
2006年に1作目が発売された任天堂に『リズム天国』シリーズ最新作『リズム天国 ミラクルスターズ』がニンテンドースイッチ向けに発売されました。
前作から9年、完全新作としては15年ぶりの新作、果たしてどのような内容となっているのか。本稿ではシリーズを全て遊んだ筆者が一人用モードをクリアしたうえで、良かった点や今までのシリーズ作からの変更点等をレビューしていきます。
ボリューム、やり込み共に"最高"
『リズム天国』シリーズはその名の通りリズムゲームではあるのですが、他のリズムゲーム/音ゲーとは異なり、個々でそれぞれ操作やルールが異なるのが特徴となっています。
今作ではそんなリズムゲームが80以上収録されています。しかもオール新作!ゲームによってはリズムにのって踊ったり、ジャンプしたり、シュールなものだとプリンを崩さないように受け取ったり……どれも『リズム天国』らしい個性豊か且シュールな世界観でリズム天国らしさは十分に失っていない作りとなっています。

また、音楽についても個性豊かな音楽ぞろいでアップテンポでノリノリなものから、スローでムーディなものまで様々。リズム天国らしさを感じたのはノリノリなBGMで隕石を破壊する「ガーディアン」、今までにないジャンルではフレンチ・ポップスなBGMである「パラソル2」など、印象的なものがみられました。

そして、シリーズお馴染みのボーカル曲も多数収録されています。
新規アーティストも多いのですが『リズム天国 ザ・ベスト+』でリミックスを担当したことも印象深い大橋ヒカルさんやHotzmicさん等、懐かしいアーティストもいるのがファン的には嬉しいところです。
前作までは同じ操作方法やシステムのゲームではBGMのアレンジ等が多かったのですが、今作はアレンジも少なくバリエーションについてもシリーズで最多。プレイしていて飽きのない作りとなっています。

また、やり込み要素としてノーミスを目指すパーフェクトチャレンジが今作にも存在します。そして、なんとより難易度の高い、画面表示が真っ暗になるというナイトモードという新モードもあり、やり込み要素は歴代の中でもトップといって良いでしょう。

ノリ感アップのその先へ
今作を語るうえでやはり避けて通れないのは難易度。本作の難しさは、歴代シリーズでも上位に位置するように感じます。その原因はリズムの多様さと操作性にあるといえます。
歴代シリーズでは、序盤は基本的なリズムで構成し、後半以降でテンポアップや変則的なリズムが出ることが多かったのですが、今作では序盤から裏拍や変則的なリズムが登場します。
一番最初のステージとして登場する「輪くぐり」は5拍目でボタンを押すというリズム天国ゴールドの一番最初のステージ「組み立て」と構造は同じなのですが、裏拍や連続リズム等があり、クリアは出来たものの今作は難易度が高いかも……と感じさせました。

しかし、変則的なリズムについても、ノリやすい音楽を合わせてくれる為、プレイしてて楽しいのがポイント!
非常に変則的なリズムが3種類も入っているものの、ノリの良い音楽と「英単語のAに合わせてボタンを押す」という斬新かつシュールなルールで楽しませてくれた「THE A」は特に印象深い作りでした。

また、操作性についても今作は今までのシンプルさとは異なるところがあります。
歴代では2ボタン(タッチ操作であるゴールドは除く)で操作してきたのですが、今作ではゲームごとに十字キーそれぞれ使用する場合があり、操作するボタンは多めです。
しかもステージによって使用する十字キーが異なる為、複数ステージ要素が組み合わさるリミックスでは使用ボタンも多くなります。
場合によっては「リズムは分かるけど操作方法が分からない」という事態も発生するため、ここは歴代シリーズにあった「手軽さ」「シンプル差」を欠いています。

ただ、単純に難易度が上がってるわけではなく、調整された点や救済処置もあります。
まず、ゲームごとの判定について。判定については、少なくとも序盤のゲームのクリア基準点は過去作と比べて甘めに設定されているように感じます。

