
全国1億人のレース愛好家の皆さん、今日も自分の愛車を走らせているでしょうか。筆者もゲームの世界で首都高を走ったり、山奥をラリーカーで爆走したり、鈴鹿サーキットをF1マシンでタイムを削る戦いを楽しんだりしています。
そんな筆者の元に、とあるオファーが舞い込んで来ました。それは『MotoGP 26』への招待状です。本日5月28日には、PS5向けにパッケージ版が発売しました。
本作は、二輪車レースの最高峰である「MotoGP」を忠実に再現したオフィシャルゲーム。そんなゲームについて書くべく、筆者は車からバイクに乗り換えることになりました。いざ、新たなレースの戦場へと向かいましょう。

操作モードが2つあることの意味
さて、筆者は「MotoGP」や二輪車については、正直なところあまり詳しくありません。MotoGPが二輪車レースの最高峰であること、確かYAMAHAがバイクを作っている……それくらいの知識です。
リアル志向な車のレースゲームはかなりの数を遊んできたと自負していますが、バイクを題材としたレースゲームは、昔ゲームセンターで何個か少し遊んだ程度。家庭用ゲーム機で遊んだタイトルは記憶の中では、ほぼありません。リアル志向のものであれば尚更です。

そんな筆者でも、本作でレースの楽しさを体験できるのかという疑問は、すぐに問題ないと確信が持てました。
チュートリアルで教わることは本当に最低限も最低限なものですが、逆に言えばそれだけ守れば、誰でもバイクを走らせることができるという内容です。
その最大の理由は、「ゲーム体験」オプションの存在。ここで「アーケード」と「プロ」の2項目の内どちらかを選べるのですが、「アーケード」を選ぶことで、すぐにバイクを爽快に走らせられるのです。
逆に「プロ」を選んで試しに走ったところ、第1コーナーすら曲がりきれず転倒しました。それほどまでにバイクの操作は難易度が高いのですが、「アーケード」を用意することで難しい部分をばっさりカットし、バイクでレースを楽しめるところをまずフューチャーしているのは、とても好印象です。
なお、「アーケード」モードでは機械制御の設定もオートでやってくれます。なので走ること以外の全てを考える必要はありません。
一方で、「プロ」は機械制御の設定も自分で調整可能。そういう意味ではMotoGPのマシンを忠実にシミュレートして操作できる楽しさも、またあると思います。筆者はその領域にはまだまだ辿り着けそうにありませんが……。
また、CPUの難易度は自動可変式にデフォルトで設定されています。自分のプレイに合わせ、ギリギリ勝てるか勝てないかくらいの難易度に調整されているので、常に緊迫したレースを楽しむことができますし、その厳しい戦いを勝ち抜き優勝した喜びもまた格別です。

そして本作は、モードも充実しています。単発でのレースを体験できるものもあれば、実際のMotoGPに合わせ世界のレース場を点々と走り続ける選手権モードや、マルチでのオンライン対戦もしっかり完備。
その中でもソロプレイヤーの目玉といえば、「キャリア」モードでしょう。



「キャリア」モードは自分の分身を作り上げ、MotoGPのライダーとして人生を歩んでいくモード。本作ではスタートのキャリアを最高峰のMotoGPにするか、Moto2/3の下位カテゴリからスタートするか、どこのチームに所属するかも好みで設定できます。
初心者である筆者は、「Moto3」から始めました。もしレースに自信がなければ、ぜひMoto3から遊んでみて下さい。下位カテゴリでも時速200km/h以上は余裕で出るので、退屈なレースになることはありません。


また「キャリア」モードでは、自分の発言の選択やレースの結果で、マシンが開発されていきます。
自分の愛車をどう進化させていくのか。それは自分である程度コントロールできるので、操作感を大事にするのか、レースに勝つために最高速を伸ばすのか、選択によって長い選手人生の戦いやすさも立ち回り方も変わっていくでしょう。
マシンの話でもう一つ大事なのは、セットアップです。自動車レースゲームでもセットアップをすることで自分好みの走りやすい設定にすることが可能ですが、それは『MotoGP 26』にも当然あります。
ただしマシンセットアップがあるのは「Pro」モード時のみ。そういう意味でも、「アーケード」モードは難しい要素をとことん削ぎ落としているといえます。

