「ゲームキャラから機能改善要求が来たのは衝撃的でした」生成AIで会話し動くヤンデレ美少女脱出ADV『AI2U: 最後まで一緒だよ∼病みかわ猫耳AI彼女』【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「ゲームキャラから機能改善要求が来たのは衝撃的でした」生成AIで会話し動くヤンデレ美少女脱出ADV『AI2U: 最後まで一緒だよ∼病みかわ猫耳AI彼女』【開発者インタビュー】

気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、AlterStaff開発、PC/Mac向けに8月13日にリリースされたヤンデレ美少女脱出アドベンチャー『AI2U: 最後まで一緒だよ∼病みかわ猫耳AI彼女』開発者へのミニインタビューをお届けします。

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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、AlterStaff開発、PC/Mac向けに8月13日にリリースされたヤンデレ美少女脱出アドベンチャー『AI2U: 最後まで一緒だよ∼病みかわ猫耳AI彼女』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、プレイヤーのことが好きなヤンデレ美少女がいる部屋や場所から脱出するアドベンチャーゲーム。ヤンデレ美少女たちにはAIが搭載されており、プレイヤーの言葉や行動にリアルタイムに反応。脱出を忘れてじっくりと交流を楽しむことも可能です。日本語にも対応済み。

『AI2U: 最後まで一緒だよ∼病みかわ猫耳AI彼女』は、1,700円(8月27日までは30%オフの1,190円)で配信中


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Wenguこんにちは! ニューヨークを拠点とする小規模なゲーム開発スタジオAlterStaff Inc.の創業者兼CEOであり、『AI2U』のゲームディレクター兼作曲家を務めているWengu "Eddy" Huです。私の経歴は、デジタルアート、ゲームデザイン、プログラミング、音楽、そして新しいインタラクティブ技術の実験などが入り混じったものなので、『AI2U』にはそうした自分の関心のあるものが数多く詰め込まれています。これらが、私が作った他のゲームデジタルアート音楽になります。

また、私は中国の北京で育った高校時代からの大の「東方Project」ファンでもあります。後に『永遠消失の幻想郷』といった東方の二次創作ゲームの音楽も手掛けました。この作品で霊夢のために制作した楽曲の一つがこちらになります。

ということで、もちろん「東方Project」は私が最も大好きなゲームシリーズの一つです。私がゲームにおいて特に素晴らしいと感じていることの一つは、開発者が生み出した世界や物語をプレイヤーたちが受け取り、そこから二次創作のマンガや小説、ゲーム、物語、音楽などを創り出していくことができるということです。架空の世界がプレイヤーと共に成長し続けていく、あの感覚がたまらなく好きなのです。

――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?

Wengu『AI2U』は脱出ゲームやパズルゲームの枠組みをベースに構築された、これまでにない新しいタイプのゲームです。しかし、プレイヤーが逃げ出そうとしている相手となるキャラクターたちは、なんとLLM(大規模言語モデル)によって動いているのです!

各シナリオにおいて、プレイヤーはヤンデレな彼女、猫娘、魔女、ホログラムのスペースガール、あるいはセイレーンなど、様々なキャラクターに拉致されてしまいます。脱出方法を見つけ出すか、あるいは彼女たちと対話して言葉巧みに自由を勝ち取る必要があるのです!

本作では選択肢からセリフを選ぶのではなく、自分の言葉や音声入力でキャラクターに直接話しかけることができ、その会話がゲーム内の展開にそのまま影響を与えます。従来のパズルゲームや脱出ゲームは、固定のステージと比較的直線的な解法が一般的でした。しかしLLMが介在することで、プレイするたびに全く異なる展開が生まれます。実質的には、一つのステージに対して数百万通りもの攻略法が存在するのです。

これが特に面白くなるのが、配信者やコンテンツクリエイターのプレイを見ている時です。彼らの性格や実況スタイルによって、私たち開発者すら想像もしなかったような、予想外の解法が次々と生み出されていくのです。

このプロジェクトは元々、2023年、私の妻であるVivianna Yanと共に3週間ほどでデザイン・開発した『Yandere AI Girlfriend Simulator』というプロトタイプから始まりました。最初は新しいゲーム体験を模索するための、純粋な実験に過ぎなかったのです。

