MODに対する言及も!? 確実に評価を上げた理由が垣間見える『Fallout 76』ゲムスパ独占インタビュー! | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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MODに対する言及も!? 確実に評価を上げた理由が垣間見える『Fallout 76』ゲムスパ独占インタビュー!

「Steel Reign」リリース前に行われたベセスダへの『Fallout 76』インタビューをお届けします。内容はPERKやなんとMODにまで言及しております。

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MODに対する言及も!? 確実に評価を上げた理由が垣間見える『Fallout 76』ゲムスパ独占インタビュー!
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  • 筆者の録画からキャプチャしたお祭り「ファスナハト」
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  • 「Better Inventory」というインベントリ内の各セクションの重量を表示させるインベントリ拡張MOD
『Fallout 76 - Steel Reign』 アップデート情報

2018年末のリリースからおよそ3年が経ち、アパラチアの情景もずいぶん様変わりしました。たとえばローンチ時の筆者による『Fallout 76』Game*Sparkレビューでは一ツ星レビュー、2回目では二ツ星レビュー、そして3回目では三ツ星レビューと評価してきました。その理由は確実にプレイヤーにもたらす体験がどんどん良くなっているからです。

そんな作品に昇華している要因も今回のベセスダ・ソフトワークス開発者インタビューで垣間見えるのではないでしょうか。といったところで「Steel Reign」アップデート直前に行われたインタビューを掲載いたします。

レッツロック! 気概のあるやつが現れましたよ!


フィードバックはパブリックテストサーバー(PTS)のみならずDiscordでも!

――「Steel Reign」アップデートが目前となりましたが、『Fallout 76』は登場する人間がすべてプレイヤーである、ということをうたい文句としてローンチされました。しかし、その試みは多少ぎこちなく、結果として人間のNPCを入植者とレイダーとして派閥に分けて登場させ、新しいクエストラインを登場させて大成功を収めました。この判断は運営型ゲームでは大きな決断だったと思いますが、どのようなフィードバックを受けての判断だったのでしょう。

ベセスダ・ソフトワークスフィードバックをいただいている場所は複数あります。その筆頭が、素晴らしいコミュニティチームです。皆さんが『Fallout 76』やパブリックテストサーバーのsubredditに書き込んでくれるフィードバックを収集する上で欠かせない存在です。また、私たち自身でプレイヤーの投稿を読み返す時間も設けています。提案やその他のフィードバックを書き込める場として、Discordチャンネルも重宝します。こうした情報源から集めたフィードバックを判断材料にしながら、今後どうしていくのがベストかを考えています。

また、ZeniMaxやBethesda Game Studiosにも、私たちのゲームを熱心に遊んでくれる人たちが大勢います(もちろん開発チームにも)。良質なフィードバックや提案を仲間たちからももらえるわけです。こうした内部のフィードバックは、コミュニティから上がってきたフィードバックと同じことも珍しくありません。私たちは開発者である以前にゲーマーでもありますからね。

「Wastelanders」の配信に先立ち、パブリックテストサーバー(PTS)の運用を始めたのですが、PTSもゲームの改善に役立っています。配信前のコンテンツや機能を実際に試していただけるというのは、非常に助かります。開発サイクルの初期段階でプレイヤーのフィードバックをいただければ、プレイヤーの皆さんの期待に沿った、より的確な修正を行えます。PTSをプレイしてフィードバックを残してくださる皆さんの熱意には、感謝の言葉しかありません。おかげでゲームは確実に進歩しています。実際に、レジェンダリーPerkやレジェンダリークラフトといった機能には、PTSからのフィードバックを受けた変更が多く盛り込まれています。

クエストコンテンツに留まらないアップデート

―― 新しく人間のNPCを追加する、その試みはB.O.S.にも及びました。まさかの登場で、どんどんアパラチアの情勢が変わってきています。新しいクエストラインには新しいNPCがおり、初期からのプレイヤーからするとどんどん世界が広がっているかのように感じられます。実際にはB.O.S.のクエストライン最終章となっておりますが、今回のアップデートではどんな広がりがありますでしょうか? それとも収束に尽きる形でしょうか。

