「50万本売れなければ解散の危機」、その結末は―『Mina the Hollower』開発元Yacht Club Gamesインタビュー。「最初のボス」と「ラスボス」の秘密、そして"新たな次元"とは【ネタバレあり】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「50万本売れなければ解散の危機」、その結末は―『Mina the Hollower』開発元Yacht Club Gamesインタビュー。「最初のボス」と「ラスボス」の秘密、そして"新たな次元"とは【ネタバレあり】

6年もの開発期間を経てついにリリースされた『Mina the Hollower』。開発メンバーに現在の心境や今後の展望などを聞いてみました。

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「50万本売れなければ解散の危機」、その結末は―『Mina the Hollower』開発元Yacht Club Gamesインタビュー。「最初のボス」と「ラスボス」の秘密、そして
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本稿は、シナリオやゲーム内容についての記述が多く含まれます。

閲覧の際は、ネタバレに十分ご注意ください。

2026年5月29日に、かつて『ショベルナイト』を手掛けたYacht Club Gamesより、新作アクションRPG『Mina the Hollower』が発売され、約1か月が経過しました。

本作は発明家で穴掘り師の「ミナ」が主人公の見下ろし視点のアクションRPGです。ミナが過去に開発した「スパーク生成装置」によって発展を遂げ、現在は旧友のライオネル伯爵が統治するテナブラス島を舞台に、発生してしまったスパーク生成装置の問題を解決すべく立ち回ります。

この度開発メンバーにお話を伺う機会が得られましたので、本稿では現在の率直な感想や本作のこだわり、今後の展望などを語っていただきました。質問の後半には本作の終盤の展開についてしっかりと語っていただいている部分もあるので、まだ未プレイという方はご注意ください。

◆ドット絵の可愛いグラフィックに『怖い』を感じ取ってくれたことが嬉しい

――『Mina the Hollower』の発売から一ヶ月ほどが経過しました。Steamでの売れ行きはかなり高く、またレビューも「非常に好評」と評価も高めとなっています。現在の率直な気持ちはどういったものでしょうか。

Yacht Club Games6年という長い開発期間を経て、ついに『Mina the Hollower』をリリースできたことが今でも信じられません! ゲームに対する皆さんの反響や、非常に多くの方々がプレイして楽しんでくれている姿を見て、私たちは言葉にできないほど歓喜しています。ようやくこのゲームを世に送り出すことができ、そしてこれほど温かく受け入れてもらえたことに、大きな手応えと喜びを感じています。

――ところで、50万本売れなかったら会社の解散が見えるとのことでしたが、正直なところ解散せずに済みそうでしょうか?


Yacht Club Gamesひとまずはもう安心と言っていいと思います。一時はハラハラする状況もありましたが、『Mina』に対する素晴らしい反響のおかげで、私たちのスタジオはこれからもゲームを作り続けられることが確実になりました。

――プレイヤーの反応で特に印象に残ったものなどはありますか?

Yacht Club Gamesドット絵の可愛らしいグラフィックであるにもかかわらず、プレイヤーの皆さんが実際にゲームを「怖い」と感じてくれていることに、喜びと同時に少し驚きもありました。私たちが仕掛けた恐怖や、ゲームの持つ恐ろしい雰囲気がしっかりと伝わっているという事実は、本当に嬉しい限りです。

――本作はGB~GBC時代の作品であるゼルダの伝説シリーズの『夢をみる島』や『ふしぎの木の実』からのオマージュやリスペクトが強く感じられました。この時代のスタイルを選んだ理由などがありましたら教えていただけますか。

GBC『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章』

Yacht Club Gamesファミリーコンピュータ(NES)へのオマージュだった『Shovel Knight(ショベルナイト)』の開発を終え、私たちは自分たちの可能性をさらに広げたいと考えました。そこで、前作よりも少し後の時代に登場し、異なる技術的制限を持ったハードウェアとして、ゲームボーイカラーを選ぶことにしたのです。

私たちは制限の中で開発を行うことが大好きです。なぜなら、それがより豊かなクリエイティビティ(創造性)を引き出してくれるからです。それに、私たちはあの時代のビデオゲームが特に大好きなので、今回の選択はごく自然な流れに感じられました。