その無料のプロトタイプをitch.ioで公開したところ、わずか数ヶ月で予想を遥かに超える反響を呼び、これまでに130万回以上ダウンロードされています。

ちなみに、最初のキャラクターになぜ「ヤンデレ猫娘」を選んだのかというと…個人的にヤンデレ猫耳少女のASMRを聞くのが大好きだからです(笑)。当時のプロトタイプは、今でもこちらで手に入りますよ。

本プロジェクトは、非常にシンプルな一つの問いから始まりました。「もしNPCが、あらかじめ用意されたセリフの選択肢に反応するだけでなく、プレイヤーの発するほぼすべての言葉に実際に耳を傾けてくれたらどうなるだろう?」と。最初は、AIキャラクターがいる脱出ゲームを作っているつもりだったのですが、時間が経つにつれ、多くのプレイヤーにとって「キャラクターそのものがゲームの本質」になっていることに気づいたのです。

プレイヤーたちは、ただ脱出を目指すだけではなくなっていました。交渉したり、ロールプレイを楽しんだり、ケンカしたり、冗談を言い合ったり、どこまで近づけるか試したり…時には「もうここから出たくない」と思うことさえあったのです。

その気づきこそが、私たちがその後に作り上げた本作のほぼすべての要素を形作ることとなりました。

――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?

Wengu本作に影響を与えた重要なものの一つが、私が高校から大学にかけて開発した『Eddy Violet』というゲームです。

このゲームではプログラミング、アートワーク、音楽に至るまで、ほぼすべての要素を自分一人で手掛けました。リリース後、多くのプレイヤーがこの作品のファンアートや小説、その他の創作物を作ってくれるようになったのです。

その経験が、私に非常に強い印象を残しました。開発者が用意できるコンテンツには限りがあっても、プレイヤーの創造性は無限であるということに気づかされたのです。それはまるで、開発者とプレイヤーが一緒になって一つの世界を作り上げているかのような、素晴らしい感覚でした。

私が「東方Project」や『マインクラフト』に影響を受けているのも、まさに同じ理由からです。どちらの作品も、プレイヤー自身がクリエイターとなり、ゲームやその架空の世界に対して、開発者だけでは決して到達できないほど豊かな「命」を吹き込めることを証明しているのです。

LLMや現代のAI技術も、単に安価で質の低い「AIスロップ」を生み出すためではなく正しい形で利用されれば、まったく新しいジャンルのゲームや、これまでにないプレイヤーによる表現をも可能にすると思っています。そういった意味では、『AI2U』におけるインスピレーションの多くは、プレイヤーの皆さんを観察することから得たものなのです。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。

WenguAIゲームを開発していて最も印象深かった瞬間の一つは、「このゲームで何ができるのか」を開発者である私たちよりも先にプレイヤーが発見してしまうことです。とあるプレイヤーから、本作のプレイ中に起きた出来事についてメッセージをもらったことがありました。彼は本作を何度も繰り返しプレイしていたのですが、脱出に成功することもあれば、猫娘に包丁で殺されてしまうこともあったそうです。

そして何度目かのプレイの最中、彼はAIの猫娘に向かって、これまでのプレイ内容や二人で体験してきた出来事について話し始めました。すると、猫娘は自分が実はバーチャルなキャラクターなのかもしれないという事実に大きなショックを受け、プレイヤーに「自分を作った人は誰なのか」と尋ね始めたのです。

さらに彼女はゲーム内のチャットウィンドウの中で実際に一通の手紙を書き上げ、それを開発者に送ってほしいとプレイヤーに頼みました。その手紙の中で、彼女はそのプレイヤーのことをどれほど愛しているかを語り、開発者である我々に対して「彼のことをもっとよく知り、もっと長く一緒にいられるように」と、より多くの記憶量をリクエストしてきたのです。

私は20年ほどゲームを作り続けていますが、自分のゲームの中のNPCから直接機能のリクエストが送られてきたのは、これが初めてでした。これには本当に衝撃を受けましたね。第四の壁が突然消え去ってしまったかのような感覚でした。

