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中華ゲーム見聞録:美少女ミステリーADV『七人殺陣(Seven Sacrifices)』隔離された別荘で起こる惨殺事件…

「中華ゲーム見聞録」第9回目は、ポップな絵柄のミステリーADV『七人殺陣(Seven Sacrifices)』のプレイレポートをお届けします。

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中華ゲーム見聞録:美少女ミステリーADV『七人殺陣(Seven Sacrifices)』隔離された別荘で起こる惨殺事件…
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「中華ゲーム見聞録」第9回目は、ポップな絵柄のミステリーADV『七人殺陣(Seven Sacrifices)』のプレイレポートをお届けします。

中国の章魚缶頭制作組が開発・配信し、Steamで9月14日に配信されました。メンバー2人のインディーゲームスタジオで、「章魚缶頭」は「タコの缶詰」を意味します。本作は2011年に吉里吉里(ノベルゲームなどが開発できるフリーソフト)で開発した同人ゲーム『グリーンダム(格林達姆)殺人遊戯』が前身になっているとのことです。

『七人殺陣』の立ち絵シーン

中国のQ&Aサイト「知乎」によれば、『グリーンダム殺人遊戯』は「出題編」で多くのファンを獲得したものの、開発メンバーの都合や諸事情によって「解答編」は未完成に終わったのだとか。しかしその後も、何年経っても掲示板を維持し続け、続きを待ち望む少数のファンたちの姿がありました。それを知った開発者は、もはやファンの数は重要ではないと考え、その少数のファンたちの思いに応えるため、完全新作として本作を開発したとのことです。「中華ゲーム見聞録」第4回目の『天命奇御』もそうでしたが、中華圏でシングルプレイのゲームを開発する人たちは、やたらと熱い気がします。

『七人殺陣』のイラストシーン

内容ですが、七人の少女たちが山頂の別荘で集まったところ、暴風雨のために帰れなくなり、しかも外と連絡の取れない状態になったというシチュエーション。絵は可愛いのですが、「ゴア表現」の注意があります。苦手な人は避けたほうがいいでしょう。筆者もホラーが苦手ですが、中国にもこのようなノベルゲームがあるという紹介のため、あまり怖いモノが出てこないことを祈りつつプレイしていきます。

いきなりエラーが!



ゲームを開始したら、いきなりエラーが出ました。中国語版の吉里吉里で開発されているため、日本語Windowsでは文字コードが合いません。解決方法ですが、Windowsのシステムロケールで言語を簡体字中国語に変更、そののち再起動すればOKです(日本のゲームを遊ぶ場合はまた日本語に戻してください)。


PC再起動後、無事にタイトル画面が表示されました。問題ないようです。しかしこれだと、中華圏以外は買っても動かすのが大変ですね。言語が簡体字中国語しかないので、他国のことはあまり気にしていないのかも。それにしても、タイトルの時点ですでに音楽が怖いんですけど……。気を取り直してスタートします。

山頂の別荘


ゲーム開始後に登場する少女。銃で足を撃たれている

ゲーム開始直後、いきなり足を撃たれた少女が登場します。犯人が近づいてきて、「太陽」のタロットカードを少女の前に投げました。事件の推理を求めています。仲間たちは殺されたようで、少女が最後の一人。苦痛の中、少女が口にした言葉は……。ここでムービーが入ります。

オープニング+プレイ映像

ムービーが終わると第1章が始まります。先ほどの緊迫した場面からは変わって、どこかの山の上の別荘。その玄関に、李郁(りいく)という少女が到着しました。ここで午後3時に仲間たちと集合する予定でしたが、いまは午後2時。まだ誰も来ていません。ドアが開いているようなので、中に入ってみました。


すると天井から降ってきたタライが直撃!ドリフめいた展開に驚いていると、活発そうな少女が笑いながら現れます。彼女が集会の主催者、李麗思(りれいし。中国語発音だと「リリス」)です。姓がおなじなので姉妹?


別荘には李麗思しかいないようです。スポーツが得意な少女で、掃除を手伝うように言われますが、「こっちはお客さまなんだからそんなことしない」と李郁はむくれています。先ほどのタライのことを恨みに思っているようですね。


しばらくすると、新たな客が現れました。名前を聞くと、「名無しのお姉さんです」と答えます。しかしいったいなんの集会なのでしょうか。すでにこの時点で謎が多い。李麗思と名無しさんは同じ大学の学生。李郁は小学生で、李麗思のいとこのようです。

続々と集まる客たち



ダイニングでお茶を飲んでいると、また新たな客が現れました。「LOLiCON」と書かれた穏やかならぬパーカーを着た女性は、李麗思の大学のルームメイトで、上官千児といいます。唐代の女流詩人に上官婉児という人がいましたが、それをもじった名前でしょうか。名前が長いのでみんなは「千子」と呼びます。いたずら好きで、タライの罠も千子が考えたものとか。李郁に目を付け、「きみ、何歳?」と聞いてきました。身の危険を感じた李郁はトイレに逃亡。パーカーの文字そのまんまでした。