また、失敗を繰り返すとスキップが可能になったり、一度プレイしたステージはお手本プレイの確認をすることができたりといった救済措置も用意されています。
なので、今作の難易度は「高めではあるが、その分救済処置もある」といった印象です。

リズム天国のアタリマエを見直す
多くのシリーズがそうであるように、『リズム天国』にもシリーズ伝統であるアタリマエの要素があります。
例えばステージ編成。過去作では前半で基本的なステージが全て解放され、後半はそれらのステージの難易度が高いものが出るという形で前半後半が別れていました。
しかし、今作ではそのような編成ではなく、後半でも新作ステージが登場します。

また、リミックスについても2作目のゴールド以降はそれぞれのテーマに合わせたデザイン変更が行われていたのですが、今作ではそれらがごく一部ステージのみに限られます。勿論シリーズ恒例のものが全て撤廃されているわけではないのですが、これらのアタリマエがなくなってるのは今後の自由度の発展や、シリーズ1作目への原点回帰を感じました。

また、今作のゲームの印象として個々のゲームの個性が良くも悪くも際立っているという印象があります。過去作では全体のデザインに統一感がありましたが、本作は個々のミニゲームでデザインやUIが際立っており、統一感は良くも悪くも少ない作風となっています。

シリーズをプレイしていればしている程、今作はそういったアタリマエ外のことが多々発生するので驚きの連続。
一定のリズムでボタンを押す「くっしん菌」では1で出てきた操作が2で一切出てこない作りだったので、ただのアレンジにとどまらないような、『リズム天国』シリーズで感じたことのない驚きがありました。

新たな試み、ビートスペルと音読ちゃん
色々新しい要素がある今作の中でも特に新しい要素と言えるのが新ゲーム「ビートスペル」かと思います。
「ビートスペル」はリズムに合わせてボタンを押すことで技を繰り出すRPG的なモード。属性による有利不利だけでなく、後半に進むと魔法が増えたりパリィができたりと、様々な要素が出てきます。
このモードは過去作にはなかったアドリブ性等を求められながら、『リズム天国』の基本である「リズム感があればクリアできる」という要素を残した非常に面白いモードだなと思いました。

そして、もう一つの新たな要素といえば「音読ちゃん」ですね。今作では表示される文字やゲーム画面で起きている事象を読み上げてくれる機能として「音読ちゃん」の設定が可能です。
筆者は通常プレイ時は切ってプレイしていたのですが、ONにすることで目が不自由なプレイヤーでも楽しむことが出来る良いシステムだと思います。
しかし、ステージによってはゲーム中にセリフを読み上げてしまい、リズムゲームの邪魔になってしまうこともある為、適宜調整が必要という難点もあります。

総評
今作は、『リズム天国』の懐かしさを感じながらも、同時にグレードアップや変化を感じさせる作品だと感じました。「シンプル操作」という点は少し薄れてしまいましたが、一番大事な柱である「ノリ感アップ」という点については色褪せておらず、恒例の要素をあえて崩すことによって、シリーズに新たな風を吹かせています。
もし、まだプレイしていない方は、本作を遊んで「自分のノリ感」というものを見つめなおすのもよいでしょう。"こういう曲は好きだな"とか"こういうリズムは自分は苦手だな"と理解していく体験は、きっと楽しいはずです。
Game*Spark レビュー 『リズム天国 ミラクルスターズ』 ニンテンドースイッチ 2026年7月2日
懐かしくも新しい、より強化されたノリ感アップを目指した新たな一歩
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GOOD
- 完全新作ステージ80以上収録
- ワンパターンではなく、様々なリズムを楽しめる
- パーフェクトモードやナイトモード等やり込み要素も満載
- 一人でモクモクプレイするモードだけでなく対戦協力モードも収録
BAD
- 今までの『リズム天国』を求めてるプレイヤーは違和感があるかも
- 救済処置があるとはいえ、やや高めの難易度