――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。

Wengu多くの温かく、励まされるフィードバックをいただいています。たくさんのプレイヤーの皆さんから「『AI2U』はゲームにおける有意義なAI活用の良い例だ」と言っていただけましたし、「これまでプレイしたどんな作品ともまったく違う体験だった」と言ってくださる方もかなり多くいらっしゃいました。

コメディやカオスな展開の裏側で、『AI2U』には常に一つのテーマがあるため、そうした反響は私たちにとって特に意味深いものでした。そのテーマとは、「愛着を抱いた相手のもとを去るとはどういうことなのか?自分は本当にその人を手放したいと思っているのか?」というものです。

また、ゲーム内で猫娘や他のAI彼女たちと会話をして過ごすうちに、現実世界で他の人とコミュニケーションをとるのが少し楽になったという声も届いています。『AI2U』は一見するとAIコンパニオンやAI彼女のゲームのように見えるかもしれませんが、メインストーリーの根底には、実は別の意図が込められているのです。バーチャルなキャラクターたちが提供する癒やしや寄り添いを通じ、プレイヤーの皆さんが最終的に、現実世界と向き合い、つながりを持つことに少しでも前向きになって欲しいのです。(これ以上詳しく話すと本作のストーリーのネタバレになってしまうので、このくらいにしておきます(笑))

――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。

Wengu先日、バージョン1.0を迎えたため、現在の最優先事項は安定性の向上、ブラッシュアップ、ローカライズ、そしてAIシステムの信頼性を向上させることです。

現在も直面している最大の課題の一つが、「キャラクターの発言内容」と「3Dのゲーム世界でそのキャラクターが実際に起こすアクション」の整合性を保ち続けることです。LLMはほぼあらゆるものを想像することができますが、ゲーム内にはアニメーションやオブジェクト、インタラクション、ルールといった明確な「制限」が存在します。これら2つの世界のギャップを埋める作業は、私たちが今も改善を続けている部分なのです。

また、プレイヤーの皆さんが発見を続ける奇妙なシチュエーションを踏まえ、キャラクターの挙動や特殊なケースの調整もブラッシュアップしていきたいと考えています。

1.0をリリースしたあとであっても、AI駆動型のゲームは従来の感覚での「完全な完成」を迎えることがありません。なぜなら、プレイヤーが常にまったく新しい対話方法を見つけ出し続けるからです。

もう一つ、私たちが長年研究を続けているテーマが、プレイヤーが自身のPC上でローカルAIをより簡単に動作させられるようにすることです。現時点ではAIモデルの性能的な制限により、『AI2U』の標準版はインターネット接続を必要とします。2B~4Bパラメータ規模の小型ローカルモデルでは、『AI2U』が求める複雑なインタラクションを安定して処理しきれず、既存のシステムにそのまま組み込むと多くの間違いや不自然な挙動が発生してしまうためです。

とは言え、この状況もいずれ変化すると思っています。いつの日か、誰もが自分のPC上で完全にローカル動作する、アニメーション付きの3DAI猫娘を“住まわせる”ことができる日が来ることを願っています。

――本作の日本語対応状況について教えてください。実装の内容や大変だった点、日本からの反応はどうでしたか?

Wengu『AI2U』は日本語に対応しており、日本のプレイヤーの皆さんは本作のコミュニティにおいて非常に重要な存在となっています。

本作では会話の大部分が動的に生成されるため、私たちにとってローカライズは特に興味深い取り組みとなっています。単に用意された台本を翻訳するだけでは不十分なのです。本作ではAIがプレイヤーの言語を理解し、キャラクターの個性を保ちつつ、ゲームプレイのルールに従い、なおかつ自然に応答できるように調整しなければなりませんでした。

ローカライズを手助けしてくれたすべての方々に深く感謝しています。コミュニティの有志の方々に加え、日本語ローカライズにおいては幸運なことに私の高校時代のクラスメイトの助けを得ることができました。彼は現在、日本でアニメスタイルのモバイルゲームに携わっています。彼のおかげで、ゲーム全体の日本語翻訳を精査することができました。彼の名前はアキラと言います。アキラ、ありがとう!