ベセスダ「Steel Reign」は、B.O.S.の帰還に関するストーリーの後編という位置づけです。「Steel Dawn」に出てきたキャラクターたちの続きのストーリーが語られるだけでなく、新しいキャラクターも登場するのでお楽しみに。

今回のアップデートでは、新しいクエストコンテンツだけでなく、レジェンダリークラフトのシステムが導入されました。これにより、プレイヤー独自の星1~3のレジェンダリーアイテムを作製できます。他にもレジェンダリーアイテムのボーナス効果が追加されたほか、システムが拡充され、パワーアーマーもレジェンダリーの対象になっています。

新しいSCOREBOARD

新しいシーズンSCOREボードにも触れておくべきでしょう。「Steel Reign」の新たなSCOREボード「K.D.インクウェルの42世紀からの脱出」は、新しい『Fallout』コミックのキャラクター、K.D.インクウェルが主役です。彼女がタイムスリップした未来の地球を支配していたのは、高度な知能を持つイルカ人間でした。人間を快く思わない彼らは、手荒な歓迎に乗り出します… 特別なパワーアーマーや武器スキン、衣装、C.A.M.P.オブジェクトなど、このシーズンならではの報酬が多く用意されています!

ゲームプレイの改善も!

――他方、ゲームプレイに目を向けますとレジェンダリーのメカニクスにも手が加えられようとしています。新しいレジェンダリーを掘るのみならず作るという試み。こちらはどのようなフィードバックで生まれたのでしょうか?

ベセスダきっかけとして大きかったのは、プレイヤーの皆さんからのフィードバックです。この機能に関しては、以前から幅広くリクエストが寄せられていました。ですが、実装して終わりではありません。年内にレジェンダリーアイテムのシステムをさらに拡充する予定ですので、どうぞお楽しみに。今度は星4のレジェンダリーアイテムが登場します!

――季節ごとのイベント、たとえば「ファスナハト」やクリスマスのなんらかのイベントなど、シーズンイベントの拡充はこれからも行われますか?

筆者の録画からキャプチャしたファスナハトの様子

ベセスダもちろんです! 新しいシーズンイベントに総力を挙げて取り組んでいます! モスマン教団が登場するイベントや、まだ詳しくは明かせませんが、別世界からの訪問者に関係したイベント、他にも新たなハロウィーンイベントを考えています。追って続報をお届けしますので、今しばらくお待ちください。当然ながら、ファスナハト、ミートウィーク、ホリデースコーチもラインナップに入っていますので、ご心配なく。

――たとえば「デイリーオプス」は顕著ですが、インゲーム中の日課となるデイリークエストのようなものはもっと増えるようロードマップでは示唆されています。「デイリーオプス」は本当に1日1回だけ短時間で済む手頃な要素で、これらを拡充して「ウィークリークエスト」にあたるものを追加していただいて遊べるようになればという期待をしています。現状、ウィークリーにあたる1週間に1回リセットされる「金塊」などはありますが、ウィークリークエストの拡充予定などはありますでしょうか?

ベセスダ新しいシーズンのたびに、新たなデイリーおよびウィークリーチャレンジを増やしていきたいと考えており、日々アイデアを練っています。それ以外にも、繰り返し遊べるコンテンツを充実させる計画があるのですが、こちらのほうはまだ少し先、来年の話になりそうです。

――個人的に、レジェンダリーモジュールが不足しがちなのですが、開発チームはモジュールの供給量に対してどう判断していますか?また、現状の供給量に関する理由などについてあればお聞かせください。

ベセスダレジェンダリーモジュールが手に入りにくいというのは事実ですし、一部は意図的な仕様です。とはいえ、あまりに手に入らないということであれば、調整を加えることも検討しています。プレイヤーがどのくらいのペースでレジェンダリーモジュールを手に入れているかは、内部の基準で客観的に調べています。この件について申し上げられるのは、残念ながらここまでです。(スマイルマーク)

――「PERK」システムにも大きく手が加わり、念願の「デッキ化」ができるようになりました。これは大変ありがたいです。「レジェンダリーPERK」に関してもヘビープレイヤーの要望に応えるものになっていると思います。今後PERKの種類を増やす予定はありますか?

レジェンダリーPERK

ベセスダ温めているアイデアはありますが、まだ詳しくお話できることはありません。

MODに関するベセスダの見解

――デッキ化、についてお話ししましたが、非公式にデッキ化できるMODが存在していることはご存じかと思います。インベントリの視認性向上MODなどかなり便利なものがMODコミュニティで生まれています。ここからフィードバックすることはあるのでしょうか。そしてMOD使用を取り締まるような動きはあるのでしょうか。私の観測圏内ではチートに値するような仕様のMODはみかけませんでした。

ベセスダBethesda Game Studiosは、MOD開発コミュニティの存在を歓迎しています。『Fallout 76』に限らず、彼らが作るものは本当に見事です。当社の作品に対する熱意や、自分たちの物語を伝え、私たちのエンジンで独自の機能を生み出したいという意欲は尊敬に値します。並大抵のことではありませんし、私たちもそれを当然のこととは考えていません。

私たちは、『Fallout 76』を含むすべてのゲームにおいて、MOD開発コミュニティの精神を取り入れる方法をいつも模索しています。その第一歩にあたる取り組みが、近日リリース予定の「Fallout Worlds」です。これは、「Fallout 1st」プレイヤーが、ルールを変えたり、プライベートワールドの設定を調整したりして、フレンドと楽しく遊べるようにするシステムです。こうした新しい設定により、通常のアドベンチャーモードとはまったく異なる体験をプレイヤーの手で作り出せます。これは最初のステップにすぎません。この機能は今後も充実させていく予定です。

「Better Inventory」というインベントリ内の各セクションの重量を表示させるインベントリ拡張MOD

『Fallout 76』はオンラインゲームのため、その性質上、従来型のMODとは折り合いがつかない部分もあります。場合によっては、他のプレイヤーの体験に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。そうしたケースでは、ルールに反するMODを使えなくする措置も視野に入れなければなりません。

プレイヤーが作成したMODは、私たちのゲームの「弱い部分」を探るダウジングロッドでもあります。所持品管理のMODからヒントを得て、蓄えたアイテムをPip-Boy上で管理しやすくする変更を行なったのがその好例です。この1年で、アイテムカテゴリーのタブや、スタック重量の情報、Pip-Boyの「NEW」アイテムタブが追加されました。MOD開発コミュニティが存在しなければ、こうした変更が導入されることはなかったでしょう。

ーーありがとうございました。


インタビューのおさらい

以上が今回のインタビューの内容となっております。やはり驚かされたのはMODに対して明言してくれたことに尽きるように思います。シリーズファン、ましてやPCゲーマーでベセスダ作品を愛する者なら手放せない拡張要素です。そのことに対してベセスダが自覚的であり、なおかつ活かそうとしているのは素晴らしいと思いました。

読者の皆さんも、1度離れたプレイヤーはまた戻ってくる価値があるし、まだ遊んでいない人は今からでも遅くないのでフリーウィークエンドなどでも行われた際には1度遊んでみて下さい。まだ発展途中の運営型ゲームではありますが、確実に「今はよい」といえる出来になっています。ぜひ体験してみましょう!

『Fallout 76』はPS4/Xbox One/Windows版にて2018年11月14日に正式サービスが始まりました。価格は4,800円(税込)です。※ただいまSteam版は8月25日までQUAKECONセール中で価格1,584円!
なおXbox Game Pass版も2020年7月9日にリリースされました。


Fallout 76
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《SHINJI-coo-K(池田伸次)》

FPSとADVを偏愛しつつネトゲにも造詣のあるフリーライター SHINJI-coo-K(池田伸次)

「Game*Spark」誌に寄稿しつつも「IGN JAPAN」誌と「GAMERS ZONE」誌にも寄稿。「インサイド」誌にも寄稿歴あり。今はなき「Alienware Zone」誌や「週刊Steam」誌にも寄稿していたフリーライター。 そしてヒップホップビートメイカー業も営む音楽家兼ゲームライターの兼業家。通称シンジ。

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