そしてマシンセットアップも、2パターンが用意されています。自分で細かに設定するか、エンジニアに相談する「ガイド付きセットアップ」機能です。
ガイド付きセットアップは、選ぶと「今のマシンには何が問題か」と尋ねられるので、その質問に答えるだけで自動的にマシンを調整してくれるというもの。
これまで多数の自動車ゲームを遊んできた筆者は、ガイド付きセットアップのように感覚的に問題点は指摘できるが、それを実際の愛車のセットアップに反映できない人にとってはとても良い試みだなと感じました。


さて、本作のメイン部分であるレースをある程度コースを遊んだ4つの感想について述べていきましょう。
まず、「デッドヒートが自動車レースの比じゃない」ことについて。当たり前ですが車は大きいです。


サーキットのコース場で横並びできるのはよくて3台程度で、普通のレースの場合は2台で競り合うことが多くなります。さらに車の大きさを利用し、理想のラインを塞いでしまうことも、自動車レースにおいて重要でありよく見られる光景です。
しかし二輪車は、自動車より圧倒的に小さい。つまり横並びも簡単にできるし、小さいので車体を利用したブロックもできません。
その結果何が起きるかと言うと、少しでもコーナーの処理が遅れれば抜かされ、タイミング悪くアクセルを回せなければ次のコーナーで追い抜かれます。無数にデッドヒートの回数が発生するため、息をつく暇が全くありません。

そして「ブレーキポイントを少しでも遅くするとコースアウトする」というのも実感しました。自動車は重いため、多少ブレーキを踏むタイミングが遅れても、大回りすることはあってもコースアウトすることはあまり多くありません。
しかし、バイクだとそうはいきません。ブレーキを強くできる要因はせいぜい人間が身体を大きく起こして、風を真正面から受け止めるくらいしかないため、少しでもブレーキポイントが遅れると一瞬でコースアウトして転倒してしまいます。このシビアさは自動車レースにはない厳しさだと感じました。
さらにそれに付随して、「荷重移動のリアルさ」がやってきます。車と違い、バイクは人間が身体を起こす・傾けることで、コーナーの舵角を稼いだり速度を抑えたりしています。
そのため、人間が荷重移動しないとコーナーを曲がったり止まれなかったりするのですが、そのタイムラグやコーナーへの侵入の仕方に、とてもリアリティが生まれていました。実際に遊ぶと、そのリアリティを実感してしまうのです。

そして最後に言いたいのは、「Dual Senseとの相性の良さ」。
今回、筆者はPS5で『MotoGP 26』を遊んだところ、タイヤが浮いたりタイヤの設置感がなかったりする際、アクセルボタンであるR2を押すと一瞬軽くて、地面に着地した瞬間重くなりました。この感覚で「本当に今、自分はバイクでコースを走っているんだ」となり、没入感が増すのです。
なお、綺麗に速くバイクを走らせるのはとても難しいものの、荷重移動やバイクを上手く走らせるための「レースオフ」モードが用意されています。普段のMotoGPマシンと違う、オフロードバイクや市販のバイクを使ったレースも楽しめるので、そちらで腕を磨くのもオススメです。
ドッグファイトを楽しみたい人はうってつけ
今回、初めて二輪車レースゲームを本格的に遊んだ筆者の感想としては、「レーサーとのドッグファイトって、こんなにも頻繁に起こるんだな」ということでした。
とにかくサイドバイサイドのデッドヒートが1レース中に何度も発生して、それをどう捌いていくのかが楽しく感じます。

決して簡単なレースゲームではないけれど、バイクを上手く乗りこなせた時の快感、接触も伴うくらい激しい戦いを乗り越えた先の表彰台は、自動車のレースゲームとはまた違う満足感を抱けるでしょう。
『MotoGP 26』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoftストア)/PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ2/ニンテンドースイッチ向けに配信中。本日5月28日より、PS5パッケージ版も発売中です。
¥6,552
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)













