残したレポートやメール、施設の案内といった読み物コンテンツや、スクラッチをするのに必要なコインなどさまざまな収集要素がフィールドには散りばめられています。新たな能力を獲得することで過去のステージの行けなかった部分も進めるようになり、繰り返し遊べるような設計になっているだけでなく、それぞれのエリアにどれだけ収集要素が残っているのかなど、探索度を確認できるのも嬉しいポイントです。

読み物にはヒントが隠されていることも

スクラッチはキャビンコインと呼ばれるコインを集めることで挑戦可能で、敵の情報を確認できるようになるほか、ヒューとディアナの着せ替え用コスチュームといった報酬も用意されています。また、ステージの中にはカードキーを所有していることで入れるチャレンジ要素のようなエリアも。

カモフラージュによって隠された壁を通り抜けれるような場所もあり、探索が単調になりにくいような工夫も各所で見られます。

ハッキングを活かした戦闘と、散りばめられた「単調さ」への工夫

本作での大きな特徴でもあるハッキングは、探索だけでなく戦闘でも重要な要素となってきます。まず、本作では4つのカテゴリに分類されたさまざまな武器を組み合わせながらの戦闘が繰り広げられますが、敵は装甲に守られており、通常の銃撃ではほとんどダメージが通りません。

そこでディアナが敵にハッキングを行うことで敵の装甲が開き、ダメージが通るように。一部の敵やボスには弱点が存在しており、より効率的にダメージを与えられます。

ハッキング中にはノードと呼ばれるマス目を通ることで、ハッキング成功時のダメージ増加や防御力低下、複数の敵をハッキング状態にするなどさまざまな効果が獲得できます。

どのハッキングノードを持ち込むかはプレイヤーが出撃前に選択できるので、「ここは複数体に効くハッキングノードにしよう」「ボス戦は攻撃のチャンスを作り出せる組み合わせにしよう」などシチュエーションにあわせた柔軟な対応をとれるようになっています。

武器は4つのカテゴリに分類された武器種のなかから選択が可能となっていて、一度入手したものはシェルターで生成できるように。ショットガンのように近距離で高ダメージを叩き出す「ショックウェーブガン」や敵を足止めする「ステイシスネット」、デコイを投影して誘導や時間稼ぎができる「デコイジェネレーター」など、ストーリーの進行にあわせてさまざまな武器が登場します。

また、拠点では武器の生成やアップグレードだけでなく、ヒューの耐久力や攻撃力、ディアナのハッキング能力など、強化素材を用いることで強化が可能です。

なかには新たな機能をアンロックするものもあり、ジャスト回避やオートハッキングなど戦闘の操作性が大きく変化するものも。モジュールチップと呼ばれる強化では複数のパッシブスキルを選択でき、ここでも生命力や火力、ハッキング能力などを伸ばせます。

全体としてあらゆる要素が存在することでビルドの自由度が高く、ハッキングによるダメージをメインにしたり、ハッキングは最小限に銃撃戦を仕掛けたりと、自身の好みにあわせたプレイスタイルで戦うことが可能です。

近接攻撃を仕掛けてくる敵もいれば、遠距離から攻撃してくるタレット、ビルより大きい超巨大なボスなど、敵の種類や攻撃方法、その対処法はさまざま。なかにはバリアを展開してハッキングを無効化してくる敵や、パズルの盤面が複雑でハッキングをするのが難しい敵などもみられます。

プレイヤーができることが段階的に増えていくなど、「単調になりすぎない」ような工夫が各所に散りばめられていますが、「ハッキングをして銃撃、ハッキングをして銃撃…」というサイクルや敵のバリエーションの数など、ユーザーによっては飽きを感じてしまうかもしれません。

また、複数体の敵に囲まれた時には「回避するのが精一杯で、ハッキングどころではない!」「せっかく装甲を弱体化したのに、効果時間が切れてしまった……」となるシチュエーションや、狙った敵にハッキングができずに細かなストレスを感じてしまうような場面も。

もし戦闘でやられてしまっても、拠点に戻って強化や装備の見直しをすることで試行錯誤が楽しめますし、熾烈な攻撃のボスに何度も挑戦して倒せたときの達成感はひとしお。ハッキングをしながらの戦闘は忙しく、慣れるまでは大変ですが、その分しっかりとプレイヤー自身が成長を感じられ、達成感を得られるような設計になっているといえるでしょう。

総評

今回は『プラグマタ』のレビューをお届けしてきました。重厚なストーリーのほか、探索の合間合間に挟まれるディアナとの会話など、とにかくヒューとディアナそれぞれが丁寧に描かれています。ディアナの反応も無邪気な子供のように可愛らしく、そんなディアナのもっと喜ぶ反応が見たい!と探索のモチベーションに繋がるのも良い設計と感じました。

また、探索面では「行けそうで行けない」場所のデザインが巧妙で、試行錯誤をしたり、先に進んで後で戻ってきたりと、繰り返し遊べるようなデザインにもなっています。ロケーションや読み物コンテンツも種類が多く、探索において単調になりにくいような工夫がみられます。

戦闘面ではハッキングを活かした新感覚ともいえるスタイルが特徴で、自身でデバフの効果を選んだり、武器を使い分けたり、アップグレードの配分を決めたりと、自身のプレイスタイルにあわせた自由なビルドを構築できるだけでなく、シチュエーションに合わせた柔軟な対応も可能です。ハッキングと銃撃のバランスについてもどちらかが強すぎるということもなく、丁度よく調整されていると感じました。

しかし、各所で「飽きさせない工夫」が見られますが、人によってはハッキングと射撃のサイクルや、敵のバリエーションを“単調”と感じてしまうかもしれません。また、複数体の戦闘などは防戦一方になってしまったり、ハッキングの狙いを定めるのが難しかったりと、細かなストレスとなってしまう場面も。

とはいえ、全体として見ると作品のクオリティはかなり高く、何よりもディアナが可愛い。「発売まで5年間、待っていて良かった」と言えるような作品に仕上がっています。

Game*Spark レビュー『プラグマタ』 PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ2 2026年4月17日リリース(PC/PS5/Xbox版)

重厚なストーリー、そしてハッキングを活かした戦闘や探索は体験する価値アリ。

GOOD

  • ヒューとディアナ、ふたりの成長物語
  • 近未来SFの素晴らしいデザインと、ディアナの可愛さ
  • ハッキングを活かした新感覚の戦闘
  • 豊富なビルド要素

BAD

  • ハッキングと射撃のサイクルを“単純作業”と感じてしまうおそれも
  • 複数体と戦闘する際の操作性

ライター:kurokami,編集:みお



ライター/チャーシュー麺しか勝たん kurokami

1999年生まれ。小さい頃からゲームに触れ、初めてガチ泣きした作品はN64の『ピカチュウげんきでちゅう』です。紅蓮の頃から『FF14』にどハマりしており、Game*Spark上ではのFF14関連の記事を主に執筆しています。

+ 続きを読む

編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top