
群雄割拠のデッキ構築ローグライト界に、またしても要注目の良作が生まれました。
その名も『Fogpiercer(フォグピアサー)』。霧に包まれた世界で、装甲列車を守り抜くデッキ構築ローグライトです。一方向へと走り続けながら、敵を爆撃し、巻き込んで倒すのが面白い作品でした。
世界は霧に包まれた!フォグピアサーよ、走れ! 巻き込み事故で敵を倒す、ユニークなデッキ構築ローグライト
世界が致死性の霧に包まれ、人々は列車での移動を余儀なくされました。プレイヤーは探索部隊を率い、さまざまな勢力と戦いながら、列車を守り抜くことを求められます。
といった具合で、映画「スノーピアサー」を彷彿とさせる設定の本作。中身は『Slay the Spire』に代表されるデッキ構築ローグライトであり、ターン中に配られたカードを、コスト上限いっぱいまで切っていくという王道の作りです。

とはいえ、単なるクローンでは見向きもされないほど、本ジャンルはすでに名作や良作がひしめき合っています。そんな中で『フォグピアサー』は一風変わった特徴を持っています。
本作は設定通り、列車で雪中を左から右へ駆け抜けていくゲームです。プレイヤーは後ろから、砲撃車・守護車・機関車という構成の装甲車両を守り抜いていく必要があります。
それぞれに耐久力が付与されており、砲撃車を破壊されると攻撃カードが消え、守護車を破壊されると守備カードが消え、機関車を破壊されるとゲームオーバーです。

各ステージに入ると、プレイヤーの走る線路の周りに敵の車両がやってきて、さながら世紀末救世主伝説のモヒカン共のごとく取り囲んできます。ミニガンバギーやドローンバイク、支援車両などさまざまなタイプが存在します。
基本的には行動ポイントを払って敵を攻撃していく"いつものヤツ”なのですが、ユニークなのは、この戦いがずっと走行しながら行われているということ。つまり、前の車両を破壊したら、その残骸は後ろの車両に降り注ぐわけです。

先頭が壊れたら次の車両にぶつかり、その衝撃によって車両が壊れたらまた次の車両にも被害が及び……と、まるで高速道路の玉突き事故みたいに甚大な被害が出るのです。
もちろん、これはプレイヤーの車両も例外ではなく、目の前に割り込んできた敵の車両を破壊したら、その残骸は機関車に降り注ぐので注意が必要です。

敵の数は多く、常に火力はまったく足りないのですが、玉突き事故を起こしまくることで、なんとか全滅させるのが楽しいですね。そもそも、砲撃車から発射できる攻撃カードに敵同士をぶつける効果もあるし、敵を動かして同士討ちさせるのも基本戦術な上、時折前方から障害物が流れてくるなど、筆者のような環境キル大好きゲーマーにとっては涎が出る要素がてんこ盛りです。
前後移動で敵の攻撃を避けたり、シールドを張ってからわざと自分の列車にぶつけたりと、取れる戦術はたくさんあり、毎回「こうすれば良かったかも」が発見できるのも嬉しいポイントです。

また、この手のゲームにしては珍しく必殺技もあります。
それが「運転士ゲージ」。特定の条件をこなすと左上のゲージが溜まっていき、非常に強力な使い捨てのカードを切ることができます。
絶体絶命のピンチのときに運転士ゲージを切り、危機を凌いだときは脳汁出まくりッ!
ゲージを使用するときも、車掌弁から垂れ下がる紐を引くアクションが必要で、これまたフレーバーと合致していてグッドですね。

運転士も現時点で4人実装されており、どれもユニークで面白いです。
カード数はそこまで多くなく、似たような場面が多いにもかかわらず、リプレイ性は非常に高くてついついやってしまう魅力があります。ただ、入れないと勝てないレベルで重要なカードが何枚かあるのは気になるところですが……。

派手なコンボや、笑えるほど強いシナジーは一切ありませんが、じっくりと楽しめること間違いなしの1本でした。パチンコ系ではない、王道デッキ構築ローグライトの滋味深い味わいを堪能したい方はぜひ!

『フォグピアサー』は、PC(Steam/GOG/Microsoft Store)にて、7月18日よりリリース予定です。
¥11,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)













