チュートリアルを筆頭にユーザビリティは向上
本作は、根幹となるゲームプレイの感触をはじめ、前作から多くの部分が改良されています。特にユーザビリティには手が入っており、その代表例がトレーニングモードの実装でしょう。ただし、格闘ゲームなどにおけるトレモとは異なり、その実態は各機能や要素を学ぶためのチュートリアルです。
チュートリアルで本作特有の機能について予習できるため、シリーズ初プレイの初心者・初級者や、本作の各機能を知りたいユーザーにとって重要な機能です。その内容は、戦闘機の基本操作から基本的な戦闘方法、そしてマップ上の基地に着陸して飛び立つ前線補給まで、多岐にわたります。
あらかじめ配置された敵を自由に撃破しながら、各機能や操作を試せるトレーニングモードはキャンペーン側にはなく、オンラインモードの「軍事演習」から利用できます。地上や海上、空中の敵の有無など様々な条件下で操作できるため正直キャンペーンモードにもほしい要素でした。

また、以前より求められてきた機体セット(プリセット機能)は2周目から使用可能になります。この機能によって機体の細かな調整をすぐに呼び出すことができるため、2周目以降のプレイでは便利な機能です。他にも、スキン選択機能では様々なカラーを選べるだけでなく、機体の汚れも10段階から調整できます。
機体エンブレムは、機首の左右、左右の翼(左翼表面・右翼裏面への貼り付けも可能)、左右の尾翼に貼り付けられます。ここで初めて『エースコンバットX2』以来となる、より細かな貼り付けができるようになった記念すべき機能です。

加えて、撃墜したネームド機の背景を説明するアサルトレコードも存在。こちらは前作と異なり、フレーバーテキストが用意されているため、ネームド機やその背景をより深く知ることができます。


また、PS5コントローラーでプレイすると、上下に選択項目を動かした際に微弱な振動があります。これによってゲームからのフィードバックが返ってくるため、操作感が分かりやすくなっています。さらに、メニューUIのマウス操作にも対応しているほか、グラフィック設定ではモーションブラーのOFF設定も可能です。
ゲームプレイ設定では、接触ダメージ軽減機能をはじめ、照準レティクルの動作モード(敵機の未来予測/予測なし)、自動汚し機能、カメラ挙動、アダプティブトリガーなどを設定できます。接触ダメージ軽減機能は難易度に関係なく有効にできるため、初心者への配慮としても機能しています。
こうした機能の中で、ゲームプレイに大きな変化をもたらすのが、前述のコントローラー設定のターゲット注視継続機能です。この機能をONにすると、一度注視するだけで常に注視状態が維持される優れもの。
これによって、ドッグファイトにおいて敵機へ機銃のレティクルを合わせやすくなり、ガンキルが狙いやすくなります。


しかしながら、敵機や目標が自機の後方に回り込むと、振り向いた方向と進行方向がズレるため、自機のロールや高度を把握しにくくなります。そのため、常にONにして使い続けるのは難しい機能でもあります。
こうした状況をサポートするため、自機の姿勢や高度を把握しやすくするUIの改良が今後必要になるのではないかと思わざるを得ませんでした。
他にもシステムを見てみると、アクセシビリティの項目が設けられていました。設定できる項目は、カラーサポートとテキスト読み上げ機能です。
カラーサポートはあるにはあるのですが、細かく色を指定できませんし、読み上げ機能は選択項目を読み上げるのでなく、おそらくオンラインモードのチャット欄におけるテキスト読み上げ(英語のみ)が対象のようです。他のタイトルと比べて機能が充実しているとは言い難く、もう一歩という印象を受けます。

オンラインモード―ロビーを持つことでプレイヤー交流の場が生まれた
オンラインモードは、プレイヤーが傭兵として基地に着任する形で繰り広げられます。最初にプレイヤーは、自キャラの髪型や目の色、体型などの外見を決めた後、ロビーへと入ります。
このロビーでは、他のプレイヤーのキャラクターや、格納庫内に展示された機体を閲覧できます。チャットやアピールによるコミュニケーションだけでなく、機体セットの編集や様々なゲームモードで手に入れたコンテナの開封もできます。どちらかと言えば、メニューからアクセスできる各種機能をロビー内の各所に配置したもの、と言えるでしょう。
『エースコンバット インフィニティ』をベースにしつつ、同作で弱点だったプレイヤー間の交流やオンライン体験を改善しているのは間違いありません。ロビーだけでなく、試合中に発言できるメッセージ機能も、プリセットだけでなくスタンプを選べるのは嬉しい要素です。



格納庫内にあるアーケードゲームは、他人のゲームプレイを見ることなどはできませんが、『パックマン』『ギャラガ』などのタイトルを無料でプレイ可能です。
同社の『鉄拳8』におけるロビー機能と言える鉄拳ファイトラウンジでは、過去のアーケードゲームのポスターが掲示されていてもプレイアブルではなかったために、今回遊べるようになったことが素直に嬉しいです。