――また、ゲームサイクルとしてはソウルライクのようなプレイフィールを感じました。ゲームボーイ作品にソウルライクを合わせるという設計はどうやって思いつきましたか。

Yacht Club Games私にとって、「ソウルライク」と「ゼルダ」の方程式は非常に似ているものです。その違いを挙げるなら、「ゼルダ」のゲームでは通常、アイテムによって進行が制限されるのに対し、「ソウル」シリーズでは「RPG的な難易度(プレイヤーやステータスの壁)」によって制限される点にあると考えています。

「ゼルダ」からアイテムによる制限をいくつか取り除くだけで、ほぼ自然とソウルボーン(Soulsborne)スタイルの進行構造が出来上がります。これに加えて、今作ではRPGのメカニクスをより深く作り込みたいという私たちの関心が組み合わさった結果、ソウルライクな構造が非常にうまくマッチしたのです。

――「地面にもぐる」という特徴的なアクションをゲームに落とし込む際に苦労した点やこだわった部分などはありますか。

Yacht Club Games潜行(burrow)のアクションに関しては、便利にしつつも、強すぎてゲームバランスを崩さないようにするための調整の連続でした。特に調整に時間を費やしたのは、潜行する前の「ジャンプのタイミング」です。素早く敵の攻撃を回避できるようにしたい一方で、遠くまでジャンプできるようにしたいという思いもあり、この2つのアイデアは時に相反してしまいます。

最終的には、穴を飛び越える際のジャンプの飛距離を長めに設定するなどのちょっとした工夫をいくつか凝らすことで、両方のアイデアをうまく両立させることができました。

――開発には6年近い年月をかけ、非常に難航したと聞いています。開発中に最も苦労した要素は具体的にどのようなものでしょうか。

Yacht Club Games私たちはコロナ禍の真っ只中にこの開発をスタートしたため、新しいチームのメンバー同士を馴染ませるだけでも一苦労でした。

さらに、一度に2つのチームへ開発の集中力を分散させなければならなかったこと、そして私たちにとって未経験のジャンルのゲームを作るという特有の難しさが重なり、開発は困難を極めました。その上、今作の規模は私たちがこれまで挑戦したどの作品よりも大きく、ノンリニアな構造にしていたため、あらゆる工程に途方もない時間がかかってしまったのです。

開発の終盤には、メンバー全員が「早く完成させて(この大変な作業から)解放されたい!」という思いでいっぱいでした。しかし、出来上がった成果を見れば、それだけの苦労を重ねる価値は十分に超えていたと感じています。

――「これだけは絶対に実現したかった」という要素はありますか?

Yacht Club Games本作に盛り込まれたアイデアの多くは、開発者たちの個人的な趣味嗜好から生まれたものです。「鼻の長いキャラクター」を登場させるというアイデアや、「ミナが獣の姿に変身する」というアイデアは、開発チームのメンバーたちが「どうしてもゲームの中でそれが見たい!」と熱望した個人的なこだわりからきています。

条件を満たすと、ミナは巨大な獣に変身することができる。

私個人のことで言えば、ゲームの中にダンスの要素が含まれているのがいつも大好きなので、それが今回の作品にもしっかりと採用されて本当に嬉しかったです。

変身状態でも踊ることができる。こういった細かい部分で手を抜かないのがYacht Club Games。

――エンディングまでクリアしましたが、かなり歯ごたえのある難易度設定だと感じました。幅広いプレイヤーが楽しめるようにするために、ゲームバランスの調整で最も意識した点などはありますか。

Yacht Club Gamesゲームのバランス調整は、アスレチック要素と戦闘要素の両方をチューニングしていく作業の連続でした。私たちは、プレイヤーがトリンケットやサブウェポンを駆使することで、アスレチック要素を少し「ずる」できるように工夫しましたし、戦闘に関しても同様の仕組みを取り入れました。また、多めにレベルを上げることで、戦闘の難易度を下げることも可能です。

最終的に私たちはかなりのテストプレイを重ね、すべてのプレイヤーにとって均等な体験を提供できるよう努めましたが、プレイヤーのスキルレベルには非常に大きな個人差があるため、それはかなりの難題でした。結果として、本当にやりごたえのあるゲームになったと思いますが、同時にフェアな仕上がりにできたと感じています!