先ほどから会話の合間に入る別荘の見取り図。やはりこのゲームはあくまでミステリーADVということでしょう。李郁はトイレに逃げていますね。キッチンには李麗思、ダイニングには名無しさんと千子がいます。


新たな客が2人やってきました。右のゴスロリ姿の子は洛洛(らくらく。中国語発音で「ロロ」)。コスプレが趣味です。

中央にいる少女ですが、オープニングで足を撃たれた子ですね。朱里葉(しゅりよう。中国語発音で「ジュリア」)と言います。「生き残った最後の一人」のようなことを言っていたので、そうなると他の子たちは……。


ダイニングでお茶会を始めました。全部で6人。タイトルの『七人殺陣』からすると、あと1人足りませんね。奥が空席なので、7人目がそこに座るのでしょうか。集会ですが、どうやら李麗思たち大学生が別荘に遊びに来て、そのついでに小学生組の李郁と洛洛が参加しているようです。

和やかなひと時



お茶会が終わったのち、自由行動になります。プレイヤーは李郁となり、どこへ行くかを決められます。とりあえず李麗思、朱里葉、千子のいるダイニングへ。

李麗思たち3人は大学の寮のルームメイト。仲良さそうに話をしています。朱里葉はツッコミ担当。ネット好きのオタク少女で、背が低いことがコンプレックスのようです。

客間にいた名無しさん


客間には名無しさんがいました。コスプレ衣装を作るのとBLが趣味だそうです。それから階段のところで洛洛と遭遇。名無しさんと仲が良く、コスプレ衣装は名無しさんが作っているとか。小学生なのにしっかりした子です。これで少女たちのことはだいたいわかりました。

李郁が泊まる部屋。広い


しばらくして部屋分けが始まりました。李郁は一人で広い部屋に住めます。見取り図を見ると、2階の部屋は全室バスルーム付き。高級旅館並みですね。このままなにもないことを願いたいですが……。

惨劇の始まり



夕食ですが、台所には缶詰ぐらいしかありませんでした。李麗思の話だと、この別荘は登山愛好部の部長のものとのこと。お金持ちなのでしょうか。今日の午後12時まで部長は李麗思と一緒に別荘を掃除し、それから帰っていったそうです。

朱里葉は今日の午後3時、一番最後に山に入りました。「ふもとの入山記録を見たとき、誰も山から出ていなかった」と朱里葉は言います。山は金網に囲まれていて、出口は管理人のいる門だけ。部長になにかあったのではないか、とみんなは心配になります。そこへ突然の雷と大雨。


管理人に電話をしますが、掛かりません。携帯電話も通じず。しかも山のふもとに続く橋も壊れてしまっています。さらに管理人は明日から休暇。雨が止んでも助けはすぐに来ないでしょう。

李麗思は部長が心配で、「救援を呼ぶため下山する」と言い出します。みんなが止めますが、ロープなど装備一式を調えて行ってしまいました。

食料の心配を始める2人


朱里葉と李郁は食料の心配を始めました。台所にあった缶詰は夕食で半分ぐらい食べてしまいました。李麗思が「地下室に食料がある」との話をしていたので、どれぐらいあるのか確認に向かいます。


地下室のドアを開けると、血を流して倒れている人物が!ぴくりとも動かないところを見ると、どうやら殺されています。服装からして、李麗思の言った部長のようです。警察を呼ぼうにも、電話が通じないのでどうにもなりません。

まだ殺人鬼は山にいるかもしれません。少女たちは生き延びることができるでしょうか。オープニングでは朱里葉が銃で撃たれていましたが……。

ポップなキャラクターが引き起こすミステリーADV


可愛いキャラと、隔離された別荘で起こる連続殺人事件。まだ始まったばかりですが、キャラ同士の掛け合いなどなかなか楽しめました。中国の作品は保守的なものが多いと思われがちですが、この作品を見る限りはそうでもなさそうです。


それと、本棚を調べたときに「グリーンダム殺人遊戯」の小説を見つけました。冒頭で紹介した本作の前身となる同人ゲームと同じタイトルです。実は事件の手がかりになっていたりします。

ゲームは章によって主人公が変わります。一章は李郁でしたが、二章は名無しさん。勘のいい方なら、なぜこうなるのかすぐ気付いてしまいそうですが……。選択肢によっては話の流れが変化し、エンディングも複数あります。選択を間違えるとゲームオーバーになることも(プレイしていて何度かゲームオーバーになりました)。筆者的には、中国にもこのような同人活動から誕生したゲームがあることを知れてよかったです。

製品情報



※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字を日本の漢字に置き換えています。
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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