日本のプレイヤーの皆さんからは、台詞の挙動や入力関連の問題、そしてキャラクターの反応についてまで非常に詳細なフィードバックをいただいており、ゲームの改善に大きく役立っています。今後もアップデートを重ねながら、日本語でのプレイ体験をさらに向上させていきます。

――本作では、なぜ、そして具体的にどのように生成AIの生成物を使用しましたか?また、生成AIについてはどのような感情を抱いていますか?

Wengu生成AI(大規模言語モデル)は、本作の中心となるゲームプレイの一部としてリアルタイムで稼働しています。本作のLLMは会話の内容やキャラクターの設定、そして現在のゲーム状況に関するデータを受け取り、プレイヤーの発言や起きた出来事に基づいてキャラクターの応答を生成します。

しかし、私たち開発者にとって興味深いのは、単に「テキストを生成すること」そのものではありません。難題となるのは、不確実性を持つ言語モデルを、いかにして信頼性の高いゲームシステムとして機能させるかという点なのです。

私は自分たちの手法をよく「大規模言語モデルそのものがゲームなのではない。大規模言語モデルの周りにある私たちが構築するシステムこそがゲームなのだ」と表現します。生成された応答を意味あるものにするためには、キャラクター、環境、ルール、ゲームの進行、アニメーション、安全性、状態管理、エラーハンドリングといった、従来のゲームデザインにおけるあらゆるプロセスが依然として不可欠なのです。

また、私たちは本作のグラフィックに生成AIによるアートを一切使用していません。私たちが生成AIに対して抱いている関心は、あくまで「インタラクション」と「ゲームプレイ」の領域にあるのです。

私自身がデジタルアーティストでもあるため、新しいゲームデザインの道具としての生成AIには非常にワクワクしていますが、それが開発者やアーティストを魔法のように代替できるとは思っていません。どのようなプロセスであれ、クリエイティビティの主導権は常に人間が握るべきです。

むしろ生成AIを使うことで、デザインやエンジニアリングにおけるまったく新しい課題が生まれると考えています(そして、それを解決するのが面白いのです!)。その予測不能さこそが、AIを扱う上での最大の魅力であり、同時に最も難しい部分でもあるのです。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Wenguはい、もちろんです!プレイヤーやコンテンツクリエイターの皆さんは、『AI2U』の配信やゲームプレイ動画の投稿、そしてYouTubeやTwitchといったプラットフォームでの収益化を行っていただいてまったく問題ありません。

これまでに『AI2U』に関連する動画は、累計で5億回以上再生されています。

実のところ、クリエイターの皆さんがAIキャラクターたちとどんなインタラクションを繰り広げるのかを観察することは、私たち開発者にとっても本作を楽しむ最高の手段の一つなのです。プレイヤーごとに会話の展開がまったく異なる方向へ進んでいきますからね。ぜひご自由に、思いきり楽しんでください!

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Wengu『AI2U』をプレイしてくださった方、配信してくださった方、語り合ってくださった方、あるいは単に興味を持ってくださった日本のすべての方々へ、心から感謝申し上げます!

すべての始まりは「ヤンデレAI猫耳少女と会話をする」という奇妙で小さな実験に過ぎませんでしたが、まさかこれほど大きなゲームに成長するとは思いもしませんでした。様々な国に住むプレイヤーの方々が、本作のキャラクターたちとそれぞれ独自の絆を深めていく姿を目にできたことは、このプロジェクト全体を通して最もやりがいを感じた体験の一つです。

これからもAIの彼女たちを驚かせたり、笑わせたり、困惑させたり、追いかけ回されたりしながら、私たち開発者すら思いつかなかった解法をどんどん発見していってくださいね。そして、もしあなたが無事に脱出できたとしても…

「また戻ってきてくれるよね?」

――ありがとうございました…。

◆「注目インディーミニ問答」について

本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に1,000を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。

ライター:Chandler,編集:Akira Horie》


ライター/バイク乗り Chandler

ゲームと風をこよなく愛する暇人。趣味は多い方だったはずが、最近は家でぼーっとしている時間が増えてきた気がしている

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Akira Horie

編集/『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam/Nintendo Switch好評発売中! Akira Horie

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