――セプテンバーグで襲ってくるボス「カボチャ男」はミナの地下ベースまでも襲ってくるというルール無用な襲撃方法なども含め、私のお気に入りです。開発陣のお気に入りキャラクター(敵も含めて)は誰ですか?

Yacht Club Gamesピクセルアーティストのサンディ・ゴードンが、「サターンヘッド(Saturnhead)」のせいで100回目となる崖からの突き落としを食らった時、「サターンヘッドなんて大嫌いだ!」と叫んだんです。彼が完全に正気を失っているのを聞いて、私たちはむしろ全員が「あぁ、自分たちはサターンヘッドのことが大好きなんだ」と気づかされました。

また、個人的には「スネークナイフ(Snake Knife)」も可愛くて好きですし、「マキシ(Maxi)」もお気に入りです。私はいつだって、主人公を引き立てるライバルのキャラクターが大好きですからね!

◆私たちは「新たな次元」へ進む

――非常に多くの隠されたイベントが存在している本作ですが、まだSNSなどでも広まっていないような隠しイベントは存在しますか?

Yacht Club Gamesまだ誰もネット上でシェアしていない秘密(隠し要素)が、少なくともあと2、3個は残っていますよ! とはいえ、プレイヤーの皆さんの執念は凄まじいですからね。ほとんどの要素はあっという間に見つけられてしまいました! ※6月17日時点での解答です。

――続編やスピンオフといった企画は考えているのでしょうか。

Yacht Club Games私たちは全員、今は少し休息が必要だと感じていますが、頭の中では間違いなく『Mina』の次なる展開について考えています。他にもワクワクするようなプロジェクトをたくさん抱えてはいるものの、『Mina』に対するこれほどの反響を目の当たりにしたことで、今後の可能性についてあれこれと想像を巡らせずにはいられません。

――Yacht Club Gamesとしてのこの先の展望など、もしなにか言えるものがあれば教えていただけますか。

Yacht Club Games私たちは近いうち、大胆にも「新たな次元」へと進み出すことに、今からワクワクしています! ……ですが、現時点でこれ以上お話しできることはありません。

――【かなりネタバレ】一番最初に出てくるボス「冥界のクラーケン」ですが、登場人物の怪物化した姿を考えるに、あれもすでに誰かがライオネルによって怪物化させられてしまっていたということでしょうか。

Yacht Club Games注意深く観察してみると、「冥界のクラーケン(Nether Kraken)」と「ライオネル(Lionel)」の身体(ラスボス形態)の構造が同じであることに気づくはずです! 実はネザークラーケンの中身はライオネルなんですよ。ただ、上下が逆さまになっているだけなんです!

つまり上半身を海に沈めて襲ってきた…?

――【ちょっぴりネタバレ】物語終盤にライオネルによってミナによる道中の悪事が次々と追及されてしまいますが、あれを回避することは可能なのでしょうか。

Yacht Club Games「もしライオネルから責められるような行動をすべて回避することができれば、非の打ち所がないエンディング(blameless ending)を迎えられる方法があるかもしれない」と、プレイヤーの間で噂されているようですね……。


果たして、同作にまだ隠された秘密とは何なのかも気になる『Mina the Hollower』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/スイッチ2/スイッチ向けに発売中です。価格は2,480円です。

ライター:KADEN,編集:Akira Horie》

ライター/三度の飯とゲームが好き KADEN

1986年、横浜に生まれ落ちる。祖父が持っていたPC9800シリーズとFM-TOWNSによって目覚め、Dreamcast版タイピングオブザデッドに教育され、正月に購入したHalf-Life 2とBattlefield 2によって後戻りできなくなる。 最近はゲームにかこつけて料理の記事も上げたりする。

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Akira Horie

編集/『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam/Nintendo Switch好評発売中! Akira Horie

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