このオンラインモードでは、2チームがそれぞれ配置された敵を倒し、獲得したポイントの合計を競うCo-op Assaultと、ポイントを競いながら、相手チームへの攻撃も可能なCo-op Warfare、全員が敵となる対人戦のDeathmatchなどがプレイできます。
プレイヤーが操作できる機体は、プレイヤーのランクごとに決められており、ランクが上がっていない序盤は、乗り換えられる機体の選択肢も少なくなっています。そして、キャンペーンと異なるのは機体ツリーからのアンロック式でなく、購入制であることです。


またパーツなどの入手は、エースパスだけでなくデイリーやウィークリーのチャレンジの報酬としても入手可能。プレイすればするほどプレイヤーにリターンがある設計です。

各モードの1マッチにおけるプレイ時間は約5分ほど。試合時間が長すぎず、適度な時間で勝敗が決まるため、疲れずに遊ぶことができます。一方で、1マッチ終了後は即解散されてしまうため連続プレイができません。試合終了後もマッチング検索を継続できる設定があってもよかったのではないかと思ってしまいます。
オンラインモード専用のチュートリアルも用意されており、ルールについて学ぶことができます。さらに、オンラインモードでは、フィールドを自由に飛び回れて戦える、一般的なトレーニングモードでの練習も可能。
そこでは地上と海上、そして空中に出現する敵の有無をそれぞれ設定し、様々な条件下で射撃訓練などができます。またプレイヤー1人だけでなく、他のプレイヤーも交えて練習することが可能です。


当然のことながら初期に選べる機体は少なく、攻撃機や戦闘機などはプレイを重ねてランクを上げて入手する必要があります。実際にCo-op Assaultをプレイしてみると、当然のことながら各プレイヤーの技量が大きく表れるのを強く実感します。今回数戦プレイしたところ、試合では上位の順位につけたものの、残念ながらチームとして勝利することはできませんでした。
Co-op Warfareはもう一歩対人戦へ踏み込んだ内容となり、試合展開も対地・対空の敵を自チームと相手チームが心ゆくまで殲滅した後に、初めて対人戦に発展することが多いものでした。プレイヤーは、自分がどの属性の機体に乗るか、そしてその機体でどのように立ち回るかが問われるため、MOBA的ゲームモードであるようにも思えました。
最後に紹介するのが、Deathmatchです。これはシンプルに自分以外が全て敵となるFree-for-All式のゲームモードで、プレイヤーは多くの敵機を倒しランク上位を目指します。
このデスマッチがこれまでの対戦モードと異なることは、本作のバトルバランスの恩恵を大きく受けていることです。確かに、ハイGターンなどで敵のミサイルを回避しつづければ倒されることはありませんが、必ずどこかに硬直などの隙が生じるため、一切ダメージを受けずに戦い続けることは難しいと感じました。

特に機能していたのが機銃です。本作のバトルバランスにおいて機体の重い動作がリスク管理の面白さを引き立てていて、非常に面白い仕上がりだと感じました。自分の機体性能や相手の行動を考えて、標準ミサイルで速度を削り、ある程度近づいて機銃でダメージを蓄積させるという戦術が上手く機能していました。
キャンペーンと同様に研究しがいのあるゲームモードであると思えます。正直、ここまで完成度が高いのであれば、常設モードでもよいのではないかと思ったほどです。
一方で、ロビーそのものはリアリティのある作りになっているものの、ゲームプレイへの導線が不十分ではないかと思う場面もありました。プレス向けバージョンでプレイできた状態では、マッチングを開始する場所が一番目立つ格納庫内でなく、そこから外れた基地のゲート近くの目立ちにくい場所にあることで、マッチングを開始できずにいるプレイヤーが何人か見られました。

同社の3D対戦格闘ゲーム『鉄拳8』に存在する鉄拳ファイトラウンジと並べて見てみると、マッチングへのアクセスのしやすさを筆頭に、ユーザビリティの面では、やや詰めの甘さを感じます。
そのため、本モードのメインディッシュとなるミッションは、その場所からアクセスする必要があることがプレイヤーに伝わっていないのではないかと思う瞬間がいくつかありました。単純に配置のわかりやすさの問題であるために、根が深い問題ではなく今後のアップデートで配置が変更されれば、改善できる問題だと思います。


全体的には、Co-op AssaultとCo-op Warfare、そしてDeathmatchなどの対戦を含めて、本作のバトルバランスを生かした面白い内容になっています。一方で、現時点では十分に楽しめる内容ですが、機体レベルがカンストした後の環境がどうなるのかは未知数です。今後のバランス調整がどのように行われるのか、注目したいところです。
総評










