気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Strange Scaffold開発、PC/XBOX Series X|S向けに7月29日にリリースされた異世界転生トラック暴走シミュレーター『Truck-kun is Supporting Me from Another World?!』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、主人公の乗るトラックにはねられ、異世界へと転生してしまったカリッサを手助けをするため、さらにトラックで町の人をはねて回るという暴走トラックシミュレーター。はねられた町の人はモンスターとなりカリッサの元へ送られ、カリッサはそれを倒して経験値を取得し強化。異世界で「スケルトンキング」の持つ「復活の巻物」を手にすることが目的となっています。記事執筆時点では日本語未対応。
『Truck-kun is Supporting Me from Another World?!』は、2,300円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
XalavierStrange Scaffoldのスタジオヘッドであり、『Truck-kun is Supporting Me from Another World?!』のディレクターを務めているXalavier Nelson Jr.です。
一番好きなゲームを挙げるなら、おそらく『バイオハザード7 レジデント イービル』ですね!この作品は「ゲームの展開をどのように進めていくか」という私の概念に挑戦状を突きつけてくれました。恐怖に怯えながらも、思わぬ展開や出来事が次々と連鎖し、プレイヤーをさらに深い世界へと探索させたくなるような構造になっているのです。また、昔ながらの『バイオハザード』シリーズが抱えていたテンポの問題をどのように克服したかという点も気に入っています。序盤は極限の恐怖から始まり、物語の2/3ほどまで進むと、いつの間にか「戦闘の神」と化しているのです。プレイヤーには常に道具を与え、そしてそれらを奪い去ることで絶対に油断はさせず、「次は一体何が起こるんだ?」と常に疑問を持ち続ける構造が、私がこのゲームを特別視している理由になります。『ドラゴンズドグマ 2』が大好きなのも同じ理由ですね。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Xalavier『Truck-kun is Supporting Me from Another World?!』の特徴はいくつかあります。『クレイジー・タクシー』や『塊魂』の精神的続編を目指しているゲームはたくさんありますが、私たちはそれらの作品からインスピレーションを受けつつも、ゲームプレイの構造とフォーマットにおいてまったく異なるアプローチを見つけ出しました。プレイヤーは1回のプレイの中で多数のモジュール式クエストをこなし、「異世界に囚われた相棒を助ける」というものです。
また本作は、日本の文化を自国のもののように主張したり単にパロディ化したりするのではなく、アメリカを舞台に「異世界」そのものや、特にアメリカのファンがこのジャンルにどう向き合っているかを描いたストーリーとなっています。
そして何より、画面下部に表示される「異世界ウィンドウ」のおかげで、「ハイスピードで2つのゲームを同時にプレイしながら、単一の目的に挑む」という、唯一無二のドライブゲームに仕上がっているのではないかと思います!
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Xalavier間違いなく、本プロジェクトはアニメ(そして日本の名作ゲーム)への愛から生まれました。「トラックくん」というミームそのものから、RPGの定番敵キャラクターの表現、そして2Dアーティストが何時間もかけて作り上げた日本製のビジュアルノベル風ポートレートへのオマージュに至るまで、私たちがこの領域に注いだ情熱と努力が、プレイヤーの皆さんに「リスペクト」と「面白さ」として届くことを願っています。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Xalavier本作はリリースに至るまで、何度もその形を変えてきました。特に私たちのような小さなチームにとって、「オープンワールドのレース、配達、破壊」という要素を独自の手法で作り上げるには、たくさんの試行錯誤が必要だったのです。
ローンチのわずか数ヶ月前、私たちは本作のゲームマップを見て、ある重大な問題に気づきました。「まったく面白くない」のです。見た目が魅力的でも美しくもなく、走っていて退屈そのものでした。
そこで私たちは、苦渋の決断を下しました。立体駐車場をひとつだけ残し、マップ全体をまるごと破棄したのです。その立体駐車場だけが、唯一プレイしていて楽しく感じられる場所でした。私たちはワールド全体のサイズをギュッと凝縮し、単なる「広さ」を追求するのではなく、「そこを走る一瞬一瞬が爽快で、面白い選択肢に満ちていること」を目指した、緻密な1つのエリアへと再構築したのです。
そして嬉しいことに、その「焦点を絞り、意図を持たせ、リプレイ性を重視」した判断は大成功を収めました!プレイヤーの皆さんからも、「今のマップは本当に素晴らしい」という声をいただいています。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Xalavierアニメファンだけでなく、アニメに触れたことがなかった方々からも、非常に好意的な反響をいただいています。このゲームでの体験を通して、私たちが手掛けた作品そのものはもちろん、私たちがアニメやゲームが大好きな理由の一端まで理解してもらえたと感じることができ、本当に大きな達成感を味わっています。
本作には数多くの新しい挑戦が詰まっており、開発チームにとってもこれまで作ったことのない要素ばかりだったため、こうして温かい評価をいただけたことに感謝すると同時に、心から胸を撫で下ろしています。本作がこれからも末長く多くの人々に愛され続けることを願っています。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Xalavierこれに答えている時点での計画として、キャンペーンモードへのさらなるバリエーションの追加、プレイヤーが購入やアンロックで獲得できる新しいスキンの提供、さらには新しいプラットフォームへの移植も模索しています。
本作の開発に継続して時間を注ぐことができるのも、ひとえにプレイヤーの皆さんのサポートのおかげです。本作をプレイし、広めてくださっているすべての方々に心から感謝いたします!
――本作の日本語対応状況について教えてください。有志翻訳は可能ですか?
Xalavier残念ながら現時点では日本語対応しておらず、有志による翻訳を募集する計画もありません。前者の理由は、私たちが小さな開発チームであり、十分な品質チェックや確かなローカライズを行うためのリソースが不足しているためです。後者の理由は、ファンの皆様の情熱につけ込み、無料で翻訳を行わせるような搾取の構造を作りたくないからです。
もしプレイヤーの皆さんが独自の方法を見つけて翻訳し、それを世界に共有してくれるのであれば大歓迎ですし、私自身もぜひ見てみたいと思っています!ですが、私たちに毎日ゲーム開発を続けさせてくれるファンの皆様へのリスペクトとして、有志翻訳をビジネス上の戦略としたくはないのです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Xalavier世界中の皆さんが私たちのゲームを遊んでくれている姿を見るのは、本当に最高の気分です。興味を持ってくださった方は、配信や動画の収益化も自由に行っていただけますし、コンテンツをアップロードした際にはぜひ私たちにも教えてください。応援しにいきます!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Xalavier私たちの作るゲームに関心を持っていただき、本当にありがとうございます!『I Am Your Beast』であれ、『Space Warlord Baby Trading Simulator』であれ、『Truck-kun is Supporting Me from Another World?!』であれ、あるいはまったく別の作品であれ…私たちが物作りを続け、常に新しい領域に挑戦し続けることができるのは、ひとえに皆さんがいてくれるおかげです。心から感謝いたします。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に1,000を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








