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【吉田輝和の絵日記】廃墟のナチス掩蔽壕を探検するADV『Paradise Lost』で非力な少年を操作する内に怖くなる…

吉田おじさんはサバイバルホラーのしすぎです

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【吉田輝和の絵日記】廃墟のナチス掩蔽壕を探検するADV『Paradise Lost』で非力な少年を操作する内に怖くなる…
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今回は、PolyAmorousが手掛け、All in! Gamesがパブリッシングを行うPC向けソフト『Paradise Lost』です。

本作は、第二次大戦により滅んだ架空のヨーロッパが舞台の1人称視点のアドベンチャー。人々が居なくなったナチスの巨大掩蔽壕(えんぺいごう)を探索し、そこで何が起こったのか謎を解き明かしていきます。

廃墟を舞台にしたゲームといえば、崩れた建物と自然が調和した雰囲気を楽しむゲームと、ホラーゲームに分けられると思います。

果たして本作はどちらなのか、できれば僕が苦手なホラー展開が無いことを祈ります……!

君は戦えるタイプの主人公?

ナチスがヨーロッパの大部分に核ミサイルを落としたことにより、長きに渡って続いた第二次大戦は終わりを迎えた。その代償として大地は荒れ果て、ヨーロッパは世界から切り離されてしまうのだった。

本作の主人公は12歳の少年のSzymon君だ。放射能に汚染されたポーランドで、彼がナチスの巨大な掩蔽壕を発見したところから物語が始まる。

放射能に汚染された世界を探検するゲームといえば『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズを思い浮かぶが、あちらは放射能汚染により生まれたミュータントや人間同士が争っている恐ろしい世界観だ。

本作はそこまで荒れ果てた感じはしないが……念の為に武器とか持っておいた方がよくない?大丈夫?

ライターの火を灯り代わりにするものの、掩蔽壕の中は薄暗くて恐ろしい。

いかにもナニカが出てきそうだ……。

何でも良いから役に立つ武器や防具をくれ……!

これではモンスターや怪異が現れた時に対処出来ないじゃないか。本作にバトルが無いことを祈りながら先へ進む。

母親の隣にいる知らないおじさん……あ、僕じゃないです

少年が掩蔽壕にたどり着いたところから唐突に物語が始まるので、最初は少年の素性や目的が一切わからない。

薄暗い掩蔽壕を探索していると、時折母親との思い出がフラッシュバックする。記憶の中の母親は優しく少年に語りかけてくれていた。

母親の口ぶりからすると、この時の環境は決して恵まれたものではなかったのかもしれない。しかし、少年は母親からの暖かい愛情を受けて育ったようだ。

そしてまた別の記憶がフラッシュバックする。

部屋の中で、母親と男が収められた写真を見つける。

写真の男について質問すると「誰でもない!分かった?誰でもないのよ」と有無を言わさぬ剣幕で詰め寄られてしまった。

あれ、もしかして……浮気相手とかなのかな。

これがもし僕の母親だったら……うーむ、トラウマフラッシュバックだな。

掩蔽壕の中で、写真の背景と同じマークが描かれた壁を見つけた。番号は違うのでこの場所で撮られたものではないだろうが、母親もかつて掩蔽壕に居たようだ。

ふむ、つまり少年の旅の目的は、母親と関わりがある写真の男を見つけることなのだろう。写真の場所にたどり着くため、掩蔽壕探索を続ける。

レバーを操作すると照明が点いて明るくなった。どうやら電源は生きているらしい。

このようにところどころ干渉可能なポイントがあり、照明を点けたり装置を起動させたりしながら先へ進む。

あるレバーを操作すると、階下から広い舞台がせり上がってきた。

まさかこれは……!

唐突にひらけた場所が出てきたら大抵ボス戦!

おっかなびっくり近寄ってみたが、バトルは始まる様子がなかったので胸をなでおろす。

どうやらボス戦はないみたいだ……。主人公はライターしか持ってない少年だもんな。

残された資料から、かつての人々の営みを読み取ろう

掩蔽壕の中は地下とは思えないほど広大で、様々な設備が建ち並んでいる。まるで町のようだ。

辺りに落ちていた資料を読んでみると、実際にこの掩蔽壕に大勢の民間人が入植していたようだ。

ここはどういった目的で作られ、誰かどのようにして生活していたのかといった情報は、ところどころに落ちている資料や手紙から把握出来る。……といっても、ひとつの資料から語られる内容は断片的なので、1枚2枚読んだだけでは全貌はわからない。

資料以外にも、入植者のものであろうスーツケースや子供の玩具が放置されている。

なにか緊急の事態が起こり、人々は荷物も持たずに逃げ出したのだろうか。それこそ生死に直結するような何かが……!

廃墟探索は好きなのだが、ホラーはとても苦手なのだ。いかにも何か出そうな場所を一人ぼっちで探索していると恐ろしい想像ばかりしてしまう。

そんな一人ぼっちの寂しい探索も終わりを告げる。設置されたスピーカーから誰かの声が聞こえてきた。

声の主の女性は掩蔽壕に物を漁りに来て、コントロールルームのような場所に閉じ込められているらしい。少年の探索を手伝う代わりに自分を助け出して欲しいとのことだ。

うーん、怪しい匂いがプンプンする……。これまでサポートしてくれていた人が最後に裏切るのは定番パターンだ。

ゲーム的に武器は無いが、心の中に棒きれを持って探索を続けるのであった……。


4時間ほどでクリアしました。このジャンルでは丁度いいボリュームだったと思います。

人の手から離れた巨大な掩蔽壕探索……廃墟ゲームが好きな僕にはドンピシャなゲームでした。今は誰も居ないけど、かつてそこで人々が生活していた痕跡を見つけるのが、物悲しくもあり楽しくもあります。

雰囲気は抜群に良いものの、ストーリーは基本的に道なりに進むだけだったのが残念です。小さな子どもが主人公だからか移動速度も遅めに設定されています。あとは段差を登る時など、少年の視点をリアルに再現しているためか画面が結構揺れます。3D酔いしやすい方はご注意を。僕は酔い止め薬を飲んで挑みました。

『Paradise Lost』は、PC/PS4/Xbox One向けに配信中です。

吉田輝和のプロフィール:自画像の絵日記を20年以上書き続けている謎のおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」などの人気漫画のモブキャラとして登場しており、これまでアニメ作品に3回登場した。何故こんなに漫画に登場しているのか、描いた漫画家も吉田本人もよくわからないらしい。 最近、『スカイリム』を二人でプレイする絵日記企画「スカイリム二重人格ロールプレイの旅」をはじめた。同企画の最新話通知用Twitterはこちら。吉田輝和個人のTwitterはこちら
《吉田 輝和》

おじさんの絵を描くおじさん 吉田 輝和

20年近く趣味でおじさんの絵(自画像)を描いていたら、いつの間にかおじさんの絵を描く仕事をするようになったおじさん。「吸血鬼すぐ死ぬ」や「からかい上手の高木さん」など数多くの漫画に、自分でも知らない内にモブとして登場している。 現在はGame*Sparkや他メディアでおじさんの絵やゲームの絵日記を連載中。お仕事の依頼は吉田輝和ツイッターからどうぞ。

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