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『逆転裁判』裁判で「有罪か無罪か」を考えてはいけない?Not GuiltyとInnocentの間【ゲームで英語漬け#80】

クロかシロかという単純な二項対立ではありません。

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『逆転裁判』裁判で「有罪か無罪か」を考えてはいけない?Not GuiltyとInnocentの間【ゲームで英語漬け#80】
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2001年10月12日にゲームボーイアドバンスで発売された『逆転裁判』は、先日で20周年を迎えました。探偵ものが中心だった推理ミステリーに裁判という新機軸を打ち立て、表情豊かなアクションと犯人を問い詰めていく高揚感で人気を博しました。

英語版では舞台がアメリカとなり、人物の名前や一部のトリック設定が変更されています。現在入手できる形態では全ての言語切り替えが収録されており、日本語をプレイした直後であれば、レベルの高い殺人事件に関する語句であってもすんなり推測できるでしょう。

現在、20周年を記念して、現在各プラットフォームで『逆転裁判123 成歩堂セレクション』がセール中です。参考書を一冊買う代わりに、是非この機会に入手して日英の違いを楽しみましょう。

練習問題の解答


『DEATHLOOP』甘い言葉には気をつけろ?ちょっと怪しいフィズポップの広告を読む【ゲームで英語漬け#79】
問:
Bookworm
Holds her liquer
Iron spine
Masquerade slab means she’s got a million faces

解答例:
本の虫
酒に強い
筋金入りの頑固者
マスカレードのスラブで何にでも化けられる

「本の虫」は英語でもそのまま「Bookworm」ですが語源は別々です。偶然にも発想が共通していたようですね。

「無罪」は「無実」ではない「Not Guilty」と裁判の仕組み

有罪か無罪か、白か黒か、事件の犯人を巡ってはこの組み合わせをよく聞きますね。『逆転裁判』でも証拠を駆使して被告人の無実を証明、そして真犯人の手口を立証するのがゲームの主軸です。

有罪無罪を英語では「Guilty」「Not Guilty」と表します。無罪の方はもう一つ「Innocent」とも言いますが、評決の「無罪」は「Not Guilty」であり、「Innocent」ではありません。同じ「無罪」と訳されるものですが、両者の本質的な意味は大きく異なります。陪審員制度のあるアメリカの裁判では、刑事裁判を争うときには「Guilty or Innocent」ではなく「Guilty or Not Guilty」の判断をするよう説明されます。では、「Not Guilty」と「Innocent」の違いはどこにあるのでしょうか?

まず「Guilty」=有罪とはどういうことなのかを明確にしておきましょう。これは、裁判の審理において法を犯した事実が証明され、その結果として下される判決です。『大逆転裁判』でゲームシステムに取り入れられた陪審員制度の場合、重犯罪ではほとんどの州で12人の陪審員が全員一致することが条件なので、言い換えれば犯罪の立証に全員が納得して、初めて有罪だという判決に至ります。

もし、1人でも立証に疑念を持って有罪に反対する陪審員がいれば、不一致となって有罪とはなりません。これが裁判における「Not Guilty」です。つまり、「有罪だと確定できない状態」を指します。立証責任は検察側にあるので、検察側の主張に決定打がなかったと陪審員が考えれば「Not Guilty」になるのです。

一方「Innocent」は狭義で「無実」「潔白」なので、犯罪に関わっていないことが立証されることです。弁護側がそうすることも手段ではありますが、警察が集めた証拠に対抗するのは困難です。裁判に勝つには「Not Guilty」のラインを目指せばよいので、検察側の証拠の信憑性を下げて立証を揺るがすのも有効です。ですから無罪=Innocentである必要はありません。たとえ限りなく疑わしいグレーであっても、裁判で有罪だと確定されない限りは無罪=「Not Guilty」になるのです。

これに関連して「Presumed Innocent(推定無罪)」という言葉があります。裁判で有罪だと確定しない限り、容疑者や被告を犯罪者のように扱ってはならない、という法律の基本原則です。

例えば、警察は証拠を集めて検察に届ける「送検」までが仕事であり、有罪無罪の判断は一切行いません。逮捕を実行するのはあくまでも逃亡や周囲に及ぼす危害を防ぐためにするものです。逮捕を伴わない書類送検も、「怪しいと思われる人をとりあえず調べておきました」という報告を行っているに過ぎません。報道で「容疑者」という言い方をあえて避ける場合があるのも、犯罪のイメージがつかないよう配慮するためです。

一般的には無罪が「Innocent」、無実が証明されたシロだというイメージですが、本来であればグレーの「Not Guilty」が正しいものです。有罪か無罪かの二者択一ではなく「Guilty(有罪)」「Not Guily(無罪)」「Innocent(無実)」のグラデーションだと考えた方が、裁判の実態に近いものになるでしょう。映画「12人の怒れる男」や「12人の優しい日本人」では陪審員による議論が描かれ、検察と弁護士とはまた違った法廷劇になっています。

Reading -Episode 1 The First Turnabout

『逆転裁判』では強烈なキャラクターが多いこともあり、英語では口語の言い回しもオーバー気味に翻訳しています。一方で裁判のシーンではしっかりと堅い言葉を使っていますが、元がGBAなので短く簡潔な文章がほとんど。事件の内容さえ把握していれば読み進められる「中の上」ぐらいのレベルです。

“When something smells, it’s usually the Butz.”

「なんか臭いと思ったら、それはいつでもButz(Butt=ケツ)のせいだ」

「やっぱりヤハリ」に対応する英訳です。日本語版でも人名にもじりが多いですが、英語だけでなく各言語でもそれぞれに応じた変更があるようです。

Cindy‘s Autopsy Report

Time to death: 7/31, 4PM-5PM

Cause of death: loss of blood due to blunt trauma.

  • Autopsy:検死

  • Blunt:鈍い

  • Trauma:外傷

検死報告書:Cindy
死亡推定時刻:7月31日、午後4時~5時
死因:打撲創による失血死

Larry:

We were great together!

We were Romeo and Juliet,

Cleapatra and Mark Anthony!

Phoenix:

(Um... didn’t they all die?)

ヤハリ:
オレたちゃ心が通じ合ってたんだよ!
ロミオとジュリエットで、クレオパトラとアントニウスなんだよ!

ナルホド:

(それ、全員死んでるんじゃ…?)

Payne検事に「フラれた」と指摘された場面です。「今世紀最高のカップル」のくだりを具体的な小ネタを盛り込んでいますね。

裁判で使う単語集

  • Judge:裁判官

  • Court:法廷、裁判所

  • Trial:裁判

  • Prosecution:検察

  • Defendant:被告人

  • Attorney:弁護士

  • Victim:被害者

  • Witness:証人

  • Testimony:証言

  • Contradiction:矛盾

練習問題:次の台詞を訳しなさい。

We never really know if our clients are guilty or innocent.

All we can do is believe in them.

彼女の「遺言」であり、『逆転裁判』シリーズ全体を貫くテーマです。

《Skollfang》

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