【特集】『サイバーパンク2077』の予習期間が伸びたのでヒップホップスーパーグループ「ラン・ザ・ジュエルズ」の素晴らしさを伝えたい | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

【特集】『サイバーパンク2077』の予習期間が伸びたのでヒップホップスーパーグループ「ラン・ザ・ジュエルズ」の素晴らしさを伝えたい

アメリカンヒップホップスーパーグループデュオ「ラン・ザ・ジュエルズ」……『サイバーパンク2077』サントラにも採用された彼らが、なぜ『サイバーパンク2077』にピッタリハマったアーティストなのか伝えていきます。

連載・特集 特集
【特集】『サイバーパンク2077』の予習期間が伸びたのでヒップホップスーパーグループ「ラン・ザ・ジュエルズ」の素晴らしさを伝えたい
  • 【特集】『サイバーパンク2077』の予習期間が伸びたのでヒップホップスーパーグループ「ラン・ザ・ジュエルズ」の素晴らしさを伝えたい
  • 【特集】『サイバーパンク2077』の予習期間が伸びたのでヒップホップスーパーグループ「ラン・ザ・ジュエルズ」の素晴らしさを伝えたい
  • 【特集】『サイバーパンク2077』の予習期間が伸びたのでヒップホップスーパーグループ「ラン・ザ・ジュエルズ」の素晴らしさを伝えたい
  • 【特集】『サイバーパンク2077』の予習期間が伸びたのでヒップホップスーパーグループ「ラン・ザ・ジュエルズ」の素晴らしさを伝えたい

2020年1月、CD Projekt REDから9月17日への発売延期が発表された『サイバーパンク2077』。多くのゲーマーにとって残念な報せになったと思われますが、かくいう僕もそんな失意のファンのうちの一人。喪失感は未だに大きいのですが、せっかく発売まで半年もあるのですからこの時間を『サイバーパンク2077』の予習に使ってもいいかもしれませんよ!

ということで今回は、2019年末に公開された「Behind The Music」にて、『サイバーパンク2077』のサウンドトラックへの参加が発表されたヒップホップグループ「ラン・ザ・ジュエルズ」を全力で予習していきます。


さて、読者の皆さんはこの二人組のことをご存知でしょうか。肥満体型の中年男性が二人……というふうに見えるかも知れませんが(というか実際そうですが)この二人組が件のラップユニット「ラン・ザ・ジュエルズ(以下RTJ)」です。写真左がプロデューサー(ヒップホップというジャンルにおいて「プロデューサー」は多くの場合トラックメイカー、つまり作曲家も兼ねています)でもあるラッパーのEl-P(エルピーと発音します)。右側の巨漢黒人男性がラッパーのキラー・マイクです。


RTJは二人とも、グループ結成以前からソロなどでの活動実績がある有名人でした。そのため英語版Wikipediaには「American hip hop supergroup duo」、つまりスーパーグループであると記述されています。あまり詳しく書くと大変ですが、前提がないとなぜ「ラン・ザ・ジュエルズ」がスーパーグループと呼ばれるのかが分かりづらいため、まずは二人の経歴をかいつまんで説明していきます。


まずは彼、El-Pの説明から始めましょう。1975年生まれの45歳。「カンパニー・フロウ」という伝説的なアンダーグラウンド・ヒップホップユニットのメンバーとして1992年にデビュー。キャリアは28年なのでかなりのベテランと言っていいでしょう。何枚かのシングル/EPをリリースした後、1997年にスタジオデビューアルバム「Funcrusher Plus」を発売。これも英語版Wikipediaによれば“a landmark independent hip-hop release”、つまり「ヒップホップのインディーズでのリリースにおける記念碑的作品」とされています。


El-Pはその後レーベル「Definitive Jux(ディフィニティヴ・ジャックス)」を立ち上げるなど精力的に活動。ソロでも三枚のスタジオアルバムをリリースしていますし、多くのコンピレーション版やコラボーレーションを手掛けました。どれもめっちゃかっこいいですが、僕からは「I'll Sleep When You're Dead」をオススメします。


El-Pはジョージ・オーウェルやフィリップ・K・ディックからの影響を公言し、それにちなんだ楽曲を制作するかなりのSF好き。そもそも作風としてディストピアな世界観を取り上げることが多いため『サイバーパンク2077』のサウンドトラックにはまさにうってつけのアーティストです。また近年では『ポケモンGO』を皮肉ったツイートをしまくった挙げ句大炎上し、沈火のために「ポケモンラップ」を公開。なぜかそのリミックスコンテストを開催するなど、ビデオゲームとも縁がある人物だったりします。


続いて紹介するのが彼、キラー・マイク。彼も1975年生まれの44歳(誕生日は4月だそうです)。世界で最も成功したヒップホップグループのうちのひとつである「アウト・キャスト」のビッグ・ボーイ(この人の説明をしだすとキリがないのですが、めっちゃすごいラッパーだと思っておけば間違いありません)に見いだされ、アルバム「Stankonia」に収録されている楽曲「Snappin'& Trappin'」でフューチャリングとして参加します。


「Stankonia」は400万枚以上を売り上げてグラミー賞を受賞! という超モンスター級のアルバムなので、かなり強烈なデビューだといえます。


その後ソロ活動を開始したマイクは、2011年にカートゥーンネットワークの社員(現在はAdult Swimクリエイティブディレクター)による紹介でEl-Pと知り合うことになります。同世代ということもあって意気投合した二人はコラボレーションを開始。そして翌年、El-Pによる全面プロデュースによって完成したのがキラー・マイクの五枚目のソロアルバムである「R.A.P. Music」です。ちなみに、同じ「ヒップホップ」という音楽ジャンルを志していたとは言えどEl-Pとキラー・マイクの二人がいた界隈は近いものではありませんでした。なので、彼ら二人のコラボレーションは当時のファンにとってかなり意外なものだったようです。


キラー・マイクはその物騒な芸名とは裏腹にかなり知的で、なおかつ強い政治色を持ったラッパーです。(El-Pもですが)バーニー・サンダースの熱心な支持者としても知られ、決起集会でスピーチをしたりもしています。


「R.A.P. Music」発売の一週間後、今度はキラー・マイクが客演として参加したEl-Pのソロアルバム「Cancer 4 Cure」が発売されます。その後二人で一緒にツアーを周り、更に関係を強固にした二人はとうとうスーパーグループ「ラン・ザ・ジュエルズ」を結成します。このユニット名はヒップホップMC・LL Cool Jの楽曲「Cheesy Rat Blues」からの引用だそうですが、「強盗」を意味するスラングでもあるのだとか。彼らを象徴する「ピストルとジュエリーを握った拳(Pistol and Fist)」のポーズは、宝石を持った人を強盗しようと銃を突きつけてる様子、という感じでしょうか。

RTJは今まで「Run The Jewels」「Run The Jewels 2」「Run The Jewels 3」という三枚のスタジオ・アルバムを制作しています(タイトルがわかりやすくていいですね)。筆者のオススメは二枚目のアルバムである「Run The Jewels 2」なので、この記事から入門したい人は“2”から聴き始めてみるといいかも知れません。もともとコアなヒップホップファンから強い支持を集めていた二人でしたが、RTJでの活動を通して更に幅広い層からの人気を獲得しました。



実はこう見えてRTJはゲームファンにとってもかなり親しみやすい存在で、『ウォッチドッグス2』などのサントラに参加してします。2016年のThe Game Awardsでもライブを披露しましたし、『Gears of War 4』にはなんとキャラクタースキンDLCとして登場したりもしています。また「ベイビー・ドライバー」や「ベノム」といったハードコアゲーマー好みかもしれない映画のサントラにも参加しています。


またちょっとした小ネタですが、RTJは去年発売のダニー・ブラウンのアルバム『uknowwhatimsayin』内の楽曲「3 Tearz」に客演で参加しています。同曲のプロデューサーはJPEGMAFIA。ダニー・ブラウンとJPEGMAFIAの二人組といえばTwitchでの『GTAオンライン』公式生配信で問題発言を連発してちょっとした話題になっていたことが記憶に新しいです。


そんなRTJですが、今年四年ぶりのニュー・アルバム「Run The Jewels 4」の発売を予定しており、つい先日El-Pはtwitterでその完成を報告しました。このアルバムにはおそらく『サイバーパンク2077』に提供される楽曲も含まれるでしょうから、ビデオゲームファンとしては聴き逃がせないアルバムになっていることでしょう。ここまで経歴を説明したので分かっていただけたはずだと思うのですが、彼らほど『サイバーパンク2077』のサウンドトラックに適したヒップホップグループはいないはずです。


最後に、来る「RTJ4」に向けて、彼らのオススメ楽曲を筆者なりにセレクトしてみたので、この記事を読んで興味が湧いた! という方はぜひ聴いてみてください。『サイバーパンク2077』発売まで約半年……待ち遠しくてたまらないところでしょうが、音楽を聴いてイメージを膨らませていれば、きっと一瞬で時間が過ぎ去りますよ!
《文章書く彦》

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top