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ジョナサン・ブロウの逸品『The Witness』プレイレポ―謎と発見に満ち溢れた島へ

高い評価を受けた『Braid』の開発者ジョナサン・ブロウ氏が贈る7年半ぶりの新作パズルアドベンチャー『The Witness』。発表から6年半……待ちわびたファンも多いことでしょう。今回は遂にリリースを迎えた本作のプレイレポートをお届けします。

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『Braid』で揺るぎない評価を得たジョナサン・ブロウ氏のThekla Incが贈る、一人称視点の新作パズルアドベンチャー『The Witness』。発表から6年半の歳月を経て、遂にリリースを迎えた本作のプレイレポートをお届けします。

オープンワールドなパズルアドベンチャーである『The Witness』。ジョナサン・ブロウ氏が描く独特な世界観と彩り豊かな景色、そして単純ながらも奥深い500以上ものパズルがあり、ある意味で刺激的なゲーム体験を提供しています。本作でプレイヤーの目的は、記憶を失った主人公として島の謎を解いていき、記憶を呼び起こして帰還すること。謎解きや発見がプレイヤーの道筋を照らします。


全てが謎に包まれた孤島


一番最初に解く、最も簡単なパズル

ゲームはほとんど何も説明がない状態で始まります。何をすればいいのか、パズルのルールは何なのか、自分は一体なぜここにいるのか、全てが謎に包まれています。とはいえ、最初に謎解きを始めることになるパズルは、いわゆるチュートリアル的な存在で、直感的に解くことが出来るでしょう。そして「ほとんど説明がない」という不親切にも思えるゲーム設計は、「謎を解いていく」という本作の肝であるゲーム性をより際立たせています。

本作では独自開発したゲームエンジンを採用しており、リアルさと芸術性を兼ね備えた豊かな表現が特徴的です。ゲーム内の小さな島で描かれる数々の美しい景色は見ていて飽きず、情景豊かな島そのものが「謎」でもあり、ゲームとしての面白さに貢献しています。また、BGMこそありませんが、パズルをクリアした時の音、ギミックの作動音などサウンドは達成感を刺激し、ゲームを盛り上げます。


パズルを解くことで謎を解く、連鎖する閃きと発見


本作では一つ一つのパズルを解くことで新たな閃きと発見が生まれ、世界への理解が深まっていくのを実感できます。パズルの基本パターンは全て同じ「起点から終点までを一筆書きで到達する」ことのみで極めてシンプル。しかし、それぞれのパズルには独自のルールが設定されている場合があり、推理力や発想力、洞察力が試されます。最初は解き方がわからないパズルにも、どこかに解くための「ヒント」が隠されているはずです。それを発見し、見事にパズルを解いてギミックが作動した時の達成感は、他のゲームでは味わえない体験です。

オープンワールドで描かれる世界はプレイヤーに選択肢を与えます。どこから挑戦しても構わないパズルは、時に全く解き方が思いつかないものに遭遇することも。あまりに難解過ぎてイライラすることもありますが、そういった時は別のパズルを解いてみたり、コーヒーブレイクでも入れて再挑戦です。落ち着いてみると新しい視点から、パズルのヒントを見つけることもあります。


二度と味わえない「たった一度きりの経験」が生む楽しさ

本作のボリュームはおおよそ20時間から30時間ほど。「謎解き」に特化しているため、リプレイ性は皆無といっていいでしょう。筆者が本作に感じた印象は「たった一度のプレイのためだけに練られた上質な体験」ということ。リプレイ性を廃することで得られる完成度の高さは、「ゲームの流れ」や「雰囲気」、そして「閃き」と「発見」といった、二度と味わえないが故の面白さを得ることが出来ます。


本作をプレイするならば、是非とも攻略情報などを見ずに自力で解くことをお勧めします。パズルの一番の醍醐味は「解いたときの達成感」。そこにフォーカスして、ゲームとして完成させた本作は、「自力で解く」ことで「最大限に楽しめる」ように出来ています。謎を解いていくことで徐々にその全貌が明らかになっていく島。最後に何が待ち受けているのか、確かめてみてください。

『The Witness』はPC版が既に日本語をサポートした状態で、Steamをはじめとした配信プラットフォームで販売中。PS4版は海外で既にローンチを迎えており、国内でのリリースも発売日未定ながら予定されています。自由に島を動き回れる「オープンワールド」を見事にパズルと融合させたジョナサン・ブロウ氏。ひとつひとつの要素が全体へとリンクしていく、繊細で完成度の高いゲームに仕上がっており、氏の本領が存分に発揮されているといえそうです。
《水京》
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