18年の時を超えて蘇ったDRPGには根源的な魅力が詰まってた『ウィザードリィ外伝 戦闘の監獄』【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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18年の時を超えて蘇ったDRPGには根源的な魅力が詰まってた『ウィザードリィ外伝 戦闘の監獄』【プレイレポ】

『ウィザードリィ外伝 五つの試練』のダウンロードコンテンツとして登場した『戦闘の監獄』。新たなシナリオの魅力とは?

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18年の時を超えて蘇ったDRPGには根源的な魅力が詰まってた『ウィザードリィ外伝 戦闘の監獄』【プレイレポ】
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注意:本記事にはDLC『ウィザードリィ外伝 戦闘の監獄』の第三迷宮、第四迷宮のネタバレを含みます。ご注意ください。

『ウィザードリィ外伝 五つの試練』のダウンロードコンテンツとして2023年3月30日に配信された『ウィザードリィ外伝 戦闘の監獄』。本記事ではこのゲームの紹介と、一足先にプレイした感想や知っているとちょっとだけ便利にゲームを進められるかもしれない要素をご紹介します。

注:本記事は発売前のテスト用ビルドを元に製作されています。そのため、実際の製品版と細部が異なる可能性があります。予めご了承ください。

『ウィザードリィ外伝 戦闘の監獄』とは?

『ウィザードリィ外伝 戦闘の監獄』はもともと2005年にWindowsPC、2006年にPS2、2012年にスマートフォンで発売された『ウィザードリィ外伝』シリーズのうちの1作です。PC版が出た2005年はまだまだダウンロード販売が一般的ではない時代で、PS2版もPS2末期の発売、スマートフォン版も大々的に宣伝が打たれたわけではなかったため、意外とプレイしたことのある人は少ないのではないかと思います。その『戦闘の監獄』をSteam版『ウィザードリィ外伝 五つの試練』の新規ダウンロードコンテンツとして装いを新たにしたのが本作になります。

順に難易度を増す3つの迷宮。古典的『Wiz』入門にもおススメ

舞台は辺境の小国・トランプル王国。この国で見つかった大鉱脈の存在から、近隣諸国の侵略を恐れた近衛隊長ハルシュタインが王国内に点在するダンジョンを「訓練場」として整備し、世界中から優秀な冒険者を集めた……というのが本作の背景設定です。

その中の1つで、おそらく最初に潜ることになるのが「カラムの洞窟」。

迷宮のサイズは16x16、全3階層と比較的シンプルな構造をしていますが、作り上げたばかりのレベル1のキャラクターにとっては脅威です。まずは魔法使いの「スリープ」で敵グループを眠らせ、受けた傷を僧侶の「ヒール」で少しずつ回復していく……という、古典的『ウィザードリィ』ではお馴染みの序盤の進行をここで学ぶことになります。

ミニマップが有効になるとこのように表示されます。範囲はそう広くないので注意です。

また本作独自の要素として、各階層にミニマップ表示スイッチが配置されており、これをONにすることでその階層のミニマップが常時表示され探索がやりやすくなります。まずは各階層のミニマップ表示スイッチを探すことを1つの目標にするとよいでしょう。

なお、経験値稼ぎに最適な敵「ゴースト」もカラムの洞窟のどこかにいます。有効に活用しましょう。

「カラムの洞窟」を制覇したら、「デュエルの洞窟」に挑む頃合いです。迷宮サイズが20x20と一回り大きくなり、全6階層と深度も倍に。複数階層が絡んだ構造が現れ、現れる敵の数も増え、より強力になってきます。ここからが本格的な『ウィザードリィ』とも言えるでしょう。

「カラムの洞窟」「デュエルの洞窟」を制覇すると、「リュードの迷宮」へ挑めるようになります。迷宮のサイズは24x24、全10階層と今までのダンジョンよりさらに大規模に、そして高難度の迷宮となっています。2005年度のオリジナル版ではこの迷宮内に点在するリドル(謎解き)の難易度がそれまでの階層と比して高いことで有名だったのですが、今回の『五つの試練』DLC版ではリドルが撤廃されました。

代わりに「各種状態異常を持つ敵との戦闘」「特定の職業の敵との戦闘」などのテーマを定めた特殊な戦闘が配置されるようになり、まさにタイトル通りの「戦闘の監獄」となりました。この迷宮を踏破するには、本作の特色でもある「魔法効果付きのアイテム」が必要不可欠です。なお、シナリオの開発によればこの変更は「より戦闘に特化する」ためとのことです。

強力な「魔法効果付きアイテム」を求めて。終わりなきトレジャーハンティング

本作が今までの『ウィザードリィ』と決定的に異なる要素として「魔法効果付きアイテム」の存在が挙げられます。これはダンジョンの中でドロップしたアイテムに「ランダムで様々な魔法効果がつく」というもので、ちょうど『ディアブロ』系統から発展したようなアイテムのシステムを『ウィザードリィ』に持ち込んだものといえます。これらの魔法効果はかなりの多岐にわたるのですが、有用なのをいくつか挙げてみますと下記のとおりです。

  • 攻撃回数基本値
    装備したキャラクターの攻撃回数の基本値を明示されている回数まで引き上げます。ゲーム開始時から商店に置かれているスペシャルアイテム(『ディアブロ』でいうところのユニークアイテムに相当)の「ファイアーソード」は、攻撃回数基本値5が必ずついているため、序盤から中盤にかけては圧倒的な火力をたたき出してくれるでしょう。

  • 攻撃回数+
    装備したキャラクターの攻撃回数を明示されている回数だけ増やします。攻撃回数基本値はキャラクターがレベルアップするごとに増えるため高レベル帯では効果が薄くなってきますが、この効果は単純加算なので高レベル帯でも有効です。基本的に武器に付く効果で、メイン武器・サブ武器ともに攻撃回数+がついていると両方の攻撃回数+の合計分攻撃回数が増えるため、攻撃力が爆発的に増えます。中盤以降、物理アタッカーはこの効果の付いた武器をメインサブ二刀流することになるでしょう。

  • 力+
    装備したキャラクターの命中率を増やします。本作は全体的に敵に攻撃が当たりにくいため、命中率を強化することがそのまま与ダメージの強化につながります。物理アタッカーにはこの効果がついた装備を優先的に回すとよいでしょう。

  • ブレスダメージ緩和
    敵のブレスの攻撃を軽減します。中盤以降ブレスを吐く敵は結構多いため、後衛のHPが低めのメンバーにこの効果の付いた装備を着せたいところ。主にマントに付くようです。

  • ダメージ緩和
    敵のブレス以外の攻撃ダメージを軽減します。これもマントや防具に付くことがあるので、HPが低めのキャラクターや攻撃を受けやすい前衛キャラに装備させたいところです。

  • ヒーリング+
    装備していると歩いただけでHPが回復する効果です。HPの回復手段が限られている本作では重宝します。そもそも出現率がレアな「指輪」か「魔除け」にしかこの効果はつかないのですが、商店で魔法効果を付与する「魔法を込める(5000ゴールド)」でも出現する可能性があるので、指輪か魔除けを拾ったらひたすら魔法除去との繰り返しでヒーリング+が付くのを狙ってみる価値はあります。

  • 2倍(3倍)ダメージ:(種族名)
    特定種族に2倍(3倍)ダメージを与える効果です。敵の中でも特に竜系や悪魔系、不死系は厄介なのでこの効果がついた武器や小手があると有利に戦えます。またごく稀に特定の種族の代わりに「すべて」の種族に2倍(3倍)ダメージの効果がつくことがあり、それがついた装備品は最終装備になりえます。

もちろんメリットばかりではなく、「パラメーターのマイナス補正」「敵からのダメージ倍増」「呪い」などのデメリットが付くこともあるのですが、それを考慮に入れても本作のトレジャーハンティングは今までのシリーズ作品よりも幅広いものとなっています。また、それぞれ特徴的な傾向の魔法効果が固定で設定されている「スペシャルアイテム」もかなりの数があり、これを集めるのも楽しみの一つと言えるでしょう。

なお、今回の『五つの試練』DLC版では自動的に付与される効果の傾向はアイテムの種類ごとにある程度調整されているそうです。

1度入ったら脱出不可。“4つ目”はLv1のキャラクターのみが挑める「テッドの迷宮」

「カラムの洞窟」「デュエルの洞窟」「リュードの迷宮」の3ダンジョンをクリアすると現れるのが、「テッドの迷宮」です。2005年版では、後日の更新で追加されたこのダンジョンもDLC版では配信日からプレイ可能です。

このダンジョンは「Lv1かつ何もアイテムを持たないキャラクターのみ入場可能」「1度入るとクリアアイテムを持ち帰るまで地上への脱出不可」という、当時、今までのシリーズで例がなかったダンジョンとなっています。前述の入場ルールはローグライクを強く想起させますが、ダンジョンマップそのものは固定です。

地上に戻ることができない代わりに、迷宮内には商人・宿屋・寺院といった施設が配置された拠点となる階層が用意されており、こうした拠点を活用しつつ全20階の迷宮に挑みます。このダンジョンのプレイ感覚はFC版の初代『女神転生』が近いかもしれません。

前述の制限のため、本ダンジョンには新規キャラクターを6人作るか、今までの迷宮をクリアしたキャラクターにリュードの迷宮クリア特典のアイテム「初心者の指輪」のスペシャルパワーを使用してレベルリセットしてから挑むことになります。レベルリセットしたキャラクターはHP・取得呪文はそのままのため新規キャラクターに比べて大幅に有利に進めることができますが、テッドの迷宮ではLv2以降の呪文が封印状態になっており、そのままではLv1呪文しか使うことができません。

地下2階以降に点在する呪文封印の石碑を探し、そこに封じられたモンスターを撃破することで封印された呪文を使うようにすることができるようになるので、すべての呪文の解放を目指すのも本ダンジョンの目標の1つとなります。

また、テッドの迷宮には悪質な、そしてまさしく「トラップ」として、オートマップが消去されてしまう「オートマッピング忘却」のスイッチが各フロアに1つずつ設置されています。怪しいスイッチを押す前には「ウィザードアイ」の結果を何処かに残しておくなど、メタ的なことも含め対処を検討しましょう。

シリーズだけでなく、古典的なレトロRPGではメタレベルでの攻略が度々有効(『ウィザードリィ』でよく知られるリセットもその一部です。今作では[Ctrl]+[F1]もしくは[↑]+[R2])ですが、今作ではその流れはこの部分に顕著です。

古典的なダンジョン探索とアイテム集めとキャラクター成長。原始的なDRPGの楽しさが詰まってる

本作は古典的なRPGを指向したゲームであり、それらに共通する序盤の敵の強さ・回復手段の貧弱さといった序盤の敷居の高さは否めません。しかしながら今作では、ゲーム中盤以降はさまざまな魔法が付与されたアイテムや、過去作と比べても強力な回復魔法の登場などで一気に楽しみ方が増します。本作のタイトルにも冠された「戦闘」と、それに伴うアイテム入手やキャラクターの成長という、DRPGの根源的な面白さが本作には詰まっています。

またSteam版『五つの試練』本体側の機能として、キャラクターに自分の好きなポートレートを設定して遊ぶこともできるので、自分だけの冒険者や、クロスオーバーを想像して遊んでみるのも楽しいものだと思います。

今作は、古くからシリーズに親しんだ人にも、近年のDRPGしか遊んだことのない人が18年前の古典的『ウィザードリィ』に入門してみるのにも、おすすめの一作です。『戦闘の監獄』を既に遊んだことのある方も新たなイベントの追加などで新鮮な気持ちで遊べるかもしれません。

スパくんのひとこと



昔からのウィザードリィファンには文句なくおススメ!この作品からWizに入るのもアリだと思うスパ!


  • タイトル:ウィザードリィ外伝 戦闘の監獄

  • 対応機種:PC(Steam

  • 記事におけるプレイ機種:PC

  • 発売日:2023年3月30日

  • 著者プレイ時間:50時間(戦闘の監獄のみで)

  • サブスク配信有無:

  • 価格:2,480円(五つの試練本体:2,980円が別途必要です)
    ※製品情報は記事執筆時点のもの




ウィザードリィ・外伝~戦闘の監獄~
¥9,000
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《ずんこ。》

石の中にいたいブロガー ずんこ。

ダンジョンの間に挟まれたい系男子。某掲示板でRPGツクールに目覚めその進捗目的でブログを書き始めるも、いつの間にかDRPGが中心の内容に変わっていた。 DRPGと麻雀・ポーカーゲームと元ネタとの差別化が光るフォロワー系ゲームをこよなく愛する。サービス終了したアーケードゲーム『ポーカースタジアム』の公式大会優勝という凄いんだか凄くないんだかわからない肩書きも持つ。

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