死と隣り合わせのスリルこそ醍醐味!『ウィザードリィ外伝 五つの試練』公式シナリオ「灼熱の車輪」プレイレポ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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死と隣り合わせのスリルこそ醍醐味!『ウィザードリィ外伝 五つの試練』公式シナリオ「灼熱の車輪」プレイレポ

Steam版が発売された3DダンジョンRPG『ウィザードリィ外伝 五つの試練』。同作の公式シナリオ「灼熱の車輪」のプレイレポートをお届けします。

連載・特集 プレイレポート
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『ウィザードリィ外伝 五つの試練』
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2021年12月17日にSteam版の早期アクセスが開始となった3DダンジョンRPG『ウィザードリィ外伝 五つの試練』。本記事では発売に先駆けて同作の公式シナリオ「灼熱の車輪」のプレイレポートをお届けします。本作を手掛けるデベロッパーは59 Studio、パブリッシャーはGame*Spark Publishingです。

世界中のファンに愛される3DダンジョンRPG『ウィザードリィ』シリーズ。本作はシリーズが日本で独自の進化を遂げた『ウィザードリィ外伝』シリーズの系譜の最新作にあたります。筆者もかつてダンジョン攻略にのめり込んだ日々が思い出され、懐かしさとともにこれから始まる冒険への期待が膨らみました。シリーズをプレイしたことがない方も、この機会に触れてみてはいかかでしょうか。

『五つの試練』の名前が示す通り、本作には5種類の公式シナリオが用意されています。今回紹介する「灼熱の車輪」はその一つで、シナリオとしては比較的短く、風変わりなストーリーとなっています。

※発売前のバージョンでのプレイであり、画面は開発中のものです。製品版とは異なる場合がありますのでご了承ください。

死と隣り合わせの冒険

本作では使用する言語やインターフェースを細かく設定できます。今回はメッセージを日本語、モンスターやアイテムを英語に設定しました。

次はキャラクターの作成です。町外れの訓練場に行き、種族や職業を決めた後、力、知恵、信仰心といった能力にポイントを割り振ります。本作のキャラクターはあらかじめ決められた背景設定を持たず、セリフを話すこともありません。すべてはプレイヤーの自由な想像力に委ねられています。本作にはプレイヤー自身が用意した好きな画像をアバターとして表示する機能もあり、お好みで想像力を補えます。

キャラクターが完成したら酒場でパーティを編成しましょう。パーティは最大6人。前の3人が武器で戦い、後ろの3人は呪文などで支援します。今回の初期編成は、前衛に侍と戦士2人、後衛に僧侶、盗賊、魔法使いとしました。この他、アイテムの鑑定を担当するビショップが城に待機します。

商店で装備を整え、いよいよダンジョンに向かいます。その前に城に立ち寄り、お触れを確認します。お触れによると、なにやらメタルケイブと呼ばれるダンジョンに向かえば一攫千金どころか英雄になれるとのこと。詳しいことはダンジョン内でわかるようです。さっそく町外れからダンジョンに突入します。

ダンジョンの中では一寸先は闇。パーティの周囲しか見えません。現在地の座標はもとより向いている方角すら表示されないので、道に迷ったらもとの城に帰れなくなってしまいます。ここはその手の記録用途に役立つ、昔ながらの方眼紙の出番と言いたいところですが、あいにく筆者の手元にはなかったので代わりに表計算ソフトで地図を作り(マッピング)しました。

「オートマッピング機能はないの?」と不安に思う方がいるかもしれませんが、安心してください。本作にはオートマッピング機能も搭載されています。ただし、その機能は限定的で、地図を見るには呪文を唱えなければなりません。呪文は使用回数に制限があり、シナリオによっては使用できない場合もあります。あくまで補助的な機能と考えるべきでしょう。

このように、マッピング一つとっても本作のダンジョン探索はシビアです。それに加えて、モンスターとの戦闘は序盤から死者が出る難易度で、お金と引き換えに死者を蘇生してくれる寺院には何度もお世話になります。

また、本作では死者の蘇生が必ず成功するとは限りません。蘇生に失敗するとキャラクターは灰になり、灰からの蘇生にも失敗するとそのキャラクターは二度と復活できなくなります。寺院で行われる復活の儀式では、丹精込めて育てたキャラクターが消滅するかもしれない重要な局面だけに、表示に合わせて心の中で実際に祈りを捧げるプレイヤーも多いのではないでしょうか。

『ウィザードリィ』のダンジョン探索は、文字通り死と隣り合わせの冒険です。しかし、そのスリルこそが最大の醍醐味でもあります。

戻れぬ道

ダンジョン地下1階の探索を進めると、次々と不可解なキーワードに遭遇しました。

ある場所に足を踏み入れたところ、奇妙な服を身にまとった男の姿が浮かび上がりました。声が聞こえ、行方不明の鋼の王を探し出せと告げられます。これが城のお触れに書かれていた冒険の目的ならば、奇妙な姿の鋼の王を見つけ出せば英雄になれるのでしょうか。

さらに探索を進めると、鋼の王について語る男に出会いました。彼によれば鋼の王はでかくて速い鉄の馬を持っていたが、今ではダメになってしまったのだそうです。鉄の馬とはいったいなんのことでしょうか。

極めつけの謎は、ダンジョンのあちこちに登場する高速道路の四文字です。ダンジョンに高速道路とは、これまた意外な組み合わせです。探索を進めていけば、すべての謎が解き明かされるのでしょうか。

地道に地下1階の探索を続けると、立入禁止と書かれた扉に遭遇しました。いかにも強力なモンスターが出てきそうな扉です。覚悟を決めて扉を開けると、扉の先にあったのは短い通路。モンスターはいませんでした。

軽く拍子抜けしながら慎重に通路を進むと、通路の一番奥で小さな紙切れを見つけました。紙切れにはクラブに通じる抜け道があると書かれています。実は、抜け道らしい扉はここに来る前に発見していました。しかし、扉には鍵がかかっており、盗賊や魔法使いでも開けられなかったのです。結局、クラブの正体はわからないまま、さらに探索を続けることにしました。

地下1階の探索も終わりに近づき、モンスターとの戦闘にも余裕が出てきた頃、事件が起きました。初めての扉をくぐり、マッピングのためにふと後ろを振り返ったところ、今くぐったばかりの扉が消えていたのです。片側からしか通れない一方通行の扉でした。つまり、来た道を引き返せなくなったのです。この時、呪文の使用回数はすでに尽きており、パーティは全滅の危機に陥りました。

本作では探索中にパーティが全滅した場合、死体はそのままダンジョン内に残ります。死者を蘇生するには別のパーティを編成して死体を回収しなければなりません。筆者は青ざめました。予備のパーティはまだ育成しておらず、ここで全滅すれば一からキャラクターを育て直さなければなりません。

来た道を戻れなくなった以上、先に進むしかありません。モンスターに遭遇しないことを祈りながら、城への帰り道を探してダンジョンの奥深くに足を踏み入れます。すると、あろうことか地下2階に降りる縄梯子を発見しました。興味はわきますが、さすがにここで地下2階に降りるのは自殺行為です。冷や汗をかきながら地下1階の探索を続行したパーティは、なんとか迂回路を発見して無事城に帰還しました。

筆者はこのあとも一方通行の扉を使ったトラップに度々苦しめられました。これからプレイされる方は、不慮の全滅に備えて救援用のパーティを育てておくことをお勧めします。

裏技紹介コーナー(ネタバレ注意)

昔のPCゲームのたぐいでは、たとえ本作同様の自動セーブであったとしても、パーティが全滅した時に素早くディスクを取り出すことで、セーブを回避する裏技が存在しました。筆者はデータが破損すると聞いて試しませんでしたが、当時お世話になった方もいるのではないでしょうか。

実は、本作にもこれと同様の裏技が存在します。裏技を知りたくない方は読み飛ばしてください。

本作では好きなタイミングでCtrlキーとF1キーを同時に押すと、瞬時にタイトル画面まで戻れます。セーブの結果は特定のタイミングでしか保存されていないので、いやな結果は巻き戻せてしまうかも知れません。データが破損する心配は基本的にはありません。

初めての強敵

いよいよダンジョン探索は地下2階に突入しました。地下2階にはゴミ廃棄場の看板があり、あちこちで噴出する有毒ガスに前進を阻まれます。どうやらガス対策が探索を進める鍵のようです。この階からモンスターの攻撃手段が一段と豊富になりました。モンスターが呪文や毒やブレス(炎などの息による全体攻撃)を使うようになったのです。パーティも睡眠や沈黙の呪文を駆使して対抗します。

しばらくモンスターと一進一退の攻防が続きましたが、魔法使いが全体攻撃呪文を覚えた頃からダンジョン探索が一気に楽になりました。とある小部屋で奇妙なアイテムを発見し、城に持ち帰ってビショップが鑑定したところ、マスクであることが判明します。パーティがマスクを装備すると、これまで通れなかった有毒ガスの通路が通れるようになりました。

トラップに悩まされながらガスの先を探索すると、見るからに強力なモンスターに遭遇しました。その名も殺戮の輪。鋭い刃のついた二枚の円が高速回転しているようです。初めての強敵に筆者は見構えました。普段は使わない防御呪文まで駆使した激戦の末、パーティは勝利を収めます。殺戮の輪を倒したあとには同じ名前のアイテムが残されました。果たして、このアイテムはなんの役に立つのでしょうか。


《FUN》

遊ぶより創る時間の方が長いかも FUN

元ゲームプログラマー。得意分野はストラテジーゲーム。ゲームライターとして活動する傍ら、Modの制作や有志日本語化に携わっています。代表作は『Crusader Kings III』の戦国Mod「Shogunate